「城崎天児」の版間の差分

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:アニメ版では実の息子。
 
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;城崎優子
 
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:妻。日常生活では彼女が一家を取り仕切っており、天児は全く頭が上がらなかった。UXでは回想氏――んで存在のみ示唆。
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;[[早瀬浩一]]
 
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:ラインバレル3人目のファクター。彼との対峙の果て、全てを託す。
 
:ラインバレル3人目のファクター。彼との対峙の果て、全てを託す。

2013年7月1日 (月) 01:47時点における版

城崎天児(Amagathu Kizaki)

「鉄のラインバレル」に登場するキーキャラクター。原作・アニメ双方において、比重の差はあるが全ての始まりとなった人物である。

原作漫画版

絵美の父であり、ラインバレルの真のファクターたる男。少々抜け気味かつ面倒くさがりな性格で、妻・優子に頭が上がらない。その一方で天才的な科学者であり、ナノマシンとマキナを開発している。ある意味、全てを始めた元凶とも言える人物。

自らの開発したナノマシンにより、死から解放された人類が想像力を失い、自滅していく中、それを逃れる方法を模索していた。しかし、遺伝子に刻まれた情報はどうにもならないことを知った天児は、その後、マキナの原則を逆用し、ナノマシンによって共生する専属パイロットの概念を創り上げた。これがファクターである。

その後、自殺では絶対に終わるまいと加藤に自らを殺害させ、全てのマキナを破壊すべく、最後に作り上げた最強のマキナ・ラインバレルのファクターとなった。

ラインバレルを開発した理由は本人曰く「世界を壊すため」であり、壮絶な戦いにたった一人で挑む。しかし、度重なる激闘や連続転送の負荷(カウンターナノマシンで軽減されるとはいえ、ゼロには決してならない)により、肉体が徐々に崩壊。ついに人としての限界を迎えたことで、脳髄のみをバイオユニット「アーク」に保存、ラインバレルの電脳を取り除いた上でアークを接続し一体となった。

その後は「やり直された世界」において、ラインバレルの中で眠りについていたが、長崎にある加藤機関のプラント(実際はキリヤマ重工の造船所)を特務室が襲撃した際、加藤が新たに製造したアルマが現れたことがきっかけとなり、ラインバレルの真の姿を現す。

覚醒後、自身と対峙しようとする浩一を迎え入れ、未来世界が滅んだ真相、即ち想像力喪失による自滅のことを告げる。自身が死した後には絵美に全てを託すつもりだったが、対峙した浩一に「アンタのいた世界に俺がいたかよ? アンタには一緒に戦ってくれる仲間がいたのかよ!?」と問われ、浩一の覚悟を確かめた後、彼に全てを託して消滅。残っていた脳髄も崩壊し、今度こそ本当にこの世を去った。

残された謎

だが、彼の死後にはいくつかの謎が残された。主なものは、

  • 「プロトタイプ・ラインバレルを現在の姿(=沢渡いう所の「二本角」)に改修した経緯」
  • 「肉体を失った天児の脳をアークに移植し、ラインバレルの電脳と入れ替えた人物の正体」

の二つである。前者については、天児がヒトマキナについて浩一に示唆するシーンで、左半身を吹き飛ばされながらも戦っている姿が映し出されるのだが、この時乗っていたのがラインバレル・オーバーライドであった。このため、改修については、少なくとも天児自身が(誰か他のファクターの協力もあったと思われるが)行った可能性が高い。

後者については、17巻巻末の設定資料にて言及されているのみであり、本編中でそのことが話題に上ったことはない。これに伴い、天児をラインバレルそのものとした人物については完全に謎だが、時系列的にこの時点では地上に居なかった久嵩がその事を知っていた点から、彼の知る人物か、あるいは何らかの方法で彼が行った可能性もある。

そして最大の謎は、「天児はなぜ死んだのか」である。この時の天児は脳髄のみとはいえ、ラインバレルの固有ナノマシンを持つファクターであることには違いなかった。これは、ラインバレル・アマガツ覚醒時、操縦席の浩一の制御を全く受け付けなかったことからも伺える。ファクターの死とは、マキナの完全な破壊か、修復不可能なまでに肉体が破壊されるかのどちらかとなる。しかし、天児はラインバレルが健在であり、自身も肉体を失っていたとはいえ脳が無事であったため、普通ならば死ぬはずはなかった(事実、レイチェルは天児の死に関し、「脳だけの状態だったからでは?」との問いに対し「関係ない」と断言している)。にも拘わらず、彼は浩一との対話を終えた後死亡している。

