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| == 余談 == | | == 余談 == |
| *作中ではナチュラルを見下しコーディネイター至上主義を訴える過激なタカ派のように描かれ、何かと「全コーディネイターの為」「コーディネイターこそ新人類」と述べているが、実は彼の言うコーディネイターとは'''「プラントに住む者だけ」'''である。と言うのもC.E.の地球圏全体おけるコーディネイターの人口は5億人だが、プラントの占める割合は5000~6000万人と実は圧倒的少数なのである。狂気に飲まれ地球に居る同胞達の事まで考えが及ばなかった …とも考えられるが、実はパトリックら第1世代コーディネイターは、過酷な宇宙環境でプラントを作り上げた世代であり、彼らにとって「プラントは自ら作り上げた故郷」なのである。つまりそこに住まう者たちは苦楽を共にした同胞であり、守るべき民なのである。地球に住む者たちは自分達から奪った富で甘い汁を啜っていた憎むべき敵であり、そこには圧倒的多数を占める地球在住のコーディネイターも含まれているのである。 | | *作中ではナチュラルを見下しコーディネイター至上主義を訴える過激なタカ派のように描かれ、何かと「全コーディネイターの為」「コーディネイターこそ新人類」と述べているが、実は彼の言うコーディネイターとは'''「プラントに住む者だけ」'''である。と言うのもC.E.の地球圏全体おけるコーディネイターの人口は5億人だが、プラントの占める割合は5000~6000万人と実は圧倒的少数なのである。狂気に飲まれ地球に居る同胞達の事まで考えが及ばなかった …とも考えられるが、実はパトリックら第1世代コーディネイターは、過酷な宇宙環境でプラントを作り上げた世代であり、彼らにとって「プラントは自ら作り上げた故郷」なのである。つまりそこに住まう者たちは苦楽を共にした同胞であり、守るべき民なのである。地球に住む者たちは自分達から奪った富で甘い汁を啜っていた憎むべき敵であり、そこには圧倒的多数を占める地球在住のコーディネイターも含まれているのである。 |
− | **確かに地球に住む以上、プラントの恩恵を受けていたのは事実であるが、地球ではプラントとは比較にならないほど激しいコーディネイターへの差別に晒されていた。特に[[ヤキン・ドゥーエ戦役]]時には[[ブルーコスモス]]シンパが幅を利かせたことで、テロや闇討ち・リンチなどで命の危険に晒される事もあったのである。にも拘わらず、プラント政府は「コーディネイターの総意を語りながら、地球在住のコーディネイターを助ける処か逆に攻撃を仕掛け」「地球在住のコーディネイターの存在を考えずに差別を煽り、高みの見物を決め込んだ」のである。このプラントの対応に地球在住のコーディネイター達は憎悪を抱き、ザフトと戦うため地球連合軍に志願し勇敢に戦ったのである。皮肉な事に、これが地球在住のコーディネイターと地球連合の和解に繋がり、逆にプラントのコーディネイターと地球のコーディネイターの間にさらなる壁ができたしまったのである。 | + | **確かに地球に住む以上、プラントの恩恵を受けていたのは事実であるが、地球ではプラントとは比較にならないほど激しいコーディネイターへの差別に晒されていた。特に[[第1次連合・プラント大戦]]時には[[ブルーコスモス]]シンパが幅を利かせたことで、テロや闇討ち・リンチなどで命の危険に晒される事もあったのである。にも拘わらず、プラント政府は「コーディネイターの総意を語りながら、地球在住のコーディネイターを助ける処か逆に攻撃を仕掛け」「地球在住のコーディネイターの存在を考えずに差別を煽り、高みの見物を決め込んだ」のである。このプラントの対応に地球在住のコーディネイター達は憎悪を抱き、ザフトと戦うため地球連合軍に志願し勇敢に戦ったのである。皮肉な事に、これが地球在住のコーディネイターと地球連合の和解に繋がり、逆にプラントのコーディネイターと地球のコーディネイターの間にさらなる壁ができたしまったのである。 |
| **コーディネイターはその成り立ちから富裕層が多い。経済的に豊かな者はその商売を続ければいいが、商売に失敗し破産した者、資材を投げうって子供をコーディネイターにした者など困窮者も存在する。そう言った者達の受け皿となったのがプラント建設なのである。プラント在住のコーディネイターは一種の棄民であり、地球在住のコーディネイターを蔑ろにするのは彼らへの嫉妬もあるのかもしれない。 | | **コーディネイターはその成り立ちから富裕層が多い。経済的に豊かな者はその商売を続ければいいが、商売に失敗し破産した者、資材を投げうって子供をコーディネイターにした者など困窮者も存在する。そう言った者達の受け皿となったのがプラント建設なのである。プラント在住のコーディネイターは一種の棄民であり、地球在住のコーディネイターを蔑ろにするのは彼らへの嫉妬もあるのかもしれない。 |
| **この事からプラントのコーディネイターと地球のコーディネイターの関係は「[[宇宙世紀]]の[[スペースノイド]]と[[アースノイド]]の関係」に近いと言えるだろう。 | | **この事からプラントのコーディネイターと地球のコーディネイターの関係は「[[宇宙世紀]]の[[スペースノイド]]と[[アースノイド]]の関係」に近いと言えるだろう。 |
