幻晶騎士
幻晶騎士(シルエットナイト)とは、『ナイツ&マジック』の登場メカ。
概要[編集 | ソースを編集]
日本人の倉田翼がエルネスティ・エチェバルリアとして転生した異世界にて運用されている人型機動兵器。全高は基本的に約10m程度。
騎操士と呼ばれるパイロットが搭乗し、各国家の軍における主戦力として運用されており、フレメヴィーラ王国では主に魔獣の討伐や都市の防衛、商隊の護衛などに用いられている。また、各国には「国王騎」と呼ばれる国家元首専用機も存在し、代々受け継がれている。
機体は動力炉の魔力転換炉(エーテルリアクタ)、フレームとなる金属内格(インナースケルトン)、各部を動かすための結晶筋肉(クリスタルティシュー)などで構成され、基本的にその世界における人間の身体構造を模倣する形で開発されている[1]。ただし、機体構造の維持にも魔法を用いており、魔力転換炉から魔力供給が途絶えると、機体自体が自壊してしまうという欠点を持つ[2][3]。
武装は主に人間用の武器をスケールアップした物が用いられており、実体剣や槍、鎚を装備する他、杖状の魔法攻撃用装備である魔導兵装(シルエットアームズ)により、ある程度の遠距離戦にも対応できる。
性能の優劣が戦争において大きく影響するため、各国はこぞってその改良に躍起になっているが、容量を限界まで使い尽くした余裕のない設計であること、「人体を模倣したものである」という思想が根付いていることから、エルが転生するまでの直近100年は各国家における新たな幻晶騎士及び関連技術の開発は滞っており、幻晶騎士が二足歩行の地上戦機であることは変わらず、改良も小幅なものに留まっていた。長い開発の停滞は、エルが現代日本の(主にロボットアニメなどの)知識をもたらした事で爆発的に加速。テレスターレやツェンドルグ、イカルガ等の試作機・新型機が続々と生み出されることになる。
機体構造 [編集 | ソースを編集]
エルが転生した時点で既に基本技術は完成しており、エルがそこに手を加える事で性能向上が成されていく事になる。改良された機体の構造は、西方諸国から見て東方に位置するフレメヴィーラが源流となるため、東方様式(イースタン・モード)と呼ばれている[4]。 なお、下記の性質上大気中にエーテルがなければ動力源となる魔力は産み出せないため、いずれ枯渇し最悪機体その物が崩壊してしまうはずである。しかしながら他作品との兼ね合いの都合上その点には一切触れられていない。これもスパロボ補正の一種だろうか。
基本構造 [編集 | ソースを編集]
- 魔力転換炉(エーテルリアクタ)
- 大気中のエーテルを吸引し、魔力へ変換する動力炉。文字通り幻晶騎士の心臓部であり、エーテルのある限り半永久的に魔力を生み出す事が出来る。炉の調達数が幻晶騎士の生産数を規定する戦略物資であり、その製造方法・生産地は厳重に秘匿されている。生産された魔力は程なくしてエーテルへ還元され大気中に拡散してしまうため、結晶筋肉に保持しておく必要がある。また、エーテルを吸引する際には吸気音が発生する性質上、基本的に隠密任務には向かない。
- 金属内格(インナースケルトン)
- 幻晶騎士の基本骨格。大型のパーツを一体形成する技術が無いため、細かいパーツを複数組み合わせた上で強化魔法で結合しており、魔力転換炉からの魔力供給が切れれば構造を維持出来ずに崩壊する。この構造は外装も同様であり、任意の部位への魔力供給をカットする事で損傷部位のパージも可能。
- 結晶筋肉(クリスタルティシュー)
- 魔法を行使するための触媒結晶を錬金術で加工した一種の人工筋肉。魔力転換炉から生産された魔力を一時的に保持する性質を持ち、駆動系であると同時にコンデンサの役割も担っている。
- 魔導演算機(マギウスエンジン)
