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− 基本的に冷静沈着で、何事においても紳士的に対応出来る大人びた人物。[[ジオン公国軍]]の軍人として活躍していた時期より、パイロットとしてだけでなく指揮官としても優れた能力を発揮するだけでなく、[[ニュータイプ]]としても優れた潜在能力を発揮し、彼の元で戦う者の多くが忠実に従おうとする程の絶大なカリスマも備え、階級も若くして大佐の地位にまで上り詰めている。+
− 一方で、当時は自らの悲願であった「父を奪った[[ザビ家]]への復讐」の為ならば、手段を選ばず、例え親友として本心から気の許せる存在であった[[ガルマ・ザビ]]であっても「復讐」の対象の一人として謀殺する等、狡猾さや冷徹さを見せる事もあった<ref>復讐の最初の対象としてガルマに矛先を向けたのは、本当に友情を感じていた彼を殺せない事で、復讐心を失う事を恐れたのも理由の一つとなっている。</ref>。しかし、決して人の心を失っていた訳では無く、実際にザビ家の血を引いていながらも、まだ幼かった[[ドズル・ザビ]]の遺児である[[ミネバ・ラオ・ザビ]]の事は手に掛けようとせず、むしろ彼女が一人の少女として幸せになる事を願っていた程で、それ故に[[ハマーン・カーン]]の傀儡として利用されている姿を目の当たりにした際は、普段とは打って変わって激昂し、冷静さを失っていた程。+
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− しかし、ジンバから父がザビ家に暗殺された事を聞かされたキャスバルは、復讐を誓って家出し、ザビ家に近づく為に「'''シャア・アズナブル'''」を名乗ってジオン軍に入隊する。士官学校ではザビ家四男のガルマと同期となり次席で卒業したシャアは、やがて学友に譲られたマスクを被り、モビルスーツの操縦技術において高い能力を発揮。一年戦争の開戦初期の戦いであるルウム戦役では、赤く塗装された[[ザク|ザクII]]を駆って「通常のザクの3倍」とされる機動力を披露<ref>[[シャア専用ザク|専用のザク]]は「通常の3倍の速度」とパーソナルカラーの「赤」から、「赤い物は通常の物の3倍の性能」とされる。パーソナルカラーは赤だが、胴部分のみ赤で他はピンクに近い。</ref>し、'''5隻の戦艦を撃沈'''せしめる獅子奮迅の戦果を挙げる。二階級特進によって少佐へと昇進したシャアは、高速機動を重視したその戦術と功績、そして登場した機体の色から「'''赤い彗星'''」の異名をに至った。+
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− ジャブロー戦後は再び宇宙へと上がるも、次第にニュータイプとしての覚醒の兆しを見せ始めたアムロを相手に苦戦を強いられる事になり、[[ソロモン]]攻防戦後の対決では、アムロのガンダムによって討たれる寸前となったが、それを庇ったララァが命を落とす事になり、彼女を失った事が双方の人生を狂わせてしまった。[[ア・バオア・クー]]への撤退後は、ニュータイプ専用の新型[[モビルアーマー]]であるジオングに搭乗。一年戦争におけるアムロとの最後の死闘を演じるが、ア・バオア・クー内での生身の対決の中でアルテイシアが姿を現し、復讐に生きるのを止めて欲しいと説得される。しかし、シャアはその場を去って、逃亡を図ったキシリアをバズーカで殺害。[[グワジン|グワジン級戦艦]]に乗り込み、戦場から去るのだった。+
→概要: 修正します
<!-- 彼自身が創作キャラクターとして大人気なので、経歴や考察に関する事は様々なメディアで発表されている。ここでは'''必要最小限'''の記述に止める。 -->
<!-- 彼自身が創作キャラクターとして大人気なので、経歴や考察に関する事は様々なメディアで発表されている。ここでは'''必要最小限'''の記述に止める。 -->
