「魔法のプリンセス ミンキーモモ」の版間の差分
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東映の「東映魔女っ子シリーズ」が生活感を重視して比較的当時の[[日本]]の世態に近い現実的なイメージの世界観でで展開されていたのに対し、本作の世界観描写は雰西洋風のイメージを根底に敷きつつほぼ無国籍に近い。また「おもしろければなんでもあり」を掲げ、ストーリー、演出の自由度の高さに重きが置かれているのも大きな特徴である<ref>その象徴ともいえるのが本作の舞台となる国と町の名前である「どこかの国のどこかの町」。これは「作劇上必要のないネーミングを極力省いてぼかすことで現実的な雰囲気から切り離し、どんな荒唐無稽な話であっても受け入れやすくさせる」という首藤氏の意図による。</ref>。 | 東映の「東映魔女っ子シリーズ」が生活感を重視して比較的当時の[[日本]]の世態に近い現実的なイメージの世界観でで展開されていたのに対し、本作の世界観描写は雰西洋風のイメージを根底に敷きつつほぼ無国籍に近い。また「おもしろければなんでもあり」を掲げ、ストーリー、演出の自由度の高さに重きが置かれているのも大きな特徴である<ref>その象徴ともいえるのが本作の舞台となる国と町の名前である「どこかの国のどこかの町」。これは「作劇上必要のないネーミングを極力省いてぼかすことで現実的な雰囲気から切り離し、どんな荒唐無稽な話であっても受け入れやすくさせる」という首藤氏の意図による。</ref>。 | ||
− | + | 「暴走」と称されるほどの奇想天外かつシュールなシナリオや、脚本・構成担当の首藤剛志氏の独特なセンスをベースとしたセリフ回しによるキャラクターの魅力など、筋立ては王道ながら枠に囚われない弾けた作風の相乗効果によって、メインターゲットの女児層のみならず、より高い年齢層のアニメファンにも人気を得る事となり、放映終了の二ヶ月後に開始したスタジオぴえろ制作の『魔法の天使クリィミーマミ』<ref>同作品とは、後に短編[[映画]]において制作会社の壁を超えて共演している。これはモモのプロデューサーだった読売広告社の大野実氏がマミのプロデューサーとして関わったことから実現したものである。</ref>をはじめとする「ぴえろ魔法少女シリーズ」とともに「第2期魔法少女ブーム」を牽引する作品となった。 | |
他作品のパロディも多分に含まれており、第31話「よみがえった伝説」にて、同じ葦プロ作品のロボットアニメ『[[戦国魔神ゴーショーグン]]』のパロディエピソードが展開されたことも大きな話題となった<ref>SRWへの参戦も同エピソードを元にしている。</ref>。 | 他作品のパロディも多分に含まれており、第31話「よみがえった伝説」にて、同じ葦プロ作品のロボットアニメ『[[戦国魔神ゴーショーグン]]』のパロディエピソードが展開されたことも大きな話題となった<ref>SRWへの参戦も同エピソードを元にしている。</ref>。 | ||
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*北斗の拳や、脚本構成の首藤剛志が関わった漫画原作のアニメ「さすがの猿飛」など、他のTVアニメ作品にもモモを模したゲストキャラクターやモブがいる。 | *北斗の拳や、脚本構成の首藤剛志が関わった漫画原作のアニメ「さすがの猿飛」など、他のTVアニメ作品にもモモを模したゲストキャラクターやモブがいる。 | ||
*スパクロ参戦に伴い、ロボット兵器同士が戦争を繰り広げるというシビアな世界に飛び込むことになったモモだが、原作では戦争を題材にしたエピソードも少なくない。 | *スパクロ参戦に伴い、ロボット兵器同士が戦争を繰り広げるというシビアな世界に飛び込むことになったモモだが、原作では戦争を題材にしたエピソードも少なくない。 | ||
− | **第1作では行き違いから誤射された[[核ミサイル]] | + | **第1作では行き違いから誤射された[[核ミサイル]]の爆発を防ぐために奮闘するエピソードが描かれている。また、第2作では地上での居候先だったホテルが軍事境界線によって寸断される、[[クリスマス|サンタクロース]]が正体不明の飛翔体と誤認されミサイルで撃ち落されそうになる、宗教戦争の勃発、果ては第1作に登場した戦闘狂の軍人が夢の国に迷い込んだ末に夢の国の住人と戦いを繰り広げるなど、戦争絡みのエピソードが特に多い(これは、湾岸戦争が続いていた90年代当時の世相が反映されている故でもある)<ref>他にも、ゴミ問題、カルト宗教、宗教紛争、受験戦争など、90年代当時の社会問題がベースに敷かれているため、物語は第1作に比べて非常に重くなっている。</ref>。 |
