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− アイムのいた世界に存在したスフィア。資質を持った人間を外から操り、器となる搭載機を作らせるなど危険な方向で確固たる意志を持っている。至高神ソルの「物事を偽る意志」「自己防衛」を司る。+
− 嘘、つまり自分を偽る意志によって力を発揮する。反作用の正体は言葉を混乱させることで真実と嘘の境目をなくし、嘘をつけなくしてしまうこと。それをも超えて己を偽り続ける意志を貫徹することでサード・ステージに移行する。+
− 真実の自分を暴かれると力が崩壊するため、あらゆる真実を好奇心で暴き出す「知りたがる山羊」との相性が悪く、再世戦争ではこの方法で無力化された。逆に、嘘をつくということは己の感情から逃避することでもあるため、相反する感情の両立を妨害することで「いがみ合う双子」を無力化することが出来る。ただし、「いがみ合う双子」が本当のアクトを発現している場合、マスターコアとしての機能により返り討ちにされる。+
− 相生関係のスフィアは不明。「本来持っている己を偽る」という意味では、人として生来持つ感情を抑圧することで稼働する「沈黙の巨蟹」と相性がいいと思われる。
− 反作用の内容だけなら一番安全であり、極まると己の死すらも嘘に出来るため、生存性もかなり高い。+
− スフィア・アクトを発現すると目の前の現実すらも偽ることが出来、再世戦争ではアイムが実体を持った分身を多数出現させていた。+
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− 何かに対する強い欲望によって力を発揮する。エルーナルーナは戦いに対する強い欲求によって力を行使している。その反作用は、欲望の根源をなくすことで、それをも越えて求める意志を促す「'''充足感の励起'''」だと思われる。+
− スフィア・アクトは他者の力を奪い取ること。機動兵器での戦闘では相手の機体のエネルギーを強制的に低下させるという形で現れる。そのため、「欲望のままに奪う」このスフィアは、「奪われる痛みに耐える」傷だらけの獅子との相性が良く、ぶつかると互いに力を上昇させる。+
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− 前のリアクターであるガドライトはサード・ステージを自称し「表面化する感情の逆転」のスフィア・アクトを発現していたが、これは反作用を受けずにサード・ステージに移行したことによる半端物。サード・ステージに至るには、他のスフィア同様発動キーを満たして反作用を受ける状態になり、その上でそれを乗り越える意志が必要になるが、ガドライトはここに挑まなかったのが原因である。+
− そして、誰にでも至り得るとは言っても、この境地にたどり着くのは並大抵では済まない精神力と意志の強さが必要とされるため、バルビエルは12の中でもっとも複雑な条件を持つこれを「欠陥スフィア」と評していた。+
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− 相反する感情のバランスが崩れると力が破壊されるため、その均衡を嘘でかく乱する「偽りの黒羊」に無力化される。しかしこれはセカンド・ステージの話であり、それを超越したサード・ステージに移行した後は無効となる。+
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− ちなみにガドライトのスフィア・アクトの正体は厳密には感情を逆転させるものではなく、'''表面化している感情に対して逆の感情を励起し、ぶつかり合わせる'''というもの。
− 例えば劇中でも描写された元敵対勢力同士のぶつかり合いの場合、「遺恨を捨てて歩み寄る」という行動の裏には「必要がなければ歩み寄りたくなどない」という感情が存在する。そもそも人が何か行動を起こす時、強い意志を以てそれを行うのなら、本音では同じくらいそんなことはやりたくないと思っているのである(だからこそそれを実行するために「強い意志」がいる)。ガドライトの力はこの「意思の裏側の感情」、要は心の底の本音を引き出すため、まず抗いようがない。
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− 発動キーの正体は「死への志向性」であり、分かりやすく言えば人間の心の中にある死の本能、心理学でいう「デストルドー」のことであり、Zシリーズの世界観で言う「消滅しようとする力」そのものである。+
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− 自らの感情を抑圧し、己の精神を死に向かわせようとする意志によって力を発揮し、その中に己を保とうとする理性によってサード・ステージに移行する。そのため、活気や生命力に溢れた「生きている」人間では共鳴できず、意志そのものを持たない死者でも無理である。「沈黙の巨蟹」のリアクターとなり得る人間とは、生きたまま死を体現する存在……つまり「消滅しようとする力」を正しく導く「鬼宿」の人間='''生きたまま死んでいる人間達'''であり、尸空の場合は種族としての能力にスフィアが同調している。+
− 人として本来持っている感情を表に出さず、全ての行動を理性によって行うその姿は、何も知らない他者から見れば人間性の欠落した「虚無」の存在に見えるだろう。
− 反作用は不明だが、発動キー、そして反作用の共通項である「リアクターの死に繋がる」リスクからすると'''「感情の増幅」'''だと思われる。感情任せの行動によって死のリスクを増やし、それに負けず己を抑制する意志によって覚醒するのだろう。+
− スフィア・アクトは感情の動きの抑圧。相手の戦う意志や抗う精神を無力化し、耐性のない者が受け続けると意識を喪失する。特殊効果としてはSPが回復しなくなると言う形で表現されている。
− ちなみにこのスフィアの発動キーとなっている「虚無」だが、スフィアの力の根幹に意志の力が介在することを考えると、より正確に言えばそれは「死を恐れず、自然なものとして受け入れる意志」だと思われる。尸空が天獄編において、度々内心の激情を抑え損なって表に出しかけているシーンがあるのがそれを裏付ける(つまり「死への恐れ=生きたいという欲求を理性で抑え付ける」ことが同調の条件と思われる)。+
− 裏を返せばそれができずに感情を表に出してしまえばこのスフィアは無効化されるため、人間としてもっとも根源的な感情である「欲望」を引っ張り出す「欲深な金牛」に弱いと考えられる。+
