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− | ラムダ・ドライバ(Λ Driver)とは、『[[フルメタル・パニックシリーズ]]』に登場する概念。'''斥力Λを駆動する装置'''。'''虚弦斥力場生成システム'''とも呼ばれる。 | + | ラムダ・ドライバ(Λ Driver)とは、『[[フルメタル・パニックシリーズ]]』に登場する概念。'''虚弦斥力場生成システム'''とも呼ばれる。 |
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| == 概要 == | | == 概要 == |
− | TAROSと呼ばれる装置を介して搭乗者の意思を物理的な力に変換する仕組みのことを指す。
| + | TAROSと呼ばれる装置を介して搭乗者の意思を物理的な斥力(せきりょく)に変換する仕組みのことを指す。<br> |
| + | 斥力とは物質同士が遠ざけあう力のことであり、要するに引力の逆である。日常生活の中で最も身近な斥力といえば磁石の同じ極同士を近づけたときに跳ね返される現象だろう。 |
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| + | 斥力の戦闘での応用は多岐にわたる。機体の周囲に斥力場を発生させれば敵の攻撃を弾くバリアになるし、弾丸の周囲に斥力場をまとわせれば小さな弾でも巨大な敵を吹っ飛ばせる。跳躍時に足元に斥力を発生させればバネを踏んだかのように大ジャンプ可能。作中では10t近い機体を道路標識を踏み台にして跳躍している。また、[[プラン1501 ベヘモス|本来なら自重で崩壊するはずの機体]]を強引に維持する等の使い方もされていた。 |
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| [[千鳥かなめ]]曰く、通常の第三世代ASとラムダ・ドライバ搭載機との戦力比は1:8とのこと。 | | [[千鳥かなめ]]曰く、通常の第三世代ASとラムダ・ドライバ搭載機との戦力比は1:8とのこと。 |
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− | その用途は多彩に渡り、見えない防壁や弾丸として直接的に武力となる他、作中では10t近い機体を道路標識を踏み台にして跳躍させる、敵機体から放たれた弾丸を受け止めたり消滅させたりする、[[プラン1501 ベヘモス|本来なら自重で崩壊するはずの機体]]を強引に維持する、等様々な現象を引き起こす。その他原作小説においては重力を無視し浮遊したり、放射能を無力化するシーンが存在し、まさに'''[[超能力]]そのものである'''(原作者の賀東氏はもっと直裁に「'''魔法みたいなもの'''」と表現したことがある)。
| + | 発動には強い集中力とイメージが必須であり、その強さで発生する斥力場の力が決定する。逆に集中力が発動に満たない場合は発動できないため、兵器としての信頼性に難がある。具体的にはパイロットの精神状態に影響を受け、原作中でも宗介のコンディション不調時には発動すらしない事があった。また、咄嗟のイメージが追いつかない不意打ちなどにも弱い(超長距離狙撃や地雷など)。更にイメージが必須である関係上、そのイメージができない物はそもそも斥力場として発生させられない(ベリアルのアイザイアン・ボーン・ボウの見えない矢に対する防御壁など)。アマルガムではパイロットに薬物投与を施し、ラムダ・ドライバ発動に必要な精神状態を維持している。<br> |
− | | + | これらのことから、作中では科学兵器というよりも'''[[超能力]]のような扱い'''となっている(原作者の賀東氏はもっと直裁に「'''魔法みたいなもの'''」と表現したことがある)<br> |
− | 発動には強い集中力とイメージが必須であり、その強さで発生する斥力場の力が決定する。逆に集中力が発動に満たない場合は発動できないため、兵器としての信頼性に難がある。具体的にはパイロットの精神状態に影響を受け、原作中でも宗介のコンディション不調時には発動すらしない事があった。また、咄嗟のイメージが追いつかない不意打ちなどにも弱い(超長距離狙撃や地雷など)。更にイメージが必須である関係上、そのイメージができない物はそもそも斥力場として発生させられない(ベリアルのアイザイアン・ボーン・ボウの見えない矢に対する防御壁など)。アマルガムではパイロットに薬物投与を施し、ラムダ・ドライバ発動に必要な精神状態を維持している。
| + | 原作小説の後半では重力を無視したり放射能を無力化するなど斥力では説明がつかない現象も起こすようになり、よりオカルト的な色彩が濃くなっていった。 |
