差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
510 バイト除去 、 2019年9月6日 (金) 14:38
編集の要約なし
4行目: 4行目:  
「ゾイド」は様々な動物をモチーフとしたメカニックが人気を呼んだトミー製の玩具で、組立て式のキットが中心。電動モーターやゼンマイによる駆動ギミックが最大の特徴で、全盛期にはガンプラにも比肩する人気シリーズであった。
 
「ゾイド」は様々な動物をモチーフとしたメカニックが人気を呼んだトミー製の玩具で、組立て式のキットが中心。電動モーターやゼンマイによる駆動ギミックが最大の特徴で、全盛期にはガンプラにも比肩する人気シリーズであった。
   −
ゾイドのコンテンツとしての母体はあくまで玩具サイドであるため、玩具メーカー(タカラトミー)によって玩具のための詳細な物語が先に創られ、それを「原作」としてアニメ化やコミカライズといったメディア展開が行われている。アニメで描かれた新しい世界観やストーリーもアニメスタッフが考えたものではなく、ゾイドの玩具企画室が主導になって作り上げたものである(例外として、『[[機獣創世記ゾイドジェネシス]]』はアニメスタッフ主導でストーリーが作られている)。「メカとおおまかな世界観は玩具メーカーがデザインするが、実際のストーリー展開はアニメスタッフに委ねる」というような、多くのロボットアニメとは制作スタンスが根本的に異なっており、映像化されるゾイドは基本的に商品化もされていなくてはならないという理念が根底にある。ゲームなどにおいては特典としてゲームオリジナルのゾイドのキットが付くことも恒例化している。なお、コトブキヤなど他のメーカーからもゾイドのプラモデルや可動フィギュアが販売されているが、これらは「アニメ版を原作にした玩具」という扱いである。
+
ゾイドのコンテンツとしての母体はあくまで玩具サイドであるため、玩具メーカー(タカラトミー)によって玩具のための詳細な物語が先に創られている(ゾイドバトルストーリー)。一方で、各種メディアミックスで作られたアニメやコミックは何れも一部の設定を流用したパラレル世界の作品として扱われる。ゲームなどにおいては特典としてゲームオリジナルのゾイドのキットが付くことも恒例化している。なお、コトブキヤなど他のメーカーからもゾイドのプラモデルや可動フィギュアが販売されている<ref>プラモデルキットには詳細な設定も記載されるが、上記のアニメ、コミック、ゾイドバトルストーリーの何れとも乖離しており、独自の世界観となっている</ref>。
    
スパロボ参戦についてはファンの間では期待こそされていたものの、そのハードルは非常に高いものと思われていた([[未参戦作品#競合他社が権利を所有している]])。しかし、『[[スーパーロボット大戦K]]』においてテレビアニメシリーズ第4作『機獣創世記ゾイドジェネシス』が参戦、さらに『[[スーパーロボット大戦Operation Extend]]』において第1作『[[ゾイド -ZOIDS-]]』および第2作『[[ZOIDS新世紀/ZERO]]』が参戦。参戦における障害は事実上存在しなくなったと見られる。
 
スパロボ参戦についてはファンの間では期待こそされていたものの、そのハードルは非常に高いものと思われていた([[未参戦作品#競合他社が権利を所有している]])。しかし、『[[スーパーロボット大戦K]]』においてテレビアニメシリーズ第4作『機獣創世記ゾイドジェネシス』が参戦、さらに『[[スーパーロボット大戦Operation Extend]]』において第1作『[[ゾイド -ZOIDS-]]』および第2作『[[ZOIDS新世紀/ZERO]]』が参戦。参戦における障害は事実上存在しなくなったと見られる。
11行目: 11行目:  
玩具シリーズは1983年から「'''メカ生体ゾイド'''」の名で展開が開始されている。商品展開のためのバックグラウンド要素として「地球型惑星"Zi"(旧設定では"ゾイド星")を舞台に、へリック共和国とゼネバス帝国がゾイドを用いた戦争を繰り広げる」という戦記ものの世界観が設定された。この背景設定は[[ガンダムシリーズ]]以後の所謂[[リアルロボット]]アニメの影響を強く受けているが、ミリタリー要素をより強く推し出すことで、よくあるガンダムの模倣ではない独自の作風を確立する事に成功した。
 
