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== 概要 ==
 
== 概要 ==
キオ編・三世代編の[[主人公]]<ref>一方、スペシャルエディション[[OVA]]『機動戦士ガンダムAGE MEMORY OF EDEN』では[[アセム・アスノ]]および[[ゼハート・ガレット]]が[[主人公]]として扱われるので、キオの登場シーンはTV版よりも少なめである。</ref>。
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キオ編・三世代編の[[主人公]]<ref>一方、スペシャルエディション[[OVA]]『機動戦士ガンダムAGE MEMORY OF EDEN』では[[キャプテン・アッシュ|アセム・アスノ]]および[[ゼハート・ガレット]]が[[主人公]]として扱われるので、キオの登場シーンはTV版よりも少なめである。</ref>。
    
素直で天真爛漫で心優しく[[正義|正義感]]も強いという良い子を体現したような人物だが、その一方、世間知らずさや頑固な面もある。[[地球]]圏の都市「オリバーノーツ」にて家族と共に暮らしていたが、[[ヴェイガン]]の地球侵略が切っ掛けとなり、祖父[[フリット・アスノ]]から[[ガンダムAGE-3]]を託され、ヴェイガンとの戦いに身を投じていく。
 
素直で天真爛漫で心優しく[[正義|正義感]]も強いという良い子を体現したような人物だが、その一方、世間知らずさや頑固な面もある。[[地球]]圏の都市「オリバーノーツ」にて家族と共に暮らしていたが、[[ヴェイガン]]の地球侵略が切っ掛けとなり、祖父[[フリット・アスノ]]から[[ガンダムAGE-3]]を託され、ヴェイガンとの戦いに身を投じていく。
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幼い頃、MSシミュレーターをフリットからゲームとしてプレゼントされており、知らずのうちに[[パイロット]]としての教育をされていた<ref>祖父[[フリット・アスノ|フリット]]としては、老い衰えた自分の代わりにガンダムで[[ヴェイガン]]を滅ぼす人材の育成と、孫キオがヴェイガンとの戦争が続く世界で生き抜くための力をつけさせるという二つの目的がある。</ref>。そのためか、[[フリット・アスノ|祖父]]をはるかに凌駕する[[Xラウンダー]]能力と[[キャプテン・アッシュ|父親]]譲りの高いMS操縦技術を有しているものの、[[テンザン・ナカジマ|戦争をゲーム感覚で捉える]]など倫理観が危うい節もあった。
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幼い頃、MSシミュレーターをフリットからゲームとしてプレゼントされており、知らずのうちに[[パイロット]]としての教育をされていた<ref>祖父[[フリット・アスノ|フリット]]としては、老い衰えた自分の代わりにガンダムで[[ヴェイガン]]を滅ぼす人材の育成と、孫キオがヴェイガンとの戦争が続く世界で生き抜くための力をつけさせるという二つの目的がある。</ref>。そのためか、祖父をはるかに凌駕する[[Xラウンダー]]能力と[[キャプテン・アッシュ|父親]]譲りの高いMS操縦技術を有しているものの、[[テンザン・ナカジマ|戦争をゲーム感覚で捉える]]など倫理観が危うい節もあった。
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誕生直後に父[[アセム・アスノ|アセム]]が生死不明となった影響もあり祖父フリットを一家の中で特に慕い、当初は彼に言われるがままに戦っていたが、徐々に自分なりに戦う事への意義を探していく。
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誕生直後に父[[キャプテン・アッシュ|アセム]]が生死不明となった影響もあり祖父フリットを一家の中で特に慕い、当初は彼に言われるがままに戦っていたが、徐々に自分なりに戦う事への意義を探していく。
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ヴェイガンの本拠地の惨状をその目で見たことをきっかけとし、地球とヴェイガン双方を救い戦いを終わらせるという信念を持つようになった。当初はその想いも、ヴェイガンはおろか味方にすらほぼほぼ伝わらず、仲間内で孤立しがちになってしまうが、最終的にその想いは英雄という存在を生み出すに至った。
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ヴェイガンの本拠地の惨状をその目で見たことをきっかけとし、地球とヴェイガン双方を救い戦いを終わらせるという信念を持つようになった。しかし、当初は信念を現実的に実現することができなかったためか、戦場でパイロットを殺さずモビルスーツを戦闘不能にする<ref>これは[[Xラウンダー]]の能力が高まりすぎて、死に怯える敵パイロットの姿や声を知覚してしまうことも起因している。とはいえこの現象が、キオですら憎悪していた[[ザナルド・ベイハート]]への殺害をギリギリで回避するきっかけにもなった。</ref><ref>ただし、戦闘不能になった機体がさらに攻撃された際はそれを庇うなど、不殺主義は徹底的に貫いている。</ref>ぐらいしかできず、'''敵にも味方にも最終盤になるまでその不殺主義を全否定され続け'''、幼馴染の[[ウェンディ・ハーツ]]と父アセム以外に理解者が誰一人いないという状況にまで陥ってしまった。しかし、それでも誰も殺さず戦争を終らせようとする意志を貫いたことで、最終的にその想いはヴェイガンの代表である[[フェザール・イゼルカント]]を救い、祖父フリットを真の英雄に目覚めさせるまでに至った。
    
