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| == 概要 == | | == 概要 == |
− | 「ゾイド」は様々な動物をモチーフとしたメカニックが人気を呼んだトミー製の玩具で、組立て式のキットが中心。玩具シリーズは1983年から「'''メカ生体ゾイド'''」の名で展開が開始されている。電動モーターやゼンマイによる駆動ギミックが最大の特徴で、全盛期にはガンプラにも比肩する人気シリーズであった。
| + | 「ゾイド」は様々な動物をモチーフとしたメカニックが人気を呼んだトミー製の玩具で、組立て式のキットが中心。電動モーターやゼンマイによる駆動ギミックが最大の特徴で、全盛期にはガンプラにも比肩する人気シリーズであった。 |
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− | 商品展開のためのバックグラウンド要素として「地球型惑星"Zi"(旧設定では"ゾイド星")を舞台に、へリック共和国とゼネバス帝国がゾイドを用いた戦争を繰り広げる」という戦記ものの世界観が設定された。この背景設定はガンダムシリーズ以後の所謂[[リアルロボット]]アニメの影響を強く受けているが、ミリタリー要素をより強く推し出すことで、よくあるガンダムの模倣ではない独自の作風を確立する事に成功した。
| + | ゾイドのコンテンツとしての母体はあくまで玩具サイドであるため、玩具メーカー(タカラトミー)によって玩具のための詳細な物語が先に創られ、それを「原作」としてアニメ化やコミカライズといったメディア展開が行われている。アニメで描かれた新しい世界観やストーリーもアニメスタッフが考えたものではなく、ゾイドの玩具企画室が主導になって作り上げたものである(例外として、『[[機獣創世記ゾイドジェネシス]]』はアニメスタッフ主導でストーリーが作られている)。「メカとおおまかな世界観は玩具メーカーがデザインするが、実際のストーリー展開はアニメスタッフに委ねる」というような、多くのロボットアニメとは制作スタンスが根本的に異なっており、映像化されるゾイドは基本的に商品化もされていなくてはならないという理念が根底にある。ゲームなどにおいては特典としてゲームオリジナルのゾイドのキットが付くことも恒例化している。なお、コトブキヤなど他のメーカーからもゾイドのプラモデルや可動フィギュアが販売されているが、これらは「アニメ版を原作にした玩具」という扱いである。 |
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| + | スパロボ参戦についてはファンの間では期待こそされていたものの、そのハードルは非常に高いものと思われていた([[未参戦作品#競合他社が権利を所有している]])。しかし、『[[スーパーロボット大戦K]]』においてテレビアニメシリーズ第4作『機獣創世記ゾイドジェネシス』が参戦、さらに『[[スーパーロボット大戦Operation Extend]]』において第1作『[[ゾイド -ZOIDS-]]』および第2作『[[ZOIDS新世紀/ZERO]]』が参戦。参戦における障害は事実上存在しなくなったと見られる。 |
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| + | == 歴史 == |
| + | 玩具シリーズは1983年から「'''メカ生体ゾイド'''」の名で展開が開始されている。商品展開のためのバックグラウンド要素として「地球型惑星"Zi"(旧設定では"ゾイド星")を舞台に、へリック共和国とゼネバス帝国がゾイドを用いた戦争を繰り広げる」という戦記ものの世界観が設定された。この背景設定は[[ガンダムシリーズ]]以後の所謂[[リアルロボット]]アニメの影響を強く受けているが、ミリタリー要素をより強く推し出すことで、よくあるガンダムの模倣ではない独自の作風を確立する事に成功した。 |
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| このバックストーリー設定は玩具パッケージの解説書やジオラマ本「ゾイドバトルストーリー」「ゾイドグラフィックス」などで丁寧に積み重ねられており、これをベースとしたコンピュータゲームやOVA(後述のTVシリーズとは異なるもの)も制作され、これらも人気を博した。1980年代当時の一連のゾイド展開は、現在もひとつのSF仮想戦記として高く評価されている。 | | このバックストーリー設定は玩具パッケージの解説書やジオラマ本「ゾイドバトルストーリー」「ゾイドグラフィックス」などで丁寧に積み重ねられており、これをベースとしたコンピュータゲームやOVA(後述のTVシリーズとは異なるもの)も制作され、これらも人気を博した。1980年代当時の一連のゾイド展開は、現在もひとつのSF仮想戦記として高く評価されている。 |
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− | 玩具のみで高密度の世界観を創り出すことに成功したゾイドシリーズは、アニメ化というメディア展開を行わないまま7年(1983年~1990年)にも渡りストーリーを築いていった。キャラクター玩具においてアニメーション展開に依らず長期間に渡って商品リリースを行った点は特筆すべきである(当時競合関係であったタカラによる『トランスフォーマーシリーズ』(SRW未参戦)でさえ、定期的に映像作品は制作されていた)。
| + | 玩具のみで高密度の世界観を創り出すことに成功したゾイドシリーズは、アニメ化というメディア展開を行わないまま7年(1983年~1990年)にも渡りストーリーを築いていった。キャラクター玩具においてアニメーション展開に依らず長期間に渡って商品リリースを行った点は特筆すべきである(当時競合関係であったタカラによる『トランスフォーマーシリーズ』〈SRW未参戦〉でさえ、定期的に映像作品は制作されていた)。 |