− 逆に全ての感情を己の中に仕舞い込むため、感情をリンクさせることで力を発揮する「悲しみの乙女」に強いと思われる(「悲しみの乙女」は他人のための悲しみによって力を発揮するが、悲しみという感情は基本的に自己完結するものであるため、それを心の中に抑え込まれると何もできなくなる)。+
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− また、ガンレオンの意志によって、メールが死亡した際に分離・融合して蘇生させた経緯があり、以後多元戦争終結までの間、機体とメールに分かれて存在していた。その関係か、このスフィアは起動するだけならメールでも可能。+
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− 多元戦争時にリアクターとなったセツコは反作用によって味覚が消失し、視覚も消えつつあったが、それに負けずに戦う意志を貫徹したことで覚醒が進み、いち早くサード・ステージに足を踏み入れている。ただし、彼女だけは機体から降りているときにその症状が発生している。セカンドステージで発生する反作用はスフィアとの共鳴を妨げるものがほとんどである中、五感が減衰すればさらに悲しみに包まれるのでむしろ共鳴関係の維持を強制する効果ともとれる。ただ、怨嗟の魔蠍との関係を考え併せると、恐らくは自分のことで手一杯になってしまうような状況においても『他者を悲しみ、癒そうとする意思』を持ち続けることができるかということなのだと思われる。後述のスフィア・アクトや洗礼名のことも考え合わせると、このスフィアが要求する「悲哀」とは自らの不遇を嘆く感情では無く、他者の境遇を想い悲しみ、共感して力になろうとする感情であると考えられる。+
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− なお通常のサード・ステージの場合どうなったのかは不明だが、フェイクの力がSPの減少であることから、悲しみを伝播させ心を疲弊させるものだと思われる(この場合だと、「怨嗟の魔蠍」は憎しみを癒されるのではなく、疲れ切った心が憎しみを維持できなくなる)。+
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− クロウは再世戦争でこの問題を解決するため、筋金入りの守銭奴という自身の性格を利用して、コクピット内に金の音を鳴らす「コイン・ドロップ・システム」を採用することで反作用に対処。天獄戦争でサード・ステージに至ったが、再世戦争終盤の時点でアクトの片鱗を見せており、ゼロ・レクイエムが何のために行われているのかを察知していた。+
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− 憎しみに生きることを悲しみ、心を癒そうとする「悲しみの乙女」との相性が致命的に悪い。+
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− この事から、前のリアクターであったキング・インサラウム1世はどれほどの大人物であったのかとユーザー間で話題になっている。+
− 要求されるのが強い意志で共通している「揺れる天秤」との相性がよく、互いに共鳴して力を高める。+
− スフィア・アクトは不明だが、フェイクの能力が「EN回復封印」であることと、「いがみ合う双子」の例、そして再世篇のユーサーのエースボーナスから考えれば、恐らく「他者に力を与える」能力であろうと考えられる。+
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− ちなみにシュロウガとうお座には一見何の関連もないように思えるが、うお座のモチーフの一つであるエロースは古代の記述において全能の神とされていた(加えて両者とも「他人の感情に干渉する」権能を持つ)ことから、かつての至高神ソルと同質の存在であるシュロウガと共通する要素があると言える。
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→スフィア一覧
*搭載機:[[アリエティス]]
*搭載機:[[アリエティス]]
*発動キー:「嘘」
*発動キー:「嘘」
*反作用:「言語能力の混乱」
*反作用:「意志の混同」
*スフィア・アクト:「真偽の境界の歪曲」
*スフィア・アクト:「真偽の境界の歪曲」
アイムのいた世界に存在したスフィア。至高神ソルの「防衛本能」を司る。
反作用を受けると発する言葉が意味をなさない単語の羅列となり、悪化すると単語ですらない音の連なりになる。資格者となったアイムを操ってアリエティスを建造させるなど、このスフィア自体が意志を持っているような様子が見られたが、そんな反作用の正体は「'''自他の意志の混同'''」。
外に出る言葉を歪めることで「嘘か本当かわからない」状態にする=嘘をつくことを妨害するのが反作用であると考えられていたが、そもそも反作用とはリアクターの内面に作用するものであることを考えると、その本質は「'''自他の意志の境界を歪めることで、リアクター自身にも何が嘘で何が本当かわからない状態に陥れる'''」というものだと思われる。
アイムの意志を取り込んでアリエティスを建造させたのも、いわばスフィア≒ソルの意志とアイムの意志を混同させることで、アイム自身にも自分が自分の意志で動いているのか、誰かに動かされているのか全くわからない状態にした(=自分の真意を自分ですらわからなくさせた)、ということだろう。
アイム自身、元々は小心者で虚栄心が強い人間だったため、
結果としてリアクターは他人は元より自分の中ですら真偽の判別ができない極限状態に陥るが、そんな状態でも偽りを貫徹することでサード・ステージに移行する。
このスフィアが求める「嘘」とは、ただ他人を騙したり嘘をついたりと言ったものではなく、真実の自分を確固たるものとしたうえで偽りの仮面を被り演じ抜く意志力を示している。即ち、真に偽るべきはリアクター自身であり、版権作品で言えば[[ゼロレクイエム]]時のルルーシュが近いか。
アイムの場合は「ハーマル・アルゴー」としての自分を隠し遠ざけるためにスフィアの力を使っており、結果的に反作用の効果は言語の混乱だけで済んでいたが、同じ理由でサード・ステージへの到達は失敗に終わっている。
真のサード・ステージに至るには、真実の自分をありのままに認めた上で偽りの仮面を被り通す、乱暴に言えば極限まで強がりその姿勢を崩さないだけの意志力が必要となる。
意志力の境界線を歪めることで稼働するこのスフィアは、その力を波及させることによって、相反する意志の均衡を保つことで稼働する「いがみ合う双子」を無力化することができる。しかし、あらゆる真実を好奇心のままに暴き立て知らしめる「知りたがる山羊」に対しては、仮面の下の素顔を白日の下に曝されることで嘘が成立しなくなり、力を失ってしまう。「揺れる天秤」と異なり仮面そのものを剥がされてしまうのである。
