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− 作戦は順調に進んでいき、ガトーの搭乗する試作2号機によるソロモン観艦式への核攻撃、シーマによるコロニージャック及び月方面を経由した地球へのコロニー落としも、ほぼデラーズの思惑通りに推移していたのだが、それまでの悪行が祟ったか、作戦中に[[シーマ・ガラハウ]]の[[裏切りイベント|裏切り]]に遭い、星の屑作戦終盤に頭を撃ち抜かれる形で射殺され、死亡する。最終的にはジオンを憎んでいたシーマに寝首をかかれる結末になったものの、シーマ無くして「[[星の屑作戦]]」の成功があり得なかったのは何とも皮肉な結果と言える。自業自得と言えば、それまでかもしれないが…。+
− また、デラーズの存在は、地球圏に残留していたジオン残党軍にとって大きな支柱になっており、デラーズ紛争前に起きたジオン関連のテロ事件の中には、デラーズによる直接・間接的な支援も行われていた物もある(代表的な例は、宇宙世紀0081年に残党勢力の一つであるインビジブル・ナイツによって引き起こされた「水天の涙作戦」)。それ故に、デラーズの死はその後のジオン残党軍の弱体化を招くには十分であった様で、所属していた人間の中には、後の宇宙世紀の歴史で結成される[[エゥーゴ]]に鞍替えした者もいる。+
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[[ア・バオア・クー]]攻防戦において、ギレンの死亡の報を受けたデラーズは、死を覚悟で出撃しようとするガトーを諌め、戦場を離脱。月とジオン本国の中間宙域「カラマ・ポイント」に結集したジオン残存勢力と共に今後の方針を議論する中、[[地球連邦軍|連邦]]への帰順を拒否する旧ジオン軍人の大半が[[アクシズ]]行きを選ぶのに対し、キシリア派の突撃機動軍が母体となっているアクシズ勢力を信用できなかったデラーズは、腹心となったガトーと共に、抵抗運動を希望する者らを率いて拠点となる「茨の園」を築き、地球圏に残留する道を選ぶ。
[[ア・バオア・クー]]攻防戦において、ギレンの死亡の報を受けたデラーズは、死を覚悟で出撃しようとするガトーを諌め、戦場を離脱。月とジオン本国の中間宙域「カラマ・ポイント」に結集したジオン残存勢力と共に今後の方針を議論する中、[[地球連邦軍|連邦]]への帰順を拒否する旧ジオン軍人の大半が[[アクシズ]]行きを選ぶのに対し、キシリア派の突撃機動軍が母体となっているアクシズ勢力を信用できなかったデラーズは、腹心となったガトーと共に、抵抗運動を希望する者らを率いて拠点となる「茨の園」を築き、地球圏に残留する道を選ぶ。
それから3年後となる宇宙世紀0083年、スパイから送られた機密資料より、[[ガンダム開発計画]]を知ったデラーズは、その計画で開発された機体の中でも、戦術核の使用を前提とした[[ガンダム試作2号機]]に目を付け、それを利用した「星の屑作戦」を立案。ガトーを前線指揮官として地球に向かわせて「[[デラーズ・フリート]]」を名乗り、対[[地球連邦政府|地球連邦]]ゲリラ活動を開始する。
それから3年後となる宇宙世紀0083年、スパイから送られた機密資料より、[[ガンダム開発計画]]を知ったデラーズは、その計画で開発された機体の中でも、戦術核の使用を前提とした[[ガンダム試作2号機]]に目を付け、それを利用した「星の屑作戦」を立案。ガトーを前線指揮官として地球に向かわせて、戦術核を装備を完了させた試作2号機の強奪に成功。多数の同胞達の犠牲を払ってガトーが宇宙へ帰還した後、電波ジャックでの演説で「デラーズ・フリート」を名乗り、対[[地球連邦政府|地球連邦]]ゲリラ活動を開始する。
作戦は順調に進んでいき、ガトーの搭乗する試作2号機によるソロモン観艦式への核攻撃、シーマによるコロニージャック及び月方面を経由した地球へのコロニー落としも、ほぼデラーズの思惑通りに推移していたのだが、それまでの悪行が祟ったか、作戦中にシーマ艦隊による[[裏切りイベント|裏切り]]に遭い、星の屑作戦終盤に頭を撃ち抜かれる形で射殺される。最終的にはジオンを憎んでいたシーマに寝首をかかれる結末になったものの、シーマ無くして「[[星の屑作戦]]」の成功があり得なかったのは何とも皮肉な結果と言える。自業自得と言えば、それまでかもしれないが…。
