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| [[モビルスーツ]]の[[パイロット]]としてはキラ・ヤマトやアスラン・ザラを凌ぎ得る天性の才能を持っている。また、彼等と同様に[[SEED]]の因子も持ち合わせており、能力発動時は、相手が同等以上の能力を持ったパイロットで無い限り、まず負け無しの戦闘力を発揮する。初回の時点で、すでにザフトの軍人として勤務している。ガンダムシリーズの主人公は、最初、アウトローだったり一般人だったりする事が多いので、これはかなり珍しい。 | | [[モビルスーツ]]の[[パイロット]]としてはキラ・ヤマトやアスラン・ザラを凌ぎ得る天性の才能を持っている。また、彼等と同様に[[SEED]]の因子も持ち合わせており、能力発動時は、相手が同等以上の能力を持ったパイロットで無い限り、まず負け無しの戦闘力を発揮する。初回の時点で、すでにザフトの軍人として勤務している。ガンダムシリーズの主人公は、最初、アウトローだったり一般人だったりする事が多いので、これはかなり珍しい。 |
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− | 一方でメンタル面にはやや問題が有り、戦争によって家族を喪った時の絶望と戦争自体への激しい怒りや憎悪が行動の原動力となっている為に、しばしば激情に駆られて独断専行や命令違反等の問題行動を起こす。自分を理解しようとしてくれる人物に対しては信頼を置いているが、何かしら快く思わない相手に対して乱暴な態度をとったりと人の好き嫌いが激しく、精神的に未熟な面が強い。<ref>直接描かれてはいないが、士官学校時代は日頃から上官に対して反抗的な態度を取っていた模様。</ref>。 | + | 一方でメンタル面にはやや問題が有り、戦争によって家族を喪った時の絶望と戦争自体への激しい怒りや憎悪が行動の原動力となっている為に、しばしば激情に駆られて独断専行や命令違反等の問題行動を起こす。自分を理解しようとしてくれる人物に対しては信頼を置いているが、何かしら快く思わない相手に対して乱暴な態度をとったりと人の好き嫌いが激しく、精神的に未熟な面が強い。<ref>直接描かれてはいないが、士官学校時代は日頃から上官に対して反抗的な態度を取っていた模様。</ref> |
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| 本質的には純粋で正義感の強い性格で妹マユやステラの一件を見ても心優しい一面を持っており、彼女達の悲劇を受けて自分の手で平和な世界を作り出そうとする信念は持っているが、未熟さ故に「守る為の力」のみを求めてしまっていた。それ故に、アスランの語っていた「力の使い方」についてまで理解出来なかったシンは、精神的に追い込まれていき、[[ギルバート・デュランダル]]の言葉に導かれるまま彼の計画へと身を投じていく。 | | 本質的には純粋で正義感の強い性格で妹マユやステラの一件を見ても心優しい一面を持っており、彼女達の悲劇を受けて自分の手で平和な世界を作り出そうとする信念は持っているが、未熟さ故に「守る為の力」のみを求めてしまっていた。それ故に、アスランの語っていた「力の使い方」についてまで理解出来なかったシンは、精神的に追い込まれていき、[[ギルバート・デュランダル]]の言葉に導かれるまま彼の計画へと身を投じていく。 |
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| その反面、精神面における導き手の役割を期待されたアスランや周囲の大人達が全くそれをなせなかったが為に、成長する機会を失った不運なキャラクターとも言える。シンから見れば、自分の置かれた状況を深く考えず自分の感情のまま行動した末に増長しており、自分を優遇してくれる人物に甘えていたとも言える。'''ただし、否定的な見解で極端に言ってしまえば、自分の凄惨な経験を言い訳にすれば周りが自分を認めるのが当たり前と思いこんでいる節がある。作中の世界観では程度に上下こそあれどシンと同じような経験をした人間などは、それこそ当時のアークエンジェルとクルーゼ隊も含めてごまんといる'''。にもかかわらず、'''自分が被害者だから何も悪くないと驕っていき'''、'''かつてのキラとアスランのように自分も今は加害者である事を認めず'''、自分の境遇に甘えているワガママな子供の状態で止まっていた。 | | その反面、精神面における導き手の役割を期待されたアスランや周囲の大人達が全くそれをなせなかったが為に、成長する機会を失った不運なキャラクターとも言える。シンから見れば、自分の置かれた状況を深く考えず自分の感情のまま行動した末に増長しており、自分を優遇してくれる人物に甘えていたとも言える。'''ただし、否定的な見解で極端に言ってしまえば、自分の凄惨な経験を言い訳にすれば周りが自分を認めるのが当たり前と思いこんでいる節がある。作中の世界観では程度に上下こそあれどシンと同じような経験をした人間などは、それこそ当時のアークエンジェルとクルーゼ隊も含めてごまんといる'''。にもかかわらず、'''自分が被害者だから何も悪くないと驕っていき'''、'''かつてのキラとアスランのように自分も今は加害者である事を認めず'''、自分の境遇に甘えているワガママな子供の状態で止まっていた。 |