相生するスフィアは不明。このスフィアは本来あるべき自分を隠し、虚偽で作った別の人物像を被せて演じることで力を発揮する。それは言い換えれば、自分の中の感情すらも偽り本音を徹底的に覆い隠すことに繋がるため、「沈黙の巨蟹」と相性がいいと考えられる。
対極となる「揺れる天秤」に対し、このスフィアの力は文字通り「'''己を偽る力'''」と言える。
対極となる「揺れる天秤」に対し、このスフィアの力は文字通り「'''己を偽る力'''」と言える。
どこかの世界に存在したスフィア。プレイアデス・タウラの動力として未覚醒時から使用されていた。至高神ソルの「欲望」を司る。
どこかの世界に存在したスフィア。プレイアデス・タウラの動力として未覚醒時から使用されていた。至高神ソルの「欲望」を司る。
何かに対する強い欲望によって力を発揮する。エルーナルーナは戦いに対する強い欲求によって力を行使している。
反作用がスフィアの同調を切るような内容であること、死に至りかねない危険度を持つことを考えると、恐らくは「'''充足感の励起'''」だと思われる。現状に安寧し、それ以上を求めさせないことで進歩を封じ、以て緩慢な死へと追いやるのだろう。
一見すると何が危険なのかわかりづらいが、充足感を得る=満足のボーダーラインが引き下げられるということは、すなわち「このくらいでもいい」と不足を妥協してしまうことに繋がる。これが続くと'''最終的に自身の命すらも妥協してしまい、死に至る。'''日常生活ですら妥協が続けば遠からず死ぬのだから、戦場でそうなった場合の結果は自明である。
スフィア・アクトは文字通り他人の力を奪い取ることであり、戦場においては機動兵器のエネルギーを消耗させる形で発揮される。
このスフィアが求める「欲望」とは、文字通り欲し、求め、手に入れようとする意志力である。つまり'''ただ欲望を抱くのではなく、それを満たすための行動を実行に移すことでリアクターたり得る'''。よってこのスフィアの力は「'''欲望のままに他者から奪い取る'''」ことで発揮されるため、奪われる痛みを忍耐の糧とする「傷だらけの獅子」と相生する。
相克するスフィアは不明。このスフィアは欲望によって稼働するが、欲望とは現状に対する精神的な不足や空白に起因する情動である。言い換えればその「不足」を埋められてしまうと力が崩壊するため、それを無限の慈愛によって補って来る「尽きぬ水瓶」に弱いと思われる。「尽きぬ水瓶」は自己犠牲の愛によって力を発揮するため、奪い取ることで痛みを与えるこのスフィアは暖簾に腕押しの状態となる上、際限なく溢れる水を奪い切れず折れてしまうのである。
逆に、欲望のままに他者から何かを奪うことで発揮されるその力は、言い換えれば他人のことを一切気にせず己のペースに巻き込むことであるため、他人のための悲しみを力とする「悲しみの乙女」に強いと考えられる(他人の心にリンクし、悲しみを表面化させる「悲しみの乙女」に対し、こちら側が干渉して他人どころではなくしてしまう/悲しみを共有する姿勢を無視して突き進み、力を発動させない)。エルーナルーナはこの性質に心を飲まれていた節があり、ダバラーンに対して強い思慕を寄せていたにも関わらず、当のダバラーン側の想いに一切気づいていなかった。
他者の力を欲望のままに奪うこのスフィアの力は、反対の位置の「怨嗟の魔蠍」に対し「'''他を求める力'''」と言える。
他者の力を欲望のままに奪うこのスフィアの力は、反対の位置の「怨嗟の魔蠍」に対し「'''他を求める力'''」と言える。
*発動キー:「相反する感情」
*発動キー:「相反する感情」
*反作用:「精神崩壊」
*反作用:「精神崩壊」
*スフィア・アクト:「霊子との同調」
*スフィア・アクト:「表面化する感情の逆転」→「霊子との同調」
[[惑星ジェミナイ]]に存在したスフィア。当初は[[ガドライト・メオンサム]]がリアクターであり、[[ジェミニア]]に搭載されていたが、[[時獄戦役]]末期にヒビキが奪取しリアクターとなった。至高神ソルの心の中核を為す。
[[惑星ジェミナイ]]に存在したスフィア。当初は[[ガドライト・メオンサム]]がリアクターであり、[[ジェミニア]]に搭載されていたが、[[時獄戦役]]末期にヒビキが奪取しリアクターとなった。至高神ソルの心の中核を為す。
反作用の正体は、相反する感情が大きくなりすぎて「ぶつかり合う」状態を維持できなくなり、プラスとマイナスの感情が互いを相殺し合ってゼロになったことによる「'''思考の消滅'''」である。ただし、外から喝を入れる、「揺れる天秤」の力で意志を励起するなど外部から復帰させる手段は多い。
反作用の正体は、相反する感情が大きくなりすぎて「ぶつかり合う」状態を維持できなくなり、プラスとマイナスの感情が互いを相殺し合ってゼロになったことによる「'''思考の消滅'''」である。ただし、外から喝を入れる、「揺れる天秤」の力で意志を励起するなど外部から復帰させる手段は多く、リアクターが慣れて来ると「強制的な気絶」という形で発現する。
スフィアの中で唯一、二つの感情を発動キーとしているのも特徴。ガドライトの場合は故郷を滅ぼされたことに対する「怒りと諦め」、ヒビキは運命に対する「希望と絶望」で稼動させている。相反する感情を両立させ、強い意志によって相克状態を超越、その先にある可能性を掴むことでサード・ステージに移行し、以後はその境地によって稼動する。これはリアクターに限らず人間ならば誰しもが至り得る境地であり、「二つの人格」を持つスズネや、[[マーグ]]の魂と闇の力を受け継いだ[[明神タケル|タケル]]も同様の境地に至り、力を手に入れている(そのためリアクターであるヒビキは、「いがみ合う双子のリアクターは、決して特別な資格ではない」と述べている)。その関係上、力を引き出せる人間がもっとも多いスフィアでもある。
スフィアの中で唯一、二つの感情を発動キーとしているのも特徴。ガドライトの場合は故郷を滅ぼされたことに対する「怒りと諦め」、ヒビキは運命に対する「希望と絶望」で稼動させている。相反する感情を両立させ、強い意志によって相克状態を超越、その先にある可能性を掴むことでサード・ステージに移行し、以後はその境地によって稼動する。これはリアクターに限らず人間ならば誰しもが至り得る境地であり、「二つの人格」を持つスズネや、[[マーグ]]の魂と闇の力を受け継いだ[[明神タケル|タケル]]も同様の境地に至り、力を手に入れている(そのためリアクターであるヒビキは、「いがみ合う双子のリアクターは、決して特別な資格ではない」と述べている)。その関係上、力を引き出せる人間がもっとも多いスフィアでもある。
