14行目: |
14行目: |
| | | |
| == 概要 == | | == 概要 == |
− | イデとは、地球とバッフ・クランの(ある意味)遠い祖先とも言える第六文明人の意志を吸い尽くして誕生した意志集合体。もしくは知的生物の認識力の集中した場。 | + | イデとは、地球とバッフ・クランの(ある意味)遠い祖先とも言える第六文明人の意志を吸い尽くして誕生した意志集合体。もしくは知的生物の認識力の集中した場。第六文明人はどれだけ科学が進んでも永続的なエネルギーの確保は不可能で、文明が進化しても人類の持つ肉体はいずれ滅ぶ事を憂いた。これら両方の問題を一括で解決する手段として肉体のくびきから解き放たれ、かつ無限の力を得るために精神エネルギーを元とした力で永続的に存在する研究を開始した。しかし、 |
| | | |
− | イデは、ブラックホールの巨大な重力エネルギーを引き出して、相対的[[無限力]]を獲得している。無限力とはバッフ・クランが、母星に伝わる伝説に基づいてつけた名称なのだが、地球側が月のコンピューター「グロリア」でイデを解析した所、エネルギー係数が無限と示され、その名の通りイデは無限エネルギーなのだと実証された。 | + | イデは、ブラックホールの巨大な重力エネルギーを引き出して、相対的[[無限力]]を獲得している。無限力とはバッフ・クランが、母星に伝わる伝説に基づいてつけた名称なのだが、地球側が月のコンピューター「グロリア」でイデを解析した所、エネルギー係数が「無限<ref>劇中では計測器が「9999999999999…」と計測が延々とカウンターストップせず表示され続けた。</ref>」と示され、その名の通りイデは無限エネルギーなのだと実証された。 |
| | | |
− | 劇中で、イデが力を発現するのは純粋な自己防衛本能に反応する時であり、要するに誰かがピンチになった時である。[[イデオン]]と[[ソロシップ]]を構成する金属イデオナイト、その内部にある物質Xはイデの精神エネルギーを集積し、イデの判断で純粋な自己防衛本能の強さに応じ物質エネルギーとして解き放たれる。 | + | 劇中で、イデが力を発現するのは純粋な自己防衛本能に反応する時であり、要するに誰かがピンチになった時である。[[イデオン]]と[[ソロシップ]]を構成する金属イデオナイト、その内部にある物質Xはイデの精神エネルギーを集積し、イデの判断で純粋な自己防衛本能の強さに応じ物質エネルギーとして解き放たれる。ベスと対話した際には、自分達になりゆきを作り出す力などないと明言するイデ。しかし、イデが[[イデオン]]や[[ソロシップ]]にもたらす力は絶大だった。イデオンソードは最終的に惑星を両断し、イデオンガンは最大パワーでなくとも敵の艦隊を何度も壊滅させ、それらを使用時にソロ・シップを包むバリアーは、強大な破壊力の余波から完璧にガードした。 |
− | ベスと対話した際には、自分達になりゆきを作り出す力などないと明言するイデ。しかし、イデが[[イデオン]]や[[ソロシップ]]にもたらす力は絶大だった。イデオンソードは最終的に惑星を両断し、イデオンガンは最大パワーでなくとも敵の艦隊を何度も壊滅させ、それらを使用時にソロ・シップを包むバリアーは、強大な破壊力の余波から完璧にガードした。
| |
| | | |
− | ソロ星で覚醒してからのイデは、地球とバッフ・クラン双方を見守っていたが、最終的に両者を和解させようと、カララ・アジバをワープさせて、父親のドバ・アジバに対面させる。イデは彼等を和解させようと試みるが、その目論見は果たせず、ドバは地球との戦争継続を望んだ。これに失望したイデは観念して、消滅するギリギリの力を解放、「発動」を行って、地球とバッフ・クラン双方を因果地平へ四散させてしまった。
| + | 劇中終盤の情報と資料集等の各媒体の情報によると、'''目指しているのは「異なるモノ達の融和」一つであり、どんな形であれ分かたれたままの状態を許容しようとしない'''ことがわかる。劇中では「イデの伝説」等と称される伝聞も古来より残されている事が判明しており、内容は「イデは異なる物(者)達から融和した存在 <ref>イデオンの劇中では異星人同士から生まれた子供を指していた。</ref>からいずれ、自らすらを正しく扱う事の出来る程進化した存在」が生まれ、イデ自身もそれを待望しているとされていた。これはイデ自身もそういった存在がいなければいずれ自らも存在出来なくなると考えていた為で、この話を聞かされた[[ユウキ・コスモ]]はその存在こそが人類の救いとなる存在「救世主=メシア」ではないのかと推測し、ソロシップの面々にも話していた。ベスと[[カララ・アジバ|カララ]]の子供はどの事からメシアと名付けられた。 |