この理由については全く以って不明。天児本人は「肉体を失った理由」については話したが、自身の命が消えていく理由については全く語らずに舞台から退場してしまい、手掛かりは現在の所、ない。

……のだが、実は天児の死についてはヒントが存在する。それは、オーバーライドである。

ラインバレルの固有能力であるオーバーライド、即ち「ファクターを乗せたままの連続転送」は、ファクターの肉体に多大な負荷をかける。これを緩和するための機能がカウンターナノマシンであり、ラインバレルが本来黒いのはその影響。しかし、浩一は核ミサイル破壊作戦においてカウンターナノマシンを使えないままオーバーライドを使用しており、日本のミサイルを破壊した時にはほとんど満身創痍であった。当然、真のファクター・天児自身にも相応の反動がかかっていたのは想像に難くないが、この辺りに理由があるとも推測されている。

アニメ版

久嵩や絵美からその存在が語られるのみ。統一意志セントラルの侵略兵器としてマキナを開発した後、それを破壊するためのカウンターとしてラインバレルを製造。その後、セントラルへの潜入を試みる久嵩に対し、自らを殺させることでセントラルを欺いた。結果的にこれは成功したが、同時に久嵩と絵美の間に確執を生むことになってしまった。

登場作品と役柄

スーパーロボット大戦L
アニメ版準拠であるため、本人は未登場。久嵩や絵美からその存在が語られるにとどまっている。
スーパーロボット大戦UX
原作漫画版設定で登場。今回はちゃんとキャラクターとしても登場。34話「始まりへの加速」では原作漫画版以上の無茶苦茶な暴れっぷりを見せてくれる他、後半では久嵩と再び対話する場面も。
終盤戦ではリチャードやエンネアと共に、UXを導く「意志」の一つとして何度か顔を見せる。

パイロットステータス設定の傾向

ラインバレル・アマガツとしてのものである。

能力値

全ての能力が無茶苦茶な高さを誇る。特に活性率に至っては最大160%という常識はずれの高さを誇り、こうなると与ダメージの8割を回復されてしまう

特殊スキル

2回行動 底力L9 援護攻撃L3 全体攻撃L3 気力限界突破 カウンター 見切り
「ファクター」技能がないのに自動回復する。殴れば殴るほど速くなり、最後には「必中」なしでは当てられない、「ひらめき」なしでは避けられない、という極限状態に突入する。

人間関係

城崎絵美
娘。死した後は彼女にすべてを託すつもりだったが……。
加藤久嵩
かつての助手。人類絶滅に際し、彼の手を借りて死亡、ファクターとなった。死ねばどの道ファクターとなったのだが、それでも彼に殺させたのは、自殺で終わるまいとする意地に近いもの。
アニメ版では実の息子。
城崎優子
妻。日常生活では彼女が一家を取り仕切っており、天児は全く頭が上がらなかった。UXでは回想シーンで存在のみ示唆。
早瀬浩一
ラインバレル3人目のファクター。彼との対峙の果て、全てを託す。
ナノマシン

他作品との人間関係

要咲良
UX34話にて、同化現象で動けなくなった彼女の機体を滅多斬りにした。さらにこの時制止に入ったカノン、剣司を撃墜し、衛もノックアウトする、と原作以上に暴れ回った。
刹那・F・セイエイ
43話にて、彼の使用したクアンタムバーストにより、久嵩と再び対話を果たしている。