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− | 歴代の主人公達が多くの人間に出会って成長していった事に比べると、シンは良き理解者や人との出会いに全く恵まれていない。比較的良好な関係であったトダカやハイネはあまりにも出会った期間が短く、アスランもシンを導くのには未熟、同期であるレイは友情はあるもののシンを利用しようとし、ルナマリアとは恋人になる終盤までこれといったものはなく、キラに直接出会って和解したのも最後の最後でステラの死後は彼自身の人間関係の希薄さ(オーブ時代の人間関係が不明なのもあるが)も含めて、'''「ガンダムシリーズの主人公の中でも孤独な境遇だった」'''と言える。<ref>漫画『機動戦士ガンダムSEED DESTINY THE EDGE Desire』では、家族を失ったことが原因でトラウマにより頑なに心を閉ざし、士官学校時代から同期含め他者との交流を自分から避けていたことが語られている。だが、名台詞の項にもある通り、同作ではヴィーノも悲観的なシンを心配して怒っているシーンもあり、'''同期にだけは'''恵まれていたのかもしれない。</ref> | + | 歴代の主人公達が多くの人間に出会って成長していった事に比べると、シンは良き理解者や人との出会いに全く恵まれていない。比較的良好な関係であったトダカやハイネはあまりにも出会った期間が短く、アスランもシンを導くのには未熟、同期であるレイは友情はあるもののシンを利用しようとし、ルナマリアとは恋人になる終盤までこれといったものはなく、キラに直接出会って和解したのも最後の最後でステラの死後は彼自身の人間関係の希薄さ(オーブ時代の人間関係が不明なのもあるが)も含めて、'''「ガンダムシリーズの主人公の中でも孤独な境遇だった」'''と言える。<ref>漫画『機動戦士ガンダムSEED DESTINY THE EDGE Desire』では、家族を失ったことが原因でトラウマにより頑なに心を閉ざし、士官学校時代から同期含め他者との交流を自分から避けていたことが語られている。だが、名台詞の項にもある通り、同作ではヴィーノも悲観的なシンを心配して怒っているシーンもあり、塞ぎ込みがちで他者と壁を作りがちな割に'''同期にだけは'''恵まれていたのかもしれない。</ref> |
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| そうした境遇もあって、主人公という立場の割には重大な情報を得る機会が乏しく、本人も積極的に情報を集める描写は無かった。その結果、レイ以外の主要人物が有する「秘密」や抱えている「事情」と「背景」、そしてアークエンジェル隊がデュランダルに敵対する切っ掛けとなったラクス暗殺未遂やミーアの死等、重大事件が戦いの裏で起きていた事も文字通り「何も知らない」状態だった。これがシンの思考が(良くも悪くも)一方向に固まってしまう原因だったと言える。 | | そうした境遇もあって、主人公という立場の割には重大な情報を得る機会が乏しく、本人も積極的に情報を集める描写は無かった。その結果、レイ以外の主要人物が有する「秘密」や抱えている「事情」と「背景」、そしてアークエンジェル隊がデュランダルに敵対する切っ掛けとなったラクス暗殺未遂やミーアの死等、重大事件が戦いの裏で起きていた事も文字通り「何も知らない」状態だった。これがシンの思考が(良くも悪くも)一方向に固まってしまう原因だったと言える。 |
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| ;(悔しかった…飛び込めなかった自分のふがいなさが…もうあんな思いはたくさんだ!) | | ;(悔しかった…飛び込めなかった自分のふがいなさが…もうあんな思いはたくさんだ!) |
