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しかし、指導者や政治家として優れている反面、人間的には冷酷どころか感情が無いのではないかと思わせる程の徹底的なデジタル思考の人物で、同時にそれがダイクンとの決定的な違いとなっている。自身の利に繋がるのなら、身内を利用したり切り捨てる事も厭わず、末弟の[[ガルマ・ザビ]]の死や葬儀をジオン軍の戦意高揚に使い、同じく弟の[[ドズル・ザビ]]も時間稼ぎの捨て駒として扱い、挙句の果てには邪魔になるという理由で実父の[[デギン・ソド・ザビ]]すら謀殺に追い込んでいる程。
 
しかし、指導者や政治家として優れている反面、人間的には冷酷どころか感情が無いのではないかと思わせる程の徹底的なデジタル思考の人物で、同時にそれがダイクンとの決定的な違いとなっている。自身の利に繋がるのなら、身内を利用したり切り捨てる事も厭わず、末弟の[[ガルマ・ザビ]]の死や葬儀をジオン軍の戦意高揚に使い、同じく弟の[[ドズル・ザビ]]も時間稼ぎの捨て駒として扱い、挙句の果てには邪魔になるという理由で実父の[[デギン・ソド・ザビ]]すら謀殺に追い込んでいる程。
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スペースノイドを至上とした選民意識が強く、ダイクンの人類の革新を促す為の[[ニュータイプ]]思想を「'''スペースノイドは選ばれた民であり、更にその中の優良種がジオン国民である'''」という選民主義的な思想へと故意に捻じ曲げた上でジオン国民を始めとするスペースノイドの中に浸透させ、形を変えつつ後世にも残り続けることになっている。ただし、ギレン本人はニュータイプ自体についてはさほど理解を示した様子は無く、実際デキンに対しても「ニュータイプ思想はジオン軍が勝つための『方便』である」と言い切っている。
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スペースノイドを至上とした選民意識が強く、ダイクンの人類の革新を促す為の[[ニュータイプ]]思想を「'''スペースノイドは選ばれた民であり、更にその中の優良種がジオン国民である'''」という選民主義的な思想へと故意に捻じ曲げた上でジオン国民を始めとするスペースノイドの中に浸透させ、形を変えつつ後世にも残り続けることになっている。ただし、ギレン本人はニュータイプ自体についてはさほど理解を示した様子は無く、実際デギンに対しても「ニュータイプ思想はジオン軍が勝つための『方便』である」と言い切っている。
    
選挙工作の上手さ、国威発揚・[[士気]]向上を目的とした演説の上手さなどからして、第二次世界大戦時において最も有名な独裁者であるアドルフ・ヒトラーを彷彿させ、実際にデギンからも「ヒトラーの尻尾」と揶揄されている。しかしその一方で、己の才能に絶対の自信を持つ故か、一年戦争末期には不利な状況を軽視する傾向も見られた。また、ジオン国民からも全面的な支持を受けていた訳ではなく、既に地球での戦況が不利となって地球連邦との和平交渉に転じる事も考慮しなければならない状況ありながら、あくまでもジオンの優勢を断じて国民を扇動する方策に難色を示す者も少なからずいた。
 
選挙工作の上手さ、国威発揚・[[士気]]向上を目的とした演説の上手さなどからして、第二次世界大戦時において最も有名な独裁者であるアドルフ・ヒトラーを彷彿させ、実際にデギンからも「ヒトラーの尻尾」と揶揄されている。しかしその一方で、己の才能に絶対の自信を持つ故か、一年戦争末期には不利な状況を軽視する傾向も見られた。また、ジオン国民からも全面的な支持を受けていた訳ではなく、既に地球での戦況が不利となって地球連邦との和平交渉に転じる事も考慮しなければならない状況ありながら、あくまでもジオンの優勢を断じて国民を扇動する方策に難色を示す者も少なからずいた。
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人間の感情について共感が乏しい故に、ガルマの死を利用した事に憤りを見せていたデキンや、そのデキンを自身の陰謀で殺された妹の[[キシリア・ザビ]]の明確な怒りと殺意にも無関心な様子を見せ、結果的にその事がジオン公国の滅亡およびキシリアによる自身の死に繋がってしまったのは皮肉としか言いようがない。死の寸前、自身を射殺するキシリアとのやり取りである「'''フッ…冗談はよせ…'''」「'''意外と兄上も甘い様で…'''」という台詞からも、いかにギレンが人間の感情に対し無頓着であったのか推察出来る。
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人間の感情について共感が乏しい故に、ガルマの死を利用した事に憤りを見せていたデギンや、そのデギンを自身の陰謀で殺された妹の[[キシリア・ザビ]]の明確な怒りと殺意にも無関心な様子を見せ、結果的にその事がジオン公国の滅亡およびキシリアによる自身の死に繋がってしまったのは皮肉としか言いようがない。死の寸前、自身を射殺するキシリアとのやり取りである「'''フッ…冗談はよせ…'''」「'''意外と兄上も甘い様で…'''」という台詞からも、いかにギレンが人間の感情に対し無頓着であったのか推察出来る。
    
