デルフィング
デルフィング | |
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外国語表記 | Delphine[1] |
登場作品 | ブレイクブレイド |
デザイン | 柳瀬敬之 |
初登場SRW | スーパーロボット大戦DD |
SRWでの分類 | 機体 |
スペック | |
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異名 |
壊れた刃(ブレイクブレイド) 破壊を象徴する刃(ブレイクブレイド) 黒銀のゴゥレム |
分類 | 魔動巨兵 (ゴゥレム) |
全高 | 11メイル(8.9 m) |
所属 | クリシュナ王国 |
パイロット | ライガット・アロー |
概要[編集 | ソースを編集]
クリシュナ王国の王都郊外にある第118石英採掘場から発掘された推定1000年前の古代(アンダー)ゴゥレム。
ゴゥレムでありながら魔力を持つ現在の人間では全く動かすことが出来ずにいたが、国王のホズルが「古代人は魔力を有していなかったのではないか」という仮説に基づき[2]、魔力無者のライガット・アローを招集。彼が起動させたことで彼の専用機となる。コックピットのモニターには古代語(日本語と英語)が表示されるが、ライガット達には理解できないため唯一共通しているアラビア数字を参考に運用されている。発掘当初の胸部装甲には「運命に抗おう」という古代文字が刻まれているなど、謎を多く秘めている。
一般的なゴゥレムが搭乗者が魔力で命令を与えることで稼働するのに対し、デルフィングは動力炉を有し、レバーとペダルを使って操縦する。
現代の技術では解析不能の高度な技術が使われており、強力な石英靭帯で加速力・パワー・跳躍力全てにおいて発掘当初の風化した状態でも各国の最新鋭機を凌駕するほどの性能を有し、特にパワーに関しては一般的なゴゥレムを大きく上回っている[3]。一方で未熟にしか見えないような精製部位も存在し、外部冷却システムが破損している影響で稼働時間に約10〜30分という制限がある上に、急激な動作を行うと稼働時間を大きく消費してしまう。
現存のゴゥレムを凌駕する性能により近接戦闘では無類の強さを誇るが、プレスガンなど魔力で動作する武器は使用できないため、遠距離攻撃手段に乏しい[4]。
機体構造のほとんどがブラックボックス化していることから現代の技術では復元・修復が不可能で、戦って消耗するたびに弱体化していくという最大の弱点を抱えている。しかし元々の異常なスペックと、戦うたびに成長するライガットの操縦技術によって弱体化してなお戦場では鬼神の如き活躍を見せ、クリシュナの劣勢を覆していった。
- 第一形態
- 発掘直後の姿。この時は鉄色のカラーリングで、風化によって装甲が非常に脆くなっており対人散弾ですら貫通するほど脆弱。
- 第二形態
- シギュンが中心となって改修した姿。装甲が追加され、胸部を黒、他を銀で塗装したため「黒銀のゴゥレム」と呼ばれる。ゼスとの交渉のため非武装で出撃した。
- 第三形態
- 中破したファブニルの装甲を寄せ集め、多重装甲化した姿。上半身を覆いつくすように装甲化されたため、上半身はほとんど固定され、格闘能力は80%も低下している。通常のゴゥレムなら立つことすら困難だが、デルフィングの強靭な石英靭帯の馬力で高速突撃することで一撃で敵ゴゥレムを粉砕するほどの力を発揮し、その威力は「走る城壁」と表現されている。多重装甲は腕のトルクを操作すれば任意にパージすることも可能。
- 第四形態
- 第三形態の突撃能力をさらに先鋭化した姿。右腕に固定装備された重長槍を前方に突き出した形で装甲化され、さらなる突進力を得た。ただし、この影響で装甲をパージしても右腕は重長槍で固定されている。他にイーストシミターやネイルダーツを装備。
- 第五形態
- ボルキュス大隊を迎え撃つための急造仕様。前2形態のような重装甲ではなく、元の姿に一部装甲化を施した姿。アニメオリジナルで、原作の第五形態とは別物。
