アル・アジフ

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アル・アジフ(Al Azif)

  • 登場作品機神咆吼デモンベイン
  • 声優:神田理江(全年齢対象作品) / 朝宮咲(『斬魔大聖』)
  • 種族:魔導書の精霊
  • 性別:女
  • 年齢:1000歳以上(西暦730年に執筆)、外見年齢12歳程度
  • 所属:大十字探偵事務所
  • キャラクターデザイン:Niθ(原案)、橋本秀樹、桜井正明

『機神咆吼デモンベイン』のヒロイン
見た目は幼い少女だが、その実態は狂えるアラブ詩人アブドゥル・アルハザードによって西暦730年に書かれた魔導書「ネクロノミコン」の原典、「キタブ・アル・アジフ」の精霊。

遥か昔から数多の「主」と共に邪神やその下僕と戦い続けており、本編冒頭にて主を喪った状態でマスターテリオンと交戦するも、所有していた鬼械神「アイオーン」を完全に破壊されて自身もまたアーカムシティに落下。その身を狙う秘密結社ブラックロッジに襲われるが、偶然出会った九郎の才能を見出し、強引に契約を結ぶ。

性格は傲慢不遜で尊大そのものだが、正義感は強い。魔導書として戦いに明け暮れてきたため年齢の割に世間知らずな一面もあり、内面は外見通り子供っぽい。一人称は「妾」、二人称は主に「汝(なれ)」。

魔術師を消耗品、自らを武器と割り切ることで長い間戦い続けてきたが、かつての「主」達とは違い、自分のことを魔導書ではなくどこまでも「人間」として扱い接してくる九郎に対して当初は戸惑いながらも次第に好意を抱いていく。しかし、同時に今まで死なせていった「主」達に対する強い後悔の念にも苛まれていくようになり、そのことが彼女の行動を大きく変化させていくこととなる。

マスターテリオンとの戦闘でのダメージにより、魔導書としての記述の一部が「断片」としてアーカムシティ内に散逸してしまっており、作中ではブラックロッジとの戦いに並行してその回収も行うことになる。
(実体化した「断片」は女性の姿をとることが多く、しかもなぜか本人に似ず豊満なスタイルの持ち主ばかりになる)

九郎を「マギウス・スタイル」に変身させた際は2頭身程度にデフォルメされた姿「ちびアル」になる(デモンベイン搭乗時も九郎はマギウス・スタイルになるが、アルは本来の姿のまま)。ちびアルの際は声調も相応に幼くなる。

なお、彼女は「『アル・アジフ』という魔導書」なので「アル」がファーストネームというわけではないのだが、九郎などは勝手にそう呼んでいる。
(そもそもアラビア語圏における「アル」は、英語の「The」に似たような物である)

登場作品と役柄

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦UX
初登場作品。原作通り後半でしばらく離脱してしまい、その間はデモンベインが著しく弱体化する。
なお原作ゲームでは離脱後比較的すぐ復活するのだが、本作ではシナリオの都合上、三ヶ月以上も放置プレイを喰らうことに。

パイロットステータスの傾向

精神コマンド

集中加速直撃激励再動
序盤はSU出撃することも多く、もっぱら加速要員として活躍する。集中はあまり有効ではないが、加速だけだとSPが余るので適度に使っていきたい。
実のところ、精神コマンドだけ見ると離脱時に代わりに乗るエルザの方がデモンベインと相性が良かったりする。

特殊技能(特殊スキル)

魔導書
「魔導書」のスキルレベルが上がるごとに、デモンベインのMP(EN相当)の最大値と回復量が上がる。
最高位の魔導書という設定の表れか、同レベル帯のアンチクロスが持つ「魔導書」と比べてもレベルが高く、おかげで序盤から潤沢なMPを確保できる。

人間関係

大十字九郎
契約で結ばれた者。魔術師としての素質と相性の良さを見抜き、施しを行う。後に主従関係を超えた関係を築く。
覇道瑠璃
犬猿の仲。当初は本気で対立していたのもあったが、関係が改善された後もそりが合わず度々口喧嘩に発展する。
彼女のルートでは戦闘不能に陥った九郎が復活するまでの間、互いに手を取り合って戦うこととなるが、九郎と彼女の仲に強く嫉妬する。
ライカ・クルセイド
九郎と暮らし始めてからは共に食事をたかることに。彼女からは「アルちゃん」と呼ばれ、孤児ら同様可愛がられる。
彼女のルートでは九郎と彼女の仲に多少は嫉妬するものの、その強い絆を認め、羨ましがっていた。
マスターテリオン
宿敵。
エセルドレーダ
マスターテリオンの所有する魔導書「ナコト写本」の精霊で、アルの対とも呼ぶべき存在。終盤は彼女とぶつかり合う。
ダンセイニ
アルの召喚したショゴスの使い魔。黄色いゼリー状の不定形な身体を持つため、様々な姿に変化できる。
召喚以降、彼女のベッドとして扱われる。「てけり・り」としか喋れないが、意思疎通は問題なく可能。
エンネア
九郎が保護した少女。事あるごとに挑発され、しょっちゅう喧嘩に発展する。
マコト
色んな意味で彼女に狙われることに。
アズラッド
SRW未登場。マスターテリオンに殺害された前のマスターの一人で本編に名前のみで登場したが、後に過去の出来事を綴った小説『機神胎動』でその活躍が描かれ、そして続編『機神飛翔』でも一時的な復活を果たし、アイオーンと共に参戦する。
エドガー
SRW未登場。前日譚小説の一つ『軍神強襲』に登場した、ナイアルラトホテップに抹消された前のマスターの一人。
『二闘流』九朔
続編「機神飛翔デモンベイン」に登場したキャラ。アナザーブラッドを追い九郎らと共闘する。そして、九郎やアルと意外な関係を持つ。
UXでもエンディングにてその存在が示唆されている。
アナザーブラッド
続編「機神飛翔デモンベイン」に登場したキャラ。「血の怪事件」を起こし、九郎や九朔と敵対するが…。そして、彼女も九朔同様に、九郎やアルと意外な関係を持つ。
UXでもエンディングにてその存在が示唆されている。

