1行目: |
1行目: |
− | *1980年6月30日 ~ 1981年1月25日(テレビ東京) 全31話(未放送分も含めると全34話) | + | *1980年6月30日 ~ 1981年1月25日(テレビ東京) 全31話(未放送分も含めると全34話) |
| *1981年12月19日から劇場版『宇宙戦士バルディオス』上映 | | *1981年12月19日から劇場版『宇宙戦士バルディオス』上映 |
| *初参戦スパロボ:[[スーパーロボット大戦Z]] | | *初参戦スパロボ:[[スーパーロボット大戦Z]] |
| | | |
| == 概要 == | | == 概要 == |
− | 地球を狙い戦争を仕掛けてきた異星人の軍団、そして、その異星人の一人が地球に寝返って地球のために戦ってくれる・・・という、スーパーロボットものの古典的なプロットを踏襲する作品であるが、その王道ヒーロー路線と大きくかけ離れたバッドエンド作品としても知られている。
| + | [[地球]]を狙い戦争を仕掛けてきた[[異星人]]の軍団、そして、その異星人の一人が地球に寝返って地球のために戦ってくれる・・・という、スーパーロボットものの古典的なプロットを踏襲する作品であるが、その王道ヒーロー路線と大きくかけ離れた[[トラウマイベント|バッドエンド作品]]としても知られている。 |
| | | |
− | OPで「明日を救え~」と歌われてるのに、最終回で敵の作戦を防げず、OPの「激しい波が重なって海のブルーになるんです」という言葉通り、30億人が大津波で死亡、'''全く明日を救えぬまま「完」となった'''衝撃作。これはいわゆる[[打ち切り]]エンドであったため、後に完全版を求める声から劇場版が公開された。伏線は解消され物語は一応の結末を見たが、劇場版でも大洪水を防ぐことができなかったばかりか、その後に続いた戦争によって地球が核汚染されるというさらに酷い状況が描かれ、やはり'''全く明日を救えぬまま「完」となった'''。尤も、未放映分が収録されている『TV版宇宙戦士バルディオス大百科』によれば、[[打ち切り]]にならなかった場合劇場版以上の悲惨な結末が待っていたようだが……。『[[伝説巨神イデオン]]』や『[[無敵超人ザンボット3]]』などと同じく、スパロボで救われた作品の一つ。
| + | OPで「明日を救え~」と歌われてるのに、最終回で敵の作戦を防げず、OPの「激しい波が重なって[[海]]のブルーになるんです」という言葉通り、30億人が大津波で死亡し、'''全く明日を救えぬまま「完」となった'''衝撃作。これはいわゆる[[打ち切り]]エンドであったため、後に完全版を求める声から劇場版が公開された。TV版では未解決だった[[伏線]]が解消され、物語は一応の結末を見たが、劇場版でも大洪水を防ぐことができなかったばかりか、その後に続いた戦争によって地球が核汚染されるというさらに酷い状況が描かれ、やはり'''全く明日を救えぬまま「完」となった'''。もっとも、未放映分が収録されている『TV版宇宙戦士バルディオス大百科』によれば、打ち切りにならなかった場合は劇場版よりも更に悲惨な結末が待っていたようだが……。『[[伝説巨神イデオン]]』や『[[無敵超人ザンボット3]]』などと同じく、スパロボで救われた作品の一つ。 |
| | | |
− | 劇場版に関してはスタッフとキャストが大幅に入れ替えられ、テレビ版のファンからは戸惑いの声が上がった。他にも色々な要素である意味『[[劇場版 機動戦士Ζガンダム]]』の先駆けとも言える存在。
| + | なお、劇場版に関してはスタッフとキャストが大幅に入れ替えられ、TV版のファンからは戸惑いの声が上がった。他にも色々な要素である意味『[[劇場版 機動戦士Ζガンダム]]』の先駆けとも言える存在。 |
| | | |
− | ちなみに最終回は、同じく皆殺し&[[打ち切り]]アニメである『[[伝説巨神イデオン]]』よりも5日前に放送された。[[打ち切り]]→劇場版で完結という手法もまた同じだが、[[バルディオス]]のほうが[[イデオン]]より先に公開されている。この先を越された事に対して富野監督は少し悔しがっている。