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− | 兵器としての「ラムダ・ドライバ」の概要は以上の通りだが、せまるニックオブタイムにて虚弦斥力場生成システムというのは'''偽装'''だと判明。本来のTAROSは原作世界の根幹に関わる重要な装置であり、その本来の名称は「'''オムニ・スフィア高速連鎖干渉炉'''(Transfer And Response Omni-Sphere)」であると明かされる。
| + | 兵器としての「ラムダ・ドライバ」の概要は以上の通りだが、原作小説10巻『せまるニックオブタイム』にて虚弦斥力場生成システムというのは'''偽装'''だと判明。本来のTAROSは原作世界の根幹に関わる重要な装置であり、その本来の名称は「'''オムニ・スフィア高速連鎖干渉炉'''(Transfer And Response Omni-Sphere)」であると明かされる。 |
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| 一種の精神世界であるオムニ・スフィアは物理世界と相互に干渉しあっており、人間は生身の状態でもオムニ・スフィアを通して分子が揺らぐ程度の干渉を物質に与えている。 | | 一種の精神世界であるオムニ・スフィアは物理世界と相互に干渉しあっており、人間は生身の状態でもオムニ・スフィアを通して分子が揺らぐ程度の干渉を物質に与えている。 |
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| *SF的な設定のため、どうしても説明が煩雑になってしまうのだが、簡単に言えばTAROSは「誰もが持つ微弱テレパシー送受信装置」で、ラムダ・ドライバは「誰もが持つ微弱サイコキネシス増幅装置」と言える。 | | *SF的な設定のため、どうしても説明が煩雑になってしまうのだが、簡単に言えばTAROSは「誰もが持つ微弱テレパシー送受信装置」で、ラムダ・ドライバは「誰もが持つ微弱サイコキネシス増幅装置」と言える。 |
| *フルメタが参戦した作品の一つに似た名前の用語があり、勘違いされて'''[[ラダム]]・ドライバ'''と読む人が多い。<br/>「ラムダ」とはギリシア文字であり、本来の表記は「Λ(あるいはλ)」である。 | | *フルメタが参戦した作品の一つに似た名前の用語があり、勘違いされて'''[[ラダム]]・ドライバ'''と読む人が多い。<br/>「ラムダ」とはギリシア文字であり、本来の表記は「Λ(あるいはλ)」である。 |
| + | **ネーミングの元ネタは、アインシュタイン方程式における重力定数がΛとして表記されていることから。この方程式は万有引力と同時に万有斥力も表している(そもそも引力と斥力は方向が違うだけで同じもの)。 |
| *賀東氏はラムダ・ドライバの設定を思いついた件について、月刊誌『電撃ホビーマガジン』のインタビューで「掲載誌だった『ドラゴンマガジン』にファンタジー作品が多かったことから、ロボットものでも'''魔法みたいなものを使えるロボット'''を出さないと受けないのではと思った」という意図だったと明かしている。ただ、スコープドッグやザクといった無骨な量産機を好み、'''スパロボでも量産機でエースを倒すといった嗜好'''の彼にとっては苦肉の策だったようで、インタビューでは続けて「『なんだかよくわからない力』の説明は後から考えればいいやと思っていたけど(ただでさえ複雑な各種設定が膨大になってしまったため)、すぐに後悔しました」とも述べている。なお、劇中登場人物もこの力については『インチキ』、『ナンセンス』と、肯定的な評価をしていない。ただ、敵側は積極的に運用しているのだが。 | | *賀東氏はラムダ・ドライバの設定を思いついた件について、月刊誌『電撃ホビーマガジン』のインタビューで「掲載誌だった『ドラゴンマガジン』にファンタジー作品が多かったことから、ロボットものでも'''魔法みたいなものを使えるロボット'''を出さないと受けないのではと思った」という意図だったと明かしている。ただ、スコープドッグやザクといった無骨な量産機を好み、'''スパロボでも量産機でエースを倒すといった嗜好'''の彼にとっては苦肉の策だったようで、インタビューでは続けて「『なんだかよくわからない力』の説明は後から考えればいいやと思っていたけど(ただでさえ複雑な各種設定が膨大になってしまったため)、すぐに後悔しました」とも述べている。なお、劇中登場人物もこの力については『インチキ』、『ナンセンス』と、肯定的な評価をしていない。ただ、敵側は積極的に運用しているのだが。 |
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