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332 バイト追加 、 2020年9月16日 (水) 09:12
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元は生粋の軍人ではなく、木星と[[地球]]の間を航行する超大型輸送艦[[ジュピトリス]]の艦長として資源採掘の職務に就いていた[[地球連邦政府]]の官僚だった。
 
元は生粋の軍人ではなく、木星と[[地球]]の間を航行する超大型輸送艦[[ジュピトリス]]の艦長として資源採掘の職務に就いていた[[地球連邦政府]]の官僚だった。
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[[ガンダムシリーズ]]全体の登場人物の中でも指折りの[[天才]]で、苛酷な木星の環境を生きてきた影響で[[ニュータイプ]]としても高い素養の持ち主となっている。モビルスーツのパイロットとしての技量も、[[カミーユ・ビダン]]や[[クワトロ・バジーナ]]、[[ハマーン・カーン]]といったエース達をも凌駕し、更にはオリジナルのモビルスーツを設計する技術と頭脳も合わせ持ち、察力やカリスマ性から戦略家や政治家としても優れ、おまけにハンサムなルックスから女性にも強いという、正に弱点の無い万能なキャラクターであると言える。しかし、そのあまりにも優れた才能故に、自惚れの強いナルシストでもあり、自分以外の他人…特に「凡人」に対しては見下す事を隠そうともしない傲慢さの持ち主。[[サラ・ザビアロフ]]を始めとする彼を慕う女性以外でその考えを理解・共感し従おうとする存在は皆無に等しく、それが思わぬ足枷となってしまう事さえある。しかも劇場版においては、シロッコに引かれていた[[レコア・ロンド]]にも「権力を手にしたら女はいらなくなる」と陰口を叩かれて、命を落とし魂だけとなった[[カツ・コバヤシ]]からも「誰にも心を開こうとしない」と評されてしまっている。
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[[ガンダムシリーズ]]全体の登場人物の中でも指折りの[[天才]]で、苛酷な木星の環境を生きてきた影響で[[ニュータイプ]]としても高い素養の持ち主となっている。モビルスーツのパイロットとしての技量も、[[カミーユ・ビダン]]や[[クワトロ・バジーナ]]、[[ハマーン・カーン]]といったエース達をも凌駕し、更にはオリジナルのモビルスーツを設計する技術と頭脳も合わせ持ち、察力やカリスマ性から戦略家や政治家としても優れ、おまけにハンサムなルックスから女性にも強いという、正に弱点の無い万能なキャラクターであると言える。
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しかし、そのあまりにも優れた才能故に、極度なまでに自惚れの強いナルシストでもあり、自分以外の他人…特に「凡人」に対しては見下す事を隠そうともしない傲慢さの持ち主。[[サラ・ザビアロフ]]を始めとする彼を慕う女性以外でその考えを理解・共感し従おうとする存在は皆無に等しく、それが思わぬ足枷となってしまう事さえある。しかも劇場版においては、シロッコに引かれていた[[レコア・ロンド]]にも「権力を手にしたら女はいらなくなる」と陰口を叩かれて、命を落とし魂だけとなった[[カツ・コバヤシ]]からも「誰にも心を開こうとしない」と評されてしまっている。
    
ティターンズに入った真の目的は、ティターンズそのものの実権を手にする事にあり、一握りの天才による人類の変革の為、地球圏を自らの理想通りの形で支配する事を目論んでいた。当然、ジャミトフを始めとするティターンズの者達も、自らの目的の為に利用する為の存在に過ぎないのだが、意外にもジャミトフの思想の真理については理解を示しており、[[マウアー・ファラオ]]との会話でも、ジャミトフがティターンズを設立したのは「戦争を起こして地球の経済を窮地に追い込み、地球上の人間を減らしていく」という目論見があったのを的確に見抜いていた。シロッコはこのジャミトフの手段を利用して地球から人類の間引きを行った後、地球の支配権を自らの手に収めようとしていたのである。
 
ティターンズに入った真の目的は、ティターンズそのものの実権を手にする事にあり、一握りの天才による人類の変革の為、地球圏を自らの理想通りの形で支配する事を目論んでいた。当然、ジャミトフを始めとするティターンズの者達も、自らの目的の為に利用する為の存在に過ぎないのだが、意外にもジャミトフの思想の真理については理解を示しており、[[マウアー・ファラオ]]との会話でも、ジャミトフがティターンズを設立したのは「戦争を起こして地球の経済を窮地に追い込み、地球上の人間を減らしていく」という目論見があったのを的確に見抜いていた。シロッコはこのジャミトフの手段を利用して地球から人類の間引きを行った後、地球の支配権を自らの手に収めようとしていたのである。
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シロッコは自らの理想として、「'''女性による世界の統治'''」を掲げて、自らは傍観者に過ぎないと多くの人間に公言しており、後の宇宙戦国時代と評される宇宙世紀0152年では、シロッコと同じく木星帰りである[[フォンセ・カガチ]]が[[マリア・ピァ・アーモニア]]を擁立する形で「男性を中心とする社会こそが争いの源で、それを払拭すべく女系社会に回帰させる」という「マリア主義」が唱えられ、シロッコもこれに近い思想を広めようとしていた可能性が高い。
 