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| その後、約10年の休止期間を経て1999年より新たにテレビアニメを軸としたゾイドシリーズの商品展開が再始動。TVシリーズ第1作のストーリーは、それまでのゾイド同様バトルストーリーをベースとした戦記ドラマであったが、第2作以降は世界観を一新、ミリタリー色が薄められた一方で冒険活劇としてのジュブナイル色が強められ、若い世代が入りにくかったゾイドの間口を広げることに成功した。 | | その後、約10年の休止期間を経て1999年より新たにテレビアニメを軸としたゾイドシリーズの商品展開が再始動。TVシリーズ第1作のストーリーは、それまでのゾイド同様バトルストーリーをベースとした戦記ドラマであったが、第2作以降は世界観を一新、ミリタリー色が薄められた一方で冒険活劇としてのジュブナイル色が強められ、若い世代が入りにくかったゾイドの間口を広げることに成功した。 |
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− | ゾイドのコンテンツとしての母体はあくまで玩具サイドであるため、玩具メーカー(タカラトミー)によって玩具のための詳細な物語が先に創られ、それを「原作」としてアニメ化やコミカライズといったメディア展開が行われている。アニメで描かれた新しい世界観やストーリーもアニメスタッフが考えたものではなく、ゾイドの玩具企画室が主導になって作り上げたものである(例外として、『[[機獣創世記ゾイドジェネシス]]』はアニメスタッフ主導でストーリーが作られている)。「メカとおおまかな世界観は玩具メーカーがデザインするが、実際のストーリー展開はアニメスタッフに委ねる」というような、多くのロボットアニメとは制作スタンスが根本的に異なっており、映像化されるゾイドは基本的に商品化もされてなくてならないという理念が根底にある。ゲームなどにおいては特典としてゲームオリジナルのゾイドのキットが付くことも恒例化している。なお、コトブキヤなど他のメーカーからもゾイドのプラモデルや可動フィギュアが販売されているが、これらは「アニメ版を原作にした玩具」という扱いである。
| + | テレビアニメ第4作終了後はトミーがタカラトミーへ移行した影響もあり自社展開が縮小された一方、海洋堂ややまとなど他社から完成品キットが発売されたり、ホビージャパンとのコラボレーションによるアートストーリー『ZOIDS concept art』やこれを原作とした玩具シリーズ「ゾイドオリジナル」をリリースしたりと、断続的ながらコンテンツを展開させていった。 |
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− | スパロボ参戦についてはファンの間では期待こそされていたものの、そのハードルは非常に高いものと思われていた。しかし、『[[スーパーロボット大戦K]]』においてテレビアニメシリーズ第4作『[[機獣創世記ゾイドジェネシス]]』が参戦、さらに『[[スーパーロボット大戦Operation Extend]]』において第1作『[[ゾイド -ZOIDS-]]』および第2作『[[ZOIDS新世紀/ZERO]]』が参戦。参戦における障害は事実上存在しなくなったと見られる。
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− | 『ジェネシス』終了後はトミーがタカラトミーへ移行した影響もあり自社展開が縮小された一方、海洋堂ややまとなど他社から完成品キットが発売されたり、ホビージャパンとのコラボレーションによるアートストーリー『ZOIDS concept art』やこれを原作とした玩具シリーズ「ゾイドオリジナル」をリリースするなど断続的ながらコンテンツを展開させていった。
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| 2018年には、新コンセプトによる玩具や新作テレビアニメなどで展開されるゾイドシリーズの新プロジェクト『ゾイドワイルド』が発表された。タカラトミーは同プロジェクトを第1期(1983年 - 1991年)、 第2期(1999年 - 2006年)に続く第3の大型シリーズ展開と位置づけている。 | | 2018年には、新コンセプトによる玩具や新作テレビアニメなどで展開されるゾイドシリーズの新プロジェクト『ゾイドワイルド』が発表された。タカラトミーは同プロジェクトを第1期(1983年 - 1991年)、 第2期(1999年 - 2006年)に続く第3の大型シリーズ展開と位置づけている。 |
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| == 余談 == | | == 余談 == |
− | *1991年~93年にかけて、ゾイドシリーズと世界観を共有する『装甲巨神Z(ズィー)ナイト』という作品が玩具展開されていたが、こちらは売上不振により打ち切られている。戦闘ゾイドの技術が地球に持ち込まれて起こる戦乱、というのが背景設定であった。ゾイドの造形は徹底的に人型が避けられているが、『Zナイト』のメカは全て巨大人型ロボットであったのが特徴。ちなみに、サンライズによって店頭用プロモーションアニメが制作されている。 | + | *1991年から1993年にかけて、ゾイドシリーズと世界観を共有する『装甲巨神Z(ズィー)ナイト』という作品が玩具展開されていたが、こちらは売上不振により打ち切られている。戦闘ゾイドの技術が地球に持ち込まれて起こる戦乱、というのが背景設定である。ゾイドの造形は徹底的に人型が避けられているが、『Zナイト』のメカは全て巨大人型ロボットなのが特徴。ちなみに、サンライズによって店頭用プロモーションアニメが制作されている。 |
| *『[[絶対無敵ライジンオー]]』の没シナリオの1つに、「ライジンオーとキングゴジュラスを競演させる」という話があった。ちなみに『ライジンオー』もトミーがメインスポンサーである。 | | *『[[絶対無敵ライジンオー]]』の没シナリオの1つに、「ライジンオーとキングゴジュラスを競演させる」という話があった。ちなみに『ライジンオー』もトミーがメインスポンサーである。 |
| *『[[機動戦士ガンダムSEED]]』シリーズの福田巳津央監督はゾイドシリーズのファンを公言しており、[[ストライクガンダム]]の装備換装機構やガンダムシリーズ初の4足獣型MS・[[バクゥ]]等、アニメ版ゾイドシリーズを参考にしたメカニックが登場する。 | | *『[[機動戦士ガンダムSEED]]』シリーズの福田巳津央監督はゾイドシリーズのファンを公言しており、[[ストライクガンダム]]の装備換装機構やガンダムシリーズ初の4足獣型MS・[[バクゥ]]等、アニメ版ゾイドシリーズを参考にしたメカニックが登場する。 |