玩具シリーズは1983年から「'''メカ生体ゾイド'''」の名で展開が開始されている。商品展開のためのバックグラウンド要素として「地球型惑星"Zi"(旧設定では"ゾイド星")を舞台に、へリック共和国とゼネバス帝国がゾイドを用いた戦争を繰り広げる」という戦記ものの世界観が設定された。この背景設定は[[ガンダムシリーズ]]以後の所謂[[リアルロボット]]アニメの影響を強く受けているが、ミリタリー要素をより強く推し出すことで、よくあるガンダムの模倣ではない独自の作風を確立する事に成功した。
   −
このバックストーリー設定は玩具パッケージの解説書やジオラマ本「ゾイドバトルストーリー」「ゾイドグラフィックス」などで丁寧に積み重ねられており、これをベースとしたコンピュータゲームやOVA(後述のTVシリーズとは異なるもの)も制作され、これらも人気を博した。1980年代当時の一連のゾイド展開は、現在もひとつのSF仮想戦記として高く評価されている。
+
このバックストーリー設定は玩具パッケージの解説書やジオラマ本「ゾイドバトルストーリー」「ゾイドグラフィックス」などで丁寧に積み重ねられており、これをベースとしたコンピュータゲームやコマーシャルビデオも制作され、これらも人気を博した。1980年代当時の一連のゾイド展開は、現在もひとつのSF仮想戦記として高く評価されている。
    
玩具のみで高密度の世界観を創り出すことに成功したゾイドシリーズは、アニメ化というメディア展開を行わないまま7年(1983年~1990年)にも渡りストーリーを築いていった。キャラクター玩具においてアニメーション展開に依らず長期間に渡って商品リリースを行った点は特筆すべきである(当時競合関係であったタカラによる『トランスフォーマーシリーズ』〈SRW未参戦〉でさえ、定期的に映像作品は制作されていた)。
 
玩具のみで高密度の世界観を創り出すことに成功したゾイドシリーズは、アニメ化というメディア展開を行わないまま7年(1983年~1990年)にも渡りストーリーを築いていった。キャラクター玩具においてアニメーション展開に依らず長期間に渡って商品リリースを行った点は特筆すべきである(当時競合関係であったタカラによる『トランスフォーマーシリーズ』〈SRW未参戦〉でさえ、定期的に映像作品は制作されていた)。
   −
その後、約10年の休止期間を経て1999年より新たにテレビアニメを軸としたゾイドシリーズの商品展開が再始動。TVシリーズ第1作のストーリーは、それまでのゾイド同様バトルストーリーをベースとした戦記ドラマであったが、第2作以降は世界観を一新、ミリタリー色が薄められた一方で冒険活劇としてのジュブナイル色が強められ、若い世代が入りにくかったゾイドの間口を広げることに成功した。
+
その後、約10年の休止期間を経て1999年より新たにテレビアニメを軸としたゾイドシリーズの商品展開が再始動。TVシリーズ第1作・第1部のストーリーは、ゾイドバトルストーリーで使用された設定を一部流用しながらも独自の世界観としており<ref>実は、元々ゾイドバトルストーリーで描かれなかった戦地を舞台にしてリンクするアナウンスもされていたのだが、ストーリー進行とともに設定の辻褄が合わなくなった(国家の所在、戦争の経緯や帝国摂政の敗北等)ため、パラレル化している</ref>、第2部以降は完全に独自の世界観へと変遷している。
    
テレビアニメ第4作終了後はトミーがタカラトミーへ移行した影響もあり自社展開が縮小された一方、海洋堂ややまとなど他社から完成品キットが発売されたり、ホビージャパンとのコラボレーションによるアートストーリー『ZOIDS concept art』やこれを原作とした玩具シリーズ「ゾイドオリジナル」をリリースしたりと、断続的ながらコンテンツを展開させていった。
 
テレビアニメ第4作終了後はトミーがタカラトミーへ移行した影響もあり自社展開が縮小された一方、海洋堂ややまとなど他社から完成品キットが発売されたり、ホビージャパンとのコラボレーションによるアートストーリー『ZOIDS concept art』やこれを原作とした玩具シリーズ「ゾイドオリジナル」をリリースしたりと、断続的ながらコンテンツを展開させていった。
58行目: 58行目:     
;ゾイドグラフィックス
 
;ゾイドグラフィックス
:アニメ化前の旧ゾイドシリーズ時に販促として玩具店に置かれていいた冊子。ゾイド玩具のカタログ本も兼ねており無料で配布されていた。
+
:1983年からの第一期ゾイドシリーズ時に販促として玩具店に置かれていいた冊子。ゾイド玩具のカタログ本も兼ねており定価50円で購入できた。
:玩具設定を忠実に再現した戦記ストーリーが描かれており、ゾイドの「原作」と云えば元来こちらを指す(正確には玩具のパッケージ裏に書かれたストーリー)。
+
:バンダイが同時期に出していた「模型情報」の影響を多分に受けており、玩具設定を背景としたストーリーが掲載されている。
 