アル・アジフの断片

欠落したアル・アジフのページが実体化した存在。女性の姿をとる事が多いが、怪物や魔術道具としての姿が本性。本体のアルとはある意味親子のような関係。

クトゥグア
アル・アジフの「クトゥグア」に関する記述が書かれたページ。
イタクァ
アル・アジフの「イタクァ」に関する記述が書かれたページ。
アトラック=ナチャ
アル・アジフの「アトラック=ナチャ」に関する記述が書かれたページ。
ニトクリスの鏡
アル・アジフの「ニトクリスの鏡」に関する記述が書かれたページ。
バルザイの偃月刀
アル・アジフの「バルザイの偃月刀」に関する記述が書かれたページ。
ロイガー&ツァール
アル・アジフの「ロイガーとツァール」に関する記述が書かれたページ。
ド・マリニーの時計
アル・アジフの「ド・マリニーの時計」に関する記述が書かれたページ。

他作品との人間関係

スーパー系

ジョセフ・カーター・ジョーンズ
UXで共演。主である九郎と仲がいいので必然的に良く絡む。
ゴゴール
UX世界における異星からの侵略者であり、人類に仇なすものとして敵対。最終決戦では自らの再生のために仲間を喰らった禍々しい姿を、邪神に近い存在になったと断言する。

リアル系

孔明リ・ガズィ
UX中盤のバイストン・ウェルルートにて、彼の考案した「魔導遁甲・空城の陣」に協力し、見事にホウジョウ軍の奸計を打ち破る。
フェストゥムELSバジュラ
最初はいずれも人類に仇なす異形として敵対視。後に対話の可能性があることを知ると、対話の方向性を自軍と模索する。

名台詞

「我が名はアル・アジフ! アブドゥル・アルハザードによって記された、世界最強の魔導書なり!」
九郎との契約時の台詞。彼女の尊大さを象徴する台詞と言える(事実最高位の魔導書なので、それほど過大な発言でもないが)。そのためか、『ニトロ+ロワイヤル』において、あるキャラからルルイエ異本(の劣化コピー)扱いされたときには、憤慨していた。ルルイエ異本自体の力はアル・アジフにも劣らないのだが、魔導書は内容の危険さから正確な模写や翻訳が難しく、写本するほど内容が劣化していくためである。
「識を伝え式を編む我。魔物の咆吼たる我」
「死を超ゆる、あらゆる写本(子)の原本(母)たる我、『アル・アジフ』の名に於いて問う」
「鋼鉄(はがね)を鎧い刃金を纏う神。人の造りし神。鬼械の神よ。汝は何者ぞ」
デモンベインを初起動した時の台詞。原作では格納庫内で搭乗する直前の台詞だが、アニメではこの台詞と共に地上に招喚した。また、アニメでは何やら奇怪な動きをしながら述べる。
UXではこの直後の台詞まで含めてDVE。初っ端から非常に長い。
「勝手に死ぬな。それと勝手に死なすな。無責任過ぎるぞ」
終盤、ベルゼビュートの攻撃によってデモンベインもろとも自身も吹き飛んだと確信した九郎が見たのは、そこにいないはずのアル・アジフだった……。
九郎「…奇跡だ」
「否。それは違う。……汝は闘った。マギウスの力を失い、デモンベインを失い、それでも汝は戦った」
「絶望的な戦力差だった。瞬滅されてもおかしくはなかった。総てを諦め投げ捨てても、誰にも責めることなど出来はしなかったろう」
「だが汝は戦った。戦い抜いた。戦って戦って戦って……今の今まで堪え続けたのだ。彼奴等を前に1歩も引かず。だから……」
「妾が間に合った。」
九郎「アル―――――――――――――――ッ!」
「そういうことだ!これは奇蹟などではない!確実に汝がもたらした、当然の結果としての勝利だ!我が主、大十字九郎!」
復活直後の会話。闘い闘い闘い抜いて、絶望的な闘いになお闘い続けた九郎が呼んだ奇蹟。それを彼女は奇蹟などではないと嘯く。必然の勝利だと。光の粒子が、最強の魔導書がデモンベインに流れこむ。今こそ魔を断つ剣は真の三位一体を取り戻したのだ。
UXでは九郎がこれの対になるセリフを第一部クライマックスで述べている。
「それは違うぞ。無貌の」
「幻ではない。喩え宇宙が覚えておらずとも、総てが消えゆくとしても、意志は其処に在ったのだ。其れを消すことなど如何なる存在にも出来ぬ。妾にも、神たる汝にも、時たるヨグ=ソトースにも、全たるアザトースにも。決して。決して」
「意志は確かに存在するのだ。そしてその意志が、未来を創っていく。此奴等の様に―――」
原作瑠璃ルートトゥルーエンディングより。消え去る因果の中で、溢れる無限光の中で、邪神へ間違いを糺す魔導書は消えていった―――
正しき出逢いを迎えるであろう、主とその恋人を祝するかのように―――
このセリフはアルルートノーマルエンドの最後のモノローグと対になっている。