==概要==
==概要==
「'''[[赤い彗星]]'''」の異名を持つ、[[一年戦争]]時より活躍し続け、生きた伝説と化した誰もが知るエースパイロット。
「'''[[赤い彗星]]'''」の異名を持つ、[[一年戦争]]時より[[ジオン公国軍]]で活躍し続け、生きた伝説と化したエースパイロット。
一年戦争後は'''クワトロ・バジーナ'''を名乗ってエゥーゴの指導者として[[グリプス戦役]]で活躍し、その後は[[ネオ・ジオン]]の総帥となって[[第2次ネオ・ジオン抗争]]を引き起こし、自らの最大の宿敵・[[アムロ・レイ]]との壮絶な戦いを繰り広げる。
一年戦争後は'''クワトロ・バジーナ'''を名乗って[[エゥーゴ]]の指導者として[[グリプス戦役]]で活躍し、その後は[[ネオ・ジオン]]の総帥となって[[第2次ネオ・ジオン抗争]]を引き起こし、自らの最大の宿敵・[[アムロ・レイ]]との壮絶な戦いを繰り広げる。
その正体は、かつて[[スペースノイド]]の解放を説いたジオン・ズム・ダイクンの長男で、本名は'''キャスバル・レム・ダイクン'''。
その正体は、かつて[[スペースノイド]]の解放を説いたジオン・ズム・ダイクンの長男で、本名は'''キャスバル・レム・ダイクン'''。
スペースノイド独立運動の指導者であるジオン・ズム・ダイクンの長男として生まれた。妹は[[セイラ・マス|アルテイシア・ソム・ダイクン]]。
スペースノイド独立運動の指導者であるジオン・ズム・ダイクンの長男として生まれた。妹は[[セイラ・マス|アルテイシア・ソム・ダイクン]]。
基本的に冷静沈着で、何事においても紳士的に対応出来る大人びた人物。ジオン公国軍軍人として活躍していた時期より、パイロットとしての操縦技能だけでなく指揮官としても高い状況判断能力を持ち合わせ、[[ニュータイプ]]としても優れた潜在能力を発揮し、彼の元で戦う者の多くが忠実に従おうとする程の絶大な人望も備える等、非の打ち所の無い程のカリスマ的存在である。軍人としても階級も若くして大佐の地位にまで上り詰めている。
一方で、ジオン公国軍に所属していた当時は、自らの悲願であった「父を奪った[[ザビ家]]への復讐」の為ならば手段を選ばず、例え親友として本心から気の許せる存在であった[[ガルマ・ザビ]]であっても「復讐」の対象の一人として謀殺する等、狡猾さや冷徹さを見せる事もあった<ref>復讐の最初の対象としてガルマに矛先を向けたのは、本当に友情を感じていた彼を殺せない事で、復讐心を失う事を恐れたのも理由の一つとなっている。</ref>。しかし、決して人の心を失っていた訳では無く、実際にザビ家の血を引いていながらも、まだ幼かった[[ドズル・ザビ]]の遺児である[[ミネバ・ラオ・ザビ]]に対しては、手に掛けようとしないどころか、むしろ彼女が一人の少女として幸せになる事を願っており、それ故に[[ハマーン・カーン]]の傀儡として利用されている姿を目の当たりにした際は、普段とは打って変わって激昂し、冷静さを失っていた程。
あらゆる面で優れた能力を持っていた反面、その内側には精神的な脆さも秘めており、幼い頃より政治闘争に翻弄され続け、両親からの満足な愛情を得られなかった結果、母性的愛情や安らぎに飢えている孤独な苦悩も抱え込んでおり、[[ララァ・スン]]を覗いてその哀しい本質に気付き理解する事が出来た者は、遂に誰もいなかった。そしてララァを失い、次第にニュータイプとしての片鱗を見せ始めたシャアは、自らの心の穴を埋めるかの様に、「'''ニュータイプによる人類の革新'''」という理想を求める様になる。
