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660 バイト追加 、 2020年7月18日 (土) 01:59
悲愴な記述が見受けられため、及び変移が明確に原作と記述が異なっているため
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その正体は、宇宙世紀元年を祝してセレモニーで公開されるはずだった、宇宙世紀憲章を認めた石碑。サイアムの眠る氷室を収めた航宙艦メガラニカに封印されている。
 
その正体は、宇宙世紀元年を祝してセレモニーで公開されるはずだった、宇宙世紀憲章を認めた石碑。サイアムの眠る氷室を収めた航宙艦メガラニカに封印されている。
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サイアムの持ち帰った「箱」はオリジナルの石碑であり、これにはレプリカにも刻まれた第六章に加え、[[スペースノイド]]後に言う[[ニュータイプ]]への権利を明文化した七番目の章立てが存在していた。これは、マーセナス首相の[[暗殺]]が連邦政府内の極右派による自作自演であることを裏付ける決定的な証拠となりえた(逆に言えば当時はその程度の意味しかなかった)が、サイアムは上手く立ち回ることでそれを握る己を守りつつ「箱」を自身から切り離して秘匿し、同時にいずれ来たる「箱」の開放に備えてビスト財団を作り上げていた。
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サイアムの持ち帰った「箱」はオリジナルの石碑であり、これにはレプリカにも刻まれた第六章に加え、[[スペースノイド]]後に言う[[ニュータイプ]]への権利を明文化した七番目の章立てが存在していた。これは、リカルド・マーセナス首相の[[暗殺]]が連邦政府内の極右派による自作自演であることを裏付ける決定的な証拠となりえた(逆に言えば当時はその程度の意味しかなかった)が、サイアムは上手く立ち回ることでそれを握る己を守りつつ「箱」を自身から切り離して秘匿し、同時にいずれ来たる「箱」の開放に備えてビスト財団を作り上げていた。
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なお、その第七章は将来現れる新人類に対して、(「権利を保障する」「平等に扱う」等ではなく)「最優先的に政府運営に参加させる」というとんでもない条文であり、結果的には封印されて良かったのでは、と言う印象は否めない。サイアムはその印象を利用して「封印されてよかった→これからも封印されなくてはならない→封印しているサイアムに便宜を図らなくてはならない」と言う形で利用していったのである。
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なお、その第七章第十五条は将来現れる新人類に対して、(「権利を保障する」「平等に扱う」等ではなく)「優先的に政府運営に参画させる」といういかようにもとれる条文であり、後述の箱の意味の変遷と合わせると立案された当初から問題のある条文であるとも言える。しかし、この削除された条文は宇宙世紀という暦が始まる前の歴史の時点で逼塞しつつあった世界の中で、自分たちの子の、孫の、その後の子孫に何か遺してあげたい、という「善意」から端を発しているものであり、「人の行動は全て善意から発しているもの」という機動戦士ガンダムUCのテーマに沿ったものであり、お話の核心部分の秘密として相応しいものといえる。
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=== ジオンの台頭 ===
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=== 『箱』の意味の変遷 ===
しかし、のちにジオン・ズム・ダイクンによって「宇宙に出た人間は、進化しうる」というジオニズム思想が世に出たことにより、スペースノイドの権利と政治への優先的介入を明記した「箱」の第七章碑文が、連邦政府にとって噂の域を超えた本物のタブーとなってしまったことで全てが狂い始める。もし「箱」の存在がジオニズム信奉者達に知れれば、彼らはその碑文を根拠に政治的権利を主張するのは必然であり、それを拒む連邦との間で激しい衝突が起こることもまた火を見るよりも明らかであった。そのため連邦政府は、真実を隠匿し続けた(このため、「箱を封じた」という事実自体が重みを帯びるようになった)。さらにサイアムはそれを利用し、自らが「箱」を保持しているという事実を以て政府を脅迫した。
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当初、箱を手にしたサイアムの要求は連邦政府に些細な便宜を図らせるなどの政府の存続に影響のない程度であり、この賢い選択を続けたことにより、田舎の新進企業であったアナハイムを苗床にしてビスト財団を巨大化させていった
 
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しかし、のちにジオン・ズム・ダイクンによって「宇宙に出た人間は、進化しうるといい、棄民たるスペースノイドこそがその魁である」というニュータイプ論が世に出たことにより、スペースノイドの独立運動と合流し、ジオニズムという新たな主義を生み出した瞬間、権利と政治への優先的介入を明記した「箱」の第七章碑文が、連邦政府にとって噂の域を超えた本物のタブーとなってしまったことで全てが狂い始める。もし「箱」の存在がジオニズム信奉者達に知れれば、彼らはその碑文を根拠に政治的権利を主張するのは必然であり、それを拒む連邦との間で激しい衝突が起こることも予想された。そのため連邦政府は、真実を隠匿し続けた(このため、「箱を封じた」という事実自体が重みを帯びるようになった)。さらに政治工作により「箱」そのものの意味を自らから遠ざけた結果、サイアムの立ち上げたビスト財団を潰しても「箱」の秘密も所在もわからないまま、という状態が成立。この結果、「箱」=宇宙世紀憲章の石碑という単純な真相が世に出ることのないまま、サイアムの存在からその(政府にとっての)危険性だけが一人歩きし、ある種の都市伝説として広まっていくことになった。
だが、彼の要求は資金などの政府の存続に影響のないレベルに終始しており、さらに政治工作により「箱」そのものの意味を自らから遠ざけた結果、サイアムの立ち上げたビスト財団を潰しても「箱」の秘密も所在もわからないまま、という状態が成立。この結果、「箱」=宇宙世紀憲章の石碑という単純な真相が世に出ることのないまま、サイアムの存在からその(政府にとっての)危険性だけが一人歩きし、ある種の都市伝説として広まっていくことになった。
      