- 幻晶騎士の頭脳。魔法を使った一種のコンピュータであり、搭乗者に代わって機体の制御に必要な魔法を行使する他、魔力転換炉の出力制御も司っている。幻晶騎士にとって、魔力転換炉に次ぐ重要部位となる。
東方様式(イースタン・モード)[編集 | ソースを編集]
- 綱型結晶筋肉(ストランドタイプ・クリスタルティシュー)[5]
- エルの発案した改良型結晶筋肉。その名の通り、綱のように撚り合わせて使用した物。従来品と比較して1.5倍の出力と10倍の耐久値の向上をもたらしたが、その分だけ消費魔力も増大している。また、高出力故に従来の構造では機体に長時間筋肉を固定出来なかったため、力学バランスを含めた構造の抜本的見直しが必要となった。
- 板状結晶筋肉(クリスタルプレート)
- 綱型結晶筋肉の欠点である消費の増加に対応するために発案された、魔力蓄積に特化した板状の結晶筋肉。主に蓄魔力式装甲(キャパシティフレーム)として通常装甲と一体化させて運用される。
- 背面武装(バックウェポン)
- エルによって発案された、背面の補助腕(サブアーム)に魔導兵装を装備する機構。既存の機体では魔導兵装と格闘武器を持ち替える際に隙が生まれていたが、この機構によって背部魔導兵装をキャノン砲のように扱う事が可能になり、最大四基の魔導兵装を使用可能になるなど、火力の増強にも繋がった。同時に、魔導演算機には照準用の火器管制(ファイアコントロール)システムが書き加えられている。なお魔導兵装ではなく格闘武器を装備することも可能。
- 紋章式認証機構(パターンアイデンティフィケータ)
- 銀の短剣の形態を成した、機体認証システム。当初は、テレスターレを強奪された反省を受けてエルが開発した物であったが、後の世では銀の短剣そのものが騎操士の身分を示す代名詞となった。
- 開放型源素浮揚器(エーテルリングジェネレータ)
- 大気中に存在する薄いエーテルを魔力転換炉に集め、高濃度に再変換して使用する浮遊機能。アニメ未登場の範囲だが、『30』ではイカルガに搭載されていることが言及されている。
その他[編集 | ソースを編集]
- 源素供給器(エーテルサプライヤ)
- ジャロウデク王国の独自技術。高濃度エーテルを供給することで、瞬間的に膨大な魔力を生み出す短期的な出力増加機構。
- しかし、魔力転換炉は本来地上の薄いエーテル環境下で稼働するように作られているため、高濃度エーテルの供給は炉の劣化を起こすデメリットを伴う。先述の通り、魔力転換炉が幻晶騎士の最も高価な部品であるため、高価な幻晶騎士を実質上短期間で使い捨てる機構。
主な幻晶騎士[編集 | ソースを編集]
フレメヴィーラ王国製[編集 | ソースを編集]
- サロドレア
- フレメヴィーラ王国の旧量産機。
- カルダトア
- フレメヴィーラ王国の制式量産機。サロドレアの後継機。
- カルダトア・ダーシュ
- テレスターレの技術をフィードバックしたカルダトアの改修機。
- カルディトーレ
- カルダトア・ダーシュをブラッシュアップした新型制式量産機。
- テレスターレ
- エルの手で開発された新型試作機。
- 『30』では台詞内でのみ言及される。
- アールカンバー
- エドガーの乗機。
- アルディラッドカンバー
- アールカンバーの後継機。
- グゥエール
- ディートリヒの乗機。
- グゥエール改
- グゥエールの改修機。
- グゥエラリンデ
- グゥエールの後継機。
- トランドオーケス
- ヘルヴィの乗機。
- ゴルドリーオ
- エムリスの専用機。
- ジルバティーガ
- アンブロシウスの専用機で、ゴルドリーオの同型機。
- 『30』ではユニットアイコンのみ登場。
- ツェンドルグ
- エルが開発した人馬型の復座機。
- ツェンドリンブル
- ツェンドルグを1人乗りに改修した量産機。
- トイボックス
- エルが開発した実験機。
- イカルガ
- エルが開発した専用機。
