「グレート合体」の版間の差分
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スポンサーの主力商品たる男児向け玩具においては、元々デザインや技術の都合で体型を犠牲にしている状態のロボットを多重に合体させるという条件の悪さに加え、2号ロボを身に纏うような合体方法が仇となり、非常にゴテゴテとした不恰好な形状となってしまうことがほとんどである。一方アニメ作品内においてはスマートなプロポーションで描かれる。また、余剰パーツも'''大人の都合で'''どこかへ消え失せる。近年では、玩具成形技術やデザインの向上で合体後もプロポーションに優れた物や、逆に「ゴテゴテ感」を極めると言わんばかりの物も登場している。 | スポンサーの主力商品たる男児向け玩具においては、元々デザインや技術の都合で体型を犠牲にしている状態のロボットを多重に合体させるという条件の悪さに加え、2号ロボを身に纏うような合体方法が仇となり、非常にゴテゴテとした不恰好な形状となってしまうことがほとんどである。一方アニメ作品内においてはスマートなプロポーションで描かれる。また、余剰パーツも'''大人の都合で'''どこかへ消え失せる。近年では、玩具成形技術やデザインの向上で合体後もプロポーションに優れた物や、逆に「ゴテゴテ感」を極めると言わんばかりの物も登場している。 | ||
− | + | このような形式の合体は、1988年放映の特撮作品(東映スーパー戦隊シリーズ)『超獣戦隊ライブマン』に登場した「スーパーライブロボ」及び、同年放映のアニメ作品『トランスフォーマー 超神マスターフォース』(スパロボ未参戦)に登場した「ゴッドジンライ」が最初に行ったとされる。 | |
'80年代中盤は、[[リアルロボット|リアル系]]ロボットアニメにおける主役機の[[パワーアップイベント]]、即ち新型機や後継機への[[乗り換え]]による、新たな主役ロボの登場が確立した時期である。そういった作劇方法を[[スーパーロボット|スーパー系]]ロボットアニメに取り込むことで、所謂『グレート合体』が誕生したと推測される。 | '80年代中盤は、[[リアルロボット|リアル系]]ロボットアニメにおける主役機の[[パワーアップイベント]]、即ち新型機や後継機への[[乗り換え]]による、新たな主役ロボの登場が確立した時期である。そういった作劇方法を[[スーパーロボット|スーパー系]]ロボットアニメに取り込むことで、所謂『グレート合体』が誕生したと推測される。 | ||
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− | * | + | *前述の通り、『超獣戦隊ライブマン』に登場した「スーパーライブロボ」がグレート合体の始まりとされているが、当番組において2号ロボとの合体は番組強化方針のための[[テコ入れ]]の一つであり後付け設定でもあった。 |
**そのため、2号ロボの変形パターンと合体パターンの考案は困難を極め、最終的に当時大流行していた漫画及びアニメ『聖闘士星矢(セイントセイヤ)』に登場する星座を模ったオブジェから装着者の鎧へと変形する『聖衣(クロス)』を参考とし、「2号ロボ及びサポートメカが1号ロボの強化パーツとなる」という黄金パターンが編み出された。 | **そのため、2号ロボの変形パターンと合体パターンの考案は困難を極め、最終的に当時大流行していた漫画及びアニメ『聖闘士星矢(セイントセイヤ)』に登場する星座を模ったオブジェから装着者の鎧へと変形する『聖衣(クロス)』を参考とし、「2号ロボ及びサポートメカが1号ロボの強化パーツとなる」という黄金パターンが編み出された。 | ||
− | ** | + | **上記のパターンではプロポーションが崩れるという意見もあり、1991年放送のスーパー戦隊シリーズ『鳥人戦隊ジェットマン』の「グレートイカロス」は、1号ロボ「ジェットイカロス」及び2号ロボ「ジェットガルーダ」が共に分解状態になってから合体することで、プロポーションの破綻を抑える手法がとられている。 |
+ | **ちなみに2015年現在、最も大掛かりなグレート合体をする主役ロボは、2008年放送のスーパー戦隊シリーズ『炎神(エンジン)戦隊ゴーオンジャー』の「エンジンオーG12(ジー・トゥエルブ)」である。<br>このロボ、1号ロボ「エンジンオー」に2号ロボ「ガンバルオー」・3号ロボ「セイクウオー」・4号ロボ「キョウレツオー」の'''合計4体・コアマシン12機が合体する'''という凄まじいもので、玩具も'''「鈍器」「置物」'''と揶揄されるほどの大ボリュームを誇る。 | ||
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2016年7月31日 (日) 21:24時点における版
グレート合体(Great Combine)
スーパー系のロボットアニメで多く見られる、主役ロボットのパワーアップ合体方法の俗称。「スーパー合体」とも呼ばれる。