− | *余談の更に余談となるが、パトリックの「プラントに住む者だけが同胞」と言う考えには、実は'''プラントに住むナチュラルを含んでいる'''可能性がある。<ref>作中でプラント政府によるナチュラル住民の排斥は行われず、ザラ派が政権を握っていた時も同様である。</ref>プラントに住むナチュラルは殆どが第1世代コーディネイターの親に当たり、自分達を生み出した偉大な存在であり、プラント建設に出資してくれた正に同胞なのである。故に彼らを否定する事は自らの否定に他ならず、排除など有り得ないのである。これは、ヤキン・ドゥーエ戦役時も徹底され、オーブからのコーディネイターの子・親戚を持つナチュラルの難民・亡命を認め手厚く保護している。<ref>オーブからの難民・亡命が相次いだのは当のパトリックら強硬タカ派が政権を握っていた時である。</ref><ref>ヤキン戦役後だが、キラもナチュラルの両親を伴ってのプラントへの移住を考えていた。見方を変えればオーブよりナチュラルの生活環境が良いと解釈できる。</ref>仮に彼らを排除しようものならば、彼らの子に当たるコーディネイター達の反発を受けるのは必至であろう。 | + | *余談の更に余談となるが、パトリックの「プラントに住む者だけが同胞」と言う考えには、実は'''プラントに住むナチュラルを含んでいる'''可能性がある。<ref>作中でプラント政府によるナチュラル住民の排斥は行われず、ザラ派が政権を握っていた時も同様である。</ref>プラントに住むナチュラルは殆どが第1世代コーディネイターの親に当たり、自分達を生み出した偉大な存在であり、プラント建設に出資してくれた正に同胞なのである。故に彼らを否定する事は自らの否定に他ならず、排除など有り得ないのである。これは、第1次連合・プラント大戦時も徹底され、オーブからのコーディネイターの子・親戚を持つナチュラルの難民・亡命を認め手厚く保護している。<ref>オーブからの難民・亡命が相次いだのは当のパトリックら強硬タカ派が政権を握っていた時である。</ref><ref>ヤキン戦役後だが、キラもナチュラルの両親を伴ってのプラントへの移住を考えていた。見方を変えればオーブよりナチュラルの生活環境が良いと解釈できる。</ref>仮に彼らを排除しようものならば、彼らの子に当たるコーディネイター達の反発を受けるのは必至であろう。 |
| **ヤキン戦役後だが、コーディネイター兵士の有能性と貢献度を目の当たりにした地球連合内に'''「地球のコーディネイターとプラントのコーディネイターは別」'''との考えが広がっていく。同様にプラントでも「'''プラント在住のナチュラルと地球に住むナチュラルは別'''」「'''地球在住のコーディネイターは裏切り者'''」との考えが広がっていても不思議ではない。 | | **ヤキン戦役後だが、コーディネイター兵士の有能性と貢献度を目の当たりにした地球連合内に'''「地球のコーディネイターとプラントのコーディネイターは別」'''との考えが広がっていく。同様にプラントでも「'''プラント在住のナチュラルと地球に住むナチュラルは別'''」「'''地球在住のコーディネイターは裏切り者'''」との考えが広がっていても不思議ではない。 |
| **パトリックらタカ派が、ナチュラルの排斥を訴えながら、プラントのナチュラルの排斥に消極的と考えられる理由の一つに「'''プラント在住のナチュラルの人口は減少傾向にある'''」と言うものがある。前述した様にプラント在住のナチュラルは第1世代コーディネイターの親に当たり、(子をコーディネイターにした時期にもよるが)高齢化が進んでいる。その中には望郷の念に駆られ「余生は地球で過ごしたい」と帰還を望む(或いは「した」)者も多く、人口を減らしている。また、ナチュラルの移住希望者の多くがコーディネイターの子供・親戚を持つ者であり、例え親が若年者であっても次代がコーディネイターである以上、増える可能性は限りなく低く、'''出生率が低下し先細りしているコーディネイター以上に、プラントのナチュラルは先細りしているのである'''。つまり、プラントがナチュラルに取って代わられる可能性は限りなく低く、この事を理解しているからこそ、パトリック等タカ派もナチュラルの住民を脅威とは考えておらず「来る者は拒まず、去る者は追わず」とドンと構えているのであろう。 | | **パトリックらタカ派が、ナチュラルの排斥を訴えながら、プラントのナチュラルの排斥に消極的と考えられる理由の一つに「'''プラント在住のナチュラルの人口は減少傾向にある'''」と言うものがある。前述した様にプラント在住のナチュラルは第1世代コーディネイターの親に当たり、(子をコーディネイターにした時期にもよるが)高齢化が進んでいる。その中には望郷の念に駆られ「余生は地球で過ごしたい」と帰還を望む(或いは「した」)者も多く、人口を減らしている。また、ナチュラルの移住希望者の多くがコーディネイターの子供・親戚を持つ者であり、例え親が若年者であっても次代がコーディネイターである以上、増える可能性は限りなく低く、'''出生率が低下し先細りしているコーディネイター以上に、プラントのナチュラルは先細りしているのである'''。つまり、プラントがナチュラルに取って代わられる可能性は限りなく低く、この事を理解しているからこそ、パトリック等タカ派もナチュラルの住民を脅威とは考えておらず「来る者は拒まず、去る者は追わず」とドンと構えているのであろう。 |