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| 『[[ゾイドシリーズ]]』の各種作品に登場する生体メカの総称。 | | 『[[ゾイドシリーズ]]』の各種作品に登場する生体メカの総称。 |
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− | ゾイドは一言でいえば「生きている巨大ロボット」で動物や恐竜を模した姿をしている。特徴的なのは'''人型が存在しない'''ことであり、これはゾイドシリーズの最大の個性として貫かれている。アニメ等においては、[[主人公]]の乗機がライガータイプ、[[ライバル]]の乗機が二足恐竜タイプ、というパターンが多い。
| + | 動物や恐竜の姿を象ったロボット生命体であり、いわゆる'''人型が存在しない'''のが特徴。これはゾイドシリーズの最大の個性として一貫されている。アニメ等においては、[[主人公]]の乗機がライガータイプ、[[ライバル]]の乗機が二足恐竜タイプ、というパターンが多い。 |
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− | 生きている巨大ロボットといっても、[[勇者シリーズ]]や「トランスフォーマーシリーズ(SRW未参戦)」に出てくるロボットたちのように擬人化された存在というわけでなく、コックピットがついてパイロットが操縦する「兵器」である。「生物である」という特徴は工業的な量産を制限するための設定として機能しており、SF的な兵器が活躍しながらも近代的な物量戦が起こりにくい戦場、という独特なシチュエーションを作り出すことに貢献している。また、上記の通り生物でもあることからアニメでは「ポケットモンスターシリーズ」等のように人間のパートナーである、もしくは共存するモンスターとしても扱われる傾向もしばしば見られる。
| + | ロボット生命体といっても、[[勇者シリーズ]]や[[マシンロボ クロノスの大逆襲|マシンロボ]]に出てくるロボットたちのように擬人化された存在でなく、コックピットがついてパイロットが操縦する「兵器」として扱われる。「生物である」という特徴は工業的な量産を制限するための設定として機能しており、SF的な兵器が登場しながらも近代的な物量戦が起こりにくい戦場、という独特のシチュエーションを作り出すことに成功している。また、上記の通り生物でもあることからアニメでは「ポケットモンスターシリーズ」等のように人間のパートナーである、もしくは共存するモンスターとしても扱われる傾向もしばしば見られる。 |
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| ここではゾイドについてシリーズに共通している設定について記載するが、ゾイドの扱いは各作品毎に微妙に異なるため、個々の作品の項目も参考のこと。また、玩具としてのゾイドについては[[ゾイドシリーズ]]で扱う。 | | ここではゾイドについてシリーズに共通している設定について記載するが、ゾイドの扱いは各作品毎に微妙に異なるため、個々の作品の項目も参考のこと。また、玩具としてのゾイドについては[[ゾイドシリーズ]]で扱う。 |
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| [[ゾイド]]とは[[惑星Zi]](ズィー)に存在する金属生命体であり、野生の状態では「金属の骨格や外皮を持つ巨獣」のような生物である。古代ゾイド人がその制御に成功。ゾイドと共存する独自の文明が築かれていたようだが、永き歴史の中でその記憶は失われている。しかし古代の英知が失われた後でも、惑星Ziの住人たちはゾイドを家畜化して日常の生活を支えており、ゾイドと人類は常に深く関わりあっていた。 | | [[ゾイド]]とは[[惑星Zi]](ズィー)に存在する金属生命体であり、野生の状態では「金属の骨格や外皮を持つ巨獣」のような生物である。古代ゾイド人がその制御に成功。ゾイドと共存する独自の文明が築かれていたようだが、永き歴史の中でその記憶は失われている。しかし古代の英知が失われた後でも、惑星Ziの住人たちはゾイドを家畜化して日常の生活を支えており、ゾイドと人類は常に深く関わりあっていた。 |