**ちなみに、第1作の核ミサイルを防ぐ話はスポンサーの意向で[[打ち切り]]が言い渡された時期に作られた話であり、スポンサーの強権的な姿勢に反発した首藤氏は自暴自棄になるあまり「いっそのこと核ミサイル爆発で地球を滅亡させて終らせてやるのもいいかもな」と考えていたことも述懐している(結局打ち切りが撤回されたため、その後も物語が続いていくことになった)。 | **ちなみに、第1作の核ミサイルを防ぐ話はスポンサーの意向で[[打ち切り]]が言い渡された時期に作られた話であり、スポンサーの強権的な姿勢に反発した首藤氏は自暴自棄になるあまり「いっそのこと核ミサイル爆発で地球を滅亡させて終らせてやるのもいいかもな」と考えていたことも述懐している(結局打ち切りが撤回されたため、その後も物語が続いていくことになった)。 | ||
2024年7月3日 (水) 13:50時点における最新版
魔法のプリンセス ミンキーモモ | |
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原作 | 首藤剛志 |
監督 | 湯山邦彦 |
シリーズ構成 | 首藤剛志 |
脚本 | 首藤剛志 他 |
キャラクターデザイン |
芦田豊雄 みさきのあ 服部あゆみ |
音楽 | 高田ひろし |
制作 | 葦プロダクション |
放送局 | テレビ東京系列 |
放送期間 |
1982年3月18日 - 1983年5月26日 (全63話) |
初登場SRW | スーパーロボット大戦X-Ω |
『魔法のプリンセス ミンキーモモ』は葦プロダクション制作によるテレビアニメ作品。
概要[編集 | ソースを編集]
夢の国からやってきたプリンセス・ミンキーモモがステッキで大人に変身して活躍する魔法少女アニメ。所謂「魔法少女もの」と呼ばれるジャンルのアニメにおいては東映動画(後の東映アニメーション)以外のアニメスタジオによって制作された初の作品でもある。
東映の「東映魔女っ子シリーズ」が生活感を重視して比較的当時の日本の世態に近い現実的なイメージの世界観でで展開されていたのに対し、本作の世界観描写は雰西洋風のイメージを根底に敷きつつほぼ無国籍に近い。また「おもしろければなんでもあり」を掲げ、ストーリー、演出の自由度の高さに重きが置かれているのも大きな特徴である[1]。
「暴走」と称されるほどの奇想天外かつシュールなシナリオや、脚本・構成担当の首藤剛志氏の独特なセンスをベースとしたセリフ回しによるキャラクターの魅力など、筋立ては王道ながら枠に囚われない弾けた作風の相乗効果によって、メインターゲットの女児層のみならず、より高い年齢層のアニメファンにも人気を得る事となり、放映終了の二ヶ月後に開始したスタジオぴえろ制作の『魔法の天使クリィミーマミ』[2]をはじめとする「ぴえろ魔法少女シリーズ」とともに「第2期魔法少女ブーム」を牽引する作品となった。
他作品のパロディも多分に含まれており、第31話「よみがえった伝説」にて、同じ葦プロ作品のロボットアニメ『戦国魔神ゴーショーグン』のパロディエピソードが展開されたことも大きな話題となった[3]。
1991年には続編『魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢を抱きしめて』が放送された[4]。こちらは本作の12年後を描く直接的な続編であり、海に沈んだ夢の国のプリンセスであるもう1人のモモが主人公である[5][6]。
ストーリー[編集 | ソースを編集]
ある日、子供のいない夫婦の元に、空に浮かぶ夢の国フェナリナーサのプリンセス・ミンキーモモが降り立った。 失われつつある地上の人々の夢と希望を取り戻し、人間の世界から遠く離れてしまった祖国フェナリナーサを再び地球に引き戻すこと。それがモモの使命だった。
魔法の力で夫婦の実の娘に成りすましたモモは、人々の夢を叶えるため魔法で大人に変身し、様々な事件を解決していく。
登場人物[編集 | ソースを編集]
スパロボ毎の登場人物一覧については以下を参照して下さい。
- ミンキーモモ
- 主人公。フェナリナーサからやってきたプリンセス。
- シンドブック
- モモのお供の犬。
- モチャー
- モモのお供の猿。
- ピピル
- モモのお供の鳥。
- フェナリナーサ王
- モモの実の父親。非常に背が小さい。
- フェナリナーサ王妃
- モモの実の母親。王様と違って普通の頭身。
- パパ
- 人間の世界におけるモモのパパ。
- ママ
- 人間の世界におけるモモのママ。
登場メカ[編集 | ソースを編集]
スパロボ毎の登場メカ一覧については以下を参照して下さい。
- ミンキナーサ
- とある島にあったモモたちの石像から発進した4機のメカが合身したロボット。
- ちなみに乗り込む際には機体に吸い込まれていく。
用語[編集 | ソースを編集]
- ミンキーステッキ
