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| モビルスーツより巨大なものや、人型でないものは「[[モビルアーマー]]」と呼ばれる。 | | モビルスーツより巨大なものや、人型でないものは「[[モビルアーマー]]」と呼ばれる。 |
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− | == 世界観別の詳細 == | + | == 作品世界ごとの扱い == |
− | === [[宇宙世紀]]関連 === | + | === [[宇宙世紀]]におけるMS === |
| 「'''Mobile''' '''S'''pace '''U'''tilty '''I'''nstruments '''T'''actical(機動戦術汎用宇宙機器)」の略称。 | | 「'''Mobile''' '''S'''pace '''U'''tilty '''I'''nstruments '''T'''actical(機動戦術汎用宇宙機器)」の略称。 |
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| ==== 小型モビルスーツの衰退 ==== | | ==== 小型モビルスーツの衰退 ==== |
− | 木星戦役から更に十数年後、それまでサイド国家主義であった[[スペースノイド]]の間では、コロニー単位の国家主義へと傾倒していく事になり、コロニー同士による対立が深刻化。所謂「宇宙戦国時代」へと突入し、その中でも最も力を持ったサイド2が「[[ザンスカール帝国]]」を名乗り、サナリィの生産工場や研究所を含む施設、人員を接収する形で独自にモビルスーツを開発。『[[ザンスカール戦争|ザンスカール戦争(V)]]』を引き起こした結果、ザンスカールのモビルスーツへの対抗として、再び小型・高性能のモビルスーツが求められる事になった。だが、肝心の抑止力であるはずの地球連邦軍は、弱体化によってあてにならず、ザンスカールに独自抵抗する組織「[[リガ・ミリティア]]」が発動させた『[[Vガンダム|Vプロジェクト]]』によって、ザンスカールに対抗出来る小型・高性能の新型モビルスーツが開発される事になった。 | + | 木星戦役から更に十数年後、それまでサイド国家主義であった[[スペースノイド]]の間では、コロニー単位の国家主義へと傾倒していく事になり、コロニー同士による対立が深刻化。所謂「宇宙戦国時代」へと突入し、その中でも最も力を持ったサイド2が「[[ザンスカール帝国]]」を名乗り、サナリィの生産工場や研究所を含む施設、人員を接収する形で独自にモビルスーツを開発。『[[ザンスカール戦争|ザンスカール戦争(V)]]』を引き起こした結果、ザンスカールのモビルスーツへの対抗として、再び小型・高性能のモビルスーツが求められる事になった。だが、肝心の抑止力であるはずの地球連邦軍はその衰退もあって宛てには出来ず、ザンスカールに独自抵抗する組織「[[リガ・ミリティア]]」が発動させた『[[Vガンダム|Vプロジェクト]]』によって、ザンスカールに対抗出来る小型・高性能の新型モビルスーツが開発される事となった。 |
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− | Vプロジェクトの機体が本格的に配備された後は、リガ・ミリティアとザンスカール双方で小型・高性能化したモビルスーツが運用され、また「ミノフスキー・フライト」による標準的飛行や、「ミノフスキー・コントロール」によるニュータイプ能力を持つ人間でなくても機械的なサイコミュの再現等も可能となっている。ただし、高性能の追及によって熱核融合炉の仕様変更でより高出力を得やすい構造に変更したが、耐久性にかなり問題のある機体となってしまい、被弾時の誘爆率が高まり、撃破時の爆発もより大きくなる様になった。また、ザンスカール戦争が終盤に差し掛かっていくと、モビルスーツは操縦性よりもひたすら性能のみを追求されるようになった結果、コストパフォーマンスはおろかメンテナンス性に関しても、以前の大型モビルスーツ以上に劣悪となってしまい、本来コストダウンやメンテナンス性の向上を目指したはずの小型・高性能モビルスーツの存在意義はザンスカール戦争の終結後には見失われていく事になった。
| + | Vプロジェクトの機体が本格的に配備された後は、リガ・ミリティアとザンスカール双方で小型・高性能化したモビルスーツが運用され、また「ミノフスキー・フライト」による標準的飛行や、「ミノフスキー・コントロール」によるニュータイプ能力を持つ人間でなくても機械的なサイコミュの再現等も可能となっている。ただし、高性能の追及によって熱核融合炉の仕様変更でより高出力を得やすい構造に変更したが、耐久性にかなり問題のある機体となってしまい、被弾時の誘爆率が高まり、撃破時の爆発もより大きくなる様になった。また、ザンスカール戦争が終盤に差し掛かっていくと、モビルスーツは操縦性よりもひたすら性能のみを追求されるようになった結果、コストパフォーマンスはおろかメンテナンス性に関しても、以前の大型モビルスーツ以上に劣悪となってしまい、本来コストダウンやメンテナンス性の向上を目指したはずの小型・高性能モビルスーツの存在意義はザンスカール戦争の終結後には失われていく事になった。 |
