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=== 人物 ===
=== 人物 ===
作中における悪役でありながら徹底して温厚な[[性格]]で、ほとんど怒りの感情を見せたことがなく(ごくまれに、怒りに似た表情を見せたことがあるが)、[[ウェンディ・ギャレット]]をして「悪い人には見えない」と言わせたほど。人々の幸福の為に自身の命を差し出すという、ある種の高潔さ、覚悟も持ち合わせている。だが、深く[[信頼]]している新生オリジナル7が次々と死亡しながらも悲しみや怒りの感情を見せず、部下が造反した際には改めて理解し合おうと抱擁して「うっかり」殺害してしまったり、自分が人を殺しても「その人は自分や遺族の心の中で生き続けるのだからそれでいい」と(相手への挑発や、自身の逃避ではなく)本気で考えているなど、常人には理解しがたい常軌を逸した一面を持つ。というのもカギ爪の計画が成功すれば、死んだ人間も全て再構成されて生き返るため(ただし'''カギ爪の男の意識が全ての人間に刷り込まれる'''ため、完全に元通りというわけではない)、自らを含めた今ある全ての命について一切気にかけていないからである。
作中における悪役でありながら徹底して温厚な[[性格]]で、ほとんど怒りの感情を見せたことがなく(ごくまれに、怒りに似た表情を見せたことがあるが)、[[ウェンディ・ギャレット]]をして「悪い人には見えない」と言わせたほど。人々の幸福の為に自身の命を差し出すという、ある種の高潔さ、覚悟も持ち合わせている。だが、深く[[信頼]]している新生オリジナル7が次々と死亡しながらも悲しみや怒りの感情を見せず、部下が造反した際には改めて理解し合おうと抱擁して「うっかり」殺害してしまったり、自分が人を殺しても「その人は自分や遺族の心の中で生き続けるのだからそれでいい」と(相手への挑発や、自身の逃避ではなく)本気で考えているなど、常人には理解しがたい常軌を逸した一面を持つ。というのもカギ爪の計画が成功すれば、死んだ人間も全て再構成されて生き返るため<ref>ただし'''カギ爪の男の意識が全ての人間に刷り込まれる'''ため、完全に元通りというわけではない。</ref>、自らを含めた今ある全ての命について一切気にかけていないからである。
実際には「怒り」や「憎しみ」などの負の感情を失くしてしまったわけではなく、マザーの滅亡や仲間内の殺し合いといった過酷な出来事によるショックから、そのような感情を彼自身が自覚・認識することが出来なくなってしまったという背景がある。生じた負の衝動は最終的に無意識下での爆発と言う形で発露し、相手を殺害するという事態にまでしばしば発展する(右腕のカギ爪がカチャカチャと動くのはその前兆)。だが彼の主観の中では悪意は無く、善意だけで行動しており、それ故に彼の善の部分にのみ触れた人間の多くはその理想に心酔する事になり、その歪んだ本質まで理解している者は少ない。
実際には「怒り」や「憎しみ」などの負の感情を失くしてしまったわけではなく、マザーの滅亡や仲間内の殺し合いといった過酷な出来事によるショックから、そのような感情を彼自身が自覚・認識することが出来なくなってしまったという背景がある。生じた負の衝動は最終的に無意識下での爆発と言う形で発露し、相手を殺害するという事態にまでしばしば発展する(右腕のカギ爪がカチャカチャと動くのはその前兆)。だが彼の主観の中では悪意は無く、善意だけで行動しており、それ故に彼の善の部分にのみ触れた人間の多くはその理想に心酔する事になり、その歪んだ本質まで理解している者は少ない。
前述の通り、無自覚に殺人を犯した上に都合のよい理屈で正当化を行う、謝罪や悲嘆にくれてみせる一方で殺した相手を忘れている、更に人の意思を無視し自分の「夢」以外の「夢」は全て矮小と捉える、「幸せの時」を推し進めるために結果的に多くの不幸の種をばらまいている。というのも彼の主観では「全てが清算(リセット)される計画」が全ての前提にある上に、その際に自身の存在自体は消滅するため、その計画の過程で罪を犯そうが恨みを買おうが、償いと同時に自身への制裁も同時に行われるため、計画さえ遂行できれば自分も被害者も何も問題ない…という理論展開が彼の中ではされて完結している。しかし計画そのものを否定する人々への配慮が全く無く、計画そのものも'''「全人類の幸福」を心の底から願っていながら、「他人に自由を著しく侵害されないという幸福の前提」を見ていない'''という致命的な欠陥も抱えており、結局のところ、自分の理想の為に他人を顧みないで行動する「極度のエゴイスト」といえる。
前述の通り、無自覚に殺人を犯した上に都合のよい理屈で正当化を行う、謝罪や悲嘆にくれてみせる一方で殺した相手を忘れている、更に人の意思を無視し自分の「夢」以外の「夢」は全て矮小と捉える、「幸せの時」を推し進めるために結果的に多くの不幸の種をばらまいている。というのも彼の主観では「全てが清算(リセット)される計画」が全ての前提にある上に、その際に自身の存在自体は消滅するため、その計画の過程で罪を犯そうが恨みを買おうが、償いと同時に自身への制裁も同時に行われるため、計画さえ遂行できれば自分も被害者も何も問題ない…という理論展開が彼の中ではされて完結している。しかし計画そのものを否定する人々への配慮が全く無く、計画そのものも'''「全人類の幸福」を心の底から願っていながら、「他人に自由を著しく侵害されないという幸福の前提」を見ていない'''という致命的な欠陥も抱えており、結局のところ、自分の理想の為に他人を顧みないで行動する「'''極度のエゴイスト'''」といえる。
[[惑星EI|エンドレス・イリュージョン]]での初めての友である医者の手により百年単位の延命治療を受けたが、物語開始時点では既に延命措置が限界に達しており、死期が迫っている。 そのため自らの夢である『幸せの時』計画を遂行しようとするも、ヴァン達によって止められ、先短い命に終止符を打たれた。レイによって'''『夢』を殺され'''、最期はヴァンによって'''自らの『命』を殺される'''、という悪因悪果の末路を辿ることとなったのだった。
[[惑星EI|エンドレス・イリュージョン]]での初めての友である医者の手により百年単位の延命治療を受けたが、物語開始時点では既に延命措置が限界に達しており、死期が迫っている。 そのため自らの夢である『幸せの時』計画を遂行しようとするも、ヴァン達によって止められ、先短い命に終止符を打たれた。レイによって'''『夢』を殺され'''、最期はヴァンによって'''自らの『命』を殺される'''、という悪因悪果の末路を辿ることとなったのだった。