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一番出番の多いOGシリーズでは輪廻転生の思想や[[虚憶]]と関連付けられる形で扱われている。この原理にもっとも深くかかわっているキャラクターと言えば、[[イングラム・プリスケン]]と[[ユーゼス・ゴッツォ]]であろう。 | 一番出番の多いOGシリーズでは輪廻転生の思想や[[虚憶]]と関連付けられる形で扱われている。この原理にもっとも深くかかわっているキャラクターと言えば、[[イングラム・プリスケン]]と[[ユーゼス・ゴッツォ]]であろう。 | ||
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2013年12月18日 (水) 14:13時点における版
因果律(いんがりつ/causality)
何かある物事が他の物事を引き起こしたり生み出している、とされる/する、結びつきのこと。
別の作品でも散見される単語だが、これはおおざっぱに言うと「世界とそこに属するモノを『こういう原因でこういう結果になっている』と規定しているルールのようなもの」である。基本的に不可逆であり、「因」と「果」が逆転することは決してない。
簡単な例を挙げると「親がいる→故に自分がいる」という感じである。ことわざで言うならば「火のない所に煙は立たぬ」と言った具合か。
スパロボシリーズにおいて
基本概念は同じ。
例えばαシリーズなら、「先史文明においてガンエデンが建造された」→「よってどの作品でどの主人公を選んでも、シリーズの最後にはケイサル・エフェスが待ち受けている」という結果に至ることになる。各主人公のルートはそれぞれが並行世界の関係にあるのがミソである。
もっと単純な例を挙げれば、クォヴレーなら「クォヴレー・ゴードンとして存在している」という結果の前に「イングラムによる干渉を受けた」という原因が存在する。裏返すと、原因が何らかの方法で(それこそCPSなどで)消去されれば、それに付随する結果もまた因果律に従って消去されることになる。
一番顕著な例であるアダマトロンを見てみると、「アダマトロンが存在する」という結果に至るために「イングが鋼龍戦隊で成長する」「マシアフたるイルイが目覚める⇒ナシム・ガンエデンが起動する」「AI1が暴走する」「南極のクロスゲートが起動する」等々の多くの「因」が必要となっているため、これらの一つでも欠けると存在できなかったことになる。
逆にアストラナガンの場合は、「OG世界での技術ではアストラナガンを造り上げることは不可能」、「行動原理もα世界でのイングラムとは異なる⇒アストラナガンの開発動機もまた存在しない」という「因」があったため、OG世界に登場できなかったともとれる。そして、機動兵器アウルゲルミルも組み込まれるブラックボックス(=アストラナガン)という重要な「因」が欠けたためOG世界に存在することはなかった。
一番出番の多いOGシリーズでは輪廻転生の思想や虚憶と関連付けられる形で扱われている。この原理にもっとも深くかかわっているキャラクターと言えば、イングラム・プリスケンとユーゼス・ゴッツォであろう。
「因果の鎖」について
イングラムとユーゼスが囚われているという謎の概念。これがために、イングラムはいずれの世界でも自己を求めながらも滅び、ユーゼスは破滅の運命から逃げられなくなっている。
イングラム達を縛る「鎖」はこの因果律の原理に関わるもので、現状起きている(イングラムなら「自我の確立に執念を燃やし、その確立と共に、あるいは程なくして命を失う」)現象は因果の「果」にあたる。つまり、それに至るまでの「因」があるはずなのだが、これに関しては全く以って不明。どこかの世界のユーゼスはこの「因」を知ろうとして頓挫し、因果に縛られない新たな世界の構築を目論んでやはり失敗したらしい。
本編のユーゼスはこれに気付いていた様子があり、CPSによって神になろうとしたのは偏にこの鎖から抜け出すためであったらしい。彼はこれから抜け出すために、経緯や方法、結末の受け止め方は違えどCPSを開発し、利用しているがその都度阻まれている。この一連の真相に気付いていた貴重な人物であるシヴァーは、クォヴレーと対峙した際に彼もまた因果の鎖に繋がれていると言及していたが、多くを語ることなく死んでしまったため真相は分からずじまいとなった。