おおまかな定義としては、複数のメカが合体して完成するタイプの1号ロボ(主役ロボ)の腕部や脚部、頭部などに2号機ロボやサポートメカが装甲パーツの形態に変形し装着され、「1号ロボに武具を着せた強化形態」となるものを指し、装甲パーツに変形する側のロボットが一度各部分を分解して、装甲パーツへ再び組みなおされるような変形を行うパターンが多くを占める(この際にいわゆる「余剰パーツ」が発生することもしばしばある)。足につけられる強化パーツは外見的に「主役ロボに履かせる靴」のような状態となることもあり、慣用句の「下駄を履かせる」とかけあわせて下駄合体と揶揄されることもある。
スポンサーの主力商品たる男児向け玩具においては、元々デザインや技術の都合で体型を犠牲にしている状態のロボットを多重に合体させるという条件の悪さに加え、2号ロボを身に纏うような合体方法が仇となり、非常にゴテゴテとした不恰好な形状となってしまうことがほとんどである。一方アニメ作品内においてはスマートなプロポーションで描かれる。また、余剰パーツも大人の都合でどこかへ消え失せる。近年では、玩具成形技術やデザインの向上で合体後もプロポーションに優れた物や、逆に「ゴテゴテ感」を極めると言わんばかりの物も登場している。
このような形式の合体は、1988年放映の特撮作品(東映スーパー戦隊シリーズ)『超獣戦隊ライブマン』に登場した「スーパーライブロボ」及び、同年放映のアニメ作品『トランスフォーマー 超神マスターフォース』(スパロボ未参戦)に登場した「ゴッドジンライ」が最初に行ったとされる。
'80年代中盤は、リアル系ロボットアニメにおける主役機のパワーアップイベント、即ち新型機や後継機への乗り換えによる、新たな主役ロボの登場が確立した時期である。そういった作劇方法をスーパー系ロボットアニメに取り込むことで、所謂『グレート合体』が誕生したと推測される。
勇者シリーズの各作品では、番組後半にこのような合体方法で主役ロボが強化されることが多く、強化形態となった主役ロボットの名前が「グレート○○○」とつけられることが多かったことから、「グレート合体」という名称が自然発生的に生まれた。ただし、先述の通り「グレート合体」形式の登場自体は、勇者シリーズの誕生前である。
関連するユニット
- グレートマイトガイン
- マイトガインにマイトカイザーが分離したカイザーパーツが合体して完成。ただし設定上はマイトガイン用の強化パーツを人型ロボットに変形合体できるようにした、という特殊なパターン。合体コードは舞人の「レッツ・マイトガイン」とガインの「グレート・ダッシュ」。
- ゴッドライジンオー
- 2号ロボのバクリュウオーが各部装甲パーツに分解され、コアとなるライジンオーに装着されることで完成。合体コードは「超無敵合体」。
- グレートガンバルガー
- 2号および3号ロボのリボルガーとゲキリュウガーが各部装甲パーツに分解され、コアとなるガンバルガーに装着されることで完成。合体コードは「超ミラクル合体」。
- 作中ではコア機のガンバルガーにパーツが強引に装着されて合体しているが、玩具ではコア機も部分的に分解して合体させるため、合体後もプロポーションが損なわれていない。その反面、大量の余剰パーツが出る。
- キングゴウザウラー
- ゴウザウラーと、2号および3号ロボのマグナザウラー、グランザウラーがそれぞれ分離・再合体することで完成。3機全てをパーツ分解させる方式のためプロポーションは良好で、余剰パーツも最小限に抑えられている。合体コードは「超熱血合体」。
- パーフェクトダイテイオー
- ダイテイオーとダイリュウオーの合体により完成。合体コードは「完全勝利合体」。
- アルティメットグラヴィオン
- ゴッドΣグラヴィオンが4つの強化パーツに分解され、ソルグラヴィオンに装着されることで完成。現時点では合体攻撃演出でのみの登場。合体コードは「最凶合神」。
- グリッターファルセイバー
- ファルセイバーとブルーヴィクターの合体により完成。ただしファルセイバーは複数のメカが合体したものではない。合体コードは「輝煌合体」。
余談
- 前述の通り、『超獣戦隊ライブマン』に登場した「スーパーライブロボ」がグレート合体の始まりとされているが、当番組において2号ロボとの合体は番組強化方針のためのテコ入れの一つであり後付け設定でもあった。
- そのため、2号ロボの変形パターンと合体パターンの考案は困難を極め、最終的に当時大流行していた漫画及びアニメ『聖闘士星矢(セイントセイヤ)』に登場する星座を模ったオブジェから装着者の鎧へと変形する『聖衣(クロス)』を参考とし、「2号ロボ及びサポートメカが1号ロボの強化パーツとなる」という黄金パターンが編み出された。
- 上記のパターンではプロポーションが崩れるという意見もあり、1991年放送のスーパー戦隊シリーズ『鳥人戦隊ジェットマン』の「グレートイカロス」は、1号ロボ「ジェットイカロス」及び2号ロボ「ジェットガルーダ」が共に分解状態になってから合体することで、プロポーションの破綻を抑える手法がとられている。
- ちなみに2015年現在、最も大掛かりなグレート合体をする主役ロボは、2008年放送のスーパー戦隊シリーズ『炎神(エンジン)戦隊ゴーオンジャー』の「エンジンオーG12(ジー・トゥエルブ)」である。
このロボ、1号ロボ「エンジンオー」に2号ロボ「ガンバルオー」・3号ロボ「セイクウオー」・4号ロボ「キョウレツオー」の合計4体・コアマシン12機が合体するという凄まじいもので、玩具も「鈍器」「置物」と揶揄されるほどの大ボリュームを誇る。