差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
61 バイト除去 、 2016年6月25日 (土) 19:06
文章・スタイルを整える
1行目: 1行目: −
== 多元世界補完計画(Plural Worlds Supplementation Plan)==
+
<small>下記はMXの「シト新生」及び「魂のルフラン」~「約束の地」での発言内容、及び原作の「調律」「人類補完計画」の内用を踏まえて類推した記述であり、'''確定事項ではありません'''。より良い解釈をお持ちの方は随時修正いただけると助かります。</small>
<!-- 下記はMXの「シト新生」及び「魂のルフラン」~「約束の地」での発言内用、及び原作の「調律」「人類補完計画」の内用を踏まえて類推した記述であり、確定事項ではありません。より良い解釈をお持ちの方は随時修正いただけると助かります。 -->
+
 
 
『[[スーパーロボット大戦MX]]』において、[[裏死海文書]]に記されているとされる多元世界を同時に補完する計画。[[人類補完計画]]に加え、『[[ラーゼフォン (TV)|ラーゼフォン]]』における「調律」を取り入れた設定となっており、劇中ではおもにネルフとMUがそれぞれ別々の思惑で遂行していた。
 
『[[スーパーロボット大戦MX]]』において、[[裏死海文書]]に記されているとされる多元世界を同時に補完する計画。[[人類補完計画]]に加え、『[[ラーゼフォン (TV)|ラーゼフォン]]』における「調律」を取り入れた設定となっており、劇中ではおもにネルフとMUがそれぞれ別々の思惑で遂行していた。
    +
== 加持と弐神の会話 ==
 
作品終盤「魂のルフラン」前の[[インターミッション]]にて、[[加持リョウジ|加持]]と[[弐神譲二|弐神]]がこの計画の全容について語っている。内容は以下の通り。
 
作品終盤「魂のルフラン」前の[[インターミッション]]にて、[[加持リョウジ|加持]]と[[弐神譲二|弐神]]がこの計画の全容について語っている。内容は以下の通り。
   37行目: 38行目:  
直接的な表現ではなく演劇に準えた比喩により語られているため断定はできないが、その後の[[葛城ミサト|ミサト]]や冬月の発言を総合すると、概ね以下のような計画であったと思われる。
 
直接的な表現ではなく演劇に準えた比喩により語られているため断定はできないが、その後の[[葛城ミサト|ミサト]]や冬月の発言を総合すると、概ね以下のような計画であったと思われる。
   −
'''前史時代の顛末'''
+
== 前史時代の顛末 ==
 
*遥か昔、全宇宙に生命の種を撒いた存在がいた。いわゆる「[[第一始祖民族]]」である(本作では、恐らく[[火星極冠遺跡]]の創始者と共通であろうと推測されている)。
 
*遥か昔、全宇宙に生命の種を撒いた存在がいた。いわゆる「[[第一始祖民族]]」である(本作では、恐らく[[火星極冠遺跡]]の創始者と共通であろうと推測されている)。
 
*その際、一つの惑星に一つの生命の種を撒かれるのが通常であったが、地球には二つの種が撒かれた。
 
*その際、一つの惑星に一つの生命の種を撒かれるのが通常であったが、地球には二つの種が撒かれた。
49行目: 50行目:  
*また、彼は余技として、ゼフォンの代替物としてムー帝国の守護神・[[ライディーン]]に干渉しようとするが、[[レムリア]]姫により阻止。しかしこの過程で、ライディーンには2体のラーゼフォンに連なる第3の「機械仕掛けの神」としての位置づけが与えられる。
 
*また、彼は余技として、ゼフォンの代替物としてムー帝国の守護神・[[ライディーン]]に干渉しようとするが、[[レムリア]]姫により阻止。しかしこの過程で、ライディーンには2体のラーゼフォンに連なる第3の「機械仕掛けの神」としての位置づけが与えられる。
   −
'''今回の顛末'''
+
== 今回の顛末 ==
 
*観測者の消失により同じく世界の危機に瀕したMU世界の住人「ムーリアン」は、15年前にこの世界へと接触、[[TOKYO JUPITER]]を形成。本来ゼフォンの奏者となるはずであった神名麻耶の統率の下、「裏の死海文書」の記述に基づき、ムーリアンの世界を生き残らせるための「調律」を実行すべく、奏者とゼフォンの準備を開始する。
 
