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− | オールレンジ攻撃(all range attack)とは、機体から射出した端末を使用して敵機体の死角から攻撃する手法のこと。『[[機動戦士ガンダム]]』より広く使用されるようになった。 | + | オールレンジ攻撃(all range attack)とは、機体から射出した端末を使用して敵機体の死角から攻撃する手法のこと。『[[機動戦士ガンダム]]』をはじめとする[[ガンダムシリーズ]]に多く登場している。 |
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| == 概要 == | | == 概要 == |
− | オールレンジ攻撃は[[ガンダムシリーズ]]に多く登場している。これまでにオールレンジ攻撃が可能な様々な武装が登場しているが、機体から端末を射出して敵機体の死角に遠隔誘導し、攻撃するという流れは共通している。端末を使用した攻撃手段には、端末から射撃する、端末自体を敵機に衝突させるといったものがある。
| + | これまでにオールレンジ攻撃を可能とする様々な武装が登場しているが、機体から端末を射出して敵機体の死角に遠隔誘導し、攻撃するという流れは共通している。端末を使用した攻撃手段には、端末から射撃する、端末自体を敵機に衝突させるといったものがある。 |
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| 多くの[[パイロット]]にとって、モニターの範囲内を一瞬掠める程度しか見えない端末を捕らえるのは難しい。[[回避]]はおろか[[防御]]すら困難なため、オールレンジ攻撃は有効な攻撃方法として認知された。 | | 多くの[[パイロット]]にとって、モニターの範囲内を一瞬掠める程度しか見えない端末を捕らえるのは難しい。[[回避]]はおろか[[防御]]すら困難なため、オールレンジ攻撃は有効な攻撃方法として認知された。 |
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− | オールレンジ攻撃の弱点としては、パイロットにとって端末と機体の同時操作の負担が大きいことがある。その要因には、単純に操作対象が多くなることに加え、端末の操作に高度な空間認識能力を必要とすることがある。そのため、戦闘の場面によっては端末と機体の同時操作が困難な場合もある。例えば、[[エルメス]]のパイロットを務めた[[ララァ・スン]]は、敵の攻撃によってビットの正確なコントロールができなくなったことがあった。やがて技術が発展していき、端末の操作もある程度はコンピューターにより補佐されるようになったため、操作の負担は軽減されていった。 | + | オールレンジ攻撃の弱点としては、パイロットにとって端末と機体の同時操作の負担が大きいことがある。その要因には、単純に操作対象が多くなることに加え、端末の操作に高度な空間認識能力を必要とすることがある。そのため、戦闘の場面によっては端末と機体の同時操作が困難な場合もある。例えば、[[エルメス]]のパイロットを務めた[[ララァ・スン]]は、敵の攻撃によってビットの正確なコントロールができなくなったことがあった。 |
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− | オールレンジ攻撃用武装はニュータイプでも強化人間でもない[[オールドタイプ]]の[[パイロット]]にとって恐るべきものであったが、[[第2次ネオ・ジオン抗争]](『[[機動戦士ガンダム 逆襲のシャア|逆襲のシャア]]』)以後は[[地球連邦軍|連邦側]]のサイコミュ兵器対策が進み、もはや絶対的脅威とはみなされなくなる。そして、戦乱の減少や使い手の不足やコストの増大、さらに小型化以降は特に[[モビルスーツ]]自体の機動力の上昇も著しくなったことから、ファンネルは戦場からその姿を消していく。なお、宇宙世紀0203年頃を舞台にした[[小説]]作品『ガイア・ギア』(SRW未参戦)においては、オールドタイプも使用可能なファンネルも開発されている。
| + | === ガンダムシリーズにおけるオールレンジ攻撃 === |
| + | [[ガンダムシリーズ]]では、様々なオールレンジ攻撃可能な武装が登場している。 |
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− | SRWにおいてファンネルはNT用[[モビルスーツ]]の最強武装として用いられる事が多く、高火力の武器と思われがちだが、[[モビルアーマー]]に搭載されている大型ファンネル、メガ粒子砲を発射する[[νガンダム]]のフィン・ファンネル等の一部の例外を除き、関節等の装甲の弱い部分を攻撃する為の武器である為、厳密には単体火力の高い武器では無い<ref>SRW等の[[コンピュータゲーム]]における「ファンネル=最強武装」のイメージは、原作等で散見される「一体の[[モビルスーツ]]を複数のファンネルでよってたかって蜂の巣にする」という描写に由来しているものと推測される。なお、[[キュベレイMk-II]]のファンネルの[[出力]]は1.3MWであり、[[メタス]]のアームビームガンの2.0MWよりも低い。しかし、一方で[[α・アジール]]のファンネルは20.4MWと[[ΖΖガンダム]]のダブルビームライフル1射の10.6MW×2に匹敵する。</ref>。
| + | ;[[宇宙世紀]]作品 |