死後、宇宙世紀0083年に自らが引き起こした一連の戦いは「'''[[デラーズ紛争]]'''」と呼称される事になったが、コロニー落としの件に関しては「事故」という形で処理され、更に皮肉な事に'''デラーズらが起こした紛争そのものが原因で、彼らの同胞であるジオン残党や[[スペースノイド]]達全体に対し、[[30バンチ事件|苛烈な弾圧]]を行う[[ティターンズ]]の台頭を招いてしまい'''、そしてそれは「[[グリプス戦役]]」という、より悲惨な戦いへと続いていく事になる。
死後、宇宙世紀0083年に自らが引き起こした一連の戦いは「'''[[デラーズ紛争]]'''」と呼称される事になったが、コロニー落としの件に関しては「事故」という形で処理され、更に皮肉な事に'''デラーズらが起こした紛争そのものが原因で、彼らの同胞であるジオン残党や[[スペースノイド]]達全体に対し、[[30バンチ事件|苛烈な弾圧]]を行う[[ティターンズ]]の台頭を招いてしまい'''、そしてそれは「[[グリプス戦役]]」という、より悲惨な戦いへと続いていく事になる。
また、デラーズの存在は、地球圏に残留していたジオン残党軍にとって大きな支柱になっており、デラーズ紛争前に起きたジオン関連のテロ事件の中には、デラーズによる直接・間接的な支援も行われていた物もある(代表的な例は、宇宙世紀0081年に残党勢力の一つであるインビジブル・ナイツによって引き起こされた、[[月]]の[[マスドライバー]]から質量弾を地球に落とす「水天の涙作戦」)。それ故に、デラーズの死やティターンズの台頭はその後のジオン残党軍の弱体化を招くには十分であった様で、所属していた人間の中には、後の宇宙世紀の歴史で結成される[[エゥーゴ]]に鞍替えした者もいる。
== 登場作品と役柄 ==
== 登場作品と役柄 ==
:原作では直接会う場面は無いが、[[アクシズ]]からは[[ノイエ・ジール]]を譲渡され、「星の屑作戦」後はデラーズ・フリートの残存人員をアクシズへ送り後事を託した(押し付けた、と言えなくもない)。
:原作では直接会う場面は無いが、[[アクシズ]]からは[[ノイエ・ジール]]を譲渡され、「星の屑作戦」後はデラーズ・フリートの残存人員をアクシズへ送り後事を託した(押し付けた、と言えなくもない)。
:『[[第4次スーパーロボット大戦|第4次]][[第4次スーパーロボット大戦S|(S)]]』では[[ノイエDC]]の一員として共闘しながら内心ではハマーンを警戒していた。しかしハマーンにはデラーズの言うように[[ミネバ・ザビ|ミネバ]]を傀儡として利用するつもりはなかったため、実際は杞憂であったと言える。
:『[[第4次スーパーロボット大戦|第4次]][[第4次スーパーロボット大戦S|(S)]]』では[[ノイエDC]]の一員として共闘しながら内心ではハマーンを警戒していた。しかしハマーンにはデラーズの言うように[[ミネバ・ザビ|ミネバ]]を傀儡として利用するつもりはなかったため、実際は杞憂であったと言える。
;[[ジョン・コーウェン]]
:原作で直接対面はしていないが、自らの狂信的なジオニスト精神全開の演説を見た彼からは、「'''ギレン・ザビの亡霊'''」と唾棄され、明確に危険視されている。
== 他作品との人間関係 ==
== 他作品との人間関係 ==
:ただし、キシリア配下であり、度重なる海賊行為から「ジオンの栄光を穢した」と見做され蔑まれていた<ref>[[漫画]]『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』では開戦時での敵対コロニー虐殺を始めとしたシーマ艦隊の非人道的な行動が彼女たちの独断による逸脱行為と見做されるなど、終戦直後から露骨に切り捨てられている。</ref>シーマ艦隊の面々を受け入れている辺り、デラーズ本人は苦境に落ちている他派閥の同胞を差別する様な人間ではなかった事は確実である(発言から純粋にシーマ艦隊の実力を評価していたことが窺える)。