*観測者の消失により同じく世界の危機に瀕したMU世界の住人「ムーリアン」は、15年前にこの世界へと接触、[[TOKYO JUPITER]]を形成。本来ゼフォンの奏者となるはずであった神名麻耶の統率の下、「裏の死海文書」の記述に基づき、ムーリアンの世界を生き残らせるための「調律」を実行すべく、奏者とゼフォンの準備を開始する。
 
*一方バーベムも、MU世界にいる間に自身の創りだしたラーゼフォンシステムがこちらの世界に現れる「宇宙暦74年12月28日」(裏死海文書に記された時)を1万2千年かけて待ち、行動を開始。MUと歩調を合わせて「調律」の遂行をもくろむ。
 
*一方バーベムも、MU世界にいる間に自身の創りだしたラーゼフォンシステムがこちらの世界に現れる「宇宙暦74年12月28日」(裏死海文書に記された時)を1万2千年かけて待ち、行動を開始。MUと歩調を合わせて「調律」の遂行をもくろむ。
61行目: 62行目:  
! 組織 !! 目的 !! 詳細
 
! 組織 !! 目的 !! 詳細
 
|-
 
|-
! [[エルンスト・フォン・バーベム|バーベム]] !! [[調律]]
+
| [[エルンスト・フォン・バーベム|バーベム]] || [[調律]]
| 自身が創造したラーゼフォンシステムによる世界の調律の行く末を見届けたい。<br />そのため、調律の儀式に必要な二体のラーゼフォンをTERRAとMUの双方に送り込んだ。<br />但し彼はムーリアンであるため、彼が望んでいるのはMU世界の再構築という結末(こちら側の世界の消滅)と思われる。<br />尚、自身の計画の保険として[[デビルガンダム]]及び[[ウルベ・イシカワ|ウルベ]]を復活させ、手駒として使役していた。
+
| <p>自身が創造した[[ラーゼフォン]]システムによる世界の調律の行く末を見届けたい。そのため、調律の儀式に必要な二体のラーゼフォンを[[TERRA]]と[[MU]]の双方に送り込んだ。ただし彼は[[ムーリアン]]であるため、彼が望んでいるのはMU世界の再構築という結末(こちら側の世界の消滅)と思われる。</p><p>なお、自身の計画の保険として[[デビルガンダム]]および[[ウルベ・イシカワ|ウルベ]]を復活させ、手駒として使役していた。</p>
 
|-
 
|-
! [[MU]] !! [[調律]]
+
| [[MU]] || [[調律]]
| 自身の世界の再構築。但しこちら側での指導者となった神名麻耶の意志により、<br />本来の目的とは必ずしも一致しない行動(綾人の重視)を取っているように思われる
+
| 自身の世界の再構築。ただしこちら側での指導者となった[[神名麻弥]]の意志により、本来の目的とは必ずしも一致しない行動([[神名綾人|綾人]]の重視)を取っているように思われる。
 
|-
 
|-
! [[ゼーレ]] !! 補完
+
| [[ゼーレ]] || 補完
| 人類を一度黒き月に還元し、滅びを免れたい。<br />本作では前述の通りリセットによる破滅のやり過ごしが人類補完計画であり、人工進化を目的としたものではない。<br />尚、作中での彼らの発言から、補完の際の拠代としてイシュトリ・イン・ヨリョトルを用いることも可能のようである。<br />(実際、ヒトの心と神の力(ヨロテオトル)を所持した存在であるため、拠代としての条件は満たしているように思われる)
+
| <p>人類を一度黒き月に還元し、滅びを免れたい。本作では前述の通りリセットによる破滅のやり過ごしが人類補完計画であり、人工進化を目的としたものではない。</p><p>なお、作中での彼らの発言から、補完の際の拠代としてイシュトリ・イン・ヨリョトルを用いることも可能のようである(実際、ヒトの心と神の力(ヨロテオトル)を所持した存在であるため、拠代としての条件は満たしているように思われる)。</p>
 
|-
 
|-
! [[ネルフ]]<br />([[碇ゲンドウ]]) !! 補完
+
| [[ネルフ]]([[碇ゲンドウ]]) || 補完
| 碇ユイに再会したい。また、彼女の望むような形(全人類の肉体的な死を伴わない形)で補完を行いたい。<br />そのためには最終プロセスにおいて、アダムとリリスの融合による補完を行う必要がある。
+
| 碇ユイに再会したい。また、彼女の望むような形(全人類の肉体的な死を伴わない形)で補完を行いたい。そのためには最終プロセスにおいて、アダムとリリスの融合による補完を行う必要がある。
 