だが、誰にでも至り得るとは言っても、この境地にたどり着くのは並大抵では済まない精神力と意志の強さが必要とされるため、バルビエルは12の中でもっとも複雑な条件を持つこれを「欠陥スフィア」と評していた。
通常のスフィア・アクトは、リアクターの持つ「相反する感情の励起」を他人に伝播させる、つまり'''表面化している感情に対して逆の感情を励起し、ぶつかり合わせる'''というもの。
劇中でも描写された元敵対勢力同士のぶつかり合いの場合、「'''遺恨を捨てて歩み寄る'''」という行動の裏には「'''必要がなければ歩み寄りたくなどない'''」という感情が存在する。そもそも人が何か行動を起こす時、'''強い意志を以てそれを行うのなら、本音では同じくらいそんなことはやりたくないと思っている'''のである(だからこそそれを実行するために「強い意志」がいる)。このスフィア・アクトはここで言う「意思の裏側の感情」、要は心の底の本音を引き出すため、まず抗いようがない。
真のスフィア・アクトは、多元世界の万物万象すべてに宿る意志、即ち霊子とリンクし、それを仲間に伝播させる力。当然ながら仲間同士の意志もリンクするため、この力を受けた者は己の肉体や乗っているマシンをより直接的に操れるようになる(ゲーム中では技量の上昇という形で表される)。要は、[[真化#真化融合|真化融合]]を擬似的に起こす力である。
真のスフィア・アクトは、多元世界の万物万象すべてに宿る意志、即ち霊子とリンクし、それを仲間に伝播させる力。当然ながら仲間同士の意志もリンクするため、この力を受けた者は己の肉体や乗っているマシンをより直接的に操れるようになる(ゲーム中では技量の上昇という形で表される)。要は、[[真化#真化融合|真化融合]]を擬似的に起こす力である。
太極たる至高神ソルの存在は、多くの矛盾を孕みながら生きていく「人間」そのものであり、その核として矛盾を両立させるこのスフィアは太極の簡易版、つまりミニチュアとしての側面を持つ。そんなこのスフィアの力は、反対の位置にある「立ち上がる射手」とは逆、いわば「'''自分に打ち克とうとする力'''」と言える。言うなれば、いがみ合う双子の力を発揮する真のキーとは「'''克己心'''」言い換えれば「'''人間的な成長'''」であるといえる。
太極たる至高神ソルの存在は、多くの矛盾を孕みながら生きていく「人間」そのものであり、その核として矛盾を両立させるこのスフィアは太極の簡易版、つまりミニチュアとしての側面を持つ。そんなこのスフィアの力は、反対の位置にある「立ち上がる射手」とは逆、いわば「'''自分に打ち克とうとする力'''」と言える。言うなれば、いがみ合う双子の力を発揮する真のキーとは「'''克己心'''」言い換えれば「'''人間的な成長'''」であるといえる。
相反する感情のバランスが崩れると力が破壊されるため、その境界線を嘘によって操り歪める「偽りの黒羊」と相性が悪く、力を無効化されてしまう。逆に、心の中の感情や意志に対して逆の方向性を励起するその力は、言い換えれば一つの感情に対して「だが」「しかし」と否定を突きつけ諦めさせる力としても働くため、忍耐を力とする「傷だらけの獅子」を無効化できると思われる。あちらの力は痛みに耐える意志力で以て発揮されるが、それに対して「痛みに屈し悲鳴を上げる」感情を励起されてしまえば致命傷となり得るのである。
相生するスフィアは不明。このスフィアの力は、簡潔に言えばポジとネガ、両極の感情を併存させることによって成り立つ。よって、「夢想に沿わない現実」「現実離れした夢想」という二つの要素によって成り立つ「夢見る双魚」と相性がいいと思われる。あちらの力はいわば想像力であるため、その力を受けることによって二つの感情が明確化され、併存が容易になる。逆にこちらの力を与えることによって二つの要素の並立が強くなり、結果として互いに力を高め合うことになる。
洗礼名は「'''アムブリエル・ジ・オーバーライザー'''」。矛盾を乗り越えて生きる超越者である。
洗礼名は「'''アムブリエル・ジ・オーバーライザー'''」。矛盾を乗り越えて生きる超越者である。
余談だが「いがみ合う」は漢字だと「啀み合う」と書く。
余談だが「いがみ合う」は漢字だと「啀み合う」と書く。
;双子座(ジェミニ)
;双子座(ジェミニ)
「[[鬼宿]]」が住んでいた世界に存在したスフィア。他のスフィアと異なり、伝説の生き物の死骸に寄生している。至高神ソルの「理性」を司る。わかりやすく言えば、このスフィア(の感情)があったためにソルは死を選べたのである。
「[[鬼宿]]」が住んでいた世界に存在したスフィア。他のスフィアと異なり、伝説の生き物の死骸に寄生している。至高神ソルの「理性」を司る。わかりやすく言えば、このスフィア(の感情)があったためにソルは死を選べたのである。
スフィアは共通項として特定の感情に依存して稼働する性質があるが、このスフィアはそれを否定しているかのように見える。しかし実際にはそうではなく、「'''感情を制する理性'''」こそがこのスフィアの発動キーである。要するに抑圧対象の感情・情動を持たない存在ではリアクター足りえないのである。尸空の場合、己が鬼宿として司る「消滅しようとする力」の結晶、即ち「死」というもっとも大きな虚無によってリアクターとなっている(尸空曰く「死とは肉体を失うことであり、何にも代えがたいその喪失感こそが最大の虚無」とのこと)。
このスフィアが求める「虚無」、即ちリアクターに要求される精神状態は'''「あるべきものがない空虚」としての虚無の心'''であり、それを維持するために感情を押さえつけねじ伏せるだけの意志力が必要となる。よって、'''「そもそも何もない」ただの無ではダメなのである。'''
尸空自身も「'''虚無は無ではない。俺も生きている'''」と述べている他、クロウも「'''虚無ってのは無とは違う。その中には確かに自分ってものが存在する'''」と言及している。そこにあるべきものがないという虚無感、そこにあったものを失って生ずる空虚さこそがこのスフィアの本質なのである。
反作用は恐らく「情動の増幅」だと思われる。感情任せの行動を行わせることで死のリスクを増やし、それに振り回されず己を律する意志によってサード・ステージへと移行する。
スフィア・アクトは他者の感情の動きを抑圧する力。これを受ける方は「底なしの暗い穴に心が吸い込まれる」ような感覚を覚えることになる。
相性関係は不明。
相性関係は不明。
このスフィアは情動を律する理性によって稼働するが、これは見方を変えると「死に対する恐怖を抑制し、それを自然なものとして認める意志」とみられる。尸空が天獄篇において度々、わずかに内心の激情をうかがわせる場面があったこともそれを裏付ける。言い換えればそれを保てず、感情を表に出してしまうと力が崩壊し同調が切れてしまうため、想像力によって死への恐れを呼び覚ます「夢見る双魚」に弱いと思われる。そもそも想像するという行為は生存のための行動でもあるため、このスフィアにとっては天敵と言える。