クシェペルカ王国製[編集 | ソースを編集]
- カルトガ・オル・クシェール
- クシェペルカ国王の専用機。
- カルトガ・オル・クシェール二世
- エル達の協力で再建・復座化された機体。
- レスヴァント
- クシェペルカ王国の量産機。
- レスヴァント・ヴィード
- レスヴァントを法撃戦用に改修した機体。
ジャロウデク王国製[編集 | ソースを編集]
- ティラントー
- ジャロウデク王国の主力量産機。
- ヴェンドバダーラ
- 銅牙騎士団の特殊工作用の機体。
- ヴェンドバダーラ改
- 団長のケルヒルト専用機。
- アルケローリクス
- ジャロウデク王国の王族専用機。
- ソードマン
- グスターボの専用機。
- デッドマンズソード
- ソードマンに代わるグスターボの専用機。
- アンキュローサ
- ティラントー[6]を法撃戦用に改修し、飛竜戦艦に搭載した機体。
関連機体[編集 | ソースを編集]
- 幻晶甲冑(シルエットギア)
- 幻晶騎士を参考にエルが考案したパワードスーツ。
- 飛空船(レビテートシップ)
- 幻晶騎士を搭載可能な輸送艦。幻晶騎士の操縦系統を流用するために、船首に騎士像(フィギュアヘッド)という幻晶騎士の上半身が備えられている。そこから帆に向けて風の魔法を発生させることで移動する。あくまで輸送用で、攻撃手段は火炎弾程度[7]。
- 『30』ではユニットアイコンのみ登場。
- 飛竜戦艦(ヴィーヴィル)
- ドラゴン型の戦艦。アンキュローサを船体に埋め込み、攻撃・防御力を高めている。炎の魔法を発生させた反動で移動するので帆は無い。騎士像も単体で攻撃手段を持った竜騎士像(ドラゴン・ヘッド)に置き換えられている。
幻晶騎士(特殊能力)[編集 | ソースを編集]
- スーパーロボット大戦30
- 全ての幻晶騎士に採用されている特殊能力。
- 自軍ターン開始時に最大ENの10%を回復し、更にENが50%以上ある時は射撃による被ダメージを70%にする。ダメージ軽減効果はバリア貫通の対象外・ダイレクトアタックでも貫通不可。
- ENが回復するのは魔力転換炉により半永久的にリソースが確保できる設定。原作にて射撃への耐性が特に高いという描写がある訳ではないので、こちらはバランス調整といったところ。シナリオ上でも反映されており、この能力のために連邦軍のモビルスーツは劣勢に立たされていた。
- 敵の幻晶騎士にも余さず搭載されているが、HP・装甲が高くない上にサイズも1Sと小さく、高火力の射撃でも雑魚機や中ボスを一撃で落とせる。高難易度だと格闘武器主体、特に遠距離武器まで格闘属性のスーパー系の機体で挑んだ方が効率的。
- ちなみに、『30』では上記機体構造の部品が強化パーツとして多く設定され、結晶筋肉、蓄魔力式装甲、そしてよりによって源素供給器が実装されている。最後は大丈夫なのだろうか…?
脚注[編集 | ソースを編集]
- ↑ 魔力転換炉はエーテルを吸引し魔力(マナ)に変換して全身に巡らせる「心肺」の性質を秘術によって再現している。また、機体を制御する魔導演算機(マギウスエンジン)も、人間の脳内にある(魔術演算領域)を基にしている。
- ↑ ただし、通常は蓄積された魔力を全て使わないようリミッターが設けられており、自壊そのものは滅多に起きない。
- ↑ そのため、魔力転換炉を外す際には自重で自壊しないように先に装甲などを外す必要がある。
- ↑ ただし、フレメヴィーラが源流であることは知っている国は少ないので、フレメヴィーラ以外でもそう呼ばれているのかは不明。
- ↑ 原作小説版では「ストランド・クリスタルティシュー」と呼ばれている。『30』では原作版表記。
- ↑ 原作小説版では鹵獲したレスヴァント。
- ↑ 原作小説版では投石。改良型は加えてアンキュローサを搭載して攻撃・防御力を高めている。