差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
4,729 バイト追加 、 2020年9月8日 (火) 01:39
編集の要約なし
19行目: 19行目:     
== 概要 ==
 
== 概要 ==
[[テンカワ・アキト]]専用機。その正体は増加装甲を纏った[[エステバリス|エステバリス・アキト機]](このアキト機はTV版アキト機の改造機)である。
+
[[テンカワ・アキト]]専用機。漆黒のボディに悪魔や恐竜を想起させる禍々しい外見をしているが、その正体は増加装甲を纏った[[エステバリス|エステバリス・アキト機]]である。開発にはエステバリスを開発した[[ネルガル重工]]が関わっているが、ネルガル側では本機や搭乗して破壊工作を行っているアキトとの関係を徹底的に否定している。
   −
一対多を想定し重装甲、高機動を実現した機体ではあるが、その分武装は少ない。尻尾状のテールバインダーはマジックハンドになっており、先端にはアンカークローを有している。パイロットが[[A級ジャンパー]]であるため、[[月]]~[[火星]]レベルの長距離[[ボソンジャンプ]]が可能。
+
基本的に母艦から離れて単独で行動し一対多での戦闘を想定した結果、重装甲、高機動の両立を実現した機体ではあるが、その分武装は両腕部に一丁ずつ装備したハンドガンのみと非常に少ない。ただし、[[ディストーションフィールド]]を纏った状態での質量を生かした超高速での突撃は、強大な破壊力を発揮する。両肩部分のアーマーには高出力のノズルが内蔵され、脚部のアーマーその物が高出力のスラスターになっており、これらと重力波放射器との組み合わせによって、鈍重そうな外見からは想像もつかない程の機動力や運動性を獲得するに至っているが、代償として機体に相当な負荷が掛かってしまう為、増加装甲には機体の剛性を高める為の役目も兼ねている。ウイングバインダーによる長時間の単独飛行だけでなく、脚部のスラスターによるホバー走行も可能であるのだが、歩行による移動は不可能となっている。尻尾状のテールバインダーはマジックハンドになっており、先端にはアンカークローを有している。ちなみに実は背部の装甲がかなり薄く、アーマーを装着しているエステバリス・アキト機の重力波アンテナが飛び出している。
   −
そもそもは「エステバリス・テンカワSPL」という、[[蜥蜴戦争]]時にアキトが使用していたエステバリスを改造した実験機であり、[[アルストロメリア]]のプロトタイプにあたる機体である。この機体のデータにより、ジンタイプよりもさらに小型の機動兵器でもボソンジャンプが可能と判明し、役目を終えたSPLはネルガルの会長室経由でアキトの手に渡った。
+
なお、本機の開発は全てがあらかじめ設計されていた物ではなく、幾多の戦闘を経て損傷と現地改造を重ねて無理矢理性能を向上させた形によるもので、改造に使用されたパーツは、既製品を利用したハンドメイドの物やネルガルで開発された試験機の部品も使用されている。その結果、ブラックサレナの外見はエステバリスの改造機である事が判別出来ないまでに変容していき、コンセプトもまた、本来のエステバリスからは完全に設計思想が反する邪道な物となっている。また、本機の改造に使用された部品を以前に利用していたと思われる、ネルガル重工で開発された「装甲強化型エステバリス」もまた、外見だけでなく、武装にハンドガンを一丁装備し、高機動の活動時における母艦からの重力波照射が追い付かないのに対応してジェネレーターが外付けされている等、ブラックサレナと共通している部分が幾つかあったのだが、やはり一部の技術者からは「エステバリスの設計思想に反する物」として強い反発を受けていたとされている。
   −
しかし、高性能試作機とはいえ元が旧型の上、相手は最新スペックの[[夜天光]]+[[六連]]×6では勝ち目があるはずもなく大破(敗れたアキトが生還できたのも単に彼がA級ジャンパーだったからにすぎない)。これを受けたネルガル側は、対多数戦闘をコンセプトに強化改造を行い、外付けの装備や追加アーマーを実装。これが「ブラックサレナ」である。ちなみにロールアウト当初の武装が、実弾兵器を満載し、落ちた機動力を補うため燃料系スラスターと重力推進を併用した重火力型(ストライカータイプ、S型)である。
+
このような仕様の為に、機動力と推進力、装甲はズバ抜けているのだが、肝心の火力が通常のエステバリス以下と非常に低い。徹底的に対北辰衆に特化した機体である為、大軍が相手だと素の状態では不利となっている。
   −
このS型は拠点強襲には多大な効果を発揮したものの、一番の本命であった夜天光には相性の悪さ(機動力特化の白兵型と火力特化の重装甲では歴然である)が祟り、やはりボロ負けを喫する。そこで、重装甲を維持しつつ機動力を確保するため、スラスターを肩に追加して脚部そのものもスラスターに換装、ハンドビームガンを装備する両手では武器が使えないためテールバインダーにマジックハンドの機能を持たせ、増加した推力に機体を耐えさせるため、エステバリスの四肢を固定することで剛性を高めた重装甲型(アーマード、A1型)へと改造された(余談だがS型とA型はカードゲーム『クルセイド』で初めて色つきイラスト化された)。
+
=== 強化装備形態 ===
 +
;[[高機動型ブラックサレナ]]
 +
:「'''高機動ユニット'''」と呼ばれる外装ユニットを装備した状態。大型の戦闘機の様な形状となり、機動力が大幅に向上するだけでなく、[[ボソンジャンプ]]のシステムが搭載されている事で[[月]]~[[火星]]レベルの長距離ボソンジャンプも可能となっている。ただし、ブラックサレナの基本フレームにはCC(チューリップクリスタル)が使用され、搭乗者のアキトも[[A級ジャンパー]]である為に、やろうと思えば高機動ユニットを用いずともブラックサレナ単体でのボソンジャンプも可能なのだが、フレームへの影響が懸念される事から、あくまで緊急用とされている<ref>劇中冒頭のシラヒメ襲撃後にブラックサレナの単独でジャンプを行っている。</ref>。
 +
:また、高機動ユニットは基本的に使い捨ての仕様となっている為、機密保持の目的で爆弾が内蔵されており、これを利用する事で攻撃手段にも転用可能<ref>劇中では、[[スバル・リョーコ]]率いる「ライオンズシックル隊」に所属する[[エステバリスII]]が、高機動ユニットの爆発に巻き込まれて大破している(パイロットは脱出している)。</ref>。
 +
 