あらゆる面で優れた能力を持っていた反面、その内側には精神的な脆さも秘めており、幼い頃より政治闘争に翻弄され続け、両親からの満足な愛情を得られなかった結果、母性的愛情や安らぎに飢えている孤独な苦悩も抱え込んでおり、[[ララァ・スン]]を覗いてその哀しい本質に気付き理解する事が出来た者は、遂に誰もいなかった。そしてララァを失い、次第にニュータイプとしての片鱗を見せ始めたシャアは、自らの心の穴を埋めるかの様に、「'''ニュータイプによる人類の革新'''」という独自の理想を求める様になる。
また、ジオン・ズム・ダイクンの息子であるのを理由に周囲から一方的に期待を押し付けられる重圧には、内心「一人の人間」として扱って欲しいと願っていたシャアにとって、精神的に大きな苦痛となっていた。『[[機動戦士Ζガンダム|Ζガンダム]]』では、コロニー内でMS戦をしでかして警察に連行されたり、自販機でコーラを買って飲んだり、「嫁さんも貰えない」と自嘲していたり(引く手数多だが)と、1stや[[CCA]]での姿からは想像できない行動もしており、劇場版では更に自分の分のケーキがないかと気にしたり、[[エマ・シーン]]を口説こうとするヘンケンを羨ましがったりもしている。ヘタレ呼ばわりされがちなΖ時代の彼だが、これこそが「シャア・アズナブル」の仮面を脱いで「パイロットだけをやっている」、素のキャスバルの姿だったのかも知れない。
また、ジオン・ズム・ダイクンの息子であるのを理由に周囲から一方的に期待を押し付けられる重圧には、内心「一人の人間」として扱って欲しいと願っていたシャアにとって、精神的に大きな苦痛となっていた。『[[機動戦士Ζガンダム|Ζガンダム]]』では、コロニー内でMS戦をしでかして警察に連行されたり、自販機でコーラを買って飲んだり、「嫁さんも貰えない」と自嘲していたり(引く手数多だが)と、1stや[[CCA]]での姿からは想像できない行動もしており、劇場版では更に自分の分のケーキがないかと気にしたり、[[エマ・シーン]]を口説こうとするヘンケンを羨ましがったりもしている。ヘタレ呼ばわりされがちなΖ時代の彼だが、これこそが「シャア・アズナブル」の仮面を脱いで「パイロットだけをやっている」、素のキャスバルの姿だったのかも知れない。
ジオン・ズム・ダイクンの長男として生まれたキャスバルは、妹・アルテイシアや母・トアと共に穏やかに暮らしていたが、ある日突然、父・ジオンが病死。ザビ家によって命が危険に晒された結果、父の理解者であったジンバ・ラル([[ランバ・ラル]]の父)に庇護され、彼の手引き[[地球]]に逃れた後は、マス家の養子「'''エドワウ・マス'''」として育つ。
ジオン・ズム・ダイクンの長男として生まれたキャスバルは、妹・アルテイシアや母・トアと共に穏やかに暮らしていたが、ある日突然、父・ジオンが病死。ザビ家によって命が危険に晒された結果、父の理解者であったジンバ・ラル([[ランバ・ラル]]の父)に庇護され、彼の手引き[[地球]]に逃れた後は、マス家の養子「'''エドワウ・マス'''」として育つ。
しかし、ジンバから「父がザビ家に暗殺された」と聞かされていたキャスバルは、復讐を誓って家出し、ザビ家に近づく為に「'''シャア・アズナブル'''」を名乗ってジオン軍に入隊する。士官学校ではザビ家四男のガルマと同期となり次席で卒業したシャアは、やがて学友に譲られたマスクを被り、モビルスーツの操縦技術において高い能力を発揮。一年戦争の開戦初期の戦いであるルウム戦役では、赤く塗装された[[ザク|ザクII]]を駆って「通常のザクの3倍」とされる機動力を披露<ref>[[シャア専用ザク|専用のザク]]は「通常の3倍の速度」とパーソナルカラーの「赤」から、「赤い物は通常の物の3倍の性能」とされる。パーソナルカラーは赤だが、胴部分のみ赤で他はピンクに近い。</ref>し、'''5隻の戦艦を撃沈'''せしめる獅子奮迅の戦果を挙げる。二階級特進によって少佐へと昇進したシャアは、高速機動を重視したその戦術と功績、そして搭乗した機体の色が「赤」であった事から「'''赤い彗星 シャア・アズナブル'''」の異名を得るまでに至った。
==== [[機動戦士ガンダム]] ====
