デウスエクスマキナ
デウスエクスマキナ(DEUTH EX MACHINA)
- 登場作品:鉄のラインバレル/原作漫画版『鋼鉄の華』
- 分類:ヒトマキナ/自律機械
- 声優:玄田哲章(スーパーロボット大戦UX)
- 頭頂高:不明
- 重量:不明
- 動力:電力/不明
- 装甲材質:ニューロカーボン・ナノセラミック/不明
- MMI:電脳/不明
- 開発者:不明
- 所属:なし/計画反対派
- 意匠:右一つ巴
- 搭乗者:なし/早瀬浩一(「鋼鉄の華」版)
『鉄のラインバレル』のプロトタイプにあたる読み切り漫画『鋼鉄の華』の主人公機。
「異世界からの使者」である早瀬浩一が搭乗する。絶滅の危機に瀕し、過去の人類を抹殺してその世界に移住するという計画を立てた未来世界において、その計画への反対派が送り込んだカウンター。搭乗者たる生体サイボーグ、今は「早瀬浩一」を名乗る「R335」の意志に従い、推進派との戦闘を開始する。
ラインバレルに似た姿をしているが、「鬼」をイメージさせる同機と異なりこちらは人の顔を持ち、さながら「人の姿の神」と言った意匠。アニメ版にはこのまま、原作漫画版には独自の背景でそれぞれ登場している。
アニメ版
テルミノ・クレメンティア終結後、次元坑道を彷徨うラインバレルが遭遇した謎の機体。
ラインバレルを派手にしたような姿で、両肩のアーマーからマントを纏っているのが印象的。「鋼鉄の華」と同様に額の角が片方折れている。
アニメ版ではファンサービスとしてのカメオ出演にすぎず、ラインバレルとはすれ違っただけで会話も何もなく、ストーリー的に絡むわけでもない。なお、ラインバレルとすれ違う瞬間に一瞬だけコックピット内部の様子が見えるのだが、そこには「鋼鉄の華」版のデザインでの早瀬浩一と城崎絵美の姿があった。様々な平行世界が存在しているというアニメ版ラインバレルの世界観をよく表した演出である。
浩一が搭乗しているため、恐らくは移住計画推進派との戦闘の後だと思われる。
原作漫画版
デザインをほぼ踏襲した形で「デウス」という名称で登場。ヒトマキナを統率する存在であり、ラインバレル以上の巨体を誇る。
他のヒトマキナとは違う、いかにもメカと言った外見であるが、巨体ながらオーバーライドと圧縮転送フィールドを駆使するため、戦闘力はラインバレルにも引けを取らない。
加藤機関と旧特務室の連携で行われた月面ジャミング施設破壊作戦の終盤、その存在に気付いた浩一の駆るラインバレルの展開した圧縮転送フィールドに対して同様に展開した圧縮転送フィールド同士のぶつかり合いでパラドックスを起こし、ラインバレルの信号はロスト。浩一はこの戦いで「行方不明」となっている。デウスも巻き込まれたと思われるが、詳細は不明。
元々は何者かが作り上げたマキナの一機であり、死を認識するために殺し合い、生き残ってヒトマキナとなった者の一人。それらの中でこの機体は、マキナを使用する「主」としての立ち位置にある。通常のマキナに対するファクターに該当する、といえばいいだろう。
登場作品と操縦者
- スーパーロボット大戦L
- アニメ版の設定かつ「マキナ」名義で登場。「鋼鉄の華」クリア時のイベントで浩一と絵美にバジュラ襲撃の未来を見せた上で「変えられる未来」と示し、ラインバレルを復活させて送り返した。アニメ版とは違い、ストーリー上に意味がある役割が与えられている。
- スーパーロボット大戦UX
- 原作漫画版の設定でヒトマキナのボスとして登場。HP回復L3、重装甲に底力が相まって異常なまでのタフさを誇り、2回行動までしてくる。おまけに登場時のイベントで自軍の気力がガタ落ちした状態で戦うハメになるため(HPを削れさえすれば気力アップイベントが起こる)、本作でも最強クラスに面倒な敵。ファクターがいないため自動回復がないのは幸い。カイザーに乗る地獄コンビだけは気力の実数がそのまま、浩一は下がっても120前後なので、この両者を起点に何とか規定値まで削り切りたい
本作に何体か存在するデウス・エクス・マキナの一人。「死による想像を与えなければ人類が絶滅する」という物騒極まりない使命感に凝り固まっているものの、基本的には人類の未来を憂い、それを何とかしようとしているだけであり、その点では自軍と同じ。むしろ一切下心の無いその在り方は天児の言った愚かしいほど健気な機械その物と言っても良い。対立するのは偏に方法論の違いとその結果による「人類存続」の意味による。「人として生き、己の力で未来を掴む」ことを目指すUXと、「形はどうあれとにかく人類を生かす」ことを目指す彼らとではぶつかるのが当然であろう。敗れた後は人の可能性に未来を託し、力づくで物語に結末をもたらす「機械仕掛けの神」は舞台を降りることになる。ちなみに、戦場となる月内部に存在する東京らしき場所は、ショウ・ザマがいた東京と同じだという。となると(少なくともショウがいた前の宇宙では)ショウがバーンと刺し違えた後に、城崎天児がナノマシンによる不死を生み出してしまい自滅スイッチで人類が絶滅したことになる。
