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マキナはあくまで機械であり、人間の存在を前提とする原則を満たすためにヒトになろうとした……森次曰く「マキナの中から主を造り出そうとした」という経緯を鑑みると、「主」を得たことでその意志に従っているだけ、と見ることが出来る。「主」たるデウスとヒトマキナ達の関係はファクターと通常のマキナのそれと同様であるため、ヒトマキナ達が「無人の状態で人に危害を加えてはならない」という原則に縛られていないのは'''デウスという「主(ファクター)」を得ている'''からだと考えられる。これが正しい場合、加藤機関や旧特務室が戦っているのは、正確には「ヒトマキナ一派」となる。また、真来梓は加藤機関の奇襲作戦から193日後、街頭ビジョンで地上攻撃を行うヒトマキナを見て「こんなコトをするなんて聞いてない」と口にしており、彼女に与えられた指令である「人間を救うために、人間を見てその方法を考えろ」という事項からしても、ヒトマキナの内部も一枚岩ではないらしい。
 
マキナはあくまで機械であり、人間の存在を前提とする原則を満たすためにヒトになろうとした……森次曰く「マキナの中から主を造り出そうとした」という経緯を鑑みると、「主」を得たことでその意志に従っているだけ、と見ることが出来る。「主」たるデウスとヒトマキナ達の関係はファクターと通常のマキナのそれと同様であるため、ヒトマキナ達が「無人の状態で人に危害を加えてはならない」という原則に縛られていないのは'''デウスという「主(ファクター)」を得ている'''からだと考えられる。これが正しい場合、加藤機関や旧特務室が戦っているのは、正確には「ヒトマキナ一派」となる。また、真来梓は加藤機関の奇襲作戦から193日後、街頭ビジョンで地上攻撃を行うヒトマキナを見て「こんなコトをするなんて聞いてない」と口にしており、彼女に与えられた指令である「人間を救うために、人間を見てその方法を考えろ」という事項からしても、ヒトマキナの内部も一枚岩ではないらしい。
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「お爺ちゃん」が浩一に語ったところによれば、ヒトマキナ達の「世界をやり直す」作業(この時天児とラインバレルは既に姿を消している。恐らくファクター化した絵美を連れてオーバーライドで未来へ跳躍した)の内容は、200年をかけて元々の文明の痕跡を消し去ることから始まっている(ただし、歴史的に価値のある建造物や遺跡はオーバーライドの応用で「やり直された」世界の始点時間に飛ばされている)。
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ヒトマキナたちの目的は、「'''自らの造物主である人間を復活させ、人類滅亡を回避すること'''」であり、そのために取った手段は「'''強力な兵器を与え、世界規模の戦争が始まったところを仲裁し、救世主=正義の味方となることで滅亡を阻止する'''」というものであった。この「強力な兵器」というのがずばりマキナであり、「全てのマキナにファクターが生まれるとヒトマキナがオーバーライドする」というのはこの計画に沿ったもので、「マキナにファクターが揃う→人類同士の戦争が激化している」という予測によるものだった。
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だが、この計画は実行される前に、ジュダとその予測に従って未来を変えるべく動いていた石神によって阻止されており、人類同士の戦争は起こらず、またマキナそのものも久嵩によって大半が破壊されていた。のみならず、これにより人々に「ヒトマキナ=敵」という認識を与えていた。これを受けた「お爺ちゃん」は、石神とジュダが作り上げ、育て上げた「本当の正義の味方」たる浩一とラインバレルに全てを託すことを選択、デウスエクスマキナの破壊を託して討たれることとなった。
      
ちなみに、ヒトマキナの定義は「死を認識したマキナ」であるため、裏を返すと'''JUDAや加藤機関のマキナも、何らかの拍子に死を認識するとヒトマキナになってしまう'''ということである。そうなってしまった場合、マキナ自身の意志がファクターからのコントロールよりも優先されるようになってしまう。とはいえ、最期までファクターと共に人類の側に着いたジュダが居た様に、ヒトマキナと化してしまう事が人類の敵となる事に直結するわけではないのだが。
 
ちなみに、ヒトマキナの定義は「死を認識したマキナ」であるため、裏を返すと'''JUDAや加藤機関のマキナも、何らかの拍子に死を認識するとヒトマキナになってしまう'''ということである。そうなってしまった場合、マキナ自身の意志がファクターからのコントロールよりも優先されるようになってしまう。とはいえ、最期までファクターと共に人類の側に着いたジュダが居た様に、ヒトマキナと化してしまう事が人類の敵となる事に直結するわけではないのだが。
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原作漫画版には登場しないが、そちらの世界には真逆の似た存在である「マキナになった人間」、つまり[[マキナ人間]]が存在している。また、ラインバレルの「真のファクター」は、見方を変えれば「マキナの身体を持つ人間」であるため、このマキナ人間にも近いと言える。
 