名台詞

「僕は 二番目に絶望した人間」
「そして ナノマシンとマキナを生み出し人類を絶滅に導いた張本人―――」
「僕が 城崎天児だ」
「彼方からの接触」にて、ラインバレルの電脳世界に入り込んだ浩一の前に現れて。
「これが人類(あるじ)を失った 愚かしいほど健気な機械達の末路だ」
同話の〆、マキナ同士の戦いを浩一に垣間見せて曰く。
「あ~~~~やっぱりめんどくさいな~~~~」
回想シーン、マキナに関する会議に向かう途中のボヤキ。素の天児は結構な面倒がりらしく、この時同行していた加藤は「少しはやる気になってください」と呆れていた。ちなみにこの前の場面でも「大事な会議」と言われたのにもかからず「相手さん方にとって大事なのであって、僕には大事でもなんでもない」と言い返している。
浩一「じゃあ城崎のお母さんも……」
天児「そう 自殺だったよ」
「この時には まだファクターの概念も存在していなかったからね……どちらにせよ『何もかもが手遅れ』でどうするコトも出来なかったんだ」
妻・優子の死の場面にて。「何もかもが手遅れ」という言葉の意味は、後に浩一自身が明らかにしている。
「人を救うために生み出した僕の技術が愛する人間を死に追いやるなんて……全く想像もしていなかったよ」
その事態に曰く。全てを終わらせ、全てを始めたのは、一人の人間の想像力のなさだったのだ。
加藤「無理です!やっぱりこんなコト… 自分にはできません!!!」
天児「頼む加藤君… こうするしかないんだ!!」
加藤「……… ですが――」
天児「何時 僕の中でスイッチが入るか分からない 現にこうしている今にも…… …だから固有ナノマシンの移植なんてしている時間は無い!」
「僕が今ファクターになるには こうするしかないんだ!! …分かってくれ…」
加藤「……」
天児「君には残酷なコトを頼んでいるのは分かっている… 本当に申し訳ない…… でも こんなコト キミにしか頼めない」
「僕にはもう絵美とキミしかいないんだ…」
加藤「…… 先生…」
天児「お願いだ加藤君 僕を――僕まで自殺なんかで終わらせないでくれ」
加藤「先生…… 自分は… 自分は」
天児「分かっているよ加藤君 僕ら家族もキミが居てくれたお陰で幸せな時間を過ごせたよ ――本当にありがとう」
加藤との最後の会話。プロトタイプ・ラインバレルの前で辺り一帯が炎に包まれており、足元の家族写真が灰になっていく様が印象的。この会話の直後、言われた通りに射殺するのだがその場面を絵美に見られてしまったコトから真の物語が始まる…。
「――――何故僕が ラインバレルのファクターになったか」
「それは―――世界を 壊すためさ」
「世界を壊した男」の締め括りにて。
「…やめろ…やめろォォォォ!!」
ファクターを求め人の死体をコクピットに詰め込むマキナ達を見て。これを皮切りに、天児はたった一人、絶望的な戦いに身を投じることになる……。
「全く勘違いも甚だしいなぁ これは僕の戦いだ 君の戦いではない」
要領を得ない解答に詰めよる浩一に対して。
天児「僕が戦っていたあのマキナ達にファクターは存在しない」
浩一「え? だってマキナには原則があって 人間には危害を加えられないハズじゃ……」
天児「ヤツラは『人間』だ」
「抑制のために原則を課したがゆえ マキナ達は主を求め自らの存在意義をも求めた……結果マキナの一部が人間になり それこそが―――」
「人類絶滅の真相であり マキナ殲滅の理由だ」
「キミこそいい加減にしてくれ! 青臭い正論ばかり翳して…理想で世界は救えないんだ!!」
持論を曲げない浩一に対して。世界に絶望した男にしかし、「正義の味方」は言い返す。「理想がなくて世界が救えるか!!
「浩一クン 僕にも……キミが正義の味方であることを望ませてくれないか」
「だから壊してくれ……マキナ達の造った世界を」
「娘を…絵美をよろしく頼むよ」
浩一に全てを託して、加藤に対しての遺言を預けた後の別れ際……。
天児「本当に これで良かったのかな」
優子「これで良かったんですよ」
天児「優子…」
優子「アナタは浩一君に――次の人類に可能性を与えたんですから」
天児「可能性か…でも それは僕も彼から与えられたからだよ …絶望だけだったこんな僕にも彼は与えてくれたんだ」
優子「そうですね」
天児「僕ら大人が希望を持たなければ子どもたちに可能性は生まれない」
「――可能性が失われた世界で人類が救えるワケがない …そんな単純なコトに気づかなかったとはね」
優子「最後に気づかせて貰えたじゃないですか」
天児「そうだね」
優子「今まで本当にご苦労様でした」
天児「うん」
浩一を現実に送り返し、朽ちていくアークの中で。絶望の中にようやく希望を見出した男は、妻に手を取られ、今度こそ永久に世界から姿を消した……。

スパロボシリーズの名台詞

「加藤君……」
「ありがとう。君は僕の代わりに、たった一人で戦ってくれていたんだね……」
「でも、もういいんだ。君はもう、十分に戦った」
「忘れるな、加藤君。人は……何度だって、自らの運命を選ぶコトが出来る」
「壊してくれ。マキナ達の造った、かりそめの未来を」
「絵美や、浩一クン達と共に……」
43話「特異点」における久嵩との対話にて。革新者の導きによってかつての助手と再会を果たした男は、彼にもまた望む。かりそめの未来を壊す、「正義の味方」であるコトを。
台詞の一部は原作で浩一に対して言ったもの。

搭乗機体・関連機体

ラインバレル
本機のファクター。
ラインバレル・アマガツ
ラインバレルの真の姿。
マキナ各種
これらの機体を製造した。