| | | |
− | 各媒体の動向を見るに、'''目指しているのは「融和」一つであり、どんな形であれ分かたれたままの状態を許容しようとしない'''ことがわかる。全てが一つになった自分たちの在り方を他者に押し付け拒否を許さないその在り方は、富野作品に通底するテーマである「エゴ」の塊と言っても差し支えないと言える。
| + | ソロ星で覚醒してからのイデは、コスモ達の地球とバッフ・クラン両方の母星に流星を衝突にさせて全滅に追い込み、双方が動かざるを得ない状況を作り上げて局面を見守っていたが、最終的に両者を和解させようと直接的に干渉し始める事でカララ・アジバをワープさせて、父親のドバ・アジバに対面させる。イデは彼等を和解させようと試みるがその目論見は果たせず、ドバは地球との戦争継続を望んだ。これに失望したイデは観念して、消滅するギリギリの力を解放「発動」をもって宇宙全てを因果地平へと葬り去った。 |
| + | |
| + | 全てが一つになった自分たちの在り方を他者に押し付け拒否を許さないその在り方は、富野由悠季監督の作品に通底するテーマである「エゴ」の塊と言っても差し支えないと言える。 |
| | | |
| == 登場作品と役柄 == | | == 登場作品と役柄 == |
| === [[旧シリーズ]] === | | === [[旧シリーズ]] === |
| ;{{参戦作品 (人物)|スーパーロボット大戦F完結編}} | | ;{{参戦作品 (人物)|スーパーロボット大戦F完結編}} |
− | :初登場作品。イデゲージが上昇しすぎると、[[イデオン]]のパイロット扱いとなり、[[NPC]]として[[マップ兵器]]を使ってくる。この状態でイデオンが撃墜されると、全銀河の全てを[[因果地平]]の彼方へと飛ばす。しかもメシアがいないので誰にも導かれず飛ばされるだけ……とある意味発動篇より救いがない。 | + | :初登場作品。イデゲージが上昇しすぎると、[[イデオン]]のパイロット扱いとなり、[[NPC]]として[[マップ兵器]]を使ってくる。この状態でイデオンが撃墜されると、全銀河を[[因果地平]]の彼方へと飛ばす。しかもメシアがいないので誰にも導かれず飛ばされるだけ……とある意味発動篇より救いがない。 |
| :無事最終話まで到達した場合、ソロシップクルー及び和解を果たした[[ハルル・アジバ|ハルル]]の地球を守ろうとする意思に共鳴し、地球に落下しようとするコロニー群もしくはアクシズとともにいずこかへ消え去る。 | | :無事最終話まで到達した場合、ソロシップクルー及び和解を果たした[[ハルル・アジバ|ハルル]]の地球を守ろうとする意思に共鳴し、地球に落下しようとするコロニー群もしくはアクシズとともにいずこかへ消え去る。 |
| | | |
42行目: |
43行目: |
| == 関連人物 == | | == 関連人物 == |
| ;[[ユウキ・コスモ]] | | ;[[ユウキ・コスモ]] |
− | :劇場版では彼と対話する。発動篇の終盤、思いが通じ合ったカーシャが死んだ事を聞かされても、最期まで絶望に抗い続けた。 | + | :劇場版では彼と対話する。発動篇の終盤で思いが通じ合ったカーシャが死んだ事を聞かされても、最期まで絶望に抗い続けた。 |
| ;[[ジョーダン・ベス]] | | ;[[ジョーダン・ベス]] |
| :TV版では彼とイデが対話を果たす。その際、彼から言われた「良き道を探すべきだ」という一言が、最終話でドバとカララの親子再会を引き起こしたと思われる。 | | :TV版では彼とイデが対話を果たす。その際、彼から言われた「良き道を探すべきだ」という一言が、最終話でドバとカララの親子再会を引き起こしたと思われる。 |
48行目: |
49行目: |
| :赤ん坊の彼が持つ純粋な自己防衛本能に呼応し、しばしば力を発揮した。彼がいなければイデの発動は第2話にでも起こったといわれる。 | | :赤ん坊の彼が持つ純粋な自己防衛本能に呼応し、しばしば力を発揮した。彼がいなければイデの発動は第2話にでも起こったといわれる。 |
| ;[[メシア]] | | ;[[メシア]] |
− | :ベスと[[カララ・アジバ|カララ]]の間に生まれた赤子。パイパー・ルウよりも若い、つまりはより純粋な生命体であるという事、かつイデの目指した地球とバッフ・クランの融和の象徴であり、イデはメシアを守る理由が出来た。 | + | :ベスと[[カララ・アジバ|カララ]]の間に生まれた赤子。劇中ではまだ胎児の状態であるため(妊娠4ヶ月)パイパー・ルウよりも若い、つまりはより純粋な生命体である。そしてイデの望んだ地球とバッフ・クランの融和の象徴であったため、イデはあらゆる超常を持って彼を守護する事となり、母体であるベスが死亡した後も胎児であった彼は守られ生かされていた。イデが宇宙を因果関係へ葬り去った後に、新たに生まれる宇宙へと向かう全ての魂を道びく役割を果たす。 |
