23行目: |
23行目: |
| | | |
| == 概要 == | | == 概要 == |
− | かつて[[フル・フロンタル]]と共に「シャアの再来」の候補者として開発された[[強化人間]]の1人。フロンタルが成功例であるのに対し、失敗作として扱われているため、それに強いコンプレックスを抱いている。
| + | ジオン共和国外務大臣[[モナハン・バハロ]]により、「シャアの再来」の候補者として選ばれた[[強化人間]]。[[フル・フロンタル]]が成功例であるのに対し、失敗作である為、彼のように自我を封殺されシャアに似せられて整形されることはなかったが、失敗作であるという強いコンプレックスを抱いている。 |
| | | |
− | 連邦軍が[[フェネクス]]確保のために『不死鳥狩り』作戦を展開するのに乗じ、フェネクス入手のために行動する<ref>なお、ゾルタン率いるフェネクス捕獲部隊はジオン共和国軍の所属で、所属が露見しないようモビルスーツにエングレービングを施し、[[袖付き]]の残党部隊に偽装している。</ref>。
| + | 地球連邦軍が[[フェネクス]]確保のために『不死鳥狩り』作戦を展開するのに乗じ、モナハンの命令通り、ジオン共和国の軍人としてフェネクス入手のために行動する。しかし、彼ら共和国の軍人が地球連邦軍の行動に介入してると露見した場合問題になる為、所属が露見しないようモビルスーツにエングレービングを施し、[[袖付き]]の残党部隊に偽装している。 |
| | | |
− | 容姿や人格はシャアとは程遠く、「大人」として終始冷淡な言動を徹底していたフロンタルに対し、その立ち振る舞いはハイテンションで感情的。一人称や口調も不安定さが目立つ。特に戦闘時はコロニー内でビームを乱射するなど、凶暴かつ好戦的な面が目立ち、人望も決して厚い訳ではない<ref>初登場時、グルトップのブリッジを移動する際にはクルー達から避けられており、『NT』の脚本を手がけた福井晴敏には「'''頭の中に小学五年生がいる」「メカニックと肩が触れただけでそのメカニックを半殺しにしている'''」と評されている。</ref>。自分を「シャアの再来の失敗作」と評価する人間を見返す事を行動原理にしており、己の力を誇示するためには周囲を巻き込む事も厭わない。
| + | 全体に溶けたシャア・アズナブルの残留思念が宿っていた[[[フル・フロンタル]]と異なり、見た目も性格もシャアとは程遠く、その立ち振る舞いはハイテンションかつ感情的で、一人称や口調も不安定さが目立つ。自分を「シャアの再来の失敗作」と評価する人間を見返す事を行動原理にしており、己の力を誇示するためには周囲を巻き込む事も厭わない。学園都市「メーティス」内の戦闘時には、他の隊員がコロニー内で戦っているのも考慮した上であえてサーベルなどを用いた白兵戦で被害を抑えていたにも関わらず、メガ粒子の塊であるビームを市街地に発射するなど、凶暴かつ好戦的な面が目立ち、監視役の[[エリク・ユーゴ]]にさえ呆れられている。エリクだけでなく、グルトップに同情する軍人達からも距離を取られており、同艦のブリッジを移動した際にはクルー達から避けられており、『NT』の脚本を手がけた福井晴敏から「'''頭の中に小学五年生がいる」「メカニックと肩が触れただけでそのメカニックを半殺しにしている'''」と評されている。 |
| | | |
− | 少年期から強化人間の実験体として扱われた過去を持ち、右眼もその際の実験により失明しており、サイコミュを内蔵した赤い義眼となっている。そのため、彼が持つコンプレックスや残虐性の裏には戦争やニュータイプ神話の被害者であるという一面が見え隠れしている。