なお、公式外伝『UNKNOWN SOLDIERS』によると祖父や父とは異なりラ・グラミス戦後も[[地球連邦軍]]には入隊しておらず、民間の協力者という立場でAGE-FXの専属パイロットを務めている。
 
なお、公式外伝『UNKNOWN SOLDIERS』によると祖父や父とは異なりラ・グラミス戦後も[[地球連邦軍]]には入隊しておらず、民間の協力者という立場でAGE-FXの専属パイロットを務めている。
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;[[フェザール・イゼルカント]]
 
;[[フェザール・イゼルカント]]
 
:キオがヴェイガンの捕虜になった際には「この子は特別だ」と収容所送りにせず、国賓級の待遇を与え、ヴェイガンの世界を見るよう促した。
 
:キオがヴェイガンの捕虜になった際には「この子は特別だ」と収容所送りにせず、国賓級の待遇を与え、ヴェイガンの世界を見るよう促した。
:しかし、後にイゼルカントの目論見を知った際は、彼の目的と思想を明確に否定した。
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:しかし、後にイゼルカントの目論見を知った際は、彼の目的と思想を明確に否定した。そして実際にキオが誰一人自らの手で人を殺さず全てを救った際には、病死寸前にキオに未来を託した。
 
;[[ゼハート・ガレット]]
 
;[[ゼハート・ガレット]]
 
:オリバーノーツを焼き払った件もあり、キオにとっては[[ライバル|宿敵のような存在]]。
 
:オリバーノーツを焼き払った件もあり、キオにとっては[[ライバル|宿敵のような存在]]。
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;[[ザナルド・ベイハート]]
 
;[[ザナルド・ベイハート]]
 
:彼に一度鹵獲されてしまう。
 
:彼に一度鹵獲されてしまう。
:最終決戦ではディーンの死因。意図的に殺した上で、死んだディーンをさらに蔑んだ彼にキオは激怒した。'''AGE-FXに乗り換えてからのキオが、一時でも唯一憎悪し殺しかけた'''という意味で希少な相手。
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:最終決戦ではディーンの死因。フレンドリーファイアを通り越しキオを巻き込む形で意図的にディーンを撃ち殺した上で、死んだディーンをさらに蔑んだ彼にキオは激怒した。'''AGE-FXに乗り換えてからのキオが、一時でも唯一憎悪し殺しかけた'''という意味で希少な相手。
 
