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− | '''プレイステーション3'''は、2006年11月11日にソニー・コンピュータエンターテインメント(SCE)、現ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が発売した据え置き型ゲーム機。略称は「'''PS3'''」「'''プレステスリー'''」「ピーエススリー」など。本項ではPS3表記に倣う。 | + | '''プレイステーション3'''は、2006年11月11日にソニー・コンピュータエンターテインメント(SCE)<ref>後のソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)。</ref>より発売された据え置き型ゲーム機。略称は「'''PS3'''」「'''プレステスリー'''」など。本項では「PS3」表記に倣う。 |
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| == 概要 == | | == 概要 == |
− | [[プレイステーション2]](以下PS2)の後継機となる第7世代据え置き型ゲーム機。DVDの後継メディアである「'''Blu-ray Disc(ブルーレイディスク)'''」(以下BD)に対応した光学ドライブを採用した。BD採用された最初のゲーム機である。 | + | [[プレイステーション2]](以下PS2)の後継機となる第7世代据え置き型ゲーム機。ソフト供給メディアについてはBlu-ray Disc(ブルーレイディスク・以下BD)を、家庭用ゲーム機では初めて採用している。 |
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− | SCEのみならずソニーグループ全体が乗り出し、東芝、IBMと共に独自開発したCPU『'''Cell Broadband Engine'''』を搭載。9コアのヘテロジニアスマルチコアを誇り、本来はGPU性能も補う算段だったが、こちらは変更されでNVIDIA社のGeForce 7800GTXのカスタム版が搭載された。
| + | ソニーグループが東芝・IBMらと共同開発したCPU「Cell Broadband Engine」を搭載。9コアのヘテロジニアスマルチコアを誇り、本来はGPU性能も補う算段であったが、こちらは後に変更されNVIDIA社のGeForce 7800GTXのカスタム版が搭載された。 |
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| 初期は多機能化を追求したあまりに生じた本体の高額化が問題視され(それでも赤字販売であったが)、またソフトの面でも多くのキラータイトルを同じく高スペックが売りの[[Xbox360]]に奪われたため(事前に発表されていたサードタイトルの開発中止や延期が相次いだ事も原因)、販売実績では苦しい戦いを強いられた。さらに需要に対する供給が釣り合っておらず、発売当初はユーザーに混乱と騒動が起きた。 | | 初期は多機能化を追求したあまりに生じた本体の高額化が問題視され(それでも赤字販売であったが)、またソフトの面でも多くのキラータイトルを同じく高スペックが売りの[[Xbox360]]に奪われたため(事前に発表されていたサードタイトルの開発中止や延期が相次いだ事も原因)、販売実績では苦しい戦いを強いられた。さらに需要に対する供給が釣り合っておらず、発売当初はユーザーに混乱と騒動が起きた。 |
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− | その後はSCEがPS2のソフト供給を本格的に打ち切った事で移行が進み、低価格モデルの発売により更に普及効果も生み、他ゲーム機とのジャンルの住み分けの関係もありソフトラインナップが充実、ゲーム市場において一定のシェアを確保した。
| + | その後はSCEがPS2のソフト供給を本格的に打ち切った事で移行が進み低価格モデルの発売により更に普及効果も生まれ、他ゲーム機とのジャンルの住み分けの関係もありソフトラインナップが充実、ゲーム市場において一定のシェアを確保した。 |
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| 一方で、PS3やXBox360程度まで機種のスペックの上昇が見られた結果、それを活かせるだけのソフトを生み出すための開発費の高騰・開発期間の長期化という問題が本格的に浮き彫りとなり、それはスパロボシリーズにおいても例外ではなくPS3のローンチから初の専用ソフトなった『[[第2次スーパーロボット大戦OG]]』の発売までには約6年もの歳月を費やすこととなった。アーカイブス及びPS1互換により過去作のスパロボはかなりの数はプレイ可能だが、新作として発売された『[[第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇]]』『[[第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇]]』は同社の第7世代携帯ゲーム機[[プレイステーション・ヴィータ]](以下PSV)とマルチプラットフォーム展開された。 | | 一方で、PS3やXBox360程度まで機種のスペックの上昇が見られた結果、それを活かせるだけのソフトを生み出すための開発費の高騰・開発期間の長期化という問題が本格的に浮き彫りとなり、それはスパロボシリーズにおいても例外ではなくPS3のローンチから初の専用ソフトなった『[[第2次スーパーロボット大戦OG]]』の発売までには約6年もの歳月を費やすこととなった。アーカイブス及びPS1互換により過去作のスパロボはかなりの数はプレイ可能だが、新作として発売された『[[第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇]]』『[[第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇]]』は同社の第7世代携帯ゲーム機[[プレイステーション・ヴィータ]](以下PSV)とマルチプラットフォーム展開された。 |