 +
=== 機体の変遷 ===
 +
そもそもブラックサレナはの核となったエステバリスは、[[蜥蜴戦争]]時にアキトが使用していた機体を改造した物である実験機で、「'''エステバリス・テンカワSPL'''」という名称で呼ばれ、後にネルガルが社の復権をかけて開発する事になる次世代機・[[アルストロメリア]]のプロトタイプとなっている。この機体の実戦データにより、[[ジンシリーズ]]よりも更に小型の機動兵器でもボソンジャンプが可能である事実が判明し、役目を終えたSPLはネルガルの会長室経由でアキトの手に渡った。重力波アンテナは折り畳み式に変更され、改造の末に、脚部のローラーユニットやワイヤードフィストの機能はオミットされているが、単独での戦闘をこなす為に基本性能に関しては従来のエステバリスよりも高くなっている。しかし、高性能試作機とはいえ元が旧型の上、相手は最新鋭の機体である[[夜天光]]+[[六連]]×6では勝ち目があるはずもなく大破(敗れたアキトが生還できたのも単に彼がA級ジャンパーだったからにすぎない)。これを受けたネルガル側は、対多数戦闘をコンセプトに強化改造を行い、外付けの装備や追加アーマーを実装。この結果、誕生したのが「ブラックサレナ」である。
 +
 
 +
ロールアウトの当初は、大型ミサイルや130㎜カノン砲といった実弾兵器を満載し、落ちた機動力を補う為に燃料系スラスターと重力推進を併用した重火力型で「'''S型(ストライカータイプ)'''」と呼称されていた。このS型は拠点強襲には多大な効果を発揮したものの、一番の本命であった夜天光には相性の悪さ(機動力特化の白兵型と火力特化の重装甲では歴然である)が祟り、やはりボロ負けを喫する。
   −
ここからさらに装甲を高めたのが、劇中に登場した機体(A2型)である。ちなみに実は背部の装甲がかなり薄く、SPLの重力波アンテナが飛び出している。さらにジャンプ装置は高機動ユニットの方にあり、サレナ本体には搭載されていないので単独では基本的にジャンプ不能<ref>ただし、劇中冒頭のシラヒメ襲撃後に単独でジャンプを行っている。</ref>(基本フレームにチューリップクリスタルが使用されているため、ブラックサレナ単独のジャンプも一応可能だが、フレームへの影響が懸念されるためあくまで緊急用とされる)。
+
ここからさらに装甲を高めたのが、劇中に登場した機体(A2型)である。
 +
その後、重火力だけでは勝てないと判断された結果、重装甲を維持しつつ高い機動力を確保する為に、S型で脚部に備えていたスラスターを肩部に移植し、脚部のアーマーその物も高出力のスラスターに換装。武装はハンドビームガンのみに絞り、腕部がそれによって塞がれる為、新たにマジックハンドの機能を持たせたテールバインダーが取り付けられている。また、増加した推力に機体を耐えさせる為、エステバリスの四肢を固定する事で剛性を高めた「'''A1型(アーマードタイプ)'''」へと改造された。
   −
このような仕様のため、機動力と推進力、装甲はズバ抜けているのだが、肝心の火力が通常のエステバリス以下と非常に低い。徹底的に対北辰衆に特化した機体であるため、大軍が相手だと素の状態では不利。
+
A1型から更に装甲を高めたのが、劇中に登場した機体「'''A2型(アーマードタイプ2)'''」である。また、A2型からは新たに「高機動ユニット」が装着される様になり、この高機動ユニットにもミサイルポッドやビームキャノンを装備した「'''重武装タイプ'''」や大気圏内での飛行を想定した「'''エアロタイプ'''」、機種先端部分に削岩ドリルやレーザー掘削機が取り付けられた「'''モールタイプ'''」といった様々なバリエーションが存在する。
   −
=== 強化装備形態 ===
+
ブラックサレナのバリエーションに関しては映像化されていないが、『クルセイド』で初めて色つきイラスト化されている。
;[[高機動型ブラックサレナ]]
  −
:高機動ユニットを装備した状態。
      
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
匿名利用者

案内メニュー