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− そもそも、第1次連合・プラント大戦における停戦は、月面プトレマイオス基地の消滅により宇宙戦力の大部分を喪失した連合と、カーペンタリア以外の大規模拠点を失い、そのカーペンタリアも八・八作戦で劣勢に陥り、既に地球各戦線での敗北が確定的になってしまったザフトの事情を考慮した上での合意であり、両国の戦犯追訴に関しての国際法廷開設を行わずに自国裁判のみで済ませている。そのためユニウス条約はプラントの政治的な独立を容認しつつも、連合有利の支配体制をある程度継続させるという実質的な「'''引き分け・痛み分け'''」に近い結果と言える。+
→概要
地球連合軍がコズミック・イラ70年2月14日に核ミサイルによってプラント所属の農業[[コロニー]]である[[ユニウスセブン]]を破壊して多数の死者を出した[[血のバレンタイン]]を契機に戦闘が地球圏全域へと拡大する。
地球連合軍がコズミック・イラ70年2月14日に核ミサイルによってプラント所属の農業[[コロニー]]である[[ユニウスセブン]]を破壊して多数の死者を出した[[血のバレンタイン]]を契機に戦闘が地球圏全域へと拡大する。
当初は[[ニュートロンジャマー]]の投下と[[モビルスーツ]]([[MS]])を主体としたザフトに侵攻され、地球連合軍が押されていた形であったが、オペレーション・スピットブレイク以降は、地球連合軍が盛り返し、最終的にはザフトの宇宙要塞[[ヤキン・ドゥーエ]]を舞台に地球連合軍とザフト、そして[[ラクス・クライン]]率いる三隻同盟によって激戦が繰り広げられ(第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦)、地球連合軍側は連合軍の中心である[[ブルーコスモス]]派を指導していた[[ムルタ・アズラエル]]、ザフト側は[[プラント]]議長である[[パトリック・ザラ]]を失い、コズミック・イラ72年3月10日にユニウスセブンで停戦協定、ユニウス条約が結ばれることになった。
当初は[[ニュートロンジャマー]]の投下と[[モビルスーツ]]([[MS]])を主体としたザフトに侵攻され、地球連合軍が押されていた形であったが、ザフト軍のオペレーション・スピットブレイク失敗以降は、ザフトの戦力消耗と地球連合軍のMS本格投入により次第に連合有利へと推移。最終的にはザフトの宇宙要塞[[ヤキン・ドゥーエ]]を舞台に地球連合軍とザフト、そして[[ラクス・クライン]]率いる三隻同盟によって激戦が繰り広げられ(第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦)、地球連合軍側は連合軍の中心である[[ブルーコスモス]]派を指導していた[[ムルタ・アズラエル]]、ザフト側は[[プラント]]議長である[[パトリック・ザラ]]を失い、コズミック・イラ72年3月10日にユニウスセブンで停戦協定、ユニウス条約が結ばれることになった。
スーパーロボット大戦シリーズでは機動戦士ガンダムSEEDが初参戦した『[[第3次スーパーロボット大戦α]]』『[[スーパーロボット大戦J]]』『[[スーパーロボット大戦W]]』で切り口を変えながら血のバレンタイン事件や[[アラスカ基地]]の攻防、ヤキン・ドゥーエの最終決戦などが再現されている。
スーパーロボット大戦シリーズでは機動戦士ガンダムSEEDが初参戦した『[[第3次スーパーロボット大戦α]]』『[[スーパーロボット大戦J]]』『[[スーパーロボット大戦W]]』で切り口を変えながら血のバレンタイン事件や[[アラスカ基地]]の攻防、ヤキン・ドゥーエの最終決戦などが再現されている。
=== 背景 ===
=== 背景 ===
当初TV本編では「[[血のバレンタイン]]」の奇襲が戦争の引き金のように描写されていたが、後に発表された公式年表ではその3日前に正式な宣戦布告がなされていることになった。つまり、核攻撃は人道的な問題はあるものの普通の戦争行為だったことになる。
当初TV本編では「[[血のバレンタイン]]」の奇襲が戦争の引き金のように描写されていたが、後に発表された公式年表ではその3日前に正式な宣戦布告がなされていることになった。つまり、核攻撃は人道的な問題はあるものの普通の戦争行為だったことになる。大戦末期は両軍とも大量破壊兵器の使用を連発する凄惨な戦闘を繰り広げた。