=== ラプラス戦争 ===
 
=== ラプラス戦争 ===
 
宇宙世紀0096年、「シャアの反乱」の終結と、それに伴う[[ネオ・ジオン]]総帥[[シャア・アズナブル]]の戦死により、ジオンは反連邦勢力としての力を失う。生きながらえていたサイアムはこれを期に、連邦政府の絶対的統治のもとに人類が逼塞する危機を憂えて財団本来の目的である「箱」の開放を決断。孫のカーディアスにこの任務を通達する。カーディアスは「箱」をネオ・ジオンの残党に譲渡しようとしたが、この時彼は連邦軍再編計画と銘打たれたニュータイプ殲滅計画「UC計画」のフラグシップ機である[[ユニコーンガンダム]]を利用することを考案。ユニコーンの真の力である「ニュータイプ・デストロイヤー・システム」の中枢に細工を施し、特定の場所でシステムが起動するたび「箱」のありかへと少しずつ搭乗者を導いていく仕掛け「ラプラス・プログラム」をインストールした。
 
宇宙世紀0096年、「シャアの反乱」の終結と、それに伴う[[ネオ・ジオン]]総帥[[シャア・アズナブル]]の戦死により、ジオンは反連邦勢力としての力を失う。生きながらえていたサイアムはこれを期に、連邦政府の絶対的統治のもとに人類が逼塞する危機を憂えて財団本来の目的である「箱」の開放を決断。孫のカーディアスにこの任務を通達する。カーディアスは「箱」をネオ・ジオンの残党に譲渡しようとしたが、この時彼は連邦軍再編計画と銘打たれたニュータイプ殲滅計画「UC計画」のフラグシップ機である[[ユニコーンガンダム]]を利用することを考案。ユニコーンの真の力である「ニュータイプ・デストロイヤー・システム」の中枢に細工を施し、特定の場所でシステムが起動するたび「箱」のありかへと少しずつ搭乗者を導いていく仕掛け「ラプラス・プログラム」をインストールした。
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だが、この計画を嗅ぎ付けた[[マーサ・ビスト・カーバイン]]は甥の[[アルベルト・ビスト]]を通じ、「箱」を受け取るべくインダストリアル7を訪れたガランシェール隊を、[[地球連邦軍|連邦軍]]を動かして強襲させる。混乱の中でカーディアスは死亡したが、ユニコーンガンダムは数奇な偶然を経て彼の妾腹の息子、[[バナージ・リンクス]]が受領し、戦火に身を投じる。その後、紆余曲折を経て氷室へとたどり着いたバナージとミネバに対し、サイアムは「箱」の真実と己が元年に見た幻の意味、そして進化を続けてきた人間の可能性を語りつくして落命。「箱」の真実は[[ミネバ・ラオ・ザビ]]により、世界に公表された。
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だが、この計画を嗅ぎ付けた[[マーサ・ビスト・カーバイン]]は甥の[[アルベルト・ビスト]]を通じ、「箱」を受け取るべくインダストリアル7を訪れたガランシェール隊を、[[地球連邦軍|連邦軍]]を動かして強襲させる。混乱の中でカーディアスは死亡したが、ユニコーンガンダムは数奇な偶然を経て彼の息子、[[バナージ・リンクス]]が受領し、戦火に身を投じる。その後、紆余曲折を経て氷室へとたどり着いたバナージとミネバに対し、サイアムは「箱」の真実と己が元年に見た幻の意味、そして進化を続けてきた人間の可能性を語りつくして落命。「箱」の真実は[[ミネバ・ラオ・ザビ]]により、世界に公表された。
    
ちなみにサイアムが宇宙世紀元年、ラプラスを爆破した際に見た幻とは、'''当時まだ存在していない[[ザク]]の群れと、一年戦争におけるコロニー落としの光景'''である(無論、事件当時はモビルスーツという言葉すら存在していない)。サイアムはこれを、ラプラスの亡霊たちが「止めてくれ」と示した最悪の未来だったのではないか、と推察している。
 
ちなみにサイアムが宇宙世紀元年、ラプラスを爆破した際に見た幻とは、'''当時まだ存在していない[[ザク]]の群れと、一年戦争におけるコロニー落としの光景'''である(無論、事件当時はモビルスーツという言葉すら存在していない)。サイアムはこれを、ラプラスの亡霊たちが「止めてくれ」と示した最悪の未来だったのではないか、と推察している。
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箱の開放が後の世にどのような影響を与えたかは語られていないが、少なくとも[[機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ|それに]][[機動戦士ガンダムF90|よって]][[機動戦士ガンダムF91|戦火が]][[機動戦士クロスボーン・ガンダム|収まる]][[機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人|ことが]][[機動戦士Vガンダム|なかった]]のは確かである。しかし「それでも」、人々の心に「希望という光」が僅かながらも灯ったことをバナージが感じ取ったところで、「ガンダムUC」の物語は終わる。
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物語のクライマックス、箱は遂に開かれ、地球圏の人々は真実を知ることとなる。だが、ローナン・マーセナスの「大衆は忘れやすいものだ。四、五年も経てば、『ラプラスの箱』のことなど誰も気にしなくなる」の発言にもあるように、[[機動戦士ガンダムNT]]の冒頭でも語られている通り世界は大きく変わらずであった。しかし、ラプラスの箱を巡る旅において、数多の人の意思に触れ、悪意を以って行く手を阻む[[フル・フロンタル]]を跳ね除け、刻を垣間見てこの後も地球圏は戦火に包まれるという暗澹たる事実を呑み込んだバナージは人の可能性を信じ続ける道を選んだ。
    
== 登場作と扱われ方 ==
 
== 登場作と扱われ方 ==

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