|-
 
|-
! [[ライディーン]]<br />([[レムリア]])
+
| [[ライディーン]]([[レムリア]])
| 調律、補完<br />双方を否定 || 古代においてバーベムの目論見を見抜いていたレムリアは、<br />その意思によりライディーンに「補完」「調律」のいずれの結末も迎えさせないための行動を取らせる。<br />最終的には[[ラ・ムーの星]]を発動させ、その力により「調律」による世界の消滅を阻止した。
+
| 調律、補完共に否定 || 古代においてバーベムの目論見を見抜いていたレムリアは、その意思によりライディーンに「補完」「調律」のいずれの結末も迎えさせないための行動を取らせる。最終的には[[ラ・ムーの星]]を発動させ、その力により「調律」による世界の消滅を阻止した。
 
|-
 
|-
! [[鉄甲龍]]・[[天のゼオライマー|ゼオライマー]]<br />([[木原マサキ]]) !! [[冥王計画]]
+
| [[鉄甲龍]]・[[天のゼオライマー|ゼオライマー]]([[木原マサキ]]) || [[冥王計画]]
| 当初はネルフ(ゼーレ)と協力関係にあり、[[南極]]でのアダムのサルベージはゼオライマーによって行われるはずであった。<br />しかし木原マサキがゼオライマーを持ち出したために計画は修正を余儀なくされ、結果、[[セカンドインパクト]]が発生した。<br />[[次元連結システム]]には単体でガフの扉を開く力が備わっているとのことで、木原マサキ自身が冥王計画を実現していたとすれば、<br />補完に近い形での人類抹殺(黒き月のLCL排除)が行われた可能性が高い。
+
| <p>当初はネルフ(ゼーレ)と協力関係にあり、[[南極]]でのアダムのサルベージはゼオライマーによって行われるはずであった。しかし木原マサキがゼオライマーを持ち出したために計画は修正を余儀なくされ、結果、[[セカンドインパクト]]が発生した。</p><p>[[次元連結システム]]には単体でガフの扉を開く力が備わっているとのことで、木原マサキ自身が冥王計画を実現していたとすれば、補完に近い形での人類抹殺(黒き月のLCL排除)が行われた可能性が高い。</p>
 
|-
 
|-
! [[ツェントル・プロジェクト]]<br />([[AI1計画]]
+
| [[ツェントル・プロジェクト]]([[AI1]]計画)
| -<br />(補完) || ゼーレが計画の保険として用意していた存在で、世界の表象的な破滅をもたらすための手段として用意された。<br />しかし、[[エルデ・ミッテ|エルデ]]が[[ライディーン]]から[[ラ・ムーの星]]を強奪した事で、メディウス・ロクスの中に仕込まれた「AI1」はその力を得、<br />[[ゼーレ]]の期待以上の機体へと進化。世界の終末を導くに相応しい存在となる。
+
| (補完) || ゼーレが計画の保険として用意していた存在で、世界の表象的な破滅をもたらすための手段として用意された。しかし、[[エルデ・ミッテ|エルデ]]が[[ライディーン]]から[[ラ・ムーの星]]を強奪したことにより、メディウス・ロクスの中に仕込まれた「AI1」はその力を得て[[ゼーレ]]の期待以上の機体へと進化し、世界の終末を導くに相応しい存在となる。
 