原作漫画版には登場しないが、そちらの世界には真逆の似た存在である「マキナになった人間」、つまり[[マキナ人間]]が存在している。また、ラインバレルの「真のファクター」は、見方を変えれば「マキナの身体を持つ人間」であるため、このマキナ人間にも近いと言える。
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==== ヒトマキナの「計画」 ====
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「お爺ちゃん」ことリンカーンが浩一に語ったところによれば、ヒトマキナ達の「世界をやり直す」作業(この時天児とラインバレルは既に姿を消している。恐らくファクター化した絵美を連れてオーバーライドで未来へ跳躍した)の内容は、200年をかけて元々の文明の痕跡を消し去ることから始まっている(ただし、歴史的に価値のある建造物や遺跡はオーバーライドの応用で「やり直された」世界の始点時間である西暦1871年に飛ばされている)。その後、ヒトマキナ達は漂白された「ナニモナイセカイ」に297年2ヶ月8日14時間29分の時間をかけて1871年の世界を構築、拠点を月へと移した。
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この世界構築の直前、マキナ達は人類再生の準備として、絶滅後の早期から可能な限りの遺体を回収、使用できる細胞を掛け合わせて人種・性別・年齢さまざまな人間をクローニングで「作成」。これは広義の意味でのファクターに該当する。これに使われた施設は、広大な空間に途轍もなく巨大な柱ユニットが無数立ち並び、そこに人間の体を作成するポッドが膨大な数取り付けられている、というもの。
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これに先立ち、マキナ達は人類絶滅を回避するため、計画のブレインとなるシミュレーターマキナを完成させていた。このマキナはどうすれば人類の絶滅を回避できるか、それを確かめるべく紀元からあらゆるパターンを模索。結果、西暦1871年から「やり直す」のが最適だと判断。そこでそのマキナは、自らの内部に仮想世界を構築し、'''実際に自我・意志・記憶を持つ人間のデータを構築、1871年の段階でそのデータを、現実で作成されたファクターたちにインストールした'''。このため、新たな人類達は最初から意志や記憶を当たり前のように持ち、自らの知る歴史が現実に存在すると疑わなかった。
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かくして人類滅亡回避の計画はスタートしたが、これは初期段階でいきなりつまずいた。それは、宇宙に脱出していたシャングリラと、そのファクターとなった加藤久嵩が地球に帰還したことにある。
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クローン施設を見た久嵩は世界再生の事実に気づき、自らも人類の絶滅を回避しようと行動を開始。持ち出していた天児の細胞サンプルからクローンを作成した。これが「推進派」である。
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このため、マキナ達はイレギュラーたる久嵩&シャングリラを加えた上でシミュレートを行ったが、その結果最悪の結末を見たシミュレーターマキナはヒトマキナと化してしまった。これが[[ジュダ]]である。
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ヒトマキナとなったジュダは、新たな計画を立案。それは、久嵩を人類の敵とし、マキナ達が「正義の味方」となることだった。そのために、ジュダはまず、ヒトになれなかったマキナ達に自分達の情報を持たせ、ハグレマキナに見せかけて地球に投下した。これに飛びついた久嵩は、入手した情報を元に行動を開始。その後、ジュダは計画の仕上げのため地球に降下。久嵩に接触し、マキナ達が「正義の味方」として降臨すべき状況を作り出そうとした。
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しかし、ここで最大のハプニングが発生する。地球降下後、ジュダはヒトマキナ一派を裏切った。石神をファクターとしたジュダは、彼に協力することで真の人類絶滅を回避する計画をスタートさせた。
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ジュダの見た未来は、「投下したマキナ全てにファクターが生まれたとき、人類は死と暴力に支配される」というもの……つまり、マキナを手にした人間達がその力で戦争を始め、世界が滅亡するというものだった。これを知った石神は、ヒトマキナから見て自分が私欲のために行動していると見せかけるよう立ち回り、「マキナ同士による戦争」の構図を作り出すためギリギリまで加藤機関との戦いを続けた。その結果、彼は「正義の味方」として現れるはずだったヒトマキナを、その瞬間「人類の敵」へと変えてしまったのである。
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このため、ヒトマキナ達は自らが人類の敵となることを選択、攻撃を開始した(真紀梓が知らなかったのはこのため)。
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そして、ニューヨーク解放戦において、マキナを擁する加藤機関とヒトマキナとの戦いを、割って入った浩一とラインバレルが止めたことで、図らずもヒトマキナ達の計画である「人類と人類の敵の戦いを、降臨した正義の味方が止める」が実行された形になり、一部のヒトマキナは「ジュダの目的は究極的には我々と同じであり、ならば我々にとって望まぬものであろうともその計画に従うべき」と確信。その代表たるリンカーンは浩一にデウスエクスマキナの破壊を託した。
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==該当機体==
 
==該当機体==
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:人間のような姿をしたマキナ。ファクターを求め人の死体をコクピットに詰め込んでいたが、ファクターとなった天児とプロトタイプに蹴散らされた。
 
:人間のような姿をしたマキナ。ファクターを求め人の死体をコクピットに詰め込んでいたが、ファクターとなった天児とプロトタイプに蹴散らされた。
 
==== ヒトマキナ ====
 
==== ヒトマキナ ====
;「お爺ちゃん」
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;エイヴラハム・リンカーン
 