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| ==== 余談 ==== | | ==== 余談 ==== |
| モビルスーツの核融合炉は原理上破壊しても核爆発を起こすことは無いのだが、ガンダムシリーズではしばしば大爆発を起こす場面が見られる。これは推進剤への引火爆発や『[[機動戦士ガンダムNT]]』でヘリウム3が高圧状態でミノフスキー粒子と結合し、臨界反応を起こすためと設定された。また、『NT』入場者特典のコラムペーパーによれば、サイドひとつを壊滅させる程の大爆発を起こすためには地球圏のミノフスキー粒子発生装置をかき集めても難しいと解説されている。U.C.110年以降の小型MSでは熱核融合炉の仕様が変更された影響でより高エネルギーの爆発が生じる様になっている。 | | モビルスーツの核融合炉は原理上破壊しても核爆発を起こすことは無いのだが、ガンダムシリーズではしばしば大爆発を起こす場面が見られる。これは推進剤への引火爆発や『[[機動戦士ガンダムNT]]』でヘリウム3が高圧状態でミノフスキー粒子と結合し、臨界反応を起こすためと設定された。また、『NT』入場者特典のコラムペーパーによれば、サイドひとつを壊滅させる程の大爆発を起こすためには地球圏のミノフスキー粒子発生装置をかき集めても難しいと解説されている。U.C.110年以降の小型MSでは熱核融合炉の仕様が変更された影響でより高エネルギーの爆発が生じる様になっている。 |
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− | === [[機動武闘伝Gガンダム|未来世紀]]関連 === | + | === [[機動武闘伝Gガンダム|未来世紀]]におけるMS === |
| 元々は作業用として開発されたが、[[スペースコロニー|各国のコロニー]]浮上時の戦乱にて武装されるようになり、第一次カオス戦争にて急速に発展していった。 | | 元々は作業用として開発されたが、[[スペースコロニー|各国のコロニー]]浮上時の戦乱にて武装されるようになり、第一次カオス戦争にて急速に発展していった。 |
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| 通常のモビルスーツは、ガンダムファイト後も民間人や各国の正規軍などが警備用に所持している。主にライフルなどの火器で武装しているが、戦闘能力は各国の技術の粋を集めて作られたモビルファイターには遠く及ばない。 | | 通常のモビルスーツは、ガンダムファイト後も民間人や各国の正規軍などが警備用に所持している。主にライフルなどの火器で武装しているが、戦闘能力は各国の技術の粋を集めて作られたモビルファイターには遠く及ばない。 |
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− | === [[新機動戦記ガンダムW|アフター・コロニー]]関連 === | + | === [[新機動戦記ガンダムW|アフター・コロニー]]におけるMS === |
| 元は[[スペースコロニー]]の開発に利用される作業用動力付き宇宙服の名称で、「'''M'''anipulative '''O'''rder '''B'''uild and '''I'''ndustrial '''L'''abors '''E'''xtended '''Suit'''(建設および工業労働用有腕式拡充型スーツ)」の略称でもある。 | | 元は[[スペースコロニー]]の開発に利用される作業用動力付き宇宙服の名称で、「'''M'''anipulative '''O'''rder '''B'''uild and '''I'''ndustrial '''L'''abors '''E'''xtended '''Suit'''(建設および工業労働用有腕式拡充型スーツ)」の略称でもある。 |
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| 『[[新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop]]』にて、[[火星]]で使用されるモビルスーツを「マーズスーツ」と呼ぶ。 | | 『[[新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop]]』にて、[[火星]]で使用されるモビルスーツを「マーズスーツ」と呼ぶ。 |