迷台詞

「九郎の所有物だ」
初めて教会を訪れたときにライカに九郎との関係を聞かれたときの答え。決して間違ってはいないのだが、おかげで九郎はライカからロリコンの烙印を押されることに。さらに…。
「ご、ご主人様ぁ…(ニヤリ)」
このセリフで追い打ちをかける。九郎の言うように確信犯(もしくは悪ノリ)であることが即座に判明。続編の機神飛翔ではよりにもよって教授陣が勢ぞろいしている状態で発言し、九郎は正真正銘のペドフィリアと評されたり、ペドは専門ではないとか散々な事を言われてしまう。
「好きに生きろ」
瑠璃によって女装させられそうになっている九郎への反応、全く興味を示さなかった。
「フン、何を今さら」
九郎の人でなし発言に対して。全く持ってそのとおり。
「めしー」
教会に入るなり九郎と共に発した一声。孤児らも加わって大合唱に発展することも。
「復ッッ! 活ゥゥゥッッ――――――!」
「クハハッ……どいつもッ、こいつもッ、よくも、まあッ!完全無欠式正統派最強美少女ヒロインたる、この妾をッ!虚仮にしてくれたものだ……ッ!」
九郎「お……おい、アル?」
「今回、良いところが一つもないではないか!何なんだ妾はっ!?噛ませかッ!?新参者の引き立て役か!?Bクラスハンターだけど真の実力はSSS(トリプル・エス)か!?……謀ってくれた喃!」
「活躍の場を奪われた恨み、忘れようとて忘れられぬわ……汝らの今後の出番!根絶やしにしてくれる!」
「さあ、デモンベインに乗れぃ九郎!此奴等全員にメインヒロインが誰であるかを篤と思い知らせてくれようぞ!」
「ぽっと出の脇役風情にィィ!この物語は荷が重いわぁァ!クク……クカカッ!カァーカカカカカカカカッ!」
続編『機神飛翔デモンベイン』より。とある事情で半消滅状態にあったアルが復活を遂げた際の迷言。ドクター・ウェスト並のメタ発言をめっちゃ邪悪な笑顔でのたまうメインヒロイン様に、九郎もデモンベインも目が点になってしまった。それどころかアルが気合を入れるだけで心なしか邪悪な波動がほとばしり、周囲の雑魚を消し飛ばしたり…直前直後のシーンはドシリアスです。念のため。
「のろけか。バカップルか。失せろ」
全年齢向けWindows用格闘ゲームソフト『ニトロ+ロワイヤル』において、恋するドラゴンを「バカップル」と評したところ・・・
「誰がバカップルだ!」
「バカップルにバカップルって言われたッ!?」と返されて。ドラゴンの言うとおり、自覚がないらしい。
「フ……上等だ……妾も一つ言っておくことがある。第一話にメタトロンのシルエットが映った気がしていたが別にそんなキャラはいなかったぞ」
『ニトロ+ロワイヤル』のアルEDにて。このEDはアニメ版の出来を『ギャグマンガ日和』の人気エピソード「ソードマスターヤマト・完結編」風に解説したものである。

スパロボシリーズの名台詞

「我欲にまみれ、己の器すら見失うとは、愚かさを越えて滑稽ですらあるな!」
UX終盤のハザードとの戦闘前会話での台詞。「自分が宇宙の支配者となるのを見届けに来たのか」と嘯く、邪神にも劣らぬ醜悪さを纏う男に対し、嫌悪も露わに吐き捨てる。

搭乗・関連機体

デモンベイン
制御系のオペレーターを担当。
アイオーン
本来保有する鬼械神。原作冒頭で破壊される。

余談

  • 魔導書ネクロノミコン、およびその原典であるキタブ・アル・アジフはクトゥルフ神話に連なる物語において元々存在する書物の名前で、本作オリジナルの設定というわけではない(作中に登場する他の魔導書も概ね同様)。
  • クトゥルフ神話でネクロノミコンを読んだ人物は大抵ロクな目に遭わない。むしろネクロノミコンを読んだせいで状況が悪化する事も多い。

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