:地上にいたヒトマキナの一体。リンカーンの姿をしている。真来梓に対し、「人間を救うにはどうすればいいか、人間を見て考えなさい」と言いつけている。特使としてアメリカ大統領との会談にやって来たが、真の目的はロストバレルのファクターとなった沢渡との接触であった。
 
:地上にいたヒトマキナの一体。リンカーンの姿をしている。真来梓に対し、「人間を救うにはどうすればいいか、人間を見て考えなさい」と言いつけている。特使としてアメリカ大統領との会談にやって来たが、真の目的はロストバレルのファクターとなった沢渡との接触であった。
 
:加藤の話では、アメリカ大統領と会談したさい、「人類のリセット」を宣告したらしいが……?
 
:加藤の話では、アメリカ大統領と会談したさい、「人類のリセット」を宣告したらしいが……?
 
: ヒトマキナの長の一人で、最新鋭のマキナ。戦闘用の外骨格を持ち、戦闘力は「真のファクター」となった浩一の乗るラインバレルをしのぐ。浩一にヒトマキナ達の計画とそれを成そうとしている「強硬派」の存在を明かした後、形は違えどマキナを持った人とヒトマキナの戦いを止めた(「メテオ」での帰還時)彼に後を託して自らラインバレルに撃たれ、消滅した。
 
: ヒトマキナの長の一人で、最新鋭のマキナ。戦闘用の外骨格を持ち、戦闘力は「真のファクター」となった浩一の乗るラインバレルをしのぐ。浩一にヒトマキナ達の計画とそれを成そうとしている「強硬派」の存在を明かした後、形は違えどマキナを持った人とヒトマキナの戦いを止めた(「メテオ」での帰還時)彼に後を託して自らラインバレルに撃たれ、消滅した。
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:外骨格なしでの単独オーバーライド能力を持つ。
 
:;レイル・スプリッター
 
:;レイル・スプリッター
::「お爺ちゃん」のマキナ。ナノマシンを唯一の兵装としている。
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::リンカーンのマキナ。脚部を持たず、ナノマシンを唯一の兵装としている。
 
;[[大場真来梓]]
 
;[[大場真来梓]]
 
:哨戒偵察型ヒトマキナの一体で、青い髪を持った少女型。1999年の大晦日から地球に派遣されていた。「お爺ちゃん」の言いつけに従い、人類を救うために人間の観察を続けており、ヒトマキナの侵攻に際して「正義の味方」として戦うことを決意。その後は加藤機関との同調を拒みつつ(ちなみにテレビの情報を真に受けて彼らを悪者だと思っていた)独自に戦っていたが、通信で目にした森次に一目惚れしてあっさり方針転換、機関についてしまった。
 
:哨戒偵察型ヒトマキナの一体で、青い髪を持った少女型。1999年の大晦日から地球に派遣されていた。「お爺ちゃん」の言いつけに従い、人類を救うために人間の観察を続けており、ヒトマキナの侵攻に際して「正義の味方」として戦うことを決意。その後は加藤機関との同調を拒みつつ(ちなみにテレビの情報を真に受けて彼らを悪者だと思っていた)独自に戦っていたが、通信で目にした森次に一目惚れしてあっさり方針転換、機関についてしまった。
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:新型アルマと同じ外見をしたヒトマキナ。
 
:新型アルマと同じ外見をしたヒトマキナ。
 
;[[デウスエクスマキナ]]
 
;[[デウスエクスマキナ]]
:ヒトマキナの「主」。通常のマキナに対するファクターに相当する存在であり、明確な個我と心を持つ。ちなみに21巻の時点では真来梓が「デウス」という名前を口にしたのみ。なお、実はより上位の機体が存在。
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:ヒトマキナの「主」。通常のマキナに対するファクターに相当する存在であり、明確な個我と心を持つ。ちなみに21巻の時点では真来梓が「デウス」という名前を口にしたのみで、23巻にてリンカーンからその名が「強硬派」の首魁として語られた。
 
;空母型ヒトマキナ
 
;空母型ヒトマキナ
 
:22巻のニューヨーク解放作戦で現れた戦艦型。巨大な胴部に転送フィールドの発生装置を持ち、侵攻部隊の母艦として行動する。ハインド、ラヴバレル、ヴァーダントの攻撃を受け転送装置を破壊されつつも、沢渡言う所の「世界の終焉」たるヒトマキナを転送しようとしたが、突然現れたラインバレルの圧縮転送フィールドで顔面部をえぐり取られ、爆散した。
 
:22巻のニューヨーク解放作戦で現れた戦艦型。巨大な胴部に転送フィールドの発生装置を持ち、侵攻部隊の母艦として行動する。ハインド、ラヴバレル、ヴァーダントの攻撃を受け転送装置を破壊されつつも、沢渡言う所の「世界の終焉」たるヒトマキナを転送しようとしたが、突然現れたラインバレルの圧縮転送フィールドで顔面部をえぐり取られ、爆散した。
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