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| :責任感に欠けた行動を取った部下を叱責するのは上官として当然だが、地球軍に対し半ば一方的な虐殺を行った事を指摘せず、具体性に欠けた叱責だった事に加え元々アスランに反感を抱き、助けた民間人に感謝され得意気になっていたシンには、叱責された意味が理解出来ず、逆に反発されてしまった。アスラン自身、自らの言葉に何か思うことがあったのか、『THE EDGE』では、自分達の行動を「ヒーローごっこ」と自嘲していた。 | | :責任感に欠けた行動を取った部下を叱責するのは上官として当然だが、地球軍に対し半ば一方的な虐殺を行った事を指摘せず、具体性に欠けた叱責だった事に加え元々アスランに反感を抱き、助けた民間人に感謝され得意気になっていたシンには、叱責された意味が理解出来ず、逆に反発されてしまった。アスラン自身、自らの言葉に何か思うことがあったのか、『THE EDGE』では、自分達の行動を「ヒーローごっこ」と自嘲していた。 |
| :なお、『L』ではアスランが所属している[[LOTUS]]が作中の世間一般で「正義の味方」として扱われていたのは、この台詞を省みると皮肉とも言えなくはない<ref>尤も、『L』では'''本当に[[イクサー1|正義の]][[早瀬浩一|味方]]がいる'''のだが。</ref>。 | | :なお、『L』ではアスランが所属している[[LOTUS]]が作中の世間一般で「正義の味方」として扱われていたのは、この台詞を省みると皮肉とも言えなくはない<ref>尤も、『L』では'''本当に[[イクサー1|正義の]][[早瀬浩一|味方]]がいる'''のだが。</ref>。 |
− | :後にマハムール基地(スペシャルエディションではその場)で'''「力を手にしたら、自分が誰かを泣かせる」=自分で自分と同じ子供を作る'''という側面を諭すが、シンがそれを考えるより先にロゴスという悪が示されたことで、シンは'''「自分の行いの結果の負の面は全てロゴスのせいだから、自分は何も悪くない。」'''というヒーローごっこにより傾倒して、現実を見なくなってしまう。アスランがもっとはっきりと言えば、こうはならなかったかもしれない。
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| ;「彼らは何かを知らないのかもしれない。間違っているのかもしれない。」 | | ;「彼らは何かを知らないのかもしれない。間違っているのかもしれない。」 |
| :ダーダネルス海峡での戦闘後、アークエンジェルの調査を申し出たアスランはキラ達が何かを知らないまま間違えているのならば、仲間としてそれを正そうとしていた。 | | :ダーダネルス海峡での戦闘後、アークエンジェルの調査を申し出たアスランはキラ達が何かを知らないまま間違えているのならば、仲間としてそれを正そうとしていた。 |
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| ;「それが一番だと思ったからだ。自分のためにも、オーブのためにも。」 | | ;「それが一番だと思ったからだ。自分のためにも、オーブのためにも。」 |
| :復隊したことをカガリに問い詰められた際の答え。確かに、イザークが復隊を勧めたようにアレックス・ディノとして何も出来ずに燻っているアスランのためにはなるかもしれない。 | | :復隊したことをカガリに問い詰められた際の答え。確かに、イザークが復隊を勧めたようにアレックス・ディノとして何も出来ずに燻っているアスランのためにはなるかもしれない。 |
− | :が、それがオーブのためになるとはキラやカガリには見てもらえなかった。当然と言えば当然である。自分でも気付かない内にアスランはカガリやオーブを言い訳にして復隊を正当化していたのかもしれない。その結果、再びキラと戦う羽目になり最悪の事態を目の当たりにした。 | + | :が、それがオーブのためになるとはキラやカガリには見てもらえなかった。当然と言えば当然である。自分でも気付かない内にアスランはカガリやオーブを言い訳にして正当化していたのかもしれない。その結果、再びキラと戦う羽目になり最悪の事態を目の当たりにした。 |
| :なお、始めから復隊するべきではなかったとなじるのは簡単だが、後の展開を知っていればアスランが復隊するわけがないし、イザークとディアッカも復隊を勧めたりはしないのは容易に想像できる。キラも後に言っていたように後にならなければ分からないことも多いのである。始めから騙されていたこともしかりである。 | | :なお、始めから復隊するべきではなかったとなじるのは簡単だが、後の展開を知っていればアスランが復隊するわけがないし、イザークとディアッカも復隊を勧めたりはしないのは容易に想像できる。キラも後に言っていたように後にならなければ分からないことも多いのである。始めから騙されていたこともしかりである。 |
− | ;「ユニウスセブンのことは分かっているが、その後の混乱はどう見たって連合が悪い。」<br/>「それでもプラントはこんな事は一日も早く終わらせようと頑張っているんだぞ。」<br/>「なのに、お前達は只状況を混乱させているだけじゃないか。」
| + | ;「キラは敵じゃない!」 |
− | :上記の後、キラ達に浴びせた糾弾。ミネルバのクルーとして連合の悪行を見てきたアスランだからこそ言えるといえばその通りである。だが、この時のアスランの理論は所詮「連合が悪いから、プラントは正しい。だからこれは正しい戦争。」という論理に過ぎず、カガリの苦渋の決断を知ろうとせず、聞こうとせずに同盟締結を一方的に非難するだけであり、自分が'''ザフトのアスラン・ザラ'''に戻っている事実に気付いていなかった。