感情を表に出さず、理性のみで全てを支配するこのスフィアの力は、言い換えれば感情に依拠する力を否定することにも繋がる。感情とは意志力で励起できるものであるため通常はせめぎ合いになるが、それを燃料とするようなスフィアの場合致命傷となる。そのため、「感情に揺れても迷ってもブレることのない意志力」によって稼働する「揺れる天秤」に強いと考えられる。あちらの力は己の感情=先入観に流されず物事の本質を見抜く意志で発揮されるため、一見すると相性がよさそうに思えるが、前提条件として'''己を揺るがそうとする感情が必要になる'''ため、それを吸い込み虚無にしてしまうこのスフィアに無効化されるのである。イメージ的には天秤の皿から重りを取り去って傾きを止めてしまう形になるか。こうなると「支点」であるリアクターの精神は完全に動きが止まり、力を発動できなくなってしまう。
ただし、肝心の尸空はクロウに対する同族嫌悪で同調の維持に度々失敗しており、相性関係だけが全てではないことを示してもいる。
ひたすらに己の自我を抑え、理性で全ての行動を行おうとするこのスフィアは、対極にある「知りたがる山羊」とは逆の「'''欲求を制する理性'''」と言える。
ひたすらに己の自我を抑え、理性で全ての行動を行おうとするこのスフィアは、対極にある「知りたがる山羊」とは逆の「'''欲求を制する理性'''」と言える。
心身の痛みに耐えようとする意志によって力を発揮し、痛みに耐えるだけでなく、痛みに負けない強い意思を貫くことで真のサード・ステージへ移行する。
心身の痛みに耐えようとする意志によって力を発揮し、痛みに耐えるだけでなく、痛みに負けない強い意思を貫くことで真のサード・ステージへ移行する。
また、ガンレオンの意志によって、メールが死亡した際に分離・融合して蘇生させた経緯があり、以後多元戦争終結までの間、機体とメールに分かれて存在していた。また、メールの方も偶然ながら「成長しない体」や「ランドへの疑念」と言ったネガティブな事象を心の底に隠して強がっていた経緯から、起動させ力を引き出すことが可能。
反作用はリアクターの心身にとんでもないレベルの激痛がかかるというもの。これに耐え切れず悲鳴を上げてしまうと、'''次元力を暴走させ時空震動を起こす'''という「揺れる天秤」並みの危険度を誇る。ただし次元力を使わなければ何も起きない。
反作用はリアクターの心身にとんでもないレベルの激痛がかかるというもの。これに耐え切れず悲鳴を上げてしまうと、'''次元力を暴走させ時空震動を起こす'''という「揺れる天秤」並みの危険度を誇る。ランドにしてもその頑健極まる肉体とド根性によって何とか耐えている状態だが、次元力を使わなければ反作用は起きない。多元戦争以前は反作用が発生するとともに時空震動を引き起こしていたが、「痛みに伴う悲鳴を攻撃に変換する」ペイン・シャウターの存在を考えると、マグナモードがシエロによって機械的に封印されていた='''セーフティ機構が正常に働かず次元力を攻撃に転用できなかったための暴走'''と思われる。
スフィア・アクトは「激痛の伝播」だが、ランドは真のサード・ステージに至ったことにより、その痛みに耐える爆発的な生命の力を周囲に伝播させる能力として発現させた。特殊効果としては全味方パイロットの防御が上がるという形で表現。
スフィア・アクトは「激痛の伝播」だが、ランドは真のサード・ステージに至ったことにより、その痛みに耐える爆発的な生命の力を周囲に伝播させる能力として発現させた。特殊効果としては全味方パイロットの防御が上がるという形で表現。
悲しみの感情によって力を発揮し、それに負けない強い意志によってサード・ステージへ移行する。至高神ソルの「悲しみ」を司る。
悲しみの感情によって力を発揮し、それに負けない強い意志によってサード・ステージへ移行する。至高神ソルの「悲しみ」を司る。
多元戦争時にリアクターとなったセツコは反作用によって味覚が消失し、視覚も消えつつあったが、それに負けずに戦う意志を貫徹したことで覚醒が進み、いち早くサード・ステージに足を踏み入れている。ただし、彼女だけは機体から降りているときにその症状が発生している。セカンドステージで発生する反作用はスフィアとの共鳴を妨げるものがほとんどである中、五感が減衰すればさらに悲しみに包まれるのでむしろ共鳴関係の維持を強制する効果ともとれる。
怨嗟の魔蠍やサクリファイとの関係を考え併せると、恐らくは自分のことで手一杯になってしまうような状況においても『他者を悲しみ、癒そうとする意思』を持ち続けることができるかということなのだと思われる。後述のスフィア・アクトや洗礼名のことも考え合わせると、このスフィアが要求する「悲哀」とは自らの不遇を嘆く感情では無く、他者の境遇を想い悲しみ、共感して力になろうとする感情(俗な言い方をすれば同情)であると考えられる。
スフィア・アクトは感覚を他者にリンクさせること。いわばニュータイプの持つ感応能力の近縁種とも言える。この力で他者の悲しみに同調することで、出力を大幅に引き上げることが可能。
スフィア・アクトは感覚を他者にリンクさせること。いわばニュータイプの持つ感応能力の近縁種とも言える。この力で他者の悲しみに同調することで、出力を大幅に引き上げることが可能。
セツコが再世篇で見せていた「悲しみの感情の探知」はこれの片鱗であり、連獄篇では一気にサード・ステージに移行した影響で居合わせた全員の悲しみにリンクした結果、異様なローテンションに陥った反面戦闘力が爆発的に上昇していた(ゲーム的には気力限界を振り切って200になる)。
セツコが再世篇で見せていた「悲しみの感情の探知」はこれの片鱗であり、連獄篇では一気にサード・ステージに移行した影響で居合わせた全員の悲しみにリンクした結果、異様なローテンションに陥った反面戦闘力が爆発的に上昇していた(ゲーム的には気力限界を振り切って200になる)。
なお通常のサード・ステージの場合どうなったのかは不明だが、フェイクの力がSPの減少であることから、悲しみを伝播させ心を疲弊させるものだと思われる。
このスフィアの力は他者に対しての悲しみで発揮されるが、それはいわば相手を理解し受け入れようとする姿勢によって成り立つため、憎悪によって他人を拒む「怨嗟の魔蠍」を無力化してしまう(通常のアクトの場合だと、憎しみを抱く心そのものを疲弊させてへし折るのだと思われる)。
逆に、相手に構わず己の欲望のみにまい進する「欲深な金牛」とぶつかった場合、あちらのペースに巻き込まれて無効化されると思われる。
洗礼名は「'''ハマリエル・ザ・スター'''」。悲しみという闇の中に光る星である。
洗礼名は「'''ハマリエル・ザ・スター'''」。悲しみという闇の中に光る星である。