==== [[機動戦士ガンダム]] ====
[[サイド7]]のコロニーにて、「[[V作戦]]」を発動させた[[地球連邦軍]]が新型のモビルスーツを開発している情報を掴みコロニーに潜入するも、図らずも、この行動が[[セイラ・マス]]を名乗っていた妹・アルテイシアと再会してしまう事態となる。
[[サイド7]]のコロニーにて、「[[V作戦]]」を発動させた[[地球連邦軍]]が新型のモビルスーツを開発している情報を掴みコロニーに潜入するも、図らずもこの行動が「[[セイラ・マス]]」を名乗っていた妹・アルテイシアと再会してしまう事態となる。
その後はコロニーから脱出した[[ホワイトベース]]を追跡しつつ、人生最大の[[ライバル]]となっていくアムロの駆る[[ガンダム|RX-78ガンダム]]を相手に、搭乗しているモビルスーツを何度も乗り換え、戦場が[[宇宙]]・地球へと移動しつつ幾度も対決する。一方、復讐の最初の対象として親友であったガルマを謀殺。彼を守れなかった責任で左遷される事になるが、そんな中で、ニュータイプとして高い素養を持つ少女・ララァと出会う事になり、心を通わせた事で彼女を自らの元に置く事になる。その後、[[キシリア・ザビ]]の手引きで戦線に復帰したシャアは、再び[[ホワイトベース]]を追跡して、地球連邦軍の総司令部である[[ジャブロー]]の所在を突き止める戦果を挙げる事になった。
その後はコロニーから脱出した[[ホワイトベース]]を追跡しつつ、人生最大の[[ライバル]]となっていくアムロの駆る[[ガンダム|RX-78ガンダム]]を相手に、搭乗しているモビルスーツを何度も乗り換え、戦場が[[宇宙]]・地球へと移動しつつ幾度も対決する。一方、復讐の最初の対象として親友であったガルマを謀殺。彼を守れなかった責任で左遷される事になるが、そんな中で、ニュータイプとして高い素養を持つ少女・ララァと出会う事になり、心を通わせた事で彼女を自らの手元に置く事になる。その後、[[キシリア・ザビ]]の手引きで戦線に復帰したシャアは、再び[[ホワイトベース]]を追跡して、地球連邦軍の総司令部である[[ジャブロー]]の所在を突き止める成果を挙げる事になり、自らも[[ズゴック]]でジャブロー内部に潜入し、アムロと対決するも、決着はつかなかった。
ジャブロー戦後は再び宇宙へと上がり、新たに最新鋭の量産モビルスーツである[[ゲルググ]]を乗機とするも、次第にニュータイプとしての覚醒の兆しを見せ始めたアムロを相手に苦戦を強いられる事になり、[[ソロモン]]攻防戦後の対決では、アムロのガンダムによって討たれる寸前となったが、それを[[エルメス]]で庇ったララァが命を落とす事になり、彼女を失った事が双方の人生を狂わせてしまった。[[ア・バオア・クー]]への撤退後は、ニュータイプ専用の新型[[モビルアーマー]]である[[ジオング]]に搭乗。一年戦争におけるアムロとの最後の死闘を演じるが、モビルスーツ戦ではほぼ相打ちで終わり、ア・バオア・クー内での生身の対決の中でアルテイシアが姿を現し、復讐に生きるのを止めて欲しいと説得される。しかし、シャアはその場を去り、ザビ家への最後の復讐として逃亡を図ったキシリアをバズーカで殺害。[[グワジン|グワジン級戦艦]]に乗り込み、戦場から去るのだった。
登場したガンダムシリーズの作品の中でも、最もモビルスーツの乗り換えが多く、[[シャア専用ザク|ザクII(指揮官仕様)]]、[[シャア専用ズゴック|ズゴック]]、[[シャア専用ゲルググ|ゲルググ]]、ジオングと実に4機ものモビルスーツ、モビルアーマーに搭乗している。
登場したガンダムシリーズの作品の中でも、最もモビルスーツの乗り換えが多く、[[シャア専用ザク|ザクII(指揮官仕様)]]、[[シャア専用ズゴック|ズゴック]]、[[シャア専用ゲルググ|ゲルググ]]、ジオングと実に4機ものモビルスーツ、モビルアーマーに搭乗している。