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− | :そして、[[ミーア・キャンベル|キラ達が知っている事実]]は父のシンパの仕業でデュランダルは無関係だと何も考えずに決めつけ、キラ達は何も分かっていないようにしか見えていなかった。この直後、更なる連合の悪行を知ったアスランの考え方はより硬直化してしまう。
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− | ;「キラは敵じゃない!」<br/>「キラもアークエンジェルも敵じゃないんだ!」 | |
| :作中ではシンに対して二度言った言葉で、最初は[[フリーダムガンダム|フリーダム]]撃墜の為のシミュレーションを行うシンとレイに対して言うが、[[レイ・ザ・バレル|レイ]]に反論される。 | | :作中ではシンに対して二度言った言葉で、最初は[[フリーダムガンダム|フリーダム]]撃墜の為のシミュレーションを行うシンとレイに対して言うが、[[レイ・ザ・バレル|レイ]]に反論される。 |
− | :二度目はフリーダム撃墜でアスランが悲嘆に暮れる中でシンがわざわざアスランに近寄って嘲笑めいた言葉をかけた事に激怒して殴打するが、結局はシンとの対立が最悪の所まで行ってしまう。 | + | :二度目はフリーダム撃墜でアスランが悲嘆に暮れる中でシンがわざわざアスランに近寄って挑発・嘲笑めいた言葉をかけた事に激怒して殴打するが、結局はシンとの対立が最悪の所まで行ってしまう。 |
− | :だが、前者でレイが指摘したようにフリーダム撃墜は軍の命令であり、[[ハイネ・ヴェステンフルス|ハイネ]]の死やフリーダムの攻撃で[[ミネルバ]]のクルーに犠牲が出た描写がある事もあいまって他のミネルバのクルーでさえ、[[キラ・ヤマト|キラ]]がアスランの旧知だと認識していても深い事情までは知らない為、アークエンジェルとフリーダムを敵とみなす状況となっていた。それらの事情を考えれば、シンや[[ミネルバ隊]]の面々に翻意させるのも無理な話で、アスラン自身もこれまでの対立で[[ステラ・ルーシェ|ステラ]]を失ったことを知るよしもない。ただし、ステラの件に関しては当時の視聴者の間ではシンの自業自得という意見の方が圧倒的に多かったという側面がある。 | + | :だが、前者でレイが指摘したようにフリーダム撃墜は軍の命令であり、[[ハイネ・ヴェステンフルス|ハイネ]]の死やフリーダムの攻撃で[[ミネルバ]]のクルーに犠牲が出た描写がある事もあいまって他のミネルバのクルーでさえ、[[キラ・ヤマト|キラ]]がアスランの旧知だと認識していても深い事情までは知らない為、アークエンジェルとフリーダムを敵とみなす状況となっていた。それらの事情を考えれば、シンや[[ミネルバ隊]]の面々に翻意させるのも無理な話で、アスラン自身もこれまでの対立で[[ステラ・ルーシェ|ステラ]]を失ったことを知るよしもない。また、上官であるアスランを侮蔑したシンに問題があるのは事実だが、アスランにしてもシンと同じく個人的な感情に駆られて軍人としては冷静さを欠いていた印象がある。いずれにしても、彼の絶望と悲しみを理解してあげたのはルナマリアとメイリン(『THE EDGE』の描写でメイリンは少なくともアークエンジェルは無事の可能性が高いという匿名のメールを送っていた)の二人だけであったが、アスランの心に届くことはなかった。 |
− | :また、上官であるアスランの事情を分かって侮蔑したシンに問題があるのは事実だが、アスランにしてもシンと同じく個人的な感情に駆られて軍人としては冷静さを欠いていた印象がある。いずれにしても、彼の絶望と悲しみを理解してあげたのはルナマリアとメイリン(『THE EDGE』の描写でメイリンは少なくともアークエンジェルは無事の可能性が高いという匿名のメールを送っていた)の二人だけであったが、アスランの心に届くことはなかった。ただし、「アークエンジェルは敵だから死んでもそれを諦めて受け入れろ」と言われてすぐに頷けるわけがないのも事実で、周囲がアスランのそうした気持ちを理解しようとしていないのも事実。後にシンにもそれが跳ね返るが、シンは『全てロゴスのせい』という現実逃避ないし責任転嫁に近い方向へと走ってしまう。
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− | :この件でアスランは完全に孤立し、同じ頃プラントでも戦争への認識という意味ではイザークとディアッカも孤立しているに近い状況と化していた。スタッフ側の意図もあるかもしれないが、『戦争は所詮戦争』というアークエンジェルとクルーゼ隊、『ロゴスを撃つ正義の戦争』というシンを始めとしたデュランダルの支持者の違いを示唆している。
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| :『[[Z]]』ではアスランのこの台詞に対し、シンとレイは勿論、[[カミーユ・ビダン|カミーユ]]と[[セツコ・オハラ|セツコ]]からも反論されてしまう。 | | :『[[Z]]』ではアスランのこの台詞に対し、シンとレイは勿論、[[カミーユ・ビダン|カミーユ]]と[[セツコ・オハラ|セツコ]]からも反論されてしまう。 |
| ;「なるほど……そういうことか。流石に議長は頭が良いな。俺のことをよく分かってる。」<br />「確かに俺には、彼の言うとおりの戦うだけの人形にはなれない。いくら彼の言うことが正しく聞こえても!」 | | ;「なるほど……そういうことか。流石に議長は頭が良いな。俺のことをよく分かってる。」<br />「確かに俺には、彼の言うとおりの戦うだけの人形にはなれない。いくら彼の言うことが正しく聞こえても!」 |