=== 生涯 ===
 
=== 生涯 ===
ザビ家のデキン・ソド・ザビの長男として生を受け、幼少期より天才的な頭脳を発揮し優秀な成績を収めていたギレンは、少年時代より政治活動に積極的に参加し、青年時代にはデギンと共にジオン・ズム・ダイクンの指導する独立運動にも参加。ダイクンの死後に権力を手にしたデギンの引退とともに権力を受け継ぎ、ジオン公国の事実上の最高指導者になる。その後、[[サイド3]]国民が選ばれた民である著書『優性人類生存説』を発表し、多くの国民の支持を得ることに成功し独裁体制を敷く。
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ザビ家のデギン・ソド・ザビの長男として生を受け、幼少期より天才的な頭脳を発揮し優秀な成績を収めていたギレンは、少年時代より政治活動に積極的に参加し、青年時代にはデギンと共にジオン・ズム・ダイクンの指導する独立運動にも参加。ダイクンの死後に権力を手にしたデギンの引退とともに権力を受け継ぎ、ジオン公国の事実上の最高指導者になる。その後、[[サイド3]]国民が選ばれた民である著書『優性人類生存説』を発表し、多くの国民の支持を得ることに成功し独裁体制を敷く。
    
[[一年戦争]]においては、[[スペースコロニー]]への毒ガス作戦や[[コロニー落とし]]など、人間の所業とは思えない様な残虐非道な行為を指揮する。人類の半数を抹殺した空前の大虐殺は、人口を強制的に減少させることにより[[地球]]環境の保全を図ろうとした為と見られる。しかし、末弟ガルマの戦死を全世界に同時中継するという派手な国葬という方法で利用し、密葬を望んだ父デギンと対立を深める。
 
[[一年戦争]]においては、[[スペースコロニー]]への毒ガス作戦や[[コロニー落とし]]など、人間の所業とは思えない様な残虐非道な行為を指揮する。人類の半数を抹殺した空前の大虐殺は、人口を強制的に減少させることにより[[地球]]環境の保全を図ろうとした為と見られる。しかし、末弟ガルマの戦死を全世界に同時中継するという派手な国葬という方法で利用し、密葬を望んだ父デギンと対立を深める。
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;「キシリアは以前から御執心だったようだが、わたしには眼中になかったのだ。『ニュータイプ部隊』なぞ」
 
;「キシリアは以前から御執心だったようだが、わたしには眼中になかったのだ。『ニュータイプ部隊』なぞ」
 
:漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』よりア・バオア・クー戦闘前のシャアとの会話にて。本編より明確に「ニュータイプ」は政治煽動のための道具であると言い切っている。
 
:漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』よりア・バオア・クー戦闘前のシャアとの会話にて。本編より明確に「ニュータイプ」は政治煽動のための道具であると言い切っている。
;「キシリアに何事か言い含められて来たか!? それとも戦の旗色を呼んでまたなにか良からぬことを企んだか!!?」<br />「おまえが誰かということは知っているぞ。キシリア機関だけがジオンの[[スパイ|諜報組織]]だけではない」<br />「ダイクン家の再興を図るのはいい、だが、その為にザビ家に仇なすのは許さん! 時代はもう移ってきた、時計の針は戻せんのだ! ジオン公国の歴史はいまや第三期に突入しようとしている」<br />「ザビ家の時代からこの私の時代へ! 勝利した戦後の『人の革新』の時代へ!!」<br />「その流れに逆らうことはもう誰にも出来ない。逆らうものは誰であれ、『新時代の[[神]]』に裁かれる! 判るか?」
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;「キシリアに何事か言い含められて来たか!? それとも戦の旗色を呼んでまたなにか良からぬことを企んだか!!?」<br />「おまえが誰かということは知っているぞ。キシリア機関だけがジオンの[[スパイ|諜報組織]]ではない」<br />「ダイクン家の再興を図るのはいい、だが、その為にザビ家に仇なすのは許さん! 時代はもう移ってきた、時計の針は戻せんのだ! ジオン公国の歴史はいまや第三期に突入しようとしている」<br />「ザビ家の時代からこの私の時代へ! 勝利した戦後の『人の革新』の時代へ!!」<br />「その流れに逆らうことはもう誰にも出来ない。逆らうものは誰であれ、『新時代の[[神]]』に裁かれる! 判るか?」
 
:上記に続いて、連邦の宇宙戦力は既に決定的な打撃を受けており、ア・バオア・クーの堅陣ならば連邦軍を殲滅し、戦争に勝利すると確信しているが、同時にギレンの敵は連邦からキシリアに移りつつある事が覗える。
 
:上記に続いて、連邦の宇宙戦力は既に決定的な打撃を受けており、ア・バオア・クーの堅陣ならば連邦軍を殲滅し、戦争に勝利すると確信しているが、同時にギレンの敵は連邦からキシリアに移りつつある事が覗える。
 
:また、シャアの素性を完全に見抜いた上で、キシリア派として警戒しているが、ギレンに鞍替えの意志を示して、[[ジオング]]を授かる。
 
:また、シャアの素性を完全に見抜いた上で、キシリア派として警戒しているが、ギレンに鞍替えの意志を示して、[[ジオング]]を授かる。

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