| + | :「ビット」、「[[ファンネル]]」、「インコム」などが登場しており、それぞれ性能や駆動方式が異なる。このうち「ビット」や「ファンネル」は一部の非・宇宙世紀作品にも登場する。 |
| + | ;[[機動戦士ガンダムSEED|SEEDシリーズ]] |
| + | :「ガンバレル」、「ドラグーン・システム」が登場。 |
| + | ;[[機動戦士ガンダム00]] |
| + | :[[ソレスタルビーイング]]側のガンダムタイプのものは「GN○○ビット」、それ以外の敵方機体のものは「ファング」と呼ばれている。 |
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− | [[ガンダムシリーズ]]では作品によって名称が異なる。[[宇宙世紀]]作品では「ビット」、「[[ファンネル]]」、「インコム」などが登場しており、それぞれ性能や駆動方式が異なる(このうち「ビット」や「ファンネル」は一部の非・宇宙世紀作品にも登場する)。また、『[[機動戦士ガンダムSEED|SEEDシリーズ]]』では「ガンバレル」ないし「ドラグーン・システム」、『[[機動戦士ガンダム00|00]]』では[[ソレスタルビーイング|CB]]側のガンダムタイプは「GN○○ビット」、それ以外の敵方機体は「ファング」と呼ばれている。 | + | ==== 宇宙世紀作品におけるオールレンジ攻撃 ==== |
| + | [[宇宙世紀]]作品では『[[機動戦士ガンダム]]』の終盤よりオールレンジ攻撃が登場し、『[[機動戦士Ζガンダム]]』([[グリプス戦役]])の時代には一般化した。ほとんどは[[サイコミュ]]兵器であり、それらを扱えるのは[[ニュータイプ]]か[[強化人間]]に限られる。技術の発展に伴い、端末操作の負担もコンピュータの補助によって軽減された。 |
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− | == スーパーロボット大戦におけるオールレンジ攻撃 ==
| + | オールレンジ攻撃用武装はニュータイプでも強化人間でもない[[オールドタイプ]]の[[パイロット]]にとって恐るべきものであったが、[[第2次ネオ・ジオン抗争]](『[[機動戦士ガンダム 逆襲のシャア|逆襲のシャア]]』)以後は[[地球連邦軍|連邦側]]のサイコミュ兵器対策が進み、もはや絶対的脅威とはみなされなくなる。そして、戦乱の減少や使い手の不足やコストの増大、さらに小型化以降は特に[[モビルスーツ]]自体の機動力の上昇も著しくなったことから、ファンネルは戦場からその姿を消していく。なお、宇宙世紀0203年頃を舞台にした[[小説]]作品『ガイア・ギア』(SRW未参戦)においては、オールドタイプも使用可能なファンネルも開発されている。 |
− | ゲーム中においては長射程の[[ビーム兵器]]でないUC系最強武器としてしばらく君臨し続けていた。[[ニュータイプ]]、[[強化人間]]が前提条件だが、そちらの技能レベルで更に射程が伸びる驚異の武装。ただし[[切り払い]]が適用されることが多いため、思わぬところでダメージを与え損ねるケースも少なくない。
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− | 基本的に[[旧シリーズ]]からしばらくは弾数制であり、『[[スーパーロボット大戦α外伝|α外伝]]』以降はエネルギー消費武器に変更された。また、『[[スーパーロボット大戦α|α]]』、『α外伝』では距離補正がかからないという仕様があるが、これらの作品の距離補正はメリットが多大(最大射程を基準に、近づけば近づくほどダメージが上昇)であった為、実質ファンネル系統にはマイナス補正がかかっている状態だった。
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− | 近年では最強武器は複数武装のコンビネーション武装に取って代わられたケースも多い。
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− | 当初は[[Iフィールド]]などを無力化してダメージを与えるため、実弾兵器に設定されていたが、実弾を防ぐ[[フェイズシフト装甲|PS装甲]]でダメージが軽減されるなど矛盾が出てきたため、『[[スーパーロボット大戦J|J]]』や『[[スーパーロボット大戦W|W]]』ではPS装甲を無効化できる武器特性を持たせる措置が採られた他、[[特殊装甲]]の概念が採られた『[[スーパーロボット大戦Z|Z]]』からは「[[バリア貫通]]」の[[ビーム兵器]]に設定されている。
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− | 本来は大気圏内では使えないとされているファンネル系やドラグーン等は空陸B、宇Sとされていることが多く、大気圏内での運用には強化パーツが不可欠となる。
| + | なお、オールレンジ攻撃は効果的な攻撃手段であるが、[[モビルアーマー]]に搭載されている大型ファンネル、メガ粒子砲を発射する[[νガンダム]]のフィン・ファンネル等の例外を除き、単体火力の高い武装ではない<ref>例えば[[キュベレイMk-II]]のファンネルの[[出力]]は1.3 MWであり、[[メタス]]のアームビームガンの2.0 MWよりも低い。一方で、[[α・アジール]]のファンネルは20.4 MWと[[ΖΖガンダム]]のダブルビームライフル1射の10.6 MW×2に匹敵する。</ref>。<!-- これは本来関節等の装甲の弱い部分を攻撃するための武装であるためである。(←一般的なのでしょうか?) -->スパロボ等の[[コンピュータゲーム]]ではファンネルがニュータイプ専用[[モビルスーツ]]の最強武装として扱われる場合が多いが、これは原作等で散見される「一体の[[モビルスーツ]]を複数のファンネルでよってたかって蜂の巣にする」という描写に由来するものと推測される。 |