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− | === [[機動新世紀ガンダムX|アフター・ウォー]]関連 === | + | === [[機動新世紀ガンダムX|アフター・ウォー]]におけるMS === |
| 詳細な設定はされていないが、操縦システムや武装等は主に宇宙世紀のMSと似た認識となっている場合が多い。 | | 詳細な設定はされていないが、操縦システムや武装等は主に宇宙世紀のMSと似た認識となっている場合が多い。 |
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| また、「[[Gビット|ビットモビルスーツ]]」と呼ばれる無人機も存在しており、[[ニュータイプ (X)|ニュータイプ]]能力者がフラッシュシステムによって[[オールレンジ攻撃|遠隔操作]]を行うというもの。 | | また、「[[Gビット|ビットモビルスーツ]]」と呼ばれる無人機も存在しており、[[ニュータイプ (X)|ニュータイプ]]能力者がフラッシュシステムによって[[オールレンジ攻撃|遠隔操作]]を行うというもの。 |
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− | === [[∀ガンダム (TV)|∀ガンダム]] === | + | === [[∀ガンダム (TV)|正暦]]におけるMS === |
| 全てのガンダムシリーズの遠い未来という設定から、[[地球]]各地の[[マウンテンサイクル]]でどこかで見たようなMSが数多く発掘され、「'''機械人形'''」と呼ばれて用いられている。 | | 全てのガンダムシリーズの遠い未来という設定から、[[地球]]各地の[[マウンテンサイクル]]でどこかで見たようなMSが数多く発掘され、「'''機械人形'''」と呼ばれて用いられている。 |
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| 機体制御にまで用いられる高機能な[[Iフィールド]]や[[ナノマシン]]技術、完全な飛行性能など、他シリーズと比べても技術レベルは非常に高い。ただし、黒歴史時代の頂点に比較すると一部の技術は再現不可能なため退化しており、それらはダウングレードされた状態で使用されている。 | | 機体制御にまで用いられる高機能な[[Iフィールド]]や[[ナノマシン]]技術、完全な飛行性能など、他シリーズと比べても技術レベルは非常に高い。ただし、黒歴史時代の頂点に比較すると一部の技術は再現不可能なため退化しており、それらはダウングレードされた状態で使用されている。 |
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− | === [[コズミック・イラ]]関連 === | + | === [[コズミック・イラ]]におけるMS === |
| [[ジョージ・グレン]]が使用した外骨格補助動力装備の宇宙服が起源とされる。[[ニュートロンジャマー]]の影響で起きる核分裂反応・電磁妨害効果により、有視界戦闘の重要性が増すことを予測して[[ザフト]]によって開発された。 | | [[ジョージ・グレン]]が使用した外骨格補助動力装備の宇宙服が起源とされる。[[ニュートロンジャマー]]の影響で起きる核分裂反応・電磁妨害効果により、有視界戦闘の重要性が増すことを予測して[[ザフト]]によって開発された。 |
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| なお、C.E.世界では、核融合動力の実用化はされていない設定。 | | なお、C.E.世界では、核融合動力の実用化はされていない設定。 |
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− | === [[機動戦士ガンダム00]]関連 === | + | === [[機動戦士ガンダム00|西暦世界]]におけるMS === |
| [[イオリア・シュヘンベルグ]]が提唱する[[軌道エレベーター]]建設の際に考案した大型作業用機械を原型とする。 | | [[イオリア・シュヘンベルグ]]が提唱する[[軌道エレベーター]]建設の際に考案した大型作業用機械を原型とする。 |
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| また、上記の機体よりも運動性に劣る[[人類革新連盟]]の[[ティエレン地上型]]や、ワークローダー(作業用機械)に銃器や大砲等の武装を取り付けただけのアンフ(SRW未登場)等のモビルスーツも存在する。 | | また、上記の機体よりも運動性に劣る[[人類革新連盟]]の[[ティエレン地上型]]や、ワークローダー(作業用機械)に銃器や大砲等の武装を取り付けただけのアンフ(SRW未登場)等のモビルスーツも存在する。 |