シロッコは自らの理想として、「'''女性による世界の統治'''」を掲げて、自らは傍観者に過ぎないと多くの人間に公言しており、後の宇宙戦国時代と評される宇宙世紀0152年では、シロッコと同じく木星帰りである[[フォンセ・カガチ]]が[[マリア・ピァ・アーモニア]]を擁立する形で「男性を中心とする社会こそが争いの源で、それを払拭すべく女系社会に回帰させる」という「マリア主義」が唱えられ、シロッコもこれに近い思想を広めようとしていた可能性が高い。
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一方で自らを天才(世界の支配権を握る人間)と称した本音とも取れる言動との間に矛盾があり、劇中でも多くのキャラクターにその思想はただの建前にすぎないのではないかと推測されている。事実、自分の理想通りの優秀な女性の指導者だったハマーンに対しては、組織が違うとはいえ自分の思い通りには出来そうにない事から、「排除すべき存在」としたり、様々な暗躍をし権力を得ようとした背景から、本心は不明なものの'''「自らの意のままに働く女性を前に立て、自分は黒幕として裏から支配しつつ木星という僻地で持て余していた才能を存分に発揮する」'''というのが本当の目的であったのではないかと想像されている。
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一方で自らを天才(世界の支配権を握る人間)と称した本音とも取れる言動との間に矛盾があり、劇中でも多くの人物にその思想はただの建前にすぎないのではないかと推測されている。事実、自分の理想通りの優秀な女性の指導者だったハマーンに対しては、組織が違うとはいえ自分の思い通りには出来そうにない事から、「排除すべき存在」としたり、様々な暗躍をし権力を得ようとした背景から、本心は不明なものの'''「自らの意のままに働く女性を前に立て、自分は黒幕として裏から支配しつつ木星という僻地で持て余していた才能を存分に発揮する」'''というのが本当の目的であったのではないかと想像されている。
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また、自らを慕う女性達に対しても、「表面的」には愛情を持っているかのように接しながら、サラにはグラナダでアーガマを始末する為だけに自らも命を落としかけない危険な爆破テロを実行させようとしたり、レコアに対してもバスクのコロニーへの毒ガス注入の命令を下された際に止めようともしなかった等、実際は自らの意のままに従ってくれる有益な駒として見ていたと思われる部分もあり、劇場版でのレコアの独り言やカツの魂のシロッコへの評価からも、その事を伺わせている。
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また、自らを慕う女性達に対しても、「表面的」には愛情を持っているかのように接しながら、サラにはグラナダでアーガマを始末する為だけに自らも命を落としかけない危険な爆破テロを実行させようとしたり、レコアに対してもバスクのコロニーへの毒ガス注入の命令を下された際に止めようともしない等、実際は「自らの意のままに従ってくれる有益な駒として見ていない」と思われる部分もあり、劇場版でのレコアの独り言やカツの魂のシロッコへの評価からも、その事を伺わせている。
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しかし、優れた才能を持ち一見すれば完璧な人物に見えながらも、自らの価値観や美学に沿わない者は徹底的に認めないどころか、むしろ排除する事しか考えられなかったというある種の「幼い」とも言えるシロッコの本質は、多くの反感を招くだけとなり、結局の所それは自らが否定していた「重力に魂を引かれた者」と何ら変わりが無かった<ref>この点に関しては、自らが「ニュータイプのなり損ない」と見下し、自分の影響力を利用しようとしている者達を俗物と見なしながらもあえて利用していったシャアの方が「大人」として優れていたとも言える。</ref>。更に指導者であるジャミトフを暗殺して組織の実権を握ろうという早まった行動に出た結果、逆に裏目に出てしまう「失敗」を繰り返し、最後には自らの元にいた人間達の魂にまで見放されてしまう結果となったのは、皮肉すぎる結末だった。
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しかし、優れた才能を持ち一見すれば完璧な人物に見えながらも、自らの価値観や美学に沿わない者は徹底的に認めないどころか、むしろ排除する事しか考えられなかったというある種の「幼い」とも言えるシロッコの本質は、多くの反感を招くだけとなり、結局の所それは自らが否定していた「重力に魂を引かれた者」と何ら変わりが無かった<ref>この点に関しては、自らが「ニュータイプのなり損ない」と見下し、自分の影響力を利用しようとしている者達を俗物と見なしながらもあえて利用していったシャアの方が「大人」として優れていたとも言える。</ref>。更にエゥーゴやアクシズとの三つ巴になり得る危機的な状況下で指導者のジャミトフを暗殺して組織の実権を握ろうという早まった行動に出た結果、逆に裏目に出てしまうという文字通り「策士策に溺れる」という事態を招き、最後には自らの元にいた人間達の魂にまで見放されてしまい、自滅同然で死亡するに至ったのは、皮肉と言わざるを得ない(劇場版では最後にカミーユの精神を道連れにすら出来ず、乗艦のジュピトリスの方を巻き添えにしてしまった為、猶更である)。
    
== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==

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