- 肩に装備する予定だったネイルダーツボックスが右肩だけ間に合わなかったため、左右非対称となった。巨大な十字手裏剣型の投擲武器「ライデ」を装備し、冷却されやすい構造を採用したため稼働可能時間が480分と大幅に伸びている。
登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]
単独作品[編集 | ソースを編集]
- スーパーロボット大戦DD
- 初登場作品。第三形態がバランスタイプとして登場。
- 2022年11月のイベント「クロス・ブレイド(巨兵邂逅)」にて参戦。当初は期間限定参戦だったが、2023年11月にイベントごと恒常化した。
- マシンスペック的に「陸戦しかできない」点を反映してか、地形適応が陸Sの他全てB(ただし本作の宇宙Bは宇宙Aとほぼ同義で[5]、実質的には陸Sのみが特徴)、SSRユニットパーツのワール・ウィンドも陸限定アビリティを持つなど、先輩であるパックマンロボ以上に陸戦特化機体。第4回共闘戦と同時開催の都合上なのかパイロット側のオーブも3種存在、イベントを進めれば育成も難しくないため、基礎性能を早期に仕上げることが可能と、期間限定参戦の時点でも恵まれていた機体だったが、恒常化の際も新SSRユニットパーツが追加されており厚遇を受けている。
装備・機能[編集 | ソースを編集]
武装・必殺武器[編集 | ソースを編集]
- ファスト・チャージ
- 第三・第四形態の基本戦法。突撃して体当たりをする。
- 単純だがデルフィングの馬力なら一撃でエルテーミスをバラバラに砕くほどの威力を誇り、第四形態では単独で敵陣に突っ込んで多くのラドゥンを轢殺していった。
- 『DD』では打撃属性の通常攻撃及びR必殺技。メインアビリティは「多重装甲」で、攻撃力・照準値が増加する。サブアビリティは「防御力アップI」。
武装[編集 | ソースを編集]
- ガンデ2型
- クリシュナ王国製の両刃剣。
- 試作重大剣
- トゥル将軍のファブニルに装備されていた武装。両腕に石英靭帯を6束使った特別仕様のファブニルでも両腕でようやく保持できるほどの超重量だが、デルフィングは片腕で軽々と扱える。
- ゼスとの交渉が決裂した際に戦場でトゥル将軍が落とした物を拾い、第三形態においても装備していたが、3巻における追撃戦で着地の隙を消すための足場にした際に砕け散って失われた。
- ヘビーランス4型
- クリシュナ王国製の突撃槍。同じく戦場で拾った物を使用。
- イーストシミター
- 第三形態から装備する直刀型の片刃剣。装甲を「叩き割る」のではなく「斬る」ことに特化した剣で、適切に扱うには一定の技量が必要になる。
- 第四形態以降は日本刀に似た形状のものを装備する。
- 重長槍
- 第四形態で右腕に固定装備されたランス。槍の穂先は精錬されておらず、ほぼ無垢の石英の塊といった外見。
- 三節棍
- 第四形態で装備。盾で防御された場合でもその上から打撃を繰り出せる。重長槍の隙を埋めるために使用される。
- ネイルダーツ
- 第四形態から装備するクナイ型の投擲武器。プレスガンを使えないデルフィングの射程を補うための武器。
- ライデ
- 第五形態で装備する十字手裏剣型の大型投擲武器。石英靭帯を寄り合わせたザイルを使って変則的かつリーチのある攻撃を行える。
必殺技[編集 | ソースを編集]
- アブラプト・ラム
- 『DD』で採用。打撃属性のR必殺技。高速で突撃する。
- メインアビリティは「底力I」で、サブアビリティは「HPプラスI」。
- ランパート・ラッシュ
- 『DD』で採用。打撃属性のSR必殺技。高速で突撃し、切り返してもう一度体当たりをする。
- メインアビリティは「全力攻撃II」で、サブアビリティは「照準値アップII」。
- ワール・ウィンド
- 『DD』で採用。打撃属性のSSR必殺技。高速で突撃後、装甲をパージして二刀流となりイーストシミターで斬り抜けた後、試作重大剣を突き刺す。原作のゼス戦の再現だが、原作では武器を狙おうとしてかわされている。
