1行目: |
1行目: |
| == 宇宙世紀(Universal Century) == | | == 宇宙世紀(Universal Century) == |
− | 『[[機動戦士ガンダム]]』の世界で使用される[[暦・年号|年号]]。略号は[[U.C.]]。'''[[西暦]]から続く世界観なのだが、西暦何年から宇宙世紀になったのかが明かされていないため、具体的にいつからなのかは不明'''である。 | + | 『[[機動戦士ガンダム]]』の世界で使用される[[暦・年号|年号]]。略号は[[U.C.]]。'''[[西暦]]から続く[[世界観]]なのだが、西暦何年から宇宙世紀になったのかが明かされていないため、具体的にいつからなのかは不明'''である。 |
| | | |
− | [[小説]]及び[[OVA]]『[[機動戦士ガンダムUC]]』において西暦から宇宙世紀にかわる瞬間が濃密に描写されたが、肝心の劇中が西暦何年であるかはやはり明らかにされなかった。通説では、[[スペースコロニー|コロニー]]第一号に移民を開始した西暦2045年より未来の時間の出来事だというが([[漫画]]版『[[機動戦士ガンダムF91|F91]]』や『G-SAVIOUR』〈いずれもSRW未参戦〉では同年を宇宙世紀元年として換算している)、これにも諸説ある他、'''最近では長年続く現実との世界観設定の辻褄合わせを苦慮してか、あえて明確な設定を設けず曖昧な扱いにしている'''とも言える。 | + | [[小説]]および[[OVA]]『[[機動戦士ガンダムUC]]』において西暦から宇宙世紀にかわる瞬間が濃密に描写されたが、肝心の劇中が西暦何年であるかはやはり明らかにされなかった。通説では、[[スペースコロニー|コロニー]]第一号に移民を開始した西暦2045年より未来の時間の出来事だというが([[漫画]]版『[[機動戦士ガンダムF91|F91]]』や『G-SAVIOUR』〈いずれもSRW未参戦〉では同年を宇宙世紀元年として換算している)、これにも諸説<ref>『[[機動戦士ガンダム]]』放映直前に玩具屋向けに配布された資料である『クローバー製品カタログ1979年前期版』では、物語の舞台となる時代を'''「[[西暦]]2XXX年」'''と紹介されている。</ref>ある他、'''最近では長年続く現実との世界観設定の辻褄合わせを苦慮してか、あえて明確な設定を設けず曖昧な扱いにしている'''とも言える。 |
| | | |
− | また、「全てのガンダム作品がたどり着く未来である『[[∀ガンダム (TV)|∀ガンダム]]』以後に制作された『[[機動戦士ガンダム00]]』では西暦が用いられているのだが、もしも『00』がそのまま[[黒歴史]]に含まれ、作品世界の西暦が現在の西暦と全く同じであるならば、少なくとも24世紀(ちなみに、『00』の完結編である『[[劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-|劇場版00]]』のエピローグは西暦2364年)までは西暦は続く事になる。 | + | また、「全てのガンダム作品がたどり着く未来である『[[∀ガンダム (TV)|∀ガンダム]]』以後に制作された『[[機動戦士ガンダム00]]』では西暦が用いられているのだが、もしも『00』がそのまま[[黒歴史]]に含まれ、作品世界の西暦が現在の西暦と全く同じであるならば、少なくとも24世紀(ちなみに、『00』の完結編である『[[劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-|劇場版 機動戦士ガンダム00]]』のエピローグは西暦2364年)までは西暦は続く事になる。 |
| | | |
