北大路家は海運業に長けており、花火が3歳の時、一家はフランスに移り住んだ。欧州とアジアの航路開拓と事業拡大を目指す北大路家は、花火が17歳の時、フィリップ・ディ・マールブランシュとの婚約を取り付ける。欧州大戦で破産寸前に陥りつつも、未だ海運業界でその名を轟かせるマールブランシュ家の名声を狙った政略結婚だった。前に出ずに決められた事を守り、よき妻として殿方に尽くす「大和撫子」を目指すように育てられた花火はこれに何の疑問も持たなかったが、フィリップは違った。自堕落な父の影響から女性を嫌っていた彼は「恋すら知らない者が結婚など出来るのか」と突き放すが、「よろしければ恋を教えてもらえませんか」と答える花火。フィリップは呆然としつつも、彼女の純粋さに惹かれていった。 | 北大路家は海運業に長けており、花火が3歳の時、一家はフランスに移り住んだ。欧州とアジアの航路開拓と事業拡大を目指す北大路家は、花火が17歳の時、フィリップ・ディ・マールブランシュとの婚約を取り付ける。欧州大戦で破産寸前に陥りつつも、未だ海運業界でその名を轟かせるマールブランシュ家の名声を狙った政略結婚だった。前に出ずに決められた事を守り、よき妻として殿方に尽くす「大和撫子」を目指すように育てられた花火はこれに何の疑問も持たなかったが、フィリップは違った。自堕落な父の影響から女性を嫌っていた彼は「恋すら知らない者が結婚など出来るのか」と突き放すが、「よろしければ恋を教えてもらえませんか」と答える花火。フィリップは呆然としつつも、彼女の純粋さに惹かれていった。 |