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− | なお、『00』の舞台である[[西暦]]の[[世界観|世界]]には、他の[[ガンダムシリーズ]]と異なり水陸両用モビルスーツの概念が存在せず<ref>唯一の例外は、公式[[外伝]]『機動戦士ガンダム00V』(SRW未参戦)に登場するスペルビアジンクス。GNドライヴ搭載機は水中でも問題無く活動可能だが、明確に「水陸両用」と定義されているのはこれのみ。</ref>、水中戦の際には水中戦用モビルアーマーを使用する。
| + | 他の[[ガンダムシリーズ]]と異なり水陸両用モビルスーツの概念が存在せず<ref>唯一の例外は、公式[[外伝]]『機動戦士ガンダム00V』(SRW未参戦)に登場するスペルビアジンクス。GNドライヴ搭載機は水中でも問題無く活動可能だが、明確に「水陸両用」と定義されているのはこれのみ。</ref>、水中戦の際には水中戦用モビルアーマーを使用する。 |
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− | === [[機動戦士ガンダムAGE]] === | + | === [[機動戦士ガンダムAGE|アドバンスド・ジェネレーション]]におけるMS === |
| 「コロニー国家戦争」終結時に、各国家間で兵器、軍事技術に関わるデータは全て破棄、もしくは封印をする「銀の杯条約」が締結された。 | | 「コロニー国家戦争」終結時に、各国家間で兵器、軍事技術に関わるデータは全て破棄、もしくは封印をする「銀の杯条約」が締結された。 |
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| なお、アドバンスド・ジェネレーションの世界ではモビルアーマーの概念が存在しないため、[[シド]]や[[グルドリン]]等の様な人型でないものも「モビルスーツ」と呼称される。 | | なお、アドバンスド・ジェネレーションの世界ではモビルアーマーの概念が存在しないため、[[シド]]や[[グルドリン]]等の様な人型でないものも「モビルスーツ」と呼称される。 |
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− | === [[機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ]] === | + | === [[機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ|ポスト・ディザスター]]におけるMS === |
| 登場する全てのモビルスーツは、約300年前の厄祭戦時に高硬度レアアロイを使用して製造された「フレーム」を元に装甲や武装が組み立てられている。「ガンダム・フレーム」、「グレイズ・フレーム」、「テイワズ・フレーム」、「ヘキサ・フレーム」、「ヴァルキュリア・フレーム」など様々な種類が存在する。 | | 登場する全てのモビルスーツは、約300年前の厄祭戦時に高硬度レアアロイを使用して製造された「フレーム」を元に装甲や武装が組み立てられている。「ガンダム・フレーム」、「グレイズ・フレーム」、「テイワズ・フレーム」、「ヘキサ・フレーム」、「ヴァルキュリア・フレーム」など様々な種類が存在する。 |
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| 機体の動力源にはエイハブ・リアクターが用いられており、さらにビーム兵器に耐性を持つ特殊装甲のナノラミネートアーマーが採用されているため、生半可な攻撃では損傷すらしない。そのため、敵を確実に撃破するには近接打撃攻撃が必須となっている。ゆえに作中のMSはビーム兵器を装備せず、射撃武器は実体弾を放つライフルやバズーカ、近接武器は実体剣や槍、斧、ハンマー等が使われている<ref>ビーム兵器そのものが存在しないわけではない。</ref>。 | | 機体の動力源にはエイハブ・リアクターが用いられており、さらにビーム兵器に耐性を持つ特殊装甲のナノラミネートアーマーが採用されているため、生半可な攻撃では損傷すらしない。そのため、敵を確実に撃破するには近接打撃攻撃が必須となっている。ゆえに作中のMSはビーム兵器を装備せず、射撃武器は実体弾を放つライフルやバズーカ、近接武器は実体剣や槍、斧、ハンマー等が使われている<ref>ビーム兵器そのものが存在しないわけではない。</ref>。 |
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− | なお、シリーズでも比較的珍しい水中戦や水場で動くモビルスーツが全く存在しない作品である。
| + | 『00』同様に水中活動用のモビルスーツは原則存在しない。 |
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| == 関連用語 == | | == 関連用語 == |