| 一方で、宇宙世紀が何年まで続いたのかについても詳しく語られてはいない。現時点でのガンダムシリーズ最新作『ガンダム Gのレコンギスタ』(SRW未参戦)の年号はR.C.(リギルド・センチュリー)であり、宇宙世紀の次の時代と明言されている。しかし、『Gレコ』の時点でR.C.は1000年を過ぎており、宇宙世紀からの移り変わりの詳細も不明のままである。ちなみに、作者の富野監督自身は漫画雑誌『ガンダムエース』でのインタビューで「(U.C.からR.C.への移り変わりの詳細については)僕は知りません。そういう事はR.C.の歴史学者にでも聞いて下さい」と発言している。 | | 一方で、宇宙世紀が何年まで続いたのかについても詳しく語られてはいない。現時点でのガンダムシリーズ最新作『ガンダム Gのレコンギスタ』(SRW未参戦)の年号はR.C.(リギルド・センチュリー)であり、宇宙世紀の次の時代と明言されている。しかし、『Gレコ』の時点でR.C.は1000年を過ぎており、宇宙世紀からの移り変わりの詳細も不明のままである。ちなみに、作者の富野監督自身は漫画雑誌『ガンダムエース』でのインタビューで「(U.C.からR.C.への移り変わりの詳細については)僕は知りません。そういう事はR.C.の歴史学者にでも聞いて下さい」と発言している。 |
10行目: |
10行目: |
| サンライズの公式作品か非公式作品かに関わらず、劇中でアナウンスされた宇宙世紀の最も遠い未来は、長谷川裕一氏の漫画作品『[[機動戦士Vガンダム|機動戦士Vガンダム外伝]]』(SRW未参戦)のラストで記述された「恒星間航行宇宙船ダンディ・ライオンが、プロキシマ・ケンタウリへの植民を達成した」というもので、それが宇宙世紀0653年の事とされている。また、外宇宙から地球圏に漂着した[[ターンX]]を元に[[∀ガンダム]]が作られたのが、宇宙世紀に換算して7800年頃とされているが、あくまで「宇宙世紀に換算すれば」であって、宇宙世紀そのものとは限らない。また、『∀』の時代から宇宙世紀までの時間差は10000年(『劇場版∀』では5000年)とされているが、これはあくまで[[リリ・ボルジャーノ]]が言った事であり、正確な時間差とは限らない。 | | サンライズの公式作品か非公式作品かに関わらず、劇中でアナウンスされた宇宙世紀の最も遠い未来は、長谷川裕一氏の漫画作品『[[機動戦士Vガンダム|機動戦士Vガンダム外伝]]』(SRW未参戦)のラストで記述された「恒星間航行宇宙船ダンディ・ライオンが、プロキシマ・ケンタウリへの植民を達成した」というもので、それが宇宙世紀0653年の事とされている。また、外宇宙から地球圏に漂着した[[ターンX]]を元に[[∀ガンダム]]が作られたのが、宇宙世紀に換算して7800年頃とされているが、あくまで「宇宙世紀に換算すれば」であって、宇宙世紀そのものとは限らない。また、『∀』の時代から宇宙世紀までの時間差は10000年(『劇場版∀』では5000年)とされているが、これはあくまで[[リリ・ボルジャーノ]]が言った事であり、正確な時間差とは限らない。 |
| | | |
− | 作中で宇宙世紀という年号が使われ、年表の中の一つとして認知されている[[ガンダムシリーズ]]を宇宙世紀シリーズ又は宇宙世紀ものなどと呼称する。具体的には『[[機動戦士ガンダム|ファースト]]』、『[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊|第08MS小隊]]』、『[[機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争|0080]]』、『[[機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY|0083]]』、『[[機動戦士Ζガンダム|Ζ]]』、『[[ガンダム・センチネル|センチネル]]』、『[[機動戦士ガンダムΖΖ|ΖΖ]]』、『[[機動戦士ガンダム 逆襲のシャア|逆襲のシャア]]』、『[[機動戦士ガンダムUC|UC]]』、『[[機動戦士ガンダムF90|ガンダムF90]]』、『[[機動戦士ガンダムF91|ガンダムF91]]』、『[[機動戦士クロスボーン・ガンダム|クロスボーン]]』、『[[機動戦士Vガンダム|Vガンダム]]』等(未参戦作品では『Gセイバー』等)。これらの作品を総称し、『[[機動武闘伝Gガンダム|Gガンダム]]』や『[[新機動戦記ガンダムW|ガンダムW]]』等毛色の違う作品と区別する意味で「宇宙世紀もの」と呼ぶことも多い。特徴は世界設定及び科学設定にある。 | + | 作中で宇宙世紀という年号が使われ、年表の中の一つとして認知されている[[ガンダムシリーズ]]を宇宙世紀シリーズ又は宇宙世紀ものなどと呼称する。