別作品ではアサキムまでも言及している上、関連要素が藪の中であるため説得力のある推測は出来ないが、起きている事象だけで、かつイングラムとユーゼスに関してのみ言うならば、『どの世界のどの時間においても、互いに操る者、操られる者であり、最終的にはどちらも世界からいなくなる』という結果が出ている。またそれぞれに対して言うならば、イングラムは『操られた上で自我の確立に執着し、成就と共に散る』という結果、ユーゼスは『末路に破滅の運命が待っており、それを逃れようとして阻まれる』という結果が確定されている。しかし、其れに至るまでの「因」は未だわかっていない。
彼らを縛る「因果の鎖」とは、ユーゼス、イングラム、クォヴレー、シヴァー、ラオデキヤ、その他多くの人間の存在を規定している「因」と「果」が互いに影響し合い、それらが縒り合わさって収束した結果、雁字搦めになって解けなくなってしまった状態だと思われる。
DWにおいてクォヴレーは、彼らが鎖から逃れる方法はもう一つあり、それは「数多の世界が大いなる終焉を迎える時(=輪廻の可能性が消え、因果の鎖そのものが機能を失う時)」だと述べている。
ただ、「因果の鎖」という単語自体は、「因果律同士の干渉を『因』とする『果』の発生」を意味する言葉であり、イングラム達以外にも多く存在している。
第3次αハードルートの最終話において、ケイサル・エフェスは「この宇宙を縛る因果の鎖が消え去らぬ限り、我はまた現れる」と言い残して消滅したが、これが正しければ、αの次の宇宙であり、「鎖」の存在するOG世界にもかの霊帝が現れる可能性はある。
OGシリーズにおける他の「因果律」
今の所、イングラムとユーゼスに関わる以外ではそれほど深く触れられていない。しかし、第2次OGにおいて、クロスゲートを見たシュウが「因果律は収束しつつある」と述べており、世界観の根幹に関わっているのは確かな様だ。
「因果律」とは「因」があって「果」がある、という原理であるため、クロスゲートの登場によって数多くの「因」が集まり、その結末たる「果」(αシリーズで言うところのケイサル・エフェス、メタな事を言えばOGシリーズのラスボスの出現)が近い、ということなのだろう。
アサキムと因果の鎖
Zシリーズにおいてもっともこの概念に関わっているキャラクターといえば、ずばりアサキム・ドーウィンである。彼の場合は「太極の怒りに触れた」という「因」によって「呪われし放浪者として呪縛されている」という「果」が存在する。
現在のところ謎となっているのは、そもそもの「因」である太極の怒りが、なにゆえにもたらされたものなのか、とということである。
虚憶と再有生、仄めかされるマサキとの関連、そして太極そのものの性質と「大罪」とされている事柄の内容を絡め、その上で推論するならばこのようになる。
「その者」は再有生の実感を得たことで、虚憶がただのデジャブではなく、かつて起き、そしてこれから起こる「事実」であると確信したことで、これから起こる何らかの出来事(恐らくは「大切な誰かの死」)を覆すためグランゾンに挑み、そして敗北した……という経緯が見える。さらに、この行動は既に「因」が揃い、「果」として起きることが決定された事柄(=恐らくは「魔装機神」本編のストーリー)の恣意的な変更=因果律改変に当たるため、太極が「その者」を呪縛し、アサキム・ドーウィンとして変質させた、ということになる。
アサキムの場合、自らを縛る因果の鎖を解放する手段とそこへ至る道筋は既に見当がついており、後はひたすら進むのみ、という状態だったのだが、それがスフィアを集めて太極に至る、というものであり、その過程で多くの犠牲を払ったため、ZEUTHとZEXISに阻止され、火星のZONEに封印されてしまった。現在の所彼の出番はここまでとなっており、真相は解明されていない。
「因果律の番人」
イングラムの称号の一つ。アストラナガンはそのための剣であるという。 具体的にこれが何なのかは不明だが、αシリーズにおける動向や言動を見る限り、「因」への干渉と「果」の改変を目論む、言うなれば運命を都合のいいように捻じ曲げる存在を討つためのカウンター、ということだろう。
