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| :また、戦術核の装備を前提したガンダム試作2号機の開発自体が条約違反であるかは微妙で<ref>違反なのはあくまでも「核の使用」であり、つまり一年戦争のオデッサ作戦で[[マ・クベ]]が実行した事である。</ref><ref>ここで持ち出した南極条約自体「一年戦争中のみ有効」な戦時条約に過ぎないので、既に戦後である『0083』の時期にはとっくに失効している……のだが、デラーズにとっては一年戦争のジオン側の降伏は「ジオン共和国が勝手にやったこと」という認識であるため、彼にとっては未だ戦時中であり条約も有効と考えている様子。ただし'''ジオン軍の総大将ではないデラーズにはそれを判断する資格はない'''。</ref>、そもそもそうなったのは、コロニー落としや条約無視の核弾頭使用等を平然と行う自分達ジオン側に対する「抑止力」を求めた為であるので、連邦側を一方的に悪く言うのも筋が通らない。 | | :また、戦術核の装備を前提したガンダム試作2号機の開発自体が条約違反であるかは微妙で<ref>違反なのはあくまでも「核の使用」であり、つまり一年戦争のオデッサ作戦で[[マ・クベ]]が実行した事である。</ref><ref>ここで持ち出した南極条約自体「一年戦争中のみ有効」な戦時条約に過ぎないので、既に戦後である『0083』の時期にはとっくに失効している……のだが、デラーズにとっては一年戦争のジオン側の降伏は「ジオン共和国が勝手にやったこと」という認識であるため、彼にとっては未だ戦時中であり条約も有効と考えている様子。ただし'''ジオン軍の総大将ではないデラーズにはそれを判断する資格はない'''。</ref>、そもそもそうなったのは、コロニー落としや条約無視の核弾頭使用等を平然と行う自分達ジオン側に対する「抑止力」を求めた為であるので、連邦側を一方的に悪く言うのも筋が通らない。 |
| :更に、スペースノイドの自治権要求が遠のく一方なのは自分達の過激なテロ活動にも責任があるはずなのだが、演説の内容からもそれらは全く感じていない事が伺われ、おまけにデラーズ自身が共にあるのはジオン・ズム・ダイクンでは無くギレン・ザビであるのも明らかであった為に、演説を聴いていたコーウェンからも「ギレン・ザビの亡霊」と指摘されてしまっている。 | | :更に、スペースノイドの自治権要求が遠のく一方なのは自分達の過激なテロ活動にも責任があるはずなのだが、演説の内容からもそれらは全く感じていない事が伺われ、おまけにデラーズ自身が共にあるのはジオン・ズム・ダイクンでは無くギレン・ザビであるのも明らかであった為に、演説を聴いていたコーウェンからも「ギレン・ザビの亡霊」と指摘されてしまっている。 |
− | :くわえて言えこの後にデラーズ・フリートが行った核の使用およびコロニー落としは'''明確な南極条約違反'''であり、たとえ建前であっても自分たちの掲げた大義名分を反故にしている。 | + | :加えて言えばこの後にデラーズ・フリートが行った核の使用およびコロニー落としは'''明確な南極条約違反'''であり、たとえ建前であっても自分たちの掲げた大義名分を反故にしている。 |
| ;「フッハッハ、貴公なにが狙いだ。ワシと艦隊を餌に連邦に尻尾を振るのではないか? コロニーを落とすのか? 落とさんのか!?」 | | ;「フッハッハ、貴公なにが狙いだ。ワシと艦隊を餌に連邦に尻尾を振るのではないか? コロニーを落とすのか? 落とさんのか!?」 |
| :シーマに反乱を起こされ、ブリッジを制圧された際に。星の屑作戦の要であるコロニー「アイランド・イーズ」は地球への針路を直進していたため、まだこの時は余裕だったのだが…… | | :シーマに反乱を起こされ、ブリッジを制圧された際に。星の屑作戦の要であるコロニー「アイランド・イーズ」は地球への針路を直進していたため、まだこの時は余裕だったのだが…… |
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| :更にコロニージャックや[[月]]軌道での地球へのコロニー進路変更は、事実上シーマを'''コロニー落としという虐殺行為の実行者'''にしているという点は、かつての毒ガス作戦等の'''汚れ仕事'''と大差は無い為、彼女から一層の不信感を買った可能性は否めない<ref>ただし、元々シーマは裏切る気だった事から直接的な要因ではない。デラーズ自身はアサクラ等と違い自ら作戦に参加している点も大きく異なる。デラーズの意図は明確ではないが、重要作戦をシーマ艦隊に任せることで星の屑作戦における決定的な成果を与えることで、彼らの待遇改善を意図していた可能性は有る。</ref>。 | | :更にコロニージャックや[[月]]軌道での地球へのコロニー進路変更は、事実上シーマを'''コロニー落としという虐殺行為の実行者'''にしているという点は、かつての毒ガス作戦等の'''汚れ仕事'''と大差は無い為、彼女から一層の不信感を買った可能性は否めない<ref>ただし、元々シーマは裏切る気だった事から直接的な要因ではない。デラーズ自身はアサクラ等と違い自ら作戦に参加している点も大きく異なる。デラーズの意図は明確ではないが、重要作戦をシーマ艦隊に任せることで星の屑作戦における決定的な成果を与えることで、彼らの待遇改善を意図していた可能性は有る。</ref>。 |