具体的には『[[機動戦士ガンダム|ファースト]]』、『[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊|第08MS小隊]]』、『[[機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争|0080]]』、『[[機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY|0083]]』、『[[機動戦士Ζガンダム|Ζ]]』、『[[ガンダム・センチネル|センチネル]]』、『[[機動戦士ガンダムΖΖ|ΖΖ]]』、『[[機動戦士ガンダム 逆襲のシャア|逆襲のシャア]]』、『[[機動戦士ガンダムUC|UC]]』、『[[機動戦士ガンダムF90|ガンダムF90]]』、『[[機動戦士ガンダムF91|ガンダムF91]]』、『[[機動戦士クロスボーン・ガンダム|クロスボーン]]』、『[[機動戦士Vガンダム|Vガンダム]]』等(未参戦作品では『Gセイバー』等)。これらの作品を総称し、『[[機動武闘伝Gガンダム|Gガンダム]]』や『[[新機動戦記ガンダムW|ガンダムW]]』等毛色の違う作品と区別する意味で「宇宙世紀もの」と呼ぶことも多い。特徴は世界設定および科学設定にある。 |
| | | |
− | スパロボにおいては、[[スーパーロボット]]物が[[日本]]の基地と敵本拠地周辺及び出撃先で完結している事が多いためか、地球圏規模での世界背景や政治システムについては宇宙世紀のシリーズに準拠する事が多い(ただし、年号は「[[新西暦]]」など)。もちろん、そんな世界背景の中でもスーパーロボットの研究機関は独立して存在し、日本は驚異的な密度で研究機関が乱立している割には[[地球連邦政府]]から目をつけられていないのだが。ちゃんと狙ってくるだけ敵の方が見る目があるようだ。連邦政府の無能を表しているのだろうか。 | + | スパロボにおいては、[[スーパーロボット]]物が[[日本]]の基地と敵本拠地周辺及び出撃先で完結している事が多いためか、地球圏規模での世界背景や政治システムについては宇宙世紀のシリーズに準拠する事が多い(ただし、年号は「[[新西暦]]」など)。もちろん、そんな世界背景の中でもスーパーロボットの研究機関は独立して存在し、日本は驚異的な密度で研究機関が乱立している割には[[地球連邦政府]]から目を付けられていないのだが。ちゃんと狙ってくるだけ敵の方が見る目があるようだ。連邦政府の無能を表しているのだろうか。 |
| | | |
| == 特徴及び設定 == | | == 特徴及び設定 == |
33行目: |
33行目: |
| :宇宙植民者の内、主にスペースコロニーに住む人々。地球連邦政府の圧政の影響で、[[宇宙]]の武闘派や革命勢力に対して概ね協力的。 | | :宇宙植民者の内、主にスペースコロニーに住む人々。地球連邦政府の圧政の影響で、[[宇宙]]の武闘派や革命勢力に対して概ね協力的。 |
| ;[[ミノフスキー粒子]] | | ;[[ミノフスキー粒子]] |
− | :光子と対になる粒子。通常では存在せず人為的に散布しないとその効果は現れない。一度散布されると消滅までの約一ヶ月間、その効果を発揮しつづける。<br />ミノフスキー粒子(以下M粒子)はプラスかマイナスの電荷をもっており、互いの斥力により立体格子状のフィールドを形成する。<br />これにより「空間そのものが電荷をもっている」状態になる。そのため電波や電子機器、通信機器やミサイルなどの自動追尾装置や照準装置の性能が著しく落ち、ときに使用不能に陥る。<br />このM粒子によって、安全な小型核融合炉や重力に逆らう[[ミノフスキークラフト]]、メガ粒子砲や各種ビーム兵装、[[Iフィールド]]等が生み出されている。 | + | :光子と対になる粒子。通常では存在せず人為的に散布しないとその効果は現れない。一度散布されると消滅までの約一ヶ月間、その効果を発揮しつづける。 |
| + | :ミノフスキー粒子はプラスかマイナスの電荷をもっており、互いの斥力により立体格子状のフィールドを形成する。これによって「空間そのものが電荷をもっている」状態になる。そのため電波や電子機器、通信機器やミサイルなどの自動追尾装置や照準装置の性能が著しく落ち、ときに使用不能に陥る。 |
| + | :さらに、ミノフスキー粒子によって、安全な小型核融合炉や重力に逆らう[[ミノフスキークラフト]]、メガ粒子砲や各種ビーム兵装、[[Iフィールド]]等が生み出されている。 |