*搭載機:[[リ・ブラスタT]]
*搭載機:[[リ・ブラスタT]]
*発動キー:「意志」
*発動キー:「意志」
*反作用:「判断力の消滅」
*反作用:「意志の固定化」
*スフィア・アクト:「意志力の伝播」
*スフィア・アクト:「意志力の伝播」
このスフィアの真の力は「天秤」の名の通り、皿にものを乗せてその重さを量るように、感情に揺れても迷っても折れることだけはない強い意志によって物事を比較し、その本質を見極めることにある。スフィア・アクトはその、本質を見抜く強い意志力を他者に伝播させること。本質を見抜くことが転じて正確な狙いを定めることに繋がると思われる。
このスフィアの真の力は「天秤」の名の通り、皿にものを乗せてその重さを量るように、感情に揺れても迷っても折れることだけはない強い意志によって物事を比較し、その本質を見極めることにある。スフィア・アクトはその、本質を見抜く強い意志力を他者に伝播させること。本質を見抜くことが転じて正確な狙いを定めることに繋がると思われる。
反作用の正体は、リアクターの意志を目の前の感情に向けさせることで本質から目を逸らさせるというもの。クロウは[[ジェラウド・ガルス・バンテール]]との戦いでこの状態に陥ったが、当人曰くジェラウドの生き様に嫉妬を抱いたことが原因。感情に流され判断能力を喪失し、その状態で固定されてしまうのが暴走の原因である。これに負けず直感力を維持し、真実や本質を見切ろうとする強い意志を貫くことによってサード・ステージへと移行する。ただし、反作用の性質上リアクター単身で対処するのはほぼ不可能に近い。
反作用の正体は、リアクターの意志を目の前の感情に向けさせることで本質から目を逸らさせるというもの。クロウは[[ジェラウド・ガルス・バンテール]]との戦いでこの状態に陥ったが、当人曰くジェラウドの生き様に嫉妬を抱いたことが原因。感情に流され判断能力を喪失し、その状態で固定されてしまうのが暴走の原因である。周囲の声や状況の変化はちゃんと認識しているが、それを行動に反映させることは一切できない。'''仲間に止められようが自分が死のうが、クロウ自身の言葉を借りれば「それがどうした!」と突き進んでしまうのである。'''
これに負けず直感力を維持し、真実や本質を見切ろうとする強い意志を貫くことによってサード・ステージへと移行する。ただし、'''反作用の性質上リアクター単身で対処するのはほぼ不可能に近い。'''クロウは再世戦争でこの問題を解決するため、筋金入りの守銭奴という自身の性格を利用して、コクピット内に金の音を鳴らす「コイン・ドロップ・システム」を採用することで反作用に対処。天獄戦争でサード・ステージに至ったが、再世戦争終盤の時点で力の片鱗を見せており、ゼロ・レクイエムが何のために行われているのかを察知していた。
このスフィアが求める意志とは、上述した通り迷いの中でも折れない意志だが、言い換えれば'''リアクターは心の中に迷いを抱えている必要がある。'''何の迷いも躊躇いもないまっすぐな、要はシンプルに強い意志ではリアクター足り得ないのである(つまり「迷っても揺らいでもそれを表に出さず、乗り越える強い意志」が必要)。そのため、自己犠牲による慈愛(=死への迷いと、その先にある希望)を力とする「尽きぬ水瓶」とは「迷いの中の決意」という形で発動キーが共通するため相性が良い。
このスフィアが求める意志とは、上述した通り迷いの中でも折れない意志だが、言い換えれば'''リアクターは心の中に迷いを抱えている必要がある。'''何の迷いも躊躇いもないまっすぐな、要はシンプルに強い意志ではリアクター足り得ないのである(反作用による暴走状態がまさにこの状態。つまり「迷っても揺らいでもそれを表に出さず、乗り越える強い意志」が必要)。そのため、自己犠牲による慈愛(=死への迷いと、その先にある希望)を力とする「尽きぬ水瓶」とは「迷いの中の決意」という形で発動キーが共通するため相性が良い。「尽きぬ水瓶」の力は自己犠牲による慈愛だが、これは見方を変えると「死に対する恐れと、それを乗り越えて己を擲つ意志力」となるため、'''己の感情に流されず、揺れても迷っても最後にはあるべき場所に立ち返る'''という点で共鳴するのである。
逆に、力を発揮するための前提となる感情の動き自体を止めてしまう「沈黙の巨蟹」に弱いと思われる。ただし、実際にクロウが尸空と対峙した際にはあちらが同族嫌悪によりたびたび同調の維持に失敗しかけており、相性関係だけでは勝負は決まらないことを示してもいる。
一方で「知りたがる山羊」に対しては強いと思われる。「本質を見抜こうとする意志」と「真実を暴き立てる好奇心」は一見相性がよさそうに見えるが、「知りたがる山羊」の力は「知りたい」という感情に裏打ちされたものである。言い方を変えると「'''知りたいことだけ知りたい'''」「'''知らせたいことだけ知らせたい'''」という在り方なのだが、このスフィアとぶつかった場合、通常のサード・ステージならば目の前の物事に思考を固定されて「'''知りたいのに知れない'''」状態になり、真のサード・ステージならばいやおうなしに本質を直視させられ「'''知りたくないのに知らされる'''」状態にされることで好奇心のコントロールを奪われ、無力化されてしまう。
洗礼名は「'''ズリエル・ジ・アンブレイカブル'''」。揺らがぬ精神で道を切り拓く意志である。
洗礼名は「'''ズリエル・ジ・アンブレイカブル'''」。揺らがぬ精神で道を切り拓く意志である。
:ちなみに、「正義」の正位置は'''「公正」「誠意」(例:借金を全うに返済する意思)'''を意味し、逆位置は'''「不均衡」「被告人」(例:借金を返せない人)'''を意味する。
:ちなみに、「正義」の正位置は'''「公正」「誠意」(例:借金を全うに返済する意思)'''を意味し、逆位置は'''「不均衡」「被告人」(例:借金を返せない人)'''を意味する。
:また、天秤は弁護士の象徴である。すなわち、'''片方には罪(例:過ぎた力を求める)、片方には罰(例:借金を負う)'''が乗せられるということである。借金に縛られないと主体性を維持できないクロウが過ぎた自由や力などを求める限り、決して借金から逃げられないということなのだろうか。
:また、天秤は弁護士の象徴である。すなわち、'''片方には罪(例:過ぎた力を求める)、片方には罰(例:借金を負う)'''が乗せられるということである。借金に縛られないと主体性を維持できないクロウが過ぎた自由や力などを求める限り、決して借金から逃げられないということなのだろうか。
:余談だが天秤は十二星座の中で唯一の「道具」である。クロウが主体性を持たず常に何かに縛られようとするのは、どこまでも「道具」である天秤の在り方が元ネタなのだろうか?