- メインアビリティは「石英靭帯(デルフィング)」で、HPが増加し、気力が10上昇する毎に攻撃力・防御力・照準値が増加する。「陸」の地形にいるとき、防御力が増加する。敵ユニットの弱点属性で攻撃時、攻撃力・照準値が増加する。ワール・ウィンド命中時、自分に「覚醒」を発動する。サブアビリティは「タイプ強化III・照準・射撃(バランス)」。
- メイク・オア・ブレイク
- 『DD』で採用。打撃属性のSSR必殺技。装甲をパージして二刀流となりイーストシミターと試作重大剣で斬り抜けた後、大剣を地面に突き刺して急停止し、大剣を踏み台にして跳躍。イーストシミターを相手に叩きつける。こちらもゼス戦の再現で、原作ではワール・ウィンドにあたる攻撃をかわされた後、こちらの攻撃に移行している。踏み台にした際に大剣にヒビが入ったり、撃破後に爆発が起きないなど、原作再現の要素が細かい。
- メインアビリティは「インナーフレーム(石英)」で、HP・攻撃力・防御力・照準値が増加し、気力が10上昇する毎に攻撃力・防御力・照準値が増加する。「陸」の地形にいるとき、攻撃力・防御力・照準値が1増加する。反撃時、100%の確率で先制攻撃を行う。メイク・オア・ブレイクを命中させたときの気力上昇量が増加する。サブアビリティは「攻撃力・防御力アップIII」。
サイズ[編集 | ソースを編集]
- S
関連機体[編集 | ソースを編集]
- ファブニル
- クリシュナ王国の量産ゴゥレム。中破した機体の装甲を追加装甲として転用する。一部武装も共有できる。
- デルフィング2型
- シギュンが開発した新型ゴゥレム「フレイア」にデルフィングを模した装甲板を取り付けて偽装を施したもの。アテネスに大打撃を与えたデルフィングの姿を真似ることで「デルフィングが量産された」とアテネス兵に思わせ、戦意を削ぐ策に使われた。
余談[編集 | ソースを編集]
- 製作が頓挫し、幻に終わったOVAブレイクブレイド外伝『ミュージカルチェア』の設定画で過去の姿が見る事ができ、元はロングガンナー、つまり遠距離戦主体の機体であるのが確認できる。
- 大型のライフルを装備し、肩に弾薬ベルトが伸びたマガジンをマウント。背面には大型の外部メイン冷却装置が搭載され、更にこの上に大型の飛行ユニットを接続可能。
- 優れた跳躍能力や姿勢制御能力は射撃の位置取りなどをスムーズに行うための機能だったのでは無いかと推察される。
- 原作者の吉永裕ノ介氏のTwitter[6]でもその一部を見る事ができ、この戦闘で外部メイン冷却装置と飛行ユニットが破損している。
- 本機の欠けたツノを見たナルヴィが壊れた刃という意味を込めて「ブレイクブレイド」と例えているが、『ミュージカルチェア』の段階でツノの形状は本編と同じである。最初からこの形状なのか、これより前に戦いがあり破損していたのかは不明。
- ライガットは搭乗者No.03で登録されており、少なくとも前にあと二人パイロットが存在しているのがわかる。ミュージカルチェアの時のパイロットの他にもう一人いるはずだが詳細は不明。
脚注[編集 | ソースを編集]
- ↑ デルフィング リニューアルVer.、コトブキヤ商品ページ、2022年10月19日閲覧。
- ↑ 原作第3話では魔力を持つ現人類はデルフィングのモニターには「不特定生物」と表示され人類と認識されていない。
- ↑ 「装甲をまとった状態で突撃し、敵ゴゥレムを体当たりでバラバラにする」「全力で投擲した剣の切っ先が、掠めただけで敵ゴゥレムの正面装甲を破壊してコクピットを露出させる」など、強大なパワーを物語るエピソードには事欠かない。
- ↑ SRW未登場の第四形態以降は、魔力に依らない投げナイフ「ネイルダーツ」を追加装備しているほか、原作では巨大な手裏剣状の武器「スローイングブレイド」や、デルフィングでも扱える特殊プレスガンなどを装備してこの弱点を補っている。
- ↑ SSRユニットパーツは原則宇宙Sであり、これを適用しているとBでもAでも最終的にAとなるため。
- ↑ 吉永裕ノ介の2020年3月29日のツイートTwitter