|}
 
|}
   −
<br /><br />
+
結論として、多元世界補完計画は「'''多元世界の膨張による世界の崩壊を防ぐための計画'''」である。その手段はいずれか一方の世界を消滅させる「調律」か、全人類の肉体的な死により世界崩壊に耐え得る生命体に変化する「補完」のいずれかを取ることになるが、いずれにせよ'''この世界の人類が死滅する'''点では一致しており、レムリア、またユイの意を汲んだゲンドウは(ゲンドウについては多分に独自の目的があるものの)それを阻止するために様々な独自行動を行っている。
結論として、多元世界補完計画は「'''多元世界の膨張による世界の崩壊を防ぐための計画'''」である。その手段はいずれか一方の世界を消滅させる「調律」か、全人類の肉体的な死により世界崩壊に耐え得る生命体に変化する「補完」のいずれかを取ることになるが、いずれにせよ'''この世界の人類が死滅する'''点では一致しており、レムリア、またユイの意を汲んだゲンドウは(ゲンドウについては多分に独自の目的があるものの)それを阻止するために様々な独自行動を行っている。そして今回の事態終結の鍵となる存在が、EVA、ラーゼフォン、ライディーン、ゼオライマー、その他諸々の[[特機]]を集結させた[[マグネイト・テン]]である。元々は各組織が互いの牽制(及び[[機械帝国ガルファ|ガルファ]]等、互いに取って邪魔な存在の排除)のために、それぞれのデウス・エクス・マキナを一部隊に集結させていたのだが、彼らが互いに交流を持つことにより、裏の死海文書に記載された多元世界補完計画のいずれのファクターとも異なる流れが発生。最終的には綾人が'''新たなる「時の観測者」となって彼自身の意志で世界崩壊を防ぐ'''という、いずれの組織も想定していなかった結末を迎えることになった。
     −
==== 他作品への影響 ====
+
そして今回の事態終結の鍵となる存在が、EVA、ラーゼフォン、ライディーン、ゼオライマー、その他諸々の[[特機]]を集結させた[[マグネイト・テン]]である。元々は各組織が互いの牽制(及び[[機械帝国ガルファ|ガルファ]]等、互いに取って邪魔な存在の排除)のために、それぞれのデウス・エクス・マキナを一部隊に集結させていたのだが、彼らが互いに交流を持つことにより、裏の死海文書に記載された多元世界補完計画のいずれのファクターとも異なる流れが発生。最終的には綾人が'''新たなる「時の観測者」となって彼自身の意志で世界崩壊を防ぐ'''という、いずれの組織も想定していなかった結末を迎えることになった。
この計画は複数の次元に影響を及ぼす内容であることから、他作品の世界に対しても少なからず影響を与えている(或いは関連設定を後付けし易く設定されている)ものと思われる。
+
 
 +
== 他作品への影響 ==
 +
この計画は複数の次元に影響を及ぼす内容であることから、他作品の世界に対しても少なからず影響を与えている(あるいは関連設定を後付けし易く設定されている)ものと思われる。
    
特に下記の点から、[[αシリーズ]]とは深い関連があるとする説が有力である。
 
特に下記の点から、[[αシリーズ]]とは深い関連があるとする説が有力である。
94行目: 96行目:  
*『[[第3次スーパーロボット大戦α]]』において、渚カヲルがMXの世界における記憶を引き継いでいることを臭わせる(かつて彼が存在した世界は、機械仕掛けの神の歌声によって一度死に、生まれ変わった。しかしその世界も死と新生の輪廻からは逃れられず、その結果としてαの世界が生まれた)発言をしている。
 
*『[[第3次スーパーロボット大戦α]]』において、渚カヲルがMXの世界における記憶を引き継いでいることを臭わせる(かつて彼が存在した世界は、機械仕掛けの神の歌声によって一度死に、生まれ変わった。しかしその世界も死と新生の輪廻からは逃れられず、その結果としてαの世界が生まれた)発言をしている。
   −
==== 無限力との関連 ====
+
=== 無限力との関連 ===
前述の通り、第3次αでの冬月の解釈によれば、[[無限力]]と呼ばれる存在の間では補完計画に対して賛否が分かれているようである。ただ、どちらかといえば補完には否定的なスタンスを取っている意志の方が多い。また、[[マジンカイザー]]に宿る魂も補完には否定的。また負の無限力([[ディス・レヴ]])も賛成か反対かは不明だが反応を示している。
+
前述の通り、第3次αでの冬月の解釈によれば、[[無限力]]と呼ばれる存在の間では補完計画に対して賛否が分かれているようである。ただ、どちらかといえば補完には否定的なスタンスを取っている意志の方が多い。また、[[マジンカイザー]]に宿る魂も補完には否定的。また負の無限力([[ディス・レヴ]])も、賛成か反対かは不明だが反応を示している。
 +
 
 
;[[ゲッター線]]
 
;[[ゲッター線]]
 
:補完をヒトとしての進化の放棄であるとみなしており、進化を促す力として計画に反対の立場を取っている。同じく進化を促す力である[[ビムラー]]も概ねこちらの側。
 
:補完をヒトとしての進化の放棄であるとみなしており、進化を促す力として計画に反対の立場を取っている。同じく進化を促す力である[[ビムラー]]も概ねこちらの側。

案内メニュー