;ロミ・イゼルカント
 
;ロミ・イゼルカント
 
:フェザール・イゼルカントと妻[[ドレーネ・イゼルカント]]の息子で、作中ではすでに故人。髪の毛の色以外はキオと瓜二つ。
 
:フェザール・イゼルカントと妻[[ドレーネ・イゼルカント]]の息子で、作中ではすでに故人。髪の毛の色以外はキオと瓜二つ。
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;[[フラム・ナラ]]
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:彼女に停戦を呼びかけたが、全く響かないどころか彼女からは激烈に全否定される<ref name="PSP">[[プレイステーション・ポータブル|PSP]]版では'''「布教活動」'''とまで発言する等、より直接的に否定している。</ref>。
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;[[ジラード・スプリガン]]
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:彼女に対しても停戦を呼びかけたが、訴え自体は何一つ届かなかった。しかし、彼女の嘘偽らざる本心を吐露させてはいる。
 
;[[ゼラ・ギンス]]
 
;[[ゼラ・ギンス]]
 
:最後の戦闘の末に救出した。
 
:最後の戦闘の末に救出した。
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=== キオ編 ===
 
=== キオ編 ===
 
;(今日は勇気の日。長い戦争が始まった日…。もし、この戦争が無かったら僕は父さんに会えたのかな? 天国の父さん。戦争はまだ終わってません…)
 
;(今日は勇気の日。長い戦争が始まった日…。もし、この戦争が無かったら僕は父さんに会えたのかな? 天国の父さん。戦争はまだ終わってません…)
:第29話「じいちゃんのガンダム」での独白。
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:第29話「じいちゃんのガンダム」での独白。今はいない父に想いを馳せていたが、皮肉にも戦争の渦中で親子は引き合わされることになる…。
 
;「よろしくね…ガンダム!」
 
;「よろしくね…ガンダム!」
 
:第29話ラストにて、[[ガンダムAGE-3]]へ向かって。
 
:第29話ラストにて、[[ガンダムAGE-3]]へ向かって。
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;「…もうやめよう? 僕達には分かり合える道があるはずなんだ。こんな事、もうやめようよ…」
 
;「…もうやめよう? 僕達には分かり合える道があるはずなんだ。こんな事、もうやめようよ…」
 
:第41話「華麗なフラム」より。ルナベース攻防戦において、フラムへの攻撃を止めた直後、彼女を説得する。
 
:第41話「華麗なフラム」より。ルナベース攻防戦において、フラムへの攻撃を止めた直後、彼女を説得する。
:しかし、フラムにとってその発言は、「子供の戯言」<ref>[[プレイステーション・ポータブル|PSP]]版では'''「布教活動」'''とまで発言する等、より直接的に否定している。</ref>に過ぎなかった。
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:しかし、フラムにとってその発言は、「子供の戯言」<ref name="PSP"/>に過ぎなかった。
 
;「じいちゃんは憎しみに駆られてるだけじゃないか! そんなの救世主じゃない! そんなの絶対に違う!!」
 
;「じいちゃんは憎しみに駆られてるだけじゃないか! そんなの救世主じゃない! そんなの絶対に違う!!」
 
:第44話「別れゆく道」より。「ヴェイガンの捕虜など処刑してしまえばいい」と発言したフリットに対して、彼を批判。劇中において明確にフリットに対して反抗した場面となった。
 
:第44話「別れゆく道」より。「ヴェイガンの捕虜など処刑してしまえばいい」と発言したフリットに対して、彼を批判。劇中において明確にフリットに対して反抗した場面となった。
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:キオにとっては、「懸命に生きる事こそが人らしい生き方」と感じていた。
 
:キオにとっては、「懸命に生きる事こそが人らしい生き方」と感じていた。
 
;キオ「これが、じいちゃんがなろうとした救世主なの?」<br />フリット「私は…! 私が守れなかった者達のためにやってきたのだ!」<br />キオ「違う! 絶対に違う! その人達だって、そんなこと望んでない!」
 