本作においては、その名前は人の作り上げた、本来存在し得ない機械の神、即ち「エクストラ・デウス・マキナ」という意味を持ち、「デウス・マキナ」との関連があるとされている(奇しくも、マキナは「鬼」として語られることがある)。世界観上、遠い未来あるいは過去で、デウスエクスマキナが誰かのデウス・マキナだった可能性があったのかもしれない。そうだとすると、恐らく我々の知るループでその位置にいるのは、同じく「人によって造り出された、存在し得ないもう一つの鬼械の神」、即ちデモンベインであろう。考えられる可能性としては、デウスエクスマキナが遠い未来で出自が結局謎なままのデモンベインの素体となるか、あるいは遥か過去で大十字九郎をファクターとするデモンベインと言う名のマキナが素体となると言ったところであるが、結局のところ想像するしかない。人造神ではない「本当の神」である這い寄る混沌の事を知っているようなので、何かしら因縁はあるのは間違いない。
実は原作漫画版では名前と姿がちらりと出ただけであり、オーバーライド以外の能力は今回が初出。基本設定は原作者が監修しているため、今作におけるデウスエクスマキナの設定は原作漫画版の世界観にもある程度は準拠していると思われる。
装備・機能
武装・必殺武器
- ビーム
- 掌からビームを放つ。着弾点指定型のMAPW版もあり、そちらがかなり面倒。「華」で披露した唯一の武装。
- 斬馬刀
- 掌からエネルギーを実体化させ、巨大な剣に変えて両断する。
- オーバーキル
- ラインバレルの「オーバーライド」と似たような攻撃。殴り飛ばした相手の背後に転送で回り込んで蹴り上げ、さらに転送で先回りしてビームで追撃、その最中に転送で背後を取って斬馬刀で斬りつける。しかる後、実体を残すほどの連続転送によって滅多斬りにし、最後に転送フィールドを敵機の直上で展開、呼び出した丙型が敵を喰い殺す。まさにオーバー「キル」と言うべき無茶苦茶な攻撃となっている。
EN吸収・照準値低下というそこそこ厄介な特殊効果も備えているため、耐えられるからと言ってあまり安易に食らわないようにしたい。 - 圧縮転送フィールド
- ラインバレルの持つ物と同じ能力であり、原作ではラインバレルの物とぶつかり合った事でパラドックスを起こした。スパロボでは武装としては登場していないがイベントで使用。
特殊能力
移動タイプ
サイズ
- 2L
機体BGM
- 「Linebarrel」
パイロットステータス設定の傾向
特殊スキル
スパロボシリーズにおける名台詞
アニメ版
- 「……あれでよかったのか、R335?」
- L36話「鋼鉄の華」にて、次元坑道からラインバレルを元の世界へ送り返して。問いかけているのは自らの操縦者である「華」の浩一。その浩一は「その名前で呼ぶなって言ったろ」と不服そうに返していた。なお、「R335」というのは、原作漫画版では城崎天児の脳髄を保管していた生体電脳ユニット「アーク」のナンバリングであり、「華」では浩一自身の型式番号(「華」の浩一は未来から送り込まれた生体サイボーグ)。
原作漫画版
- 「閉じられた環の中にいながら、絶望に染められぬ者…」
「だが、それもいずれ染まる。貌なき存在の意ゆえに」 - 大十字九郎との特殊戦闘台詞。「デモンベイン」という作品の根幹に言及している。
- 「目標の行動より前に、リアルタイムで転送」
- オーバーキル使用時。浩一や絵美が「目標の行動に合わせ」て転送するのに対し、こちらはその行動すら許さない。桁の違いが伺える。
- 「………」
「可能性という名のライン…」
「数多のラインを、重ねたカタチ…」
「ライン…バレル…!」 - 「運命を変えて見せる」と豪語する自軍を見て。その焦点にあるのは、輪廻する世界の中で無数の可能性を繋ぎ合わせ、重ねたカタチ……「可能性の枝」たるマキナ殺しの姿だった。
- 「…では、未来に証明してみせろ。『人間』であり続ける、と…」
- イベント戦闘の撃墜台詞。
- 「未来に証明する、か…」
「早瀬…浩一…」 - 崩壊する「東京」にて、「マキナの神」は一人呟く。その脳裏を過ぎった姿は、人類滅亡などさせはしないと断言した「正義の味方」だった……。
- 台詞の内容からして、この存在はもしかすると、「あの世界」で浩一とともに戦った「マキナ」だったのかも知れない。であるならば、この時彼の脳裏によぎったのはもう一人の浩一、かつての半身たる「R335」だったのだろう。