| + | ちなみに最終回は、同じく皆殺し&打ち切りアニメである『[[伝説巨神イデオン]]』よりも5日前に放送された。打ち切り→劇場版で完結という手法もまた同じなのだが、[[バルディオス]]のほうが[[イデオン]]より先に公開されている。この先を越された事に対して富野由悠季監督は少し悔しがっている。 |
| | | |
| == ストーリー == | | == ストーリー == |
− | 放射能汚染により人の住めぬ星となった[[S-1星]]では、移住の為に他星侵攻を主張する軍部と科学力による放射能の浄化を主張する科学者グループが対立していた。そんな中、ついに親衛隊長の[[ゼオ・ガットラー|ガットラー]]が[[トリノミアス三世|皇帝]]を暗殺し実権を掌握。強引に侵略と移住を開始する。 | + | 放射能汚染により人の住めぬ星となった[[S-1星]]では、移住の為に他星侵攻を主張する軍部と科学力による放射能の浄化を主張する[[科学者・技術者|科学者]]グループが対立していた。そんな中、ついに親衛隊長の[[ゼオ・ガットラー|ガットラー]]が[[トリノミアス三世|皇帝]]を暗殺し実権を掌握。強引に侵略と移住を開始する。 |
| | | |
− | そんな中、科学者グループのリーダーだった父を殺された上、皇帝暗殺の濡れ衣まで着せられた[[マリン・レイガン|マリン]]は戦闘機[[パルサバーン]]でガットラーの亜空間要塞に戦いを挑むも、亜空間移動に巻き込まれて西暦2100年の[[太陽系]]へと流れ着いてしまう。 | + | そんな中、科学者グループのリーダーだった父を殺された上、皇帝暗殺の濡れ衣まで着せられた[[マリン・レイガン|マリン]]は戦闘機[[パルサバーン]]でガットラーの亜空間要塞に戦いを挑むも、亜空間移動に巻き込まれて[[西暦]]2100年の[[太陽系]]へと流れ着いてしまう。 |
| | | |
− | 同じように[[太陽系]]に辿り着いていたガットラーら[[アルデバロン軍]]は、[[地球]]が居住可能であると知るや侵攻を開始。それに対し、[[ブルーフィクサー]]に救助されていたマリンはスパイの容疑をかけられながらも、ガットラーへの復讐、そして何よりも青く美しい[[地球]]を守るべく[[バルディオス]]へ乗り込む・・・。
| + | 同じように太陽系に辿り着いていたガットラーら[[アルデバロン軍]]は、[[地球]]が居住可能であると知るや侵攻を開始。それに対し、[[ブルーフィクサー]]に救助されていたマリンはスパイの容疑をかけられながらも、ガットラーへの復讐、そして何よりも青く美しい地球を守るべく[[バルディオス]]へ乗り込む・・・。 |
| | | |
| '''明日を救え、バルディオス!''' | | '''明日を救え、バルディオス!''' |
31行目: |
31行目: |
| ==== [[ブルーフィクサー]] ==== | | ==== [[ブルーフィクサー]] ==== |
| ;[[マリン・レイガン]] | | ;[[マリン・レイガン]] |
− | : | + | :[[主人公]]。(ニュー・)パルサバーンのパイロットにしてバルディオスのメインパイロット。 |
| ;[[ジャック・オリバー]] | | ;[[ジャック・オリバー]] |
− | : | + | :バルディ・プライズのパイロット。 |
| ;[[北斗雷太]] | | ;[[北斗雷太]] |
− | : | + | :キャタレンジャーのパイロット。 |
| ;[[ジェミー・星野]] | | ;[[ジェミー・星野]] |
− | : | + | :ブルーフィクサーの科学開発局応用物理研究室員。マリンに想いを寄せる。 |
| ;[[月影剛士]] | | ;[[月影剛士]] |
− | : | + | :ブルーフィクサーの司令長官。マリン達の最大の理解者。 |
| ;[[エラ・クインシュタイン]] | | ;[[エラ・クインシュタイン]] |
− | : | + | :ブルーフィクサーの科学開発局長。 |
| ;[[デビット・ウェイン]] | | ;[[デビット・ウェイン]] |
− | : | + | :(ニュー・)パルサバーンの予備パイロット。秘かに恩師であるクインシュタインを慕っている。 |
| | | |
| === [[S-1星]]側 === | | === [[S-1星]]側 === |