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− | 後継機となる『[[プレイステーション4]]』のリリース後は同ハードのシェアが順調に推移したこともあり移行が進み、2015年を境にPS3用ソフトはリリースタイトルを大幅に減少(リリースタイトル自体もPS4版と同時発売のいわゆる「縦マルチ」が大半)させていった。 | + | 後継機となる『[[プレイステーション4]]』のリリース後は同ハードのシェアが順調に推移したこともあり移行が進み、2015年を境にPS3用ソフトはリリースタイトルを大幅に減少<ref>リリースタイトル自体もPS4版と同時発売のいわゆる「縦マルチ」が大半を占めた。</ref>させていった。 |
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| 2017年5月30日に実質的な最終モデルであるCECH-4300Cの出荷を完了し、事実上の生産終了となった。 | | 2017年5月30日に実質的な最終モデルであるCECH-4300Cの出荷を完了し、事実上の生産終了となった。 |
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| == 仕様 == | | == 仕様 == |
| === 基本仕様 === | | === 基本仕様 === |
− | メディアにBDを採用し、USB端子も搭載。ソフト及びテレビが対応しているなら3D(立体視)映像の出力も可能とする。D端子の他にHDMI接続を採用しており、解像度は仕様上1920×1080まで対応した(ただしPS3対応ソフトの多くは1280×720で制作されているようである)。
| + | メディアにBDを採用し、USB端子も搭載。ソフト及びテレビが対応しているなら3D(立体視)映像の出力も可能とする。D端子の他にHDMI接続を採用しており、解像度は仕様上1920×1080まで対応した<ref>ただし、マルチプラットフォーム等の兼ね合いもあり1280×720で開発されているタイトルも少なくなかった。</ref>。 |
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− | PS2とは違い2.5インチのハードディスクドライブ(以下HDD)が標準搭載であり、ゲームデータの記録・インストールやダウンロードしたデータの保存などをこれで行う。のCECH-4300Cでは500GBのHDDが搭載されている。なお、市販の2.5インチHDDに換装して更に容量を増やすことも可能。HDDより読み書きが高速なSSDにも換装可能だが仕様上PS3ではメリットが少ない。
| + | PS2とは異なり2.5インチのハードディスクドライブ(以下HDD)を標準搭載しており、ゲームデータの記録・インストールやダウンロードしたデータの保存などをこれで行う。のCECH-4300Cでは500GBのHDDが搭載されている。なお、市販の2.5インチHDDに換装して更に容量を増やすことも可能。HDDより読み書きが高速なSSDにも換装が可能だが仕様上PS3ではメリットが少ない。 |
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| + | コントロールデバイスにはデュアルショック2をベースにしつつも6軸検出システムによるモーションセンサーを搭載しBluetoothによるワイヤレス対応となった新規コントローラを採用。他方振動機能が廃されておりこの仕様変更により名称も従来のデュアルショックではなく「SIXAXIS(シックスアクシス)」となっている。後にSIXAXISに振動機能を追加した「デュアルショック3」も発売されている。 |
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| 発売当初、各種媒体で「仕様上の最大消費電力が380W」と記載された事で消費電力の高さが話題になったが、これは電源容量を指しており実測の消費電力は初期型でも190W程度、後期型では100W程度であるとされている(それでもPS2の実測値の3~4倍程となるが)。 | | 発売当初、各種媒体で「仕様上の最大消費電力が380W」と記載された事で消費電力の高さが話題になったが、これは電源容量を指しており実測の消費電力は初期型でも190W程度、後期型では100W程度であるとされている(それでもPS2の実測値の3~4倍程となるが)。 |
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| ;ゲームアーカイブス | | ;ゲームアーカイブス |
