スーパーデフォルメ

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スーパーデフォルメ(Super Deformed)

デフォルメ

もともとデフォルメ(deformer:フランス語)とは、絵画・彫刻などで対象や素材の形態を変形し、その特徴を誇張・強調して表現する技法のことである。英語の「deform」は主に『変形させる』の意味で用いられる。

日本では特にリアル頭身の対象を低頭身化・簡略化することを「デフォルメ」と呼ぶが、英語圏では「Chibified」と呼ばれ区別される(Chibiは日本語のチビ)。これは「deformed」に「奇形の・醜い」といった悪い意味があるためである。

SD

日本独自の用語として「スーパーデフォルメ」(略語・SD)がある。

元々は菓子のおまけとして、リアル頭身のアニメキャラクターを2D化した消しゴム人形が付属していたことに遡る。
80年代には『キン肉マン』の「キン消し」や、『機動戦士ガンダム』の「ガン消し」などがバンダイから発売され、子供達の間で爆発的な人気を得ていた。当時はタカラ(現、タカラトミー)など玩具メーカーや菓子メーカーらも加わっていたが、そんな中でバンダイはガンダムをデフォルメしたキャラクター『SDガンダム』を生み出した。SDガンダムは人気を博してゲームやアニメとなり、現在に続く『SDガンダムシリーズ』が生まれ、「武者」「騎士」など様々な作品・キャラクターを生み出しバンダイの黄金期を支えた。
その一方、バンプレストがアミューズメント経営において様々な版権キャラクターをSD化して景品化したことが、バンプレストの基本経営戦略のうちの一つを支えた。これらの経緯から、様々な版権を得たバンプレストが独自にゲーム開発したのが、版権SDキャラクターによる「コンパチヒーローズ」と呼ばれる作品群である。
やがてそこから初代『スーパーロボット大戦』が誕生し、後に『スーパーロボット大戦シリーズ』として派生・独立していくこととなる。

「スーパーデフォルメ」はバンダイの商標登録となり、現在に至る。

なおSDブームと同時期には『ドラゴンクエスト』によって始まったファンタジーRPGブームが存在しており、両方の流れを汲むものとして、80年代後半~90年代前半にかけて「ファンタジーRPG的世界観とSD体型のロボットを組み合わせた作品」が多数制作されることとなる。代表的な作品としては『騎士ガンダム(SDガンダム外伝)』や『魔神英雄伝ワタル』、スパロボ参戦作品としては『NG騎士ラムネ&40』『覇王大系リューナイト』が挙げられる。しかしそれらの作品はファンタジー世界観に起因する他作品との合わせづらさが問題なのか、スパロボへの参戦が極めてレアなケースとなっている。

スーパーロボット大戦シリーズ

スパロボSRW)も当初は「コンパチヒーローズ」として扱われていたが、『第4次スーパーロボット大戦S)』を契機に独自路線を歩み出した。その第4次が発売後に『新スーパーロボット大戦』が発表され、この作品では「リアル頭身」で描かれたのだが、プレイヤーや開発者からの評価は思わしくなかった(主にリアルロボットスーパーロボットとの身長差や、ドットアニメ作成の手間、ロボットの版権が原因)。その後は元のSDへと立ち戻り現在に至るが、近年でもリアル頭身で描かれた作品も一部存在する(『スーパーロボット大戦Scramble Commander』シリーズなど)。

ちなみに、創通が関わる作品は、リアル等身で登場させると番組ごとに著作権料を支払わなくてはならないため、創通が関わる作品の機体はカットインも基本的にSDで描かれているだが、『スーパーロボット大戦Z』が発売以降にガンダムシリーズ(※)以外全作品にリアルサイズカットインが採用される。更に『第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇』以降の作品では全参戦作品(ガンダムシリーズを含む)にリアルサイズカットインが採用される。

近年では、戦闘アニメーションパターンの発達や動きの再現の為か、初期の本当にデフォルメ的なデザインよりはややリアル等身に近い形でのデザインになっている。特にOGシリーズやZシリーズにおいてその傾向がよく見られる。

※備考:ガンダムシリーズが関わる、SDにすれば「SDガンダム」のみの著作権料で済むとされており、膨大な額になると思われる著作権料を少しでも安く抑えたいという製作者側の都合も存在する。そのため、第2次Zまでのガンダムシリーズの機体はカットインも基本的にSDで描かれている(64NEOではゴッドガンダムにリアルサイズカットインが採用される)。なお、他のSD系作品と同じく、『SDガンダム』シリーズに属する作品タイトルは参戦する事が難しい(大人の事情か世界観の理由は不明)。

関連事項

スーパーロボット大戦シリーズ
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