ただ単に干渉しただけ(例えば歪んだ時空を元に戻すなど)では敵とは看做されず、あくまで個人の都合で因果に干渉する者こそが彼らの敵となる。
これにもっとも当てはまるのはユーゼスだが、虚構の世界を脱出して以降、イングラムは因果の鎖によって彼の操り人形となることが確定しているため、使命を果たすことは出来なくなった。そのため、銀河大戦の一つの可能性においてクォヴレー・ゴードンがその使命を継承し、「虚空の使者」として数多の並行世界を巡ることとなった。
関連人物
- イングラム・プリスケン
- 元祖「因果律の番人」。「鎖」に囚われた男その1。どこの世界でも自意識を奪われ、死んでいる時しか自由に動けない、というシリーズきっての苦労人。
- ユーゼス・ゴッツォ
- 「鎖」に囚われた男その2。どこの世界でも破滅の運命から逃れようと足掻くが、犠牲や代償を全く考えないために都度都度阻止されている。
- ラオデキヤ・ジュデッカ・ゴッツォ
- バルマー第七艦隊司令官。SHOにおいてユーゼスの前に現れ、ズフィルードあるいはジュデッカの機体フレームを渡している。諸々のファクターから、この時現れたのは「スピリッツ」の黒幕「ジュデッカ・ゴッツォ」ではないのか、という推測がある。
- シヴァー・ゴッツォ
- 「因果の鎖」に関する真相を知っていた男。残念ながら、劇中ではクォヴレーと対峙した際にぽつぽつと語る程度で、詳しいことは何一つ語らずに死んでしまった。今後の解明が待たれる。
- クォヴレー・ゴードン
- イングラムの後継者たる「虚空からの使者」。OG世界への干渉を始めたらしいが、現出という「果」に至るにはまだ「因子」が足りないらしい。
- ケイサル・エフェス
- バルマー真の支配者。宇宙の生命を鏖殺し、まつろわぬ霊の王になろうとしていた。彼もまた「因果の鎖」に関わっていた節がある。
- シュウ・シラカワ
- アサキム・ドーウィン
- 「鎖」に囚われた男その3。並行世界のマサキであるという説が有力だったが、ユーゼスの発言でますますこの可能性が濃くなっている。
関連機体・要素
- アストラナガン
- イングラム専用機である「生と死の狭間に立つ因果律の番人」。代名詞が「漆黒の天使」であるのがミソ。
- ジュデッカ
- クロスゲート
- あらゆる因果を無視して並行世界や遠く離れた空間、果ては異なる時間すらも繋いでしまう掟破りの「次元門」。ぶっちゃけるとこのゲートが出て来た時点で「何でもあり」になってしまう。何故かと問われても「このゲートはそういうもの」「クロスゲートだから仕方ない」になるのがオチ。寺田プロデューサーが元々そういうアイテムとして考えたのが原因である。
- クロスゲート・パラダイム・システム
- 「限定因果律操作装置」。限られた空間においてだが、因果律を自在に操り神の力を発揮できる。ただし、完成度は作品を追うごとに低くなって来ており、技術的ブレイクスルーはあれど肝心な部分がどんどん欠けて来ている。
- 全ての「因」とそれに伴う「果」を残らず把握し、計算する必要があるため、完全な起動には未来予測機構あるいはそれに類するものが必要。
- ディス・アストラナガン
- 因果律をも歪めかねない負の無限力を宿した「漆黒の銃神」。クォヴレーが操ってこそ世界のための力となり得るが、そうでなければ世界を乱す破壊者となってしまう。上述のケイサル・エフェス以上の化物になり得る可能性すらある。
- アダマトロン
- OG世界のユーゼスが行き着いた「新人祖」。CPSを内蔵していたが不完全であり、おまけに計画自体も行き当たりばったりの穴だらけであったため総出で叩きのめされてあっさりと倒されてしまった。因果から脱するための小道具だったが、そもそも脱するために必要な策が尽く小賢しかったのが原因で全てが崩壊した。
- 異能生存体
- 普通の人間なら絶対に死ぬはずの大怪我を負っても「生き残る」ように因果律を歪めてしまう(というより歪められる)生命体。こちらの場合、「因」そのものではなく、そこから「果」へ至るまでの過程が変更されている、というのが正しい。