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− | 惑星Ziに産業革命が起こってからはゾイドのあり方が大きく変わった。「生物であるゾイドにコックピットを取り付け、そこからゾイドコア(ゾイドの脳にあたる器官で心臓部でもある)に電気信号を使って直接命令を送り込み、ゾイドの動きを完全にコントロールする装置」が作り出され、この結果ゾイドの兵器化が急速に進む事となった。兵器化されたゾイドは「戦闘ゾイド」「戦闘機獣」「生体メカ」などとも呼ばれる。戦闘ゾイドには銃や剣といった兵装もつけられるようになったが、これらのオプションはコックピットに連動してるのでなく、ゾイドコアに連動する形でつけられているため、ゾイド自身の意思で動かすこともできる。
| + | 惑星Ziに産業革命が起こってからはゾイドのあり方が大きく変わった。「ゾイドにコックピットを取り付けてゾイドコアを制御し、ゾイドを操作する技術」が確立され、これによりゾイドの兵器化が急速に進む事となった。兵器化されたゾイドは「戦闘ゾイド」「戦闘機獣」「生体メカ」などとも呼ばれる。戦闘ゾイドには銃や剣といった兵装もつけられるようになったが、これらのオプションはコックピットに連動してるのでなく、ゾイドコアに連動する形でつけられているため、ゾイド自身の意思で動かすこともできる。 |
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− | その後、漂着してきた地球人と接触したことで惑星Ziの住人たちは荷電粒子砲や重力制御装置などの概念を知ることになる。それらは惑星Ziにとっては完全なオーバーテクノロジーであり、惑星Ziの科学力では機構は再現できても出力の問題から実用化するものを作り出せなかったが、ゾイドコアの存在がそれらを解決。これ以降、ゾイドの兵装は人間の兵器を大型化したものから「ゾイドでしか扱えない超兵器」へとシフトし、それらを使用するために改造された[[スーパーロボット]]のような戦闘ゾイドも登場するようになった。
| + | その後、漂着してきた地球人によって荷電粒子砲や重力制御装置などの技術がもたらされた。それらは惑星Ziにとっては完全なオーバーテクノロジーであり、惑星Ziの科学力では機構は再現できても出力の問題から実用化するものを作り出せなかったが、ゾイドコアの存在がそれらを解決。これ以降、ゾイドの兵装は人間の兵器を大型化したものから「ゾイドでしか扱えない超兵器」へとシフトし、それらを使用するために改造された[[スーパーロボット]]のような戦闘ゾイドも登場するようになった。 |
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| 戦闘ゾイドの誕生により、民族対立の小競り合いが絶えなかった惑星Ziには大規模な戦乱が頻発するようになった。特に、大国であるヘリック共和国とガイロス帝国は、惑星Ziの覇権をかけて激しい戦争を繰り広げている(アニメ『[[ゾイド -ZOIDS-]]』)。 | | 戦闘ゾイドの誕生により、民族対立の小競り合いが絶えなかった惑星Ziには大規模な戦乱が頻発するようになった。特に、大国であるヘリック共和国とガイロス帝国は、惑星Ziの覇権をかけて激しい戦争を繰り広げている(アニメ『[[ゾイド -ZOIDS-]]』)。 |
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| その後、永い時を経て帝国と共和国が和解。ゾイドは戦闘用の兵器としてではなく、戦闘競技「ゾイドバトル」に用いられるようになった(アニメ『ZOIDS新世紀スラッシュゼロ』『ゾイドフューザーズ』)。 | | その後、永い時を経て帝国と共和国が和解。ゾイドは戦闘用の兵器としてではなく、戦闘競技「ゾイドバトル」に用いられるようになった(アニメ『ZOIDS新世紀スラッシュゼロ』『ゾイドフューザーズ』)。 |
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− | しかしそのような時も長くは続かず、惑星Ziを大災厄が襲う。生き残った人々は空に活路を求めた人々と地上に残った人々に別れた。この後、野性のゾイドはほぼ全滅、改造ゾイドの一部は災厄を生き延びたが休眠状態となり地中に埋もれてしまう。この時代の人類は地中からの発掘によってのみゾイドを手に入れることが可能となる。また、ゾイド改造技術も基本的にロストテクノロジーであるため、発掘されたゾイドを乗り手に合わせて改造することは容易ではない。そのゾイドに合わせた操縦技術を乗り手が鍛錬する、というのがこの時代のゾイド乗りのあり方である。<br />『[[スーパーロボット大戦K]]』に参戦した『[[機獣創世記ゾイドジェネシス]]』はおおよそこの時代に位置する物語である。
| + | しかしそのような時も長くは続かず、惑星Ziを大災厄が襲う。生き残った人々は空に活路を求めた人々と地上に残った人々に別れた。この後、野性のゾイドはほぼ全滅、改造ゾイドの一部は災厄を生き延びたが休眠状態となり地中に埋もれてしまう。この時代の人類は地中からの発掘によってのみゾイドを手に入れることが可能となる。また、ゾイド改造技術も基本的にロストテクノロジーであるため、発掘されたゾイドを乗り手に合わせて改造することは容易ではない。そのゾイドに合わせた操縦技術を乗り手が鍛錬する、というのがこの時代のゾイド乗りのスタンスである。<br />『[[スーパーロボット大戦K]]』に参戦した『[[機獣創世記ゾイドジェネシス]]』はおおよそこの時代に位置する物語である。 |
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| (尚、上記の概略はアニメの展開から抜粋しているが、ゾイドは上記以外の作品背景も複雑多様であるため留意されたし) | | (尚、上記の概略はアニメの展開から抜粋しているが、ゾイドは上記以外の作品背景も複雑多様であるため留意されたし) |
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| == ゾイドの生態 == | | == ゾイドの生態 == |
− | すべてのゾイドは'''ゾイドコア'''と呼ばれる器官を持つ。ゾイドコアはひとことでいえば「脳や内臓が詰まった金属製の球体」である。実は、ゾイドは野生の状態でも、生物的な部分はゾイドコア以外には存在していない。 | + | すべてのゾイドは'''ゾイドコア'''と呼ばれる器官を持つ。ゾイドコアはそれひとつが脳・心臓・生殖器などを司っている、いわばゾイドの「命」に等しい存在である。 |
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− | 生まれたばかりの野生ゾイドはむきだしのゾイドコアの姿をしている。ゾイドコアはこの状態でも自ら重心移動して動くことができるのだが、ゾイドコアたちが「自分の遺伝情報に刻まれた金属成分が多い場所(多くは水中)」まで何とか自力でたどりつき、周囲の金属成分を吸収し、代謝という形で金属の骨格や外皮を作り出していく。これを繰り返すことで「金属の巨獣」としての野生ゾイドが誕生するのである。
| + | ゾイドは野生の状態であっても、生体的な部分はゾイドコア以外に有していない。生まれたばかりの野生ゾイドはむきだしのゾイドコアの姿をしており、この状態でも動くことができるのだが、ゾイドコアそれぞれの自分の遺伝情報に刻まれた金属成分が多い場所(多くは水中)へ移動したのち周囲の金属成分を吸収し、代謝という形で金属の骨格や外皮を形成していく。これを繰り返すことで金属生命体としての野生ゾイドが誕生する。 |
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− | ゾイドには性別という概念がない。野生のゾイドは成長すると体内にもっと小さなゾイドコアをいくつか作り出す。これがそのゾイドの「子供」である。子供のコアは親のゾイドが生きている限りは休眠状態にあるのだが、親のゾイドが死亡したとき、初めて活動しだす。こうして世代交代が行われる。<br />いわば、ゾイドコアの状態で生まれたゾイドたちはまだ卵のようなもので、時間をかけることで獣の姿に孵化する、と捉えることもできる。
| + | ゾイドには性別という概念がない。野生のゾイドは成長すると体内にもっと小さなゾイドコアをいくつか作り出す。これがゾイドの「子供」にあたるものである。子供のコアは親のゾイドが生きている限りは休眠状態にあるのだが、親のゾイドが死亡したとき、初めて活動しだす。こうして世代交代が行われる。 |
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| 野生ゾイドは他のゾイドのコアを捕食することで生存に必要な栄養を摂取する。即ちゾイドにとって生きることとは他のゾイドと戦うことであり、種族全体の特徴として極めて旺盛な闘争本能を持っている。そのため兵器との親和性は高く、人間の制御下に置かれて戦うことにも基本的には抵抗を示さない。 | | 野生ゾイドは他のゾイドのコアを捕食することで生存に必要な栄養を摂取する。即ちゾイドにとって生きることとは他のゾイドと戦うことであり、種族全体の特徴として極めて旺盛な闘争本能を持っている。そのため兵器との親和性は高く、人間の制御下に置かれて戦うことにも基本的には抵抗を示さない。 |