| + | ジオン公国に収容された少年時代から、強化人間の実験体として扱われた過去を持ち、右眼もその際の人体実験により失明しており、サイコミュ・システムを内蔵した赤い義眼となっている。そのため、彼が持つコンプレックスや残虐性の裏には、一年戦争の犠牲者、グリプス戦役時に流行した強化人間実験の被害者であるという部分が見え隠れしている。 |
| + | |
| + | [[エリク・ユーゴ]]と[[モナハン・バハロ]]の秘密通信を覗き見たことで、グルトップとそれに乗艦している自分は地球連邦軍のゼネラル・レビルを擁した艦隊に始末されることに気付き、エリクを殺害。Ⅱネオ・ジオングを駆り、サイコシャードの力で、己のイメージを具現化し、ヘリウム3の入ったタンクにバリアーを張り攻撃を無効化する、ヘリウム3を臨界爆発させるなどして、ゼネラル・レビル艦隊を殲滅する。そして、この世にあってはならない存在であるⅡネオ・ジオングを破壊しに現れた全体の端末であるフェネクスを捕らえると、エネルギーを吸い上げ、その力で貯蔵基地にあるだけのヘリウム3を臨界爆発させサイド6を壊滅させることを目論むが、[[ナラティブガンダム]]に搭乗した[[ヨナ・バシュタ]]に妨害される。Ⅱネオ・ジオングに装備されたIフィールド・バリアーにより戦いを優位に進め、ナラティブガンダムを破壊するまで追い詰めるが、ヨナがフェネクスに乗り移った事で形勢が逆転。デストロイモードに変身したフェネクスに敗北、死亡した。 |
| | | |
| == 登場作品と役柄 == | | == 登場作品と役柄 == |
85行目: |
87行目: |
| ;[[エリク・ユーゴ]] | | ;[[エリク・ユーゴ]] |
| :部下。フェネクス追跡の際に副官として行動を共にするが、実際にはモナハンから遣わされた監視役である。 | | :部下。フェネクス追跡の際に副官として行動を共にするが、実際にはモナハンから遣わされた監視役である。 |
| + | :モナハンとの通信をゾルタンに目撃され、彼を口封じしようと銃を構えていたが、返り討ちに遭い射殺された。 |
| ;モナハン・バハロ | | ;モナハン・バハロ |
− | :「シャアの再来」を計画したジオン共和国の外務大臣。フェネクス捕獲のためにゾルタンらに指示を出す。 | + | :シャアの再来計画の発案者であるジオン共和国の外務大臣。フェネクス捕獲のためにゾルタンらに指示を出す。 |
| + | :漫画版では、映画・小説版とは設定が完全に異なり、幼少期から知り合いで地球連邦軍の襲撃で身寄りを失ったゾルタンを引き取ったのはいいものの、やはり強化人間にしている。 |
| ;[[フル・フロンタル]] | | ;[[フル・フロンタル]] |
− | :同じ「シャアの再来」の1人。ゾルタンにとってのコンプレックスの大本の一人。後述の「ゾルタン様の3分でわかる宇宙世紀!」では「(シャアの)セルフパロディすれすれのこいつ」と評している。 | + | :ゾルタンと同じく、シャアの再来計画の候補者の一人。『NT』の一年前であるU.C.0096で死亡している為、会話しているシーンはない。 |
| + | :YouTubeで公開された「ゾルタン様の3分でわかる宇宙世紀!」では「(シャアの)セルフパロディすれすれのこいつ」と評している。 |
| ;[[ヨナ・バシュタ]] | | ;[[ヨナ・バシュタ]] |
| :サイド6で交戦した[[ナラティブガンダム]]のパイロット。 | | :サイド6で交戦した[[ナラティブガンダム]]のパイロット。 |
117行目: |
122行目: |
| :『30』では対[[ガンダムタイプ]]の特殊戦闘台詞として採用。 | | :『30』では対[[ガンダムタイプ]]の特殊戦闘台詞として採用。 |
