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本作品は宇宙及び宇宙戦艦を主要な舞台としてリアルロボットが活躍するSFロボットアニメでありながら、90年代の流行であった明るくポップなノリラブコメ要素も取り入れた作品である。その要素が強い作風であるため誤解されがちだが、重厚なSF設定や民間軍需企業が政治的問題や戦争にも関わる背景や、娯楽作品に含まれていた筈のテーマや思想が利用され政治的アジテーションとなっていく描写や要素も含んでおり、伏線も何重にも張り巡らされているため読み解くのは難解なものとなっている。
本作品は宇宙及び宇宙戦艦を主要な舞台としてリアルロボットが活躍するSFロボットアニメでありながら、90年代の流行であった明るくポップなノリラブコメ要素も取り入れた作品である。その要素が強い作風であるため誤解されがちだが、重厚なSF設定や民間軍需企業が政治的問題や戦争にも関わる背景や、娯楽作品に含まれていた筈のテーマや思想が利用され政治的アジテーションとなっていく描写や要素も含んでおり、伏線も何重にも張り巡らされているため読み解くのは難解なものとなっている。
作品タイトルは、『[[宇宙戦艦ヤマト]]』と『[[機動戦士ガンダム]]』を合成した『機動戦艦ヤマトナデシコ』の連想から来ている<ref name="kobe_980806">『神戸新聞』1998年8月6日付夕刊、3面。</ref>。ただし、作品内容は大月の好きな『スタートレック ネクストジェネレーション』をモチーフにしている<ref name="kobe_980806" />。タイトルの通り、ロボットアニメでもあるが戦艦とその乗組員の人間関係や行き方こそが主軸に置かれている物語であった。
作品タイトルは、『[[ヤマト|宇宙戦艦ヤマト]]』と『[[機動戦士ガンダム]]』を合成した『機動戦艦ヤマトナデシコ』の連想から来ている<ref name="kobe_980806">『神戸新聞』1998年8月6日付夕刊、3面。</ref>。ただし、作品内容は大月の好きな『スタートレック ネクストジェネレーション』をモチーフにしている<ref name="kobe_980806" />。タイトルの通り、ロボットアニメでもあるが戦艦とその乗組員の人間関係や行き方こそが主軸に置かれている物語であった。
この作品は細部への偏執的とも言える拘りが特徴で、その最たるものは、劇中劇として度々登場する熱血巨大ロボットアニメ『[[ゲキ・ガンガー3]]』である。この劇中劇は専門の制作チームまで編成され、1970年代のロボットアニメの味を忠実に再現し、本作のテーマ性を横から強く支えるものとなっている。
この作品は細部への偏執的とも言える拘りが特徴で、その最たるものは、劇中劇として度々登場する熱血巨大ロボットアニメ『[[熱血ロボ ゲキ・ガンガー3]]』である。この劇中劇は専門の制作チームまで編成され、1970年代のロボットアニメの味を忠実に再現し、本作のテーマ性を横から強く支えるものとなっている。
物語自体は、激化する戦争の結末や[[火星極冠遺跡]]の謎などを全ては描かないまま終了している。戦争の結末は、その後に公開された劇場版やゲームで補完されてゆく事になるが、その上で明かされなかった部分も多い。これは、ストーリーエディター・會川昇が「考えられる要素を全て入れて」執筆した第25、26話脚本初稿の分量が通常の1.5倍から2倍にまで膨れ上がってしまい、「ユリカとアキトの決着だけはつける」という佐藤竜雄監督の方針により謎の説明の大半がカットされたためである<ref>第25話、26話の脚本初稿は、「機動戦艦ナデシコ プレミアムボックス」の「シナリオ・絵コンテセレクション」に収録されている。</ref>。脚本家として参加した首藤剛志はWEBアニメスタイル内の自コラム「シナリオえーだば創作術」にて「僕がシリーズ構成なら、100話以上は続くナデシコという戦艦を主人公……つまり、舞台が主人公という意味の集団群衆ドラマにするしかない」「映画で続編が作られたにしても、26話で終わらせるにはもったいない企画だった」と放送当時を振り返っている<ref>[http://www.style.fm/as/05_column/shudo115.shtml 第115回 『機動戦艦ナデシコ』のなんでもかんでもぶち込め感]、WEBアニメスタイル、2007年9月12日。</ref><ref>[http://www.style.fm/as/05_column/shudo116.shtml 第116回 『機動戦艦ナデシコ』と『宇宙戦艦ヤマト』?]、WEBアニメスタイル、2007年9月19日。</ref>。
物語自体は、激化する戦争の結末や[[火星極冠遺跡]]の謎などを全ては描かないまま終了している。戦争の結末は、その後に公開された劇場版やゲームで補完されてゆく事になるが、その上で明かされなかった部分も多い。これは、ストーリーエディター・會川昇が「考えられる要素を全て入れて」執筆した第25、26話脚本初稿の分量が通常の1.5倍から2倍にまで膨れ上がってしまい、「ユリカとアキトの決着だけはつける」という佐藤竜雄監督の方針により謎の説明の大半がカットされたためである<ref>第25話、26話の脚本初稿は、「機動戦艦ナデシコ プレミアムボックス」の「シナリオ・絵コンテセレクション」に収録されている。</ref>。脚本家として参加した首藤剛志はWEBアニメスタイル内の自コラム「シナリオえーだば創作術」にて「僕がシリーズ構成なら、100話以上は続くナデシコという戦艦を主人公……つまり、舞台が主人公という意味の集団群衆ドラマにするしかない」「映画で続編が作られたにしても、26話で終わらせるにはもったいない企画だった」と放送当時を振り返っている<ref>[http://www.style.fm/as/05_column/shudo115.shtml 第115回 『機動戦艦ナデシコ』のなんでもかんでもぶち込め感]、WEBアニメスタイル、2007年9月12日。</ref><ref>[http://www.style.fm/as/05_column/shudo116.shtml 第116回 『機動戦艦ナデシコ』と『宇宙戦艦ヤマト』?]、WEBアニメスタイル、2007年9月19日。</ref>。