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− | 武器属性は当然ながら[[射撃]]武器であるが、端末そのものを打突させる武器として使用するタイプについては[[格闘]]武器扱いにされる場合がある。
| + | === スーパーロボット大戦におけるオールレンジ攻撃 === |
| + | ゲーム中においては長射程の[[ビーム兵器]]でないUC系最強武器として長らく君臨していた。[[ニュータイプ]]、[[強化人間]]が前提条件だが、それらの技能レベルで更に射程が伸びる驚異の武器である。ただし[[切り払い]]が適用されることが多いため、思わぬところでダメージを与え損ねるケースも少なくない。近年では複数武装のコンビネーションが最強武器となった場合も多いが、多くの搭載機体にとっては依然として強力な武器である。 |
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− | また、初期シリーズから伝統的に[[切り払い]]で(『R』以降の任天堂携帯機シリーズでは[[撃ち落とし]]でも)防ぐことができる。ただし、任天堂携帯機シリーズでは『J』を契機に[[ガンダムハルート|一部]]を除いて切り払い・撃ち落としのどちらでも防がれないようになっている。
| + | ==== 武器の特徴 ==== |
| + | * 武器属性は当然ながら[[射撃]]武器であるが、端末そのものを打突させる武器として使用するタイプについては[[格闘]]武器扱いにされる場合がある。 |
| + | * 基本的に『[[スーパーロボット大戦α外伝|α外伝]]』より前は弾数制であり、『α外伝』以降はエネルギー消費武器に変更された。 |
| + | * 当初は[[Iフィールド]]などを無力化してダメージを与えるため、実弾兵器に設定されていた。その後、参戦作品の拡大に伴い、実弾を防ぐ[[フェイズシフト装甲|PS装甲]]でダメージが軽減されるなど矛盾が出てきたため、『[[スーパーロボット大戦J|J]]』や『[[スーパーロボット大戦W|W]]』ではPS装甲を無効化できる武器特性を持たせる措置が採られた。[[特殊装甲]]の概念が導入された『[[スーパーロボット大戦Z|Z]]』からは「[[バリア貫通]]」の[[ビーム兵器]]に設定されている。 |
| + | * 初期シリーズから伝統的に[[切り払い]]で(『R』以降の任天堂携帯機シリーズでは[[撃ち落とし]]でも)防ぐことができる。ただし、任天堂携帯機シリーズでは『J』を契機に[[ガンダムハルート|一部]]を除いて切り払い・撃ち落としのどちらでも防がれないようになっている。 |
| + | * 本来は大気圏内では使えないとされているファンネル系やドラグーン等では、[[地形#武器の地形適応|地形適応]]が空・陸B、宇Sとされていることが多い。大気圏内での運用には強化パーツが不可欠となる。 |
| + | * 『[[スーパーロボット大戦α|α]]』、『α外伝』では距離補正がかからないという仕様があるが、これらの作品の距離補正はメリットが多大(最大射程を基準に、近づけば近づくほどダメージが上昇)であったため、実質的にファンネル系統にはマイナス補正がかかっている状態だった。 |
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− | UC系ニュータイプが武器名を叫ぶ武器としてお馴染みであり、本来ならばファンネルそのものが登場しない作品(『[[機動戦士Vガンダム|Vガンダム]]』等)のキャラクターを乗せても武器名を叫ぶ事が多く、声付きの作品の場合、大抵音声収録がしっかりと為されているため、「ファンネル(あるいはフィン・ファンネル)使用時の声を聞きたいがために[[乗り換え]]を多用する」プレイヤーも少なくない。
| + | ==== キャラクターボイス ==== |
| + | モビルスーツやモビルアーマーのオールレンジ攻撃は、UC系ニュータイプが武器名を叫ぶ武器としてお馴染みである。声付きの作品の場合、多くのニュータイプのキャラクターについてファンネルやフィン・ファンネル専用の音声が収録されている。本来ならばファンネルそのものが登場しない作品(『[[機動戦士Vガンダム|Vガンダム]]』等)のキャラクターを乗せても武器名を叫ぶ場合が多い。「ファンネル(あるいはフィン・ファンネル)使用時の声を聞きたいがために[[乗り換え]]を多用する」プレイヤーも少なくない。 |
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| == オールレンジ攻撃の一覧 == | | == オールレンジ攻撃の一覧 == |
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| ;[[ジェニオン|ジェミニオン・レイ]] | | ;[[ジェニオン|ジェミニオン・レイ]] |
| :遠隔操作型の戦闘ユニット・ハウンドを装備。 | | :遠隔操作型の戦闘ユニット・ハウンドを装備。 |
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| == 余談 == | | == 余談 == |