;キオ「これが、じいちゃんがなろうとした救世主なの?」<br />フリット「私は…! 私が守れなかった者達のためにやってきたのだ!」<br />キオ「違う! 絶対に違う! その人達だって、そんなこと望んでない!」
:[[ヴェイガンギア・シド]]がヴェイガン軍が混乱しているスキに乗じて、ヴェイガンのコロニー「セカンドムーン」に向けて大量破壊兵器「プラズマダイバーミサイル」を放たんとしたフリットは、「多くの地球人類の命を奪ったヴェイガンへを殲滅して救世主になる」という(間違った)正義に囚われていた。
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:[[ヴェイガンギア・シド]]によりヴェイガン軍が混乱しているスキに乗じて、ヴェイガンのコロニー「セカンドムーン」に向けて大量破壊兵器「プラズマダイバーミサイル」を放たんとしたフリットは、「多くの地球人類の命を奪ったヴェイガンへを殲滅して救世主になる」という(間違った)正義に囚われていた。
:そんなフリットの姿を見たキオは、涙ながらに[[Xラウンダー]]の力を発動。それはフリットを精神世界へと誘い、彼が[[ユリン・ルシェル|守れなかった者]]達と巡り合わせるのであった。
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:そんなフリットの姿を見たキオは、涙ながらに[[Xラウンダー]]の力を発動。それはフリットを精神世界へと誘い、彼が[[ユリン・ルシェル|守れなかった者]]達と巡り合わせるのであった。これまで戦いにしか使われなかったXラウンダーの力が、本当に平和のために使われた唯一のシーン。
 
;「じいちゃんはなれたんだ…本当の救世主に!」
 
;「じいちゃんはなれたんだ…本当の救世主に!」
:過去への妄執と敵への憎しみを乗り越えて、人々を守るための救世主となった祖父フリットを目にして。
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:過去への妄執と敵への憎しみを乗り越えて、人々を守るための救世主となった祖父フリットを目にして。これまでのキオの信念が初めて実を結んだ一歩でもあり、キオもまた救世主フリットを救ったもう一人の救世主になった。
 
;アセム「なかなか男前だな」<br />キオ「…フ。そうだね、父さん。フリットじいちゃん…。僕達の地球は、元気になったよ」
 
;アセム「なかなか男前だな」<br />キオ「…フ。そうだね、父さん。フリットじいちゃん…。僕達の地球は、元気になったよ」
 
:最終話エピローグより。ラ・グラミスの戦いの終結後、フリットは[[医療・病障害|マーズ・レイ]]を無効化させる技術の開発等をして、[[地球]]および[[火星]]の平和の為に残りの人生を捧げた。
 
:最終話エピローグより。ラ・グラミスの戦いの終結後、フリットは[[医療・病障害|マーズ・レイ]]を無効化させる技術の開発等をして、[[地球]]および[[火星]]の平和の為に残りの人生を捧げた。
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:キオ編での搭乗機で実質専用機。
 
:キオ編での搭乗機で実質専用機。
 
:;[[ガンダムAGE-FX]]
 
:;[[ガンダムAGE-FX]]
::三世代編での搭乗機。乗り換えてからは'''直接的に人間を殺したことは一度もない。'''<ref>唯一、ディーンが殺された時のザナルド相手の時だけ殺しかけていたが、ギリギリで踏みとどまっている。</ref>
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::三世代編での搭乗機。
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== 余談 ==
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*三世代編で[[ガンダムAGE-FX]]に搭乗するようになってからのキオは、[[ガンダムシリーズ]]でも特に目立つ不殺主義者の代表格である。実際、AGE-FXに乗り換えてからは乗り換えてからは'''直接的に人間を殺したことは一度もない。'''唯一、ディーンが殺された時のザナルド相手の時だけ殺しかけていたが、ギリギリで踏みとどまっている。
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**実際に不殺が行われた描写も特異な戦法で、AGE-FXのCファンネルを用いて、ヴェイガンのモビルスーツのコクピットをピンポイントで切り離すという形で描写されている。視覚上はモビルスーツの頭部が切り取られていくというインパクトの強いものであったため、別の漫画の呼び名を借りて'''「妖怪首おいてけ」'''などと揶揄されることも。
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**先述の通り、不殺主義は敵味方から全否定され続け、作中長らく不遇の立場だった。しかし彼がいなければ地球もヴェイガンも救われなかったため、作中彼の不殺主義は非常に重要な意味を有していた。
    
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
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