本編では憎悪の連鎖による絶滅戦争と言う面がクローズアップされているが、この戦争を政治的に見れば「'''プラントがコロニーの自治権を得るために地球連合に仕掛けた独立戦争'''」である。 よって、最終的に大西洋連邦がコーディネイターの自治権を承認するという目的を達成したザフト及びプラントに軍配が上がったとも言えなくはない。
本編では憎悪の連鎖による絶滅戦争と言う面がクローズアップされているが、この戦争を政治的に見れば「'''プラントがコロニーの自治権を得るために地球連合に仕掛けた独立戦争'''」である。 よって、最終的に大西洋連邦がコーディネイターの自治権を承認するという目的を達成したザフト及びプラントに軍配が上がったとも言えなくはない。
ただし、ユニウス条約での国力に応じた兵器保有制限を定めた'''リンデマン・プラン'''(連合の方が国力は圧倒的に勝る)、独立以前の一方的な格差ではないにしろ「'''連合各国の関税優遇権'''」、カーペンタリアとジブラルタル以外の'''ザフトの地球占領地無条件放棄'''、'''プラント近隣の軍事基地の一つを地球連合軍に提供'''等の条項が確認できるため、プラント自治権獲得後も基本的には地球連合有利の体制は維持されている。不平等条約が多数残されたため、完全独立を果たしたとは言い難い実状は残されたままとなった<ref>一応プラント側に有利になる条約として地球連合と同数の月面軍事拠点の建造が認められている。本来なら月は地球連合の勢力圏であり、月に主力艦隊を置く連合に対して月面に大規模拠点を設営できれば、地球連合軍のプラントに対する軍事アプローチを牽制しやすくなるが、こちらは実施されず、ザフトは月軌道側に展開可能な艦隊をプラント本国側に配置するに留めている。当初ミネルバも月軌道側の艦隊へ配備されると噂されていた。反対に地球連合軍は失ってしまった月面プトレマイオス基地に代わる新たな大規模な月面軍事拠点「月面アルザッヘル基地」を建設した</ref>。
ただし、ユニウス条約での国力に応じた兵器保有制限を定めた'''リンデマン・プラン'''(連合の方が国力は圧倒的に勝る)、独立以前の一方的な格差ではないにしろ「'''連合各国の関税優遇権'''」、カーペンタリアとジブラルタル以外の'''ザフトの地球占領地無条件放棄'''、'''プラント近隣の軍事基地の一つを地球連合軍に提供'''等の条項が確認できるため、プラント自治権獲得後も基本的には地球連合有利の世界体制は維持されている。不平等条約が多数残されたため、プラントは完全独立を果たしたとは言い難い実状は残されたままとなった<ref>一応プラント側に有利になる条約として地球連合と同数の月面軍事拠点の建造が認められている。本来なら月は地球連合の勢力圏であり、月に主力艦隊を置く連合に対して月面に大規模拠点を設営できれば、地球連合軍のプラントに対する軍事アプローチを牽制しやすくなるが、こちらは実施されず、ザフトは月軌道側に展開可能な艦隊をプラント本国側に配置するに留めている。当初ミネルバも月軌道側の艦隊へ配備されると噂されていた。反対に地球連合軍は失ってしまった月面プトレマイオス基地に代わる新たな大規模な月面軍事拠点「月面アルザッヘル基地」を建設した</ref>。
そもそも、第1次連合・プラント大戦における停戦は、月面プトレマイオス基地の消滅により宇宙戦力の大部分を喪失した連合と、カーペンタリア以外の大規模拠点を失い、そのカーペンタリアも八・八作戦で劣勢に陥り、既に地球各戦線での敗北が確定的になってしまったザフトの事情を考慮した上での合意であり、両国の戦犯追訴に関しての国際法廷開設を行わずに自国裁判のみで済ませている。そのためユニウス条約はプラントの政治的な独立を容認しつつも、地球連合有利の支配体制をある程度継続させるという実質的な「'''引き分け・痛み分け'''」に近い結果と言える。
ユニウス条約は明らかな連合有利の条約だったが、代償としてプラントはユニウスセブンで条約調印を行うことを連合に認めさせた。しかし、それでもプラント最高評議会では内容が問題視され、カナーバ臨時最高評議会議長は総辞職している。
ユニウス条約は明らかな連合有利の条約だったが、代償としてプラントはユニウスセブンで条約調印を行うことを連合に認めさせた。しかし、それでもプラント最高評議会では内容が問題視され、カナーバ臨時最高評議会議長は総辞職している。