| | | |
| == 他作品の関連人物 == | | == 他作品の関連人物 == |
68行目: |
69行目: |
| : | | : |
| ;第六文明人 | | ;第六文明人 |
− | :イデを発明した種族。実験の本番で、数億に及ぶ第六文明人の意志を結集させた結果、科学者の予想を越えた吸収力をイデが示し、第六文明人の意志そのものは尽く吸い尽くされてしまい、滅亡した。 | + | :イデを発明した種族。無限の力を得る為の研究において、その実現を果たそうとする本番で、数億に及ぶ第六文明人の意志を結集させた。結果、科学者の予想を越えた吸収力をイデが示し、第六文明人の意志そのものは尽く吸い尽くされてしまい、滅亡した。 |
| ;[[ソロ星]] | | ;[[ソロ星]] |
| : | | : |
| ;[[因果地平]] | | ;[[因果地平]] |
| : | | : |
| + | ;[[サイコフレーム]] |
| + | :集合精神から力を引き出すという点では、イデオナイトと似たメカニズムを持つ構造材である。また2010年に行われたサンライズのイベント<ref>サンライズフェスティバル2010夏 みんなの宇宙世紀ナイト! トークショー</ref>において、「サイコフレームとイデオンは同じ原理」である事を問われ、富野監督も認めている。その他媒体でも『リング・オブ・ガンダム』公開時の雑誌インタビューでも、「サイコミュ的な力の発生とイデというエネルギーは本質は一緒のもの」と説明している。 |
| ;[[ゲッター線]]・[[光子力エネルギー]]・[[ビムラー]] | | ;[[ゲッター線]]・[[光子力エネルギー]]・[[ビムラー]] |
− | :スーパーロボット大戦の世界観では、これらのエネルギーも、無限力のカテゴリーに属するという独自解釈をしている。 | + | :αシリーズの世界観では、これらのエネルギーも同じ無限力のカテゴリーに属しながら、それぞれが別の目的を持つ存在という設定となっている。 |
| + | :ゲッター戦は圧倒的に進化し強くなった生命が他のあらゆるもの(有機物無機物問わず)を吸収し、更に果てない進化を続けていく「個」に近い意思を持つ存在である。 |
| :ビムラーに関しては、他者との融和を図る事で進化を促すエネルギーだが、融合して一つになる事は望んでいないのでイデと同質とは言えない存在である(実際第3次αではイデよりもゲッター線に同調している)。 | | :ビムラーに関しては、他者との融和を図る事で進化を促すエネルギーだが、融合して一つになる事は望んでいないのでイデと同質とは言えない存在である(実際第3次αではイデよりもゲッター線に同調している)。 |
| + | :なお、この3つのエネルギーのクロスオーバーがスパロボにおいて世界観の設定に深く組み込まれたのはαシリーズからで(更に具体的結末が描かれたのは『[[第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ]]』)、それより前に発売されて同じく三作品が揃った『[[スーパーロボット大戦F完結編]]』では扱われていない。なお、ドリームキャストマガジンで「著名人のスパロボファン」という括りでインタビューを受けた『[[天元突破グレンラガン]]』の中島かずき氏は、「もし自分がスパロボのシナリオを書くならばどのようにするか?」という質問を受け、「イデとゲッターとビムラーを中心としたシナリオにすると思う」「この3つは明確に宇宙を変える力を持つエネルギーなのでそれらをクロスオーバーさせたい」と語っていた。これは『スーパーロボット大戦α』発売前の発言である。 |
| ;[[人類補完計画]] | | ;[[人類補完計画]] |
− | :『第3次α』では自身と同じく'''融合を目指す存在'''なので、肯定的に捉えている。 | + | :『第3次α』では自身と同じく'''融合を目指すための手段'''なので、肯定的に捉えている。 |
− | ;[[サイコフレーム]]
| |
− | :集合精神から力を引き出すという点では、イデオナイトと似たメカニズムを持つ構造材である。また2010年に行われたサンライズのイベントで、「サイコフレームとイデオンは同じ原理」である事を富野監督は認めた。
| |
| | | |
| == 余談 == | | == 余談 == |