| ==== [[アルデバロン軍]] ==== | | ==== [[アルデバロン軍]] ==== |
| ;[[ゼオ・ガットラー]] | | ;[[ゼオ・ガットラー]] |
− | : | + | :アルデバロン軍総統。 |
| ;[[ローザ・アフロディア]] | | ;[[ローザ・アフロディア]] |
− | : | + | :アルデバロン軍最高司令長官。ガットラーの側近。弟の仇敵であるマリンとは敵対しながらも、彼に惹かれていくようになる。 |
| ;[[ネグロス]] | | ;[[ネグロス]] |
− | : | + | :アルデバロン軍戦闘副司令官。 |
| ;[[キャリン・フリック]] | | ;[[キャリン・フリック]] |
− | : | + | :アルデバロン軍の一員。しかし…。 |
| | | |
| ==== その他 ==== | | ==== その他 ==== |
| ;[[トリノミアス三世]] | | ;[[トリノミアス三世]] |
− | : | + | :S-1星の皇帝。 |
| | | |
| == [[登場メカ]] == | | == [[登場メカ]] == |
105行目: |
105行目: |
| :;「あしたに生きろバルディオス」 | | :;「あしたに生きろバルディオス」 |
| ::歌:伊勢功一 作詞:保富康午 作曲・編曲:羽田健太郎 | | ::歌:伊勢功一 作詞:保富康午 作曲・編曲:羽田健太郎 |
− | ::『Z』『第2次Z』での基本戦闘BGM。 | + | ::本曲では「明日を救え」と歌われているのに、肝心の本編劇中ではそれが実現しなかった(ただし、スパロボにてようやく文字通り「明日を救えた」が…)。 |
| + | ::『[[スーパーロボット大戦Z|Z]]』『[[第2次Z]]』での基本戦闘BGM。 |
| ;エンディングテーマ | | ;エンディングテーマ |
| :;「マリン・いのちの旅」 | | :;「マリン・いのちの旅」 |
| ::歌:伊勢功一 作詞:保富康午 作曲・編曲:羽田健太郎 | | ::歌:伊勢功一 作詞:保富康午 作曲・編曲:羽田健太郎 |
− | ::『Z』ではイベントで挿入される。 | + | ::哀切を帯びたムード歌謡調のエンディングテーマで、[[主人公]]である[[マリン・レイガン|マリン]]の心情を歌った名曲である。『Z』ではイベント時に挿入される。 |
| | | |
| == 登場作と扱われ方 == | | == 登場作と扱われ方 == |
| ;[[スーパーロボット大戦Z]] | | ;[[スーパーロボット大戦Z]] |
− | :初参戦作品。[[声優]]は[[代役]]を除いて劇場版準拠となっている。伝説として語られているTV版最終回が特殊ゲームオーバーとして再現されている他、幻の必殺技「バルディロイザー」が映像化され、ほぼ未完だった作品を完結させるなど歴代参戦作品の中では、最上級の待遇をうけている。クロスオーバー要素として、[[ブルーフィクサー]]の基地が『[[宇宙大帝ゴッドシグマ]]』から登場の[[トリニティシティ]]となっている。 | + | :初参戦作品。[[声優]]は[[代役]]を除いて劇場版準拠となっている。 |
− | ;[[第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇]] | + | :伝説として語られているTV版最終回が特殊ゲームオーバーとして再現されている他、幻の必殺技「バルディロイザー」が映像化され、ほぼ未完だった作品を完結させるなど歴代参戦作品の中では、[[スパロボ補正|最上級の待遇を受けている]]。 |
− | :携帯機初参戦。中盤からゴッドシグマとともに加入。前作の戦いの後、[[S-1星]]の人々と和解し、(ある意味では随分と呆気なく)新天地を見つけたという'''明日を救ってハッピーエンドになった'''という終わり方をした。ブルーフィクサーのメンツは[[明神タケル]]と絡む。 | + | :クロスオーバー要素として、[[ブルーフィクサー]]の基地が『[[宇宙大帝ゴッドシグマ]]』から登場の[[トリニティシティ]]となっている。 |