=== 怨嗟の魔蠍 ===
=== 怨嗟の魔蠍 ===
ゲーム上では装甲値減少という形で再現されている。Zシリーズの世界観ではパイロットの意思が機体に影響を与えるため、己の身を省みない程の他者への憎悪を励起させられることが転じて、機体の防御の力(装甲値)を下げているという事なのかもしれない。
ゲーム上では装甲値減少という形で再現されている。Zシリーズの世界観ではパイロットの意思が機体に影響を与えるため、己の身を省みない程の他者への憎悪を励起させられることが転じて、機体の防御の力(装甲値)を下げているという事なのかもしれない。
憎しみに生きることを悲しみ、心を癒そうとする「悲しみの乙女」との相性が致命的に悪い。また、憎しみを強く抱くということは、言い換えれば過去や現在に拘り、先へ進むことを止めることでもある。言い換えれば未来へのビジョンを持たないということでもあるため、夢想を力とする「夢見る双魚」に強いと思われる。過去とそこに根差す目の前の今に目を向けさせ、想像力の発揮を阻害させるのだろう。
反作用は不明だが、人為的にこの力を引き出していたクラヴィアが解放後に記憶を失ったことからして、恐らく憎しみの根源たる過去を失わせる「'''記憶喪失'''」だと思われる。そして、記憶を奪われてもなお憎しみを持続させるだけの強い意思によってサード・ステージに移行する。Zシリーズには登場していないが、「[[宇宙の騎士テッカマンブレード]]」の[[Dボゥイ]]が終盤に陥った状況に似ていると考えられる。
反作用は不明だが、人為的にこの力を引き出していたクラヴィアが解放後に記憶を失ったことからして、恐らく憎しみの根源たる過去を失わせる「'''記憶喪失'''」だと思われる。そして、記憶を奪われてもなお憎しみを持続させるだけの強い意思によってサード・ステージに移行する。Zシリーズには登場していないが、「[[宇宙の騎士テッカマンブレード]]」の[[Dボゥイ]]が終盤に陥った状況に似ていると考えられる。
他者への深く大きな愛によって力を発揮するが、要求されるレベルが高く、個人へのそれではなく国や組織のような大きなものに対する、自己犠牲を前提とした愛である必要がある。その反面、引き出される力は12個の中でもっとも大きく、セカンド・ステージの状態ですら次元将に匹敵するレベルの出力を誇る。
他者への深く大きな愛によって力を発揮するが、要求されるレベルが高く、個人へのそれではなく国や組織のような大きなものに対する、自己犠牲を前提とした愛である必要がある。その反面、引き出される力は12個の中でもっとも大きく、セカンド・ステージの状態ですら次元将に匹敵するレベルの出力を誇る。
その性質を体現したかのように、反作用を受けると肉体が少しずつ崩壊していき、サード・ステージに到達するには命を投げうつ事もいとわぬ強い意志が必要。一度リアクターとなってしまうと'''サード・ステージに到達しなければ絶対に死ぬ'''というとんでもないスフィアであり、ユーサーは反作用を抑えきれず何度も意識不明に陥っていた。
その性質を体現したかのように、反作用を受けると肉体が少しずつ崩壊していき、サード・ステージに到達するには命を投げうつ事もいとわぬ強い意志が必要。一度リアクターとなってしまうと'''サード・ステージに到達しなければ絶対に死ぬ'''というとんでもないスフィアであり、ユーサーは反作用を抑えきれず何度も意識不明に陥っていた。この事から、前のリアクターであったキング・インサラウム1世はどれほどの大人物であったのかとユーザー間で話題になっている。
死の恐怖を乗り越え、守るべきもののために己の全てを投げ捨てる覚悟を決めた時、サード・ステージに移行する。真のサード・ステージに至るには、さらにそこから「己を粗末にせず、誰かのために生きる覚悟」を決める必要がある。
スフィア・アクトは不明だが、スフィア・アクトは不明だが、フェイクの能力が「EN回復封印」であることと、「いがみ合う双子」の例、そして再世篇のユーサーのエースボーナスから考えれば、恐らく「他者に力を与える」能力であろうと考えられる。通常の力の場合は活動エネルギーを消耗させるものとして働くため、エースボーナスという形でこの力を発現していたユーサーは真のサード・ステージに片足を突っ込んでいた可能性が高い。
自己犠牲を前提とした慈愛の心は、大切なもののため、己の死をも受け入れ、成すべきことのために自分の全てを投げ出す覚悟に依拠する。そのため、どれほど揺れても迷っても最後には「やるべきことという本質」に回帰する「揺れる天秤」と相性が良く、互いに力を高め合うことができる。言い換えればその慈愛の心がわずかでも自分に向いてしまうと同調が切れてしまうため、死の恐怖を無理矢理励起させようとする「立ち上がる射手」に弱いと思われる。
あちらが真の力を発揮していれば「他者の闘志を湧き立たせる」力になるため相性が良くなるように思えるが、反抗心に依拠する闘志とはすなわち「'''生きて戦う覚悟'''」であり、このスフィアの求める自己犠牲の愛とは逆の境地である。
洗礼名は不明だが、守護天使の名前はガムビエル。
洗礼名は不明だが、守護天使の名前はガムビエル。
スフィア・アクトは不明。到来していない事象、現実には存在しない物事に意識が向けられるという点からして、'''「未来予測」'''の力であると考えられる。星座配置で対極にある「悲しみの乙女」の力が悲しみの感情への同調、つまり過去の出来事を力とするのに対し、未来を夢見るこのスフィアの力は「'''未来を求める力'''」と言える。
スフィア・アクトは不明。到来していない事象、現実には存在しない物事に意識が向けられるという点からして、'''「未来予測」'''の力であると考えられる。星座配置で対極にある「悲しみの乙女」の力が悲しみの感情への同調、つまり過去の出来事を力とするのに対し、未来を夢見るこのスフィアの力は「'''未来を求める力'''」と言える。