| ;[[モビルスーツ]] | | ;[[モビルスーツ]] |
| :通称「[[MS]]」。小型核融合炉を搭載することで、それまでに無い装甲と運動性とを兼ね備えた人型の機動兵器。[[ミノフスキー粒子]]の影響下では、この形が一番都合が良いらしい。 | | :通称「[[MS]]」。小型核融合炉を搭載することで、それまでに無い装甲と運動性とを兼ね備えた人型の機動兵器。[[ミノフスキー粒子]]の影響下では、この形が一番都合が良いらしい。 |
58行目: |
60行目: |
| == 略年表 == | | == 略年表 == |
| ;U.C.0001 | | ;U.C.0001 |
− | :紀年法が宇宙世紀へと改められる。ラプラス事件発生。 | + | :[[暦・年号|紀年法]]が[[西暦]]から宇宙世紀へと改められる。ラプラス事件発生。 |
| ;U.C.0079 | | ;U.C.0079 |
− | :[[一年戦争]]勃発。U.C.0080終戦。 | + | :U.C.0079年1月3日、[[一年戦争]]勃発。U.C.0080年1月1日、終戦。 |
| ;U.C.0081 | | ;U.C.0081 |
| :水天の涙作戦決行。 | | :水天の涙作戦決行。 |
| ;U.C.0083 | | ;U.C.0083 |
− | :デラーズ紛争勃発。 | + | :[[デラーズ紛争]]勃発。 |
| ;U.C.0087 | | ;U.C.0087 |
− | :グリプス戦役勃発。U.C.0088終戦。 | + | :[[グリプス戦役]]勃発。 |
| ;U.C.0088 | | ;U.C.0088 |
− | :グリプス戦役終戦。ペズンの反乱発生。後期、第1次ネオ・ジオン抗争勃発。 | + | :グリプス戦役終戦。ペズンの反乱発生。後期、[[第1次ネオ・ジオン抗争]](ハマーン戦争)勃発。 |
| ;U.C.0093 | | ;U.C.0093 |
− | :第2次ネオ・ジオン抗争勃発。アムロ・レイ、シャア・アズナブル戦死。 | + | :[[第2次ネオ・ジオン抗争]](シャアの反乱)勃発。[[アムロ・レイ]]および[[シャア・アズナブル]]、MIA(戦闘中行方不明)。 |
| ;U.C.0096 | | ;U.C.0096 |
− | :第3次ネオ・ジオン抗争勃発。ラプラスの箱が世界に公表される。 | + | :ラプラス戦争(第3次ネオ・ジオン抗争)勃発。[[ラプラスの箱]]が全世界に公表される。 |
| ;U.C.0099 | | ;U.C.0099 |
− | :ネオ・ジオン残党による反乱発生。 | + | :[[ネオ・ジオン]]残党による反乱発生。 |
| ;U.C.0100 | | ;U.C.0100 |
| :ジオン共和国が自治権を放棄。 | | :ジオン共和国が自治権を放棄。 |
80行目: |
82行目: |
| :マフティー動乱。 | | :マフティー動乱。 |
| ;U.C.0120-0122 | | ;U.C.0120-0122 |
− | :第1次・第2次オールズモビル戦役勃発。 | + | :第1次・第2次オールズモビル戦役。 |
| ;U.C.0123-0128 | | ;U.C.0123-0128 |
− | :コスモ・バビロニア建国戦争。 | + | :[[コスモ・バビロニア建国戦争]]。 |
| ;U.C.0133 | | ;U.C.0133 |
− | :木星戦争勃発。 | + | :[[木星戦役]]。 |
| ;U.C.0149-0153 | | ;U.C.0149-0153 |
− | :ザンスカール戦争。 | + | :[[ザンスカール戦争]]。 |
| ;U.C.0218 | | ;U.C.0218 |
− | :地球連邦瓦解。コロニーの名称がセツルメントに改められる。 | + | :[[地球連邦政府]]瓦解。[[コロニー]]の名称がセツルメントに改められる。 |
| ;U.C.0653 | | ;U.C.0653 |
| :プロキシマ・ケンタウリへの植民が行われる。 | | :プロキシマ・ケンタウリへの植民が行われる。 |
| + | |
| + | == 脚注 == |
| + | <references /> |
| | | |
| == 資料リンク == | | == 資料リンク == |