− | ;[[第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇]] | + | ;[[第2次スーパーロボット大戦Z破界篇]] |
− | :今回は日本ルート序盤から登場。破界篇でのタケルとの絡みの影響からか、[[金田正太郎]]との絡みもよく見られる。 | + | :携帯機初参戦。中盤から[[ゴッドシグマ]]とともに加入。 |
| + | :[[破界事変|前作の戦い]]の後、[[S-1星]]の人々と和解し、(ある意味では随分と呆気なく)新天地を見つけたという'''明日を救ってハッピーエンドになった'''という終わり方をした。ブルーフィクサーのメンツは[[明神タケル]]と絡む。 |
| + | ;[[第2次スーパーロボット大戦Z再世篇]] |
| + | :今回は[[日本]]ルート序盤から登場。破界篇でのタケルとの絡みの影響からか、[[金田正太郎]]との絡みもよく見られる。 |
| | | |
| == 用語 == | | == 用語 == |
146行目: |
150行目: |
| ;音楽 | | ;音楽 |
| :羽田健太郎 | | :羽田健太郎 |
| + | |
| + | == 余談 == |
| + | *『宇宙戦士バルディオス』の元ネタは映画『猿の惑星』である。終盤明らかとなる[[地球]]と[[S-1星]]の関係に、それが垣間見える。 |
| + | *庵野秀明監督の妻・安野モヨコ氏は「[[南極]]で何かが起きて氷が融解、多くの被害を出して[[地球]]の地形が変わってしまうという『宇宙戦士バルディオス』の衝撃的な結末は『[[新世紀エヴァンゲリオン]]』の[[セカンドインパクト]]の元ネタになった」と、[[漫画]]『監督不行届』にて語られている。 |
| + | *『宇宙戦士バルディオス』はバラエティ番組『決定!これが日本のベスト100』(2002年5月26日放送)のアニメ特集の際にミニコーナーで紹介され、その衝撃的な結末は番組のスタジオのレギュラー・ゲスト陣と全国のお茶の間の視聴者に衝撃と失笑を与えた。 |
| | | |
| == 商品情報 == | | == 商品情報 == |
157行目: |
166行目: |
| <amazon>4257761954</amazon><amazon>4257761989</amazon><amazon>B000J7R57A</amazon><amazon>B000J7QPVW</amazon><amazon>B000J7RCM8</amazon><amazon>B000J7Q4BS</amazon> | | <amazon>4257761954</amazon><amazon>4257761989</amazon><amazon>B000J7R57A</amazon><amazon>B000J7QPVW</amazon><amazon>B000J7RCM8</amazon><amazon>B000J7Q4BS</amazon> |
| | | |
− | == 話題まとめ ==
| |
− | *本作の元ネタは『猿の惑星』であり、終盤明らかとなる[[地球]]と[[S-1星]]の関係にそれが垣間見える。
| |
− | *[[南極]]で何かが起きて氷が融解、多くの被害を出して[[地球]]の地形が変わってしまうという衝撃的な最後は『[[新世紀エヴァンゲリオン]]』の[[セカンドインパクト]]の元ネタになったと、庵野秀明監督の妻、安野モヨコ氏の漫画「監督不行届」にて語られている。
| |
− | <!-- ↑庵野秀明監督の妻、安野モヨコ氏の漫画「監督不行届」に載っていたと記憶しています。現在現物が手元にないので確認できませんが。 -->
| |
− | <!-- ↑情報提供感謝です。 -->
| |
− | *本作は2002年に放送されたバラエティ番組『決定!これが日本のベスト100』のアニメ特集の際にミニコーナーで紹介され、その衝撃的な結末は番組のスタジオのレギュラー・ゲスト陣と全国のお茶の間の視聴者に衝撃と失笑を与えた。
| |
| <!-- == 資料リンク == --> | | <!-- == 資料リンク == --> |
| <!-- *[[一覧:宇宙戦士バルディオス]] --> | | <!-- *[[一覧:宇宙戦士バルディオス]] --> |