一方でフェイク=通常のサード・ステージの力は運動性の減少と言う形で現れること、反作用そのままではないことを考えると、恐らくは「'''自身の持つイメージの貼り付け'''」だと思われる。相手の予測した内容を書き換えることで対応を誤らせ、回避を妨害するのだと考えられる。
一方でフェイク=通常のサード・ステージの力は運動性の減少と言う形で現れること、反作用そのままではないことを考えると、恐らくは「'''他者のイメージへの干渉'''」だと思われる。相手の予測した内容を書き換えることで対応を誤らせ、回避を妨害するのだと考えられる。
先へと進む行動力と想像力がないと、夢を見る力が発揮できないため、反作用はそれを妨害する「'''想像力の減退'''」だと考えられる。
先へと進む行動力と想像力がないと、夢を見る力が発揮できないため、反作用はそれを妨害する「'''想像力の減退'''」だと考えられる。その上で夢想を抱き続けることでサード・ステージに移行し、その際に夢に溺れるのではなく、しっかりと地に足をつけて「夢を見続ける」という在り方を感得することで真のサード・ステージに移行する。
夢を見ることはつまり未来へ意識を向けることだが、その意志力が過去や現在に向いてしまうと力が崩壊する。そのため、憎悪という形で過去への執着を強要する「怨嗟の魔蠍」に弱いと思われる。さらに、未来を思う、想像するという行為は、すなわち[[加藤久嵩|事象を予測し、可能性を考慮し、未来に備えるためのものである。]]突き詰めればそれは生存のため、死を回避するためのものであるため、死のイメージを書き込んで感情を呼び起こし/想像力を掻き立てることで虚無を埋め尽くし、「沈黙の巨蟹」を無効化できると考えられる。
相生するスフィアは不明。このスフィアが求める「夢」は、現実と夢想という二つの要素によって成り立っている。つまり「現実離れした夢想」と「夢想に合致しない現実」の二つであり、現実から目を背け夢に溺れても、夢を見ることを諦め現実で妥協しても、このスフィアは停止してしまう。よって、リアクターとなるには'''「現実を見据えた上で夢想を抱く」という相反する境地が必要になる'''ため、同様のロジックで稼働する「いがみ合う双子」と相性がいいと思われる。
シュロウガの誕生に関係する[[サイバスター]]と[[マサキ・アンドー]]に関連する要素である「未来予測≒ラプラスコンピュータ・デモンタイプ」「先へ進む行動力≒マサキの行動力と起点の良さ」「夢≒[[スーパーロボット大戦F]]([[スーパーロボット大戦F完結編|F完結編]])におけるマサキの[[精神コマンド]]」など、スフィア関連の設定が組み込まれる以前から当てはまるものばかりである。
シュロウガの誕生に関係する[[サイバスター]]と[[マサキ・アンドー]]に関連する要素である「未来予測≒ラプラスコンピュータ・デモンタイプ」「先へ進む行動力≒マサキの行動力と起点の良さ」「夢≒[[スーパーロボット大戦F]]([[スーパーロボット大戦F完結編|F完結編]])におけるマサキの[[精神コマンド]]」など、スフィア関連の設定が組み込まれる以前から当てはまるものばかりである。
洗礼名は不明だが、守護天使の名前はバキエル。
洗礼名は不明だが、守護天使の名前はバキエル。
:性格分類においては、「感情の豊かさ」を司る。また、「'''不安、障害、犠牲的奉仕'''」といった特性もある。
:性格分類においては、「感情の豊かさ」を司る。また、「'''不安、障害、犠牲的奉仕'''」といった特性もある。
:なお、12星座としてもそれに関連付けられるタロットとしても、12種の中では最後に位置している。実際、名前が判明したのは最後だった。
:なお、12星座としてもそれに関連付けられるタロットとしても、12種の中では最後に位置している。実際、名前が判明したのは最後だった。
:シュロウガとうお座には一見何の関連もないように思えるが、うお座のモチーフの一つであるエロースは古代の記述において全能の神とされていたことから、かつての至高神ソルと同質の存在であるシュロウガと共通する要素があると言える。また、エロースは「他者の感情に干渉する」権能を持っており、他人のイメージを書き換えるスフィア・アクト、他のリアクターの感情を呼び起こし獲物としての覚醒を促すアサキムの立ち回りに通じるものがある。
;月
;月
:タロットでは「月」と関連付けられる。
:タロットでは「月」と関連付けられる。
:「月」のタロットが示す寓意は正位置が'''「不安定」「隠れた危険」(「隠れた敵」とも)「現実逃避」「猶予なき選択」'''、逆位置が'''「過去からの脱却」「失敗に繋がらない過ち」「未来への希望」「すぐれた直感」'''。
:「月」のタロットが示す寓意は正位置が'''「不安定」「隠れた危険」(「隠れた敵」とも)「現実逃避」「猶予なき選択」'''、逆位置が'''「過去からの脱却」「失敗に繋がらない過ち」「未来への希望」「すぐれた直感」'''。
:エピソードが何も語られないのでどのような運命にあったのか不明。アサキムと照らし合わせると、正位置は自身の空虚さから目を背け、御使いの言いなりにスフィアを狩集めるしかない境遇、逆位置は無限獄からの解放を求めて流浪し、最後の最後にZ-BLUEに敗北したものの大願を果たした結末に符合する。
:エピソードが何も語られないのでどのような運命にあったのか不明。アサキムと照らし合わせると、正位置は自身の空虚さから目を背け、御使いの言いなりにスフィアを狩集めるしかない境遇、逆位置は無限獄からの解放を求めて流浪し、最後の最後にZ-BLUEに敗北したものの大願を果たした結末に符合する。
:正位置の「隠れた危険」、逆位置の「未来への希望」「すぐれた直感」から「夢」というキーワードが設定されたのだと思われる。
== 特殊能力「スフィア・アクト」 ==
== 特殊能力「スフィア・アクト」 ==