:ただし、キシリア配下であり、度重なる海賊行為から「ジオンの栄光を穢した」と見做され蔑まれていた<ref>[[漫画]]『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』では開戦時での敵対コロニー虐殺を始めとしたシーマ艦隊の非人道的な行動が彼女たちの独断による逸脱行為と見做されるなど、終戦直後から露骨に切り捨てられている。</ref>シーマ艦隊の面々を受け入れている辺り、デラーズ本人は苦境に落ちている他派閥の同胞を差別する様な人間ではなかった事は確実である(発言から純粋にシーマ艦隊の実力を評価していたことが窺える)。
:また、ブリティッシュ作戦の発案者はデラーズであったとの説もあるため、事実ならば彼なりにシーマ達に負い目を感じていたのかもしれない。
:また、ブリティッシュ作戦の発案者はデラーズであったとの説もあるため、事実ならば彼なりにシーマ達に負い目を感じていたのかもしれない。
;「地球連邦軍、並びにジオン公国の戦士に告ぐ。我々はデラーズ・フリート!」<br>「所謂一年戦争と呼ばれた、ジオン独立戦争の終戦協定が偽りのものであることは、誰の目にも明らかである!何故ならば、協定は『ジオン共和国』の名を騙る売国奴によって結ばれたからだ。我々は些かも戦いの目的を見失ってはいない。それは、間もなく実証されるであろう」<br>「我々は日々思い続けた。スペースノイドの自治権確立を信じ、戦いの業火に焼かれていった者達の事を。そして今また、敢えてその火中に飛び入らんとする若者の事を」<br>「スペースノイドの心からの希求である自治権要求に対し、連邦はその強大な軍事力を行使して、ささやかなるその芽を摘み取ろうとしている意図を、証明するに足る事実を私は存じておる」<br>「見よ、これが我々の戦果だ。この[[ガンダム試作2号機|ガンダム]]は、核攻撃を目的として開発されたものである。南極条約違反のこの機体が、密かに開発された事実を以ってしても、呪わしき連邦の悪意を否定出来得る者がおろうか!」<br>「省みよう。何故ジオン独立戦争が勃発したのかを!何故我等がジオン・ズム・ダイクンと共にあるのかを!」<br>「我々は三年間待った…。もはや、我が軍団に躊躇いの吐息を漏らす者はおらん」<br>「今、若人の熱き血潮を我が血として、ここに私は改めて地球連邦政府に対し、宣戦を布告するものである。仮初の平和への囁きに惑わされる事なく、繰り返し心に聞こえてくる祖国の名誉の為に、ジーク・ジオン!!」
:第5話で電波ジャックにより行われたデラーズによる演説。一見すると正しい事を言っている様に聞こえるが、一年戦争の中でスペースノイドの多くが望んでいたのは、自治権確立云々よりもむしろ「連邦とジオンによる戦争が一刻も早く終わる事」であるのは明白で、それを実現させるべく努力したジオン共和国を「売国奴」呼ばわりするのは、あまりにも自分達に都合の良い理屈である。
:また、戦術核の装備を前提したガンダム試作2号機の開発自体が条約違反であるかは微妙で<ref>違反なのはあくまでも「核の使用」であり、つまり一年戦争のオデッサ作戦で[[マ・クベ]]が実行した事である。</ref>、そもそもそうなったのは、コロニー落としや条約無視の核弾頭使用等を平然と行う自分達ジオン側に対する「抑止力」を求めた為であるので、連邦側を一方的に悪く言うのも筋が通らない。
:更に、スペースノイドの自治権要求が遠のく一方なのは自分達の過激なテロ活動にも責任があるはずなのだが、演説の内容からもそれらは全く感じていない事が伺われ、おまけにデラーズ自身が共にあるのはジオン・ズム・ダイクンでは無くギレン・ザビであるのも明らかであった為に、演説を聴いていたコーウェンからも「ギレン・ザビの亡霊」と指摘されてしまっている。
;「フッハッハ、貴公なにが狙いだ。ワシと艦隊を餌に連邦に尻尾を振るのではないか? コロニーを落とすのか? 落とさんのか!?」
;「フッハッハ、貴公なにが狙いだ。ワシと艦隊を餌に連邦に尻尾を振るのではないか? コロニーを落とすのか? 落とさんのか!?」
:シーマに反乱を起こされ、ブリッジを制圧された際に。星の屑作戦の要であるコロニー「アイランド・イーズ」は地球への針路を直進していたため、まだこの時は余裕だったのだが……
:シーマに反乱を起こされ、ブリッジを制圧された際に。星の屑作戦の要であるコロニー「アイランド・イーズ」は地球への針路を直進していたため、まだこの時は余裕だったのだが……