- モモが所有するステッキ。普段はペンダントに収納されており、引き出すと通常サイズになる。
- このステッキを振りながら「ピピルマ ピピルマ プリリンパ パパレホ パパレホ ドリミンパ アダルトタッチで〇〇になれ」と唱えることで大人に変身する。
- フェナリナーサ
- 空に浮かぶ夢の国。かつては地上に存在したが、人々から夢と希望が失われるにつれて地球を離れて空の上に浮かぶ国となってしまった。
- ハッピーティア
- モモのペンダントが4度輝くと、フェナリナーサで安置されている王冠に出現する宝石。
- これが12個揃った時、フェナリナーサは再び地上に降りることが出来るとされている。
楽曲[編集 | ソースを編集]
- オープニングテーマ
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- 「ラブ・ラブ・ミンキーモモ」
- 作詞 - 荒木とよひさ / 作曲 - 佐々木勉 / 編曲 - 高田ひろし / 歌 - 小山茉美
- 『X-Ω』ではイベント「夢と希望の魔法少女」にて原曲がクエストBGMに採用。
- エンディングテーマ
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- 「ミンキーステッキ・ドリミンパ」
- 作詞 - 荒木とよひさ / 作曲 - 佐々木勉 / 編曲 - 高田ひろし / 歌 - 小山茉美
登場作と扱われ方[編集 | ソースを編集]
単独作品[編集 | ソースを編集]
- スーパーロボット大戦X-Ω
- 初参戦作品。2020年10月のイベント「夢と希望の魔法少女」期間限定参戦。
余談[編集 | ソースを編集]
- スパクロに参戦する前にも同じ葦プロ作品である『特装機兵ドルバック』のOVAにてドルバック隊の面々やグッドサンダーチーム(+ブンドル)と共演している。
- ややキャラ崩壊ぎみなギャグアニメで、ミンキナーサを含む各作品のロボも登場している。
- 北斗の拳や、脚本構成の首藤剛志が関わった漫画原作のアニメ「さすがの猿飛」など、他のTVアニメ作品にもモモを模したゲストキャラクターやモブがいる。
- スパクロ参戦に伴い、ロボット兵器同士が戦争を繰り広げるというシビアな世界に飛び込むことになったモモだが、原作では戦争を題材にしたエピソードも少なくない。
- 第1作では行き違いから誤射された核ミサイルの爆発を防ぐために奮闘するエピソードが描かれている。また、第2作では地上での居候先だったホテルが軍事境界線によって寸断される、サンタクロースが正体不明の飛翔体と誤認されミサイルで撃ち落されそうになる、宗教戦争の勃発、果ては第1作に登場した戦闘狂の軍人が夢の国に迷い込んだ末に夢の国の住人と戦いを繰り広げるなど、戦争絡みのエピソードが特に多い(これは、湾岸戦争が続いていた90年代当時の世相が反映されている故でもある)[7]。
- ちなみに、第1作の核ミサイルを防ぐ話はスポンサーの意向で打ち切りが言い渡された時期に作られた話であり、スポンサーの強権的な姿勢に反発した首藤氏は自暴自棄になるあまり「いっそのこと核ミサイル爆発で地球を滅亡させて終らせてやるのもいいかもな」と考えていたことも述懐している(結局打ち切りが撤回されたため、その後も物語が続いていくことになった)。
脚注[編集 | ソースを編集]
- ↑ その象徴ともいえるのが本作の舞台となる国と町の名前である「どこかの国のどこかの町」。これは「作劇上必要のないネーミングを極力省いてぼかすことで現実的な雰囲気から切り離し、どんな荒唐無稽な話であっても受け入れやすくさせる」という首藤氏の意図による。
- ↑ 同作品とは、後に短編映画において制作会社の壁を超えて共演している。これはモモのプロデューサーだった読売広告社の大野実氏がマミのプロデューサーとして関わったことから実現したものである。
- ↑ SRWへの参戦も同エピソードを元にしている。
- ↑ サブタイトルはテレビシリーズ中盤より商品展開上の区別のために追加された。
- ↑ ファンの間では各主人公の出身地から第1作には「空モモ」、第2作には「海モモ」といった俗称も存在する。
- ↑ なお、第2作にも「ミンキーロボ」というロボが登場する回があるが、ストーリーは大きく異なり「恰好よく散りたいと願う特撮ドラマの悪役ロボの願いを叶える」という内容となっている。
- ↑ 他にも、ゴミ問題、カルト宗教、宗教紛争、受験戦争など、90年代当時の社会問題がベースに敷かれているため、物語は第1作に比べて非常に重くなっている。
商品情報[編集 | ソースを編集]
Blu-ray[編集 | ソースを編集]
レンタルビデオ・動画配信[編集 | ソースを編集]
レンタルビデオはなし。
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