:アニメ化以降(平成版)に出たゾイドグラフックスは純粋なカタログ本であってストーリーは書かれていない(機体設定は書かれている)。
 
:アニメ化以降(平成版)に出たゾイドグラフックスは純粋なカタログ本であってストーリーは書かれていない(機体設定は書かれている)。
;ゾイドバトルストーリー(昭和版)
+
;ゾイドバトルストーリー(第一期)
:1986年から開始され1990年まで小学館の学年別学習誌で連載されていたジオラマストーリーで、話の大筋はゾイドグラフィックス同じだが、よりミリタリー色が高い。こちらで描かれたオリジナル設定が玩具側に導入されることもあった。ゾイドグラフィックスよりも知名度が高いことから、こちらを「原作」と捉えるファンも少なくない。
+
:1984年から開始され1990年まで小学館の学年別学習誌で連載されていたジオラマストーリーで、話の大筋はゾイドグラフィックス同じだが、よりミリタリー色が高い。こちらで描かれたオリジナル設定が玩具側に導入されることもあった。ゾイドグラフィックスよりも知名度が高いことから、こちらを「原作」と捉えるファンも少なくない。
 
:なお、玩具のパッケージ裏面に記された解説も「ゾイドバトルストーリー」のタイトルが冠せられており、トミーのゾイド企画室とは強い連携が取られている(平成版も同様)。
 
:なお、玩具のパッケージ裏面に記された解説も「ゾイドバトルストーリー」のタイトルが冠せられており、トミーのゾイド企画室とは強い連携が取られている(平成版も同様)。
:「共和国の反撃はこれからだ」のまま5巻で終了。続きは玩具のパッケージ裏面に書かれたものだけである。また第5巻の正式名称は『新ゾイドバトルストーリー』(5巻で敵がゼネバス帝国から暗黒軍(後の[[ガイロス帝国]])に変わった為)。
+
:書籍分は5巻で終了。続きは玩具のパッケージ裏面と小学館学年誌掲載分で完結。また第5巻の正式名称は『新ゾイドバトルストーリー』(5巻で敵がゼネバス帝国から暗黒軍(後の[[ガイロス帝国]])に変わった為)。
 
;ゾイドバトルストーリー(平成版)
 
;ゾイドバトルストーリー(平成版)
:1999年のゾイド再始動にあわせてコロコロコミック誌上で展開。アニメ『[[ゾイド -ZOIDS-]]』と同じ時系列の話をより玩具設定に忠実な形で描き出した。
+
:1999年~2004年にかけて展開された。ゾイド再始動にあわせてコロコロコミック誌上で展開。第一期のゾイドバトルストーリーからは地続きの話となる。
:『/ゼロ』『フューザーズ』は存在しない(『フューザーズ』放映時も無印の続き([[ギュンター・プロイツェン|へリック共和国vsネオゼネバス帝国]])をやっていた)。『ジェネシス』は存在するがアニメとは完全に別物である。
+
:単行本版は『ゾイド公式ファンブック』(やはり連載版と内容が変更されている部分がある。)だが、こちらも書籍分は4巻で終了。続きは『ゾイド公式ファンブックEX』名義でキットに封入された小冊子にて完結。
:単行本版は『ゾイド公式ファンブック』(やはり連載版と内容が変更されている部分がある。またジェネシス編は存在しない)だが、こちらも「共和国の反撃はこれからだ」のまま4巻で終了。続きは『ゾイド公式ファンブックEX』名義でキットに封入された小冊子にて発表された。
+
:同時期に展開していたアニメ四作の何れとも世界観の繋がりはない。
 
;月刊ゾイドグラフィックス
 
;月刊ゾイドグラフィックス
:復刻キット(主に小型キットだが、オルディオス等の大型キットも存在する)を付録にした冊子タイプのデータファイル。2008年~2009年に展開されていた。惑星Ziの歴史や世界設定、各種ゾイドのメカニックなどを、昭和設定をベースに解説。
+
:復刻キット(主に小型キットだが、オルディオス等の大型キットも存在する)を付録にした冊子タイプのデータファイル。2008年~2009年に展開されていた。惑星Ziの歴史や世界設定、各種ゾイドのメカニックなどを、第一期シリーズの設定をベースに解説しているが、齟齬もみられる。
 
;ZOIDS concept art(ゾイドコンセプトアート)
 
;ZOIDS concept art(ゾイドコンセプトアート)
:2010年にホビージャパン社より発売されたイラスト