− | :PSNサービスのひとつで、PSのソフトをダウンロード購入できるコンテンツ。CD-ROM版と比べて価格が安く、ゲーム起動にディスクが不要という利点がある。現在ではスパロボシリーズも購入可能。購入したPSタイトルはCD-ROM版とセーブデータの互換性を持つ。なおPS以外の旧機種では、PCエンジンアーカイブスやネオジオステーションといったサービスが提供されている。 | + | :PSNサービスのひとつで、PSのソフトをダウンロード購入できるコンテンツで、事実上の廉価販売となる。現在ではスパロボシリーズも購入可能。購入したPSタイトルはCD-ROM版とセーブデータの互換性を持つ。なおPS以外の旧機種では、PCエンジンアーカイブスやネオジオステーションといったサービスが提供されている。 |
| :現在はPS2のソフトもダウンロード購入できるが、ROM版とのセーブデータの互換性は撤廃されている。 | | :現在はPS2のソフトもダウンロード購入できるが、ROM版とのセーブデータの互換性は撤廃されている。 |
| ;[[プレイステーション・ポータブル]](PSP)や[[プレイステーション・ヴィータ]](PSV)とのリンク | | ;[[プレイステーション・ポータブル]](PSP)や[[プレイステーション・ヴィータ]](PSV)とのリンク |
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| :PSPやPSVソフトのセーブデータ保存や、PSNで購入したゲームアーカイブスタイトル等のコンテンツのコピーもできる。ただし後者には複雑な制約がある。詳しくは[http://jp-playstation.custhelp.com/app/answers/detail/a_id/479/~/%E6%A9%9F%E5%99%A8%E8%AA%8D%E8%A8%BC%E3%81%A8%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8B%EF%BC%9F PS公式サイト]を参照。 | | :PSPやPSVソフトのセーブデータ保存や、PSNで購入したゲームアーカイブスタイトル等のコンテンツのコピーもできる。ただし後者には複雑な制約がある。詳しくは[http://jp-playstation.custhelp.com/app/answers/detail/a_id/479/~/%E6%A9%9F%E5%99%A8%E8%AA%8D%E8%A8%BC%E3%81%A8%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8B%EF%BC%9F PS公式サイト]を参照。 |
| ;アドホック・パーティー | | ;アドホック・パーティー |
− | :PSNの機能のひとつ。PS3のブロードバンドネットワークを活用して全国のプレイヤーとPSPソフトでのオンラインプレイが可能となる。PSVitaは現時点では非対応。 | + | :PSNの機能のひとつ。PS3のブロードバンドネットワークを活用して全国のプレイヤーとPSPソフトでのオンラインプレイが可能となる。PSVは現時点では非対応。 |
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| === その他メディア機能 === | | === その他メディア機能 === |
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| :40GBモデル。PS2との互換機能を排除し、消費電力・重量を削減、低騒音化。価格は39980円。 | | :40GBモデル。PS2との互換機能を排除し、消費電力・重量を削減、低騒音化。価格は39980円。 |
| ;CECHL | | ;CECHL |
− | :80GBに増量した以外は価格などに変化はない。この機種からコントローラーが付属。 | + | :80GBに増量した以外は価格などに変化はない。この機種からコントローラが付属。 |
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| === 中期型 === | | === 中期型 === |
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| == 余談 == | | == 余談 == |
− | *初代PS3でシステムソフトウェア3.21以前の場合、Yellow Dog Linux,Fedora Core等のLinuxディストリビューションをゲストOSとするマルチブートが可能だった。ただPS3でゲームをプレイする上では関係ない機能であり、マニア向け。 | + | *初代PS3でシステムソフトウェア3.21以前の場合、Yellow Dog Linux,Fedora Core等のLinuxディストリビューションをゲストOSとするマルチブートが可能だった。ただPS3でゲームをプレイする上では関係ないコアユーザー向けの機能である。 |
| *2011年4月にPSNシステムへの不正侵入事件があり、大規模な顧客情報の流出やPSNへの接続障害が発生した。PSN完全復旧に至るまで日本では約3ヶ月を要した。ソニーからは後日お詫びとしてユーザーにPS3やPSPソフト・コンテンツの無償提供が行われた。 | | *2011年4月にPSNシステムへの不正侵入事件があり、大規模な顧客情報の流出やPSNへの接続障害が発生した。PSN完全復旧に至るまで日本では約3ヶ月を要した。ソニーからは後日お詫びとしてユーザーにPS3やPSPソフト・コンテンツの無償提供が行われた。 |
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| + | == 脚注 == |
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