| :そもそも、デラーズおよび彼の賛同者達が「'''志だけしか持っていなかった'''」事が原因と言えなくもない。そしてその志といえば、前述通りのギレンの亡霊としか言いようがない、怨念じみたものに過ぎなかったのである。 | | :そもそも、デラーズおよび彼の賛同者達が「'''志だけしか持っていなかった'''」事が原因と言えなくもない。そしてその志といえば、前述通りのギレンの亡霊としか言いようがない、怨念じみたものに過ぎなかったのである。 |
− | :そして前述通り、導こうとしたもなにも、ここまでの間にシーマとしっかり会話しているシーンは存在しない。導くとは何だったのだろうか……? | + | :そして前述通り、導こうとしたもなにも、ここまでの間にシーマとしっかり会話しているシーンは存在しない。導くとは本当に何だったのだろうか……? |
| ;「……行け、ガトーよ」<br />「ガトーよ、意地を通せ。現に[[スペースコロニー|コロニー]]はあるのだ」<br />「儂を宇宙(そら)の晒し者にする気かガトー! ……ジーク・ジオン!!」 | | ;「……行け、ガトーよ」<br />「ガトーよ、意地を通せ。現に[[スペースコロニー|コロニー]]はあるのだ」<br />「儂を宇宙(そら)の晒し者にする気かガトー! ……ジーク・ジオン!!」 |
| :「[[星の屑作戦]]」が最終局面を迎える中、[[デラーズ・フリート]]を裏切ったシーマに捕らえられながらもガトーにコロニー落としの完遂を促す。最後の最期までジオンへの(というよりギレンへの)狂信を貫いた<ref>[[漫画]]『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』では上記の台詞の直後に[[シーマ・ガラハウ|シーマ]]と同じく戦犯としての罪に苦しみ、部下を全て失ってしまったゲール・ハントによってデラーズは[[暗殺|射殺]]され、'''「キサマの様な奴がいるから、殺し合いは終わらないんだ…」'''と吐き捨てられる事になる。</ref>。 | | :「[[星の屑作戦]]」が最終局面を迎える中、[[デラーズ・フリート]]を裏切ったシーマに捕らえられながらもガトーにコロニー落としの完遂を促す。最後の最期までジオンへの(というよりギレンへの)狂信を貫いた<ref>[[漫画]]『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』では上記の台詞の直後に[[シーマ・ガラハウ|シーマ]]と同じく戦犯としての罪に苦しみ、部下を全て失ってしまったゲール・ハントによってデラーズは[[暗殺|射殺]]され、'''「キサマの様な奴がいるから、殺し合いは終わらないんだ…」'''と吐き捨てられる事になる。</ref>。 |
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| :漫画『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』にて、シーマに反逆され、ゲール・ハントから「死なせた兵へのこれは償いだ」と銃口を突き付けられた際に。 | | :漫画『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』にて、シーマに反逆され、ゲール・ハントから「死なせた兵へのこれは償いだ」と銃口を突き付けられた際に。 |
| :結局のところ、デラーズにとっての償いとは'''「手段を問わず、自分が信じる目的を達成する事で、散って行った者を犠牲を無駄にしない」'''であり、その手段の為に激しく苦しみ、追い詰められていった同胞達の気持ちは何一つ顧みてはいなかった事になる。その意味でもシーマやゲールと絶対に分かり合う事はできなかったといえる。 | | :結局のところ、デラーズにとっての償いとは'''「手段を問わず、自分が信じる目的を達成する事で、散って行った者を犠牲を無駄にしない」'''であり、その手段の為に激しく苦しみ、追い詰められていった同胞達の気持ちは何一つ顧みてはいなかった事になる。その意味でもシーマやゲールと絶対に分かり合う事はできなかったといえる。 |
| + | :そもそもジオンが一年戦争を起こしたのは「自治権の獲得」のためであり、言うなればそれがジオンの大義である。作中におけるデラーズの行いはそれを目指すものとはかけ離れている<ref>ジオン軍が一年戦争でコロニー落としなどの虐殺を行ったのは、自治権獲得のための武力行使という「手段」である。一方のデラーズは、シーマにより拘束された(=デラーズ・フリートとしての敗北が決定的になった)状態でもコロニー落としを諦めておらず、もはやコロニー落としそのものが「目的」となっている節があり、本末転倒となっている。</ref>ため、むしろ'''一番大義を見失っているのはデラーズ自身'''である。 |
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| == スパロボシリーズの名台詞 == | | == スパロボシリーズの名台詞 == |