| :ボンボン版における過去の述懐。家族でのキャンプ中、マユが足を滑らせ川に落ちてしまった際に、近くにいたのに溺れそうなマユを助けに行くことができなかった過去。捕虜になったステラが衰弱していく中の述懐で、その過去からステラを見殺しにできず、軍規を犯してしまうことに。 | | :ボンボン版における過去の述懐。家族でのキャンプ中、マユが足を滑らせ川に落ちてしまった際に、近くにいたのに溺れそうなマユを助けに行くことができなかった過去。捕虜になったステラが衰弱していく中の述懐で、その過去からステラを見殺しにできず、軍規を犯してしまうことに。 |
| + | ;「スゴいぜ!」<br />「まだシミュレーターしかやってないけどこのデスティニーの反応速度は信じられないレベルだよ!」<br />「フリーダムと戦った時にこいつがあればもっと楽に勝ってたんだけどな……」 |
| + | :ボンボン版にて、[[デスティニーガンダム]]受領後の慣熟訓練の合間、メンテナンスの下見に現れたヴィーノとヨウラン(と興味本位でついてきたルナマリア)に話したデスティニー評。慣熟訓練で気が紛れているのか、同期に笑顔を見せでいる最後のシーンで、直後発生するアスランの脱走以降、シンは誰にも笑顔を見せなくなってしまう。 |
| + | :なお、[[フリーダムガンダム]]との戦闘は当初はシンの暴走だったのだが、戦闘中にフリーダム討伐命令が出され正式な任務となったため、結果としてはここで軽口に出しても問題なくなったのだろうと思われる。 |
| ;「父さんを…母さんを…そしてマユを守れなかった国オーブ!」<br />「そして今ロゴスと手を組み、ジブリールを匿うひきょうな国オーブ!!」<br />「そんな国…この俺が滅ぼしてやる!!」 | | ;「父さんを…母さんを…そしてマユを守れなかった国オーブ!」<br />「そして今ロゴスと手を組み、ジブリールを匿うひきょうな国オーブ!!」<br />「そんな国…この俺が滅ぼしてやる!!」 |
| :ボンボン版のオーブ戦にて、鬼神の如く戦いながら叫んだ祖国への怒りの言葉。シンにとってオーブとは紛れもない故国であり、どうしてもそれを信じたい思いが捨てきれずにいた。だからこそ、彼は今、多くの犠牲を払ってまで守った理念を捨て、ロゴスにおもねる今のオーブに銃を向ける。 | | :ボンボン版のオーブ戦にて、鬼神の如く戦いながら叫んだ祖国への怒りの言葉。シンにとってオーブとは紛れもない故国であり、どうしてもそれを信じたい思いが捨てきれずにいた。だからこそ、彼は今、多くの犠牲を払ってまで守った理念を捨て、ロゴスにおもねる今のオーブに銃を向ける。 |
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| ;「ジブリール!! 覚悟!!」 | | ;「ジブリール!! 覚悟!!」 |
| :ボンボン版のダイダロス基地攻略戦において、基地にアロンダイトを突き刺した穴からジブリールの姿を確認しての台詞。この台詞と共にビームライフルのトリガーを引き、数々の悲劇を生みだした根源のひとりに引導を渡した。 | | :ボンボン版のダイダロス基地攻略戦において、基地にアロンダイトを突き刺した穴からジブリールの姿を確認しての台詞。この台詞と共にビームライフルのトリガーを引き、数々の悲劇を生みだした根源のひとりに引導を渡した。 |
| + | ;(アスラン…! あんたが言っていることもわかる…だがレイや議長が悪だとも思えない!!)<br />(どっちが正しいかなんて俺にはわからない…)<br />(だから俺はあんたを倒す!! 仲間を守るために!!) |
| + | :ボンボン版での最終決戦出撃時のモノローグ。ボンボン版では、必死に伝えていたアスランの言葉はこの時点で既にシンの中に生きていた。しかしそれでも、アスランの行動を理解してなお、友のため、仲間のため、アスランと戦う道を選ぶ。'''シンが得られた情報の中で、シンの中で既にはっきりとした戦いの理由が出ている'''ことが最大の違いで、これによりアニメと大きく変わった展開を見せる。 |
| ;「だったらどうすればいいっていうんだ!? あんたらの理想ってヤツで戦争を止められるのか!?」<br />「戦争のない世界以上に幸せな世界なんて…あるはずがないっ!!」 | | ;「だったらどうすればいいっていうんだ!? あんたらの理想ってヤツで戦争を止められるのか!?」<br />「戦争のない世界以上に幸せな世界なんて…あるはずがないっ!!」 |
| :ボンボン版での最終決戦でアスランの[[説得]]を拒否して。戦争によって家族、そして[[ステラ・ルーシェ|大切な人]]を失った経験を持つシンだけに非常に重みのある台詞である。 | | :ボンボン版での最終決戦でアスランの[[説得]]を拒否して。戦争によって家族、そして[[ステラ・ルーシェ|大切な人]]を失った経験を持つシンだけに非常に重みのある台詞である。 |