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| :「自分が持つのは能力だけではない」と否定するキラだが、クルーゼもまた「そんな事は誰も理解しない」と否定する。 | | :「自分が持つのは能力だけではない」と否定するキラだが、クルーゼもまた「そんな事は誰も理解しない」と否定する。 |
| :因みに「分からぬさ!」の時、'''唐突に叫び声を上げるクルーゼの顔がドアップになる'''ため、妙に印象に残っている、もしくは'''唐突過ぎて真面目なシーンなのに思わず笑ってしまった'''という視聴者が多発した。 | | :因みに「分からぬさ!」の時、'''唐突に叫び声を上げるクルーゼの顔がドアップになる'''ため、妙に印象に残っている、もしくは'''唐突過ぎて真面目なシーンなのに思わず笑ってしまった'''という視聴者が多発した。 |
− | :「能力だけが全てではない」というキラの言葉は、もはやラウにとって自分がそうであるかないかを認める問題ではなく『それが分かるのなら、自分のようなモノを作らないし……能力や容姿目当てに買い物をしたりしない』という人間の悪性を断じていた。現に二年後には[[ギルバート・デュランダル|彼の旧友]]が遺伝子に基づく能力以外は不要と断じるような社会を作ろうとしたので、当たらずとも遠からずで……正論であった。 | + | :「能力だけが全てではない」というキラの言葉は、もはやラウにとって自分がそうであるかないかを認める問題ではなく『それが分かるのなら、自分のようなモノを作らないし……能力や容姿目当てに買い物をしたりしない』という人間の悪性を断じていた。現に二年後には[[ギルバート・デュランダル|彼の旧友]]が遺伝子に基づく能力以外は不要と断じるような社会を作ろうとしており、クルーゼの言葉は当たらずとも遠からずで……正論であった。 |
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| ;「君の歌は好きだったがね……だが、世界は歌のように優しくはない!」 | | ;「君の歌は好きだったがね……だが、世界は歌のように優しくはない!」 |
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| :ザフトを「正義と信じ」入隊したアスラン達、地球軍としては異質な存在であるキラを「分かろうとしなかった」マリューやフレイ、キラの苦悩を「知らず」に傷付けたサイ、そのサイの言葉も「聞かなかった」キラ。確かに多くのキャラは彼の言った通りの行動を取っている。 | | :ザフトを「正義と信じ」入隊したアスラン達、地球軍としては異質な存在であるキラを「分かろうとしなかった」マリューやフレイ、キラの苦悩を「知らず」に傷付けたサイ、そのサイの言葉も「聞かなかった」キラ。確かに多くのキャラは彼の言った通りの行動を取っている。 |
| :しかし、彼が利用していたアズラエル、パトリックの両名の暴走はどちらも傍の人間によって止められている。 | | :しかし、彼が利用していたアズラエル、パトリックの両名の暴走はどちらも傍の人間によって止められている。 |
− | :二年後にも、[[シン・アスカ|ある少年]]は「自分だけが正しく、それを認めないモノは間違っている」という状態に陥っていた。精神状態を顧みてもそれは覆らない事実でラウが憎む人類そのもの。人の悪性の権化である故にラウは正しいことを言っていた。 | + | :二年後にも、[[シン・アスカ|ある少年]]は「自分だけが正しく、それを認めないモノは間違っている」という状態に陥っていた。精神状態を顧みてもそれは覆らない事実でラウが憎む人類そのもの。 |
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| ;キラ「そんな、あなたの理屈!」 | | ;キラ「そんな、あなたの理屈!」 |
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| ;「フ…フフフフ、ハーハッハッハ!どの道、私の勝ちだ!ヤキンが自爆すれば、ジェネシスは発射される!」<br />「最早止める術はない! 地は焼かれ、涙と悲鳴は新たなる争いの狼煙となる!」<br />「人が数多持つ予言の日だ!」<br />「それだけの業、重ねてきたのは誰だ!? 君とてその一つだろうが!!」 | | ;「フ…フフフフ、ハーハッハッハ!どの道、私の勝ちだ!ヤキンが自爆すれば、ジェネシスは発射される!」<br />「最早止める術はない! 地は焼かれ、涙と悲鳴は新たなる争いの狼煙となる!」<br />「人が数多持つ予言の日だ!」<br />「それだけの業、重ねてきたのは誰だ!? 君とてその一つだろうが!!」 |
− | :最期まで人間を否定し続けたラウ。 | + | :最期まで人間を否定し続けたラウ・ル・クルーゼ。確かに彼はお膳立てこそしたが、その上で殲滅という道を選んだのは人類である。その揺るぎない事実に対し、キラが出した答えは「それでも、手の届く限りを守りたい」というエゴを抱いてぶつかることだった。 |
− | :キラ自身も多くの命を奪い続けた故に、全てを否定は出来なかったが、守りたいものがあるキラはその憎悪に向かっていった。 | + | :クルーゼの主張と行動は一貫して「人の悪性こそがこの世の真理であり、だからこそ私が何もしなくても勝手に人は殺し合い、そして滅ぶ」という理屈に基づいたものであり、実際身勝手な意見ではあるのだが、'''コズミック・イラという時代がその「身勝手な意見」通りに動いたことがクルーゼの主張に裏付けを与えてしまっていた。''' |
| + | :むろん三隻同盟を始め、ザフト内にもイザークやレイ・ユウキなどこの状況を止めようとする者は少なからずおり、そのおかげで本物の絶滅はギリギリで免れたが、裏を返せばその時点まではまさにクルーゼの言った通りに事が運んでいたのである。その観点では、人類に己自身を滅ぼさせようとしたクルーゼは、ある意味最後まで人間を信じていたと言えるかもしれない。 |
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| === SEED DESTINY === | | === SEED DESTINY === |