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− | 兵器となった戦闘用ゾイドはコアの捕食や生殖といった生き物としての機能を失ってしまうため、一つの機種の戦闘用ゾイドを大量生産することは難しく、互いに敵のゾイドの特性に対抗する目的で設計された様々な種のゾイドが次々と戦線に投入されていった。<br />戦闘用ゾイドは、コックピットを通してゾイドコアに「指令」を与えることで操縦する。つまり、ゾイドの肉体を動かしているのはゾイド自身の意思である。ゾイドコアとコックピットは連結しているがゆえに、ゾイドたちはコックピットに乗り込んでいる人間の意思を敏感に感じ取ることができる。ゾイドたちは自分を操るパイロットが気に食わない場合は言うことを聞かない。パイロットの技量や精神状態がゾイドと合致していないとシステムフリーズを引き起こし、逆にお互いに強い信頼関係があればスペック以上の能力を引き出す事も可能である。<br />また、ゾイド間の食物連鎖の上位に位置する種、または厳しい自然環境を生き抜いてきた野生体ほどゾイドコアが発するエネルギーと闘争本能は高くなり、強力だが高コストで希少、さらに乗りこなすのが難しい戦闘用ゾイドとなる。<br />
| + | 戦闘用に改造されたゾイドはコアの捕食や生殖といった生物としての能力を失ってしまうため、一つの種類の戦闘用ゾイドを大量生産することは難しく、互いに敵のゾイドの特性に対抗する目的で開発された様々な種のゾイドが次々と戦線に投入されていった。<br />戦闘用ゾイドは、コックピットを通してゾイドコアに「指令」を与えることで操縦する。つまり、ゾイドの肉体を動かしているのはゾイド自身の意思である。ゾイドコアとコックピットは連結しているがゆえに、ゾイドたちはコックピットに乗り込んでいる人間の意思を敏感に感じ取ることができる。ゾイドたちは自分を操るパイロットが気に食わない場合は言うことを聞かない。パイロットの技量や精神状態がゾイドと合致していないとシステムフリーズを引き起こし、逆にお互いに強い信頼関係があればスペック以上の能力を引き出す事も可能である。<br />また、ゾイド間の食物連鎖の上位に位置する種、または厳しい自然環境を生き抜いてきた野生体ほどゾイドコアが発するエネルギーと闘争本能は高くなり、強力だが高コストで希少、さらに乗りこなすのが難しい戦闘用ゾイドとなる。<br /> |
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| == 登場作品 == | | == 登場作品 == |
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| :『[[機獣創世記ゾイドジェネシス|ジェネシス]]』の時代、過去とは異なる方法で作り出されたゾイド。生物の骨格じみたフレームに特殊な流体金属製の装甲を纏った姿は、戦闘機械然とした既存のゾイドと比べてより生物的であり、前述の野生ゾイドを彷彿とさせる。身に纏った装甲が光学兵器を跳ね返し、実体兵器のダメージをも吸収してしまうため、リーオ製の武器による攻撃以外では撃破が非常に難しい。操縦適格者が多くなく実戦配備は本来困難だが、[[ディガルド武国]]はある[[ナンバー|非道な方法]]でそれを克服、軍備の大幅な増強に成功する。 | | :『[[機獣創世記ゾイドジェネシス|ジェネシス]]』の時代、過去とは異なる方法で作り出されたゾイド。生物の骨格じみたフレームに特殊な流体金属製の装甲を纏った姿は、戦闘機械然とした既存のゾイドと比べてより生物的であり、前述の野生ゾイドを彷彿とさせる。身に纏った装甲が光学兵器を跳ね返し、実体兵器のダメージをも吸収してしまうため、リーオ製の武器による攻撃以外では撃破が非常に難しい。操縦適格者が多くなく実戦配備は本来困難だが、[[ディガルド武国]]はある[[ナンバー|非道な方法]]でそれを克服、軍備の大幅な増強に成功する。 |
| ;オーガノイド | | ;オーガノイド |
− | :小型のゾイドで人間と同じぐらいの大きさで他のゾイドと合体して能力が大幅に上がる。なおこれはTV第1作には複数居たがそれ以降は登場していない。 | + | :小型のゾイドで人間と同じぐらいの大きさで他のゾイドと合体して能力が大幅に上がる。TV第1作には複数体のオーガノイドが存在していたが、それ以降の作品では存在が確認されていない。 |
| ;古代ゾイド人 | | ;古代ゾイド人 |
| :ゾイドと深く関わりのある者でコールドスリープして現代に蘇る事もある。 | | :ゾイドと深く関わりのある者でコールドスリープして現代に蘇る事もある。 |