| ;「撃っちゃうんだなぁ、これが!」 | | ;「撃っちゃうんだなぁ、これが!」 |
− | :コロニー内でビームライフルを使わないであろうと判断した[[ヨナ・バシュタ|ヨナ]]に対して。シェザール隊・袖付き共にコロニーを傷つけることを考慮して射撃を躊躇う中、迷うことなくゾルタンは'''コロニーの居住空間でハイ・ビームライフルをぶっ放す'''という凶行に及ぶ。更にヨナを追撃する際には(人が乗った車が往来している)道路にビームサーベルを突き立てながら移動するなど、彼の狂気を垣間見ることができる。 | + | :コロニー内でビームライフルを使わないであろうと判断した[[ヨナ・バシュタ|ヨナ]]に対して。シェザール隊・袖付き共にコロニーを傷つけることを考慮して射撃を躊躇う中、迷うことなくゾルタンは'''コロニーの居住空間でビームライフルをぶっ放す'''という凶行に及ぶ。更にヨナを追撃する際には(人が乗った車が往来している)道路にビームサーベルを突き立てながら移動するなど、彼の狂気を垣間見ることができる。 |
| :『[[X-Ω]]』では精神コマンド「[[魂]]」発動時のセリフとして、『30』では戦闘台詞として採用。加えて「当たっちゃうよな、これがぁ!」「終わっちゃうんだな、これでぇ!」などのバリエーションが追加された。 | | :『[[X-Ω]]』では精神コマンド「[[魂]]」発動時のセリフとして、『30』では戦闘台詞として採用。加えて「当たっちゃうよな、これがぁ!」「終わっちゃうんだな、これでぇ!」などのバリエーションが追加された。 |
| ;「有線だと?エセファンネルなど!ガンダムのやることか!」 | | ;「有線だと?エセファンネルなど!ガンダムのやることか!」 |
| ;「それとも失敗作相手には二流のガンダムで十分だと?」 | | ;「それとも失敗作相手には二流のガンダムで十分だと?」 |
| :ナラティブガンダムがインコムを使用した際の台詞。インコムを使うガンダムを、赤い彗星の失敗作である自分への当て付けだと解釈して怒りを顕にする(なお、[[Sガンダム]]をはじめ時代を遡れば有線兵器を使うガンダムは結構居る)。 | | :ナラティブガンダムがインコムを使用した際の台詞。インコムを使うガンダムを、赤い彗星の失敗作である自分への当て付けだと解釈して怒りを顕にする(なお、[[Sガンダム]]をはじめ時代を遡れば有線兵器を使うガンダムは結構居る)。 |
− | :なお彼の乗る[[シナンジュ・スタイン]]は[[ユニコーンガンダム]]のプロトタイプにあたる機体、即ち'''れっきとしたガンダムの系譜にあるMS'''だったりする。 | + | :なお彼の乗る[[シナンジュ・スタイン]]は[[ユニコーンガンダム]]のプロトタイプにあたる機体で、'''ガンダムの系譜にあるMS'''である。 |
| ;「切り札ってのは、最後に切らないとな!」 | | ;「切り札ってのは、最後に切らないとな!」 |
| :[[IIネオ・ジオング]]をコロニー内に呼び寄せて。しかし、その直後思わぬ事態に見舞われる事になる。『[[X-Ω]]』では必殺スキル「ビーム・ライフル(乱舞)」使用時のセリフとして採用。 | | :[[IIネオ・ジオング]]をコロニー内に呼び寄せて。しかし、その直後思わぬ事態に見舞われる事になる。『[[X-Ω]]』では必殺スキル「ビーム・ライフル(乱舞)」使用時のセリフとして採用。 |
131行目: |
136行目: |
| ;「人間が宇宙で暮らすようになってせいぜい百年! それでニュータイプになれって、夢見過ぎだよな!? 進化ってのは、そんな簡単なもんじゃない!!」 | | ;「人間が宇宙で暮らすようになってせいぜい百年! それでニュータイプになれって、夢見過ぎだよな!? 進化ってのは、そんな簡単なもんじゃない!!」 |
| ;「オールドタイプが理解するのは現象だけだ! 奇蹟を目にしてもその本質を学ぼうともしない!!」 | | ;「オールドタイプが理解するのは現象だけだ! 奇蹟を目にしてもその本質を学ぼうともしない!!」 |
− | :ヘリウム3備蓄基地に現れたフェネクスを執拗に追いかけながら。宇宙世紀という時代に蔓延している「ニュータイプは進化した新しい人類だ」とするニュータイプ待望論を、至極現実的な視点から'''馬鹿げた妄想だ'''とこき下ろすゾルタン。作中一貫して狂気的な言動の目立つ彼だが、意外なことに感性はまともなことがわかる台詞でもある。 | + | :ヘリウム3備蓄基地に現れたフェネクスを執拗に追いかけながら。強化人間を作り出すニュータイプ研究所のような人間達が総合的な形として人を理解するというニュータイプの本質を理解せず、無闇矢鱈に肉体を切り裂き、身体能力を向上させることに明け暮れている事実を直視して、何も分かっていないとこき下ろすゾルタン。作中一貫して狂気的な言動の目立つ彼だが、ジオン公国に収容されていなければニュータイプの境地に辿り着いていたかもしれない。 |
| ;「人は変わらない! これからも、俺やお前達のような人間が、奇跡のために切り刻まれる!! だったら、サッパリさせようぜ!!」 | | ;「人は変わらない! これからも、俺やお前達のような人間が、奇跡のために切り刻まれる!! だったら、サッパリさせようぜ!!」 |
− | :フェネクスを救出にやってきたナラティブとの再戦中に発する台詞。強化人間として非人道的な扱いを受けながらも、理想のために文字通り全てを犠牲にしてきたゾルタン。しかしその結果、ジオン本国から切り捨てられたことで自暴自棄となり、ヘリウム3備蓄基地全てのガスタンクを暴発させ地球圏を壊滅へ追いやろうとする。 | + | :フェネクスを救出にやってきたナラティブとの再戦中に発する台詞。強化人間として非人道的な扱いを受けながらも、理想のために文字通り全てを犠牲にしてきたゾルタン。しかしその結果、ジオン本国から切り捨てられたことで自暴自棄となり、備蓄基地全てのガスタンクに貯蔵されたヘリウム3を臨界暴発させ、サイド6とその破壊された破片が降り注ぐ地球を壊滅へ追いやろうとする。 |
| ;「死ねば溶けあえるんだろ?」「人間のエゴと業がこのマシーンと俺たちを生んだ…自らを裁くために…」「楽になろうぜ…」 | | ;「死ねば溶けあえるんだろ?」「人間のエゴと業がこのマシーンと俺たちを生んだ…自らを裁くために…」「楽になろうぜ…」 |
− | :[[フェネクス]]に死者の思念が力を貸すのを見たゾルタンは笑みを浮かべ、遭えて乗機のコクピットを貫かせるような行為に出る。そして死した彼の思念はヨナに上記の言葉を遺し、IIネオ・ジオングのサイコシャードに干渉。備蓄基地のヘリウム3を臨界状態にさせる異常現象を引き起こした。 | + | :デストロイモードになったフェネクスに敗れ、コックピットを貫かれたゾルタンは死亡、残留思念は全体へと溶けた。ゾルタンの残留思念はヨナに上記の言葉を遺し、IIネオ・ジオングのサイコシャードに干渉。備蓄基地のヘリウム3を臨界状態にさせる異常現象を引き起こした。「死ねば溶け合える」の部分は、『機動戦士Zガンダム』の第50話「宇宙を駆ける」における[[カツ・コバヤシ]]の台詞「あの中にいる人だって、すぐこうして溶けあえるんだ」のオマージュである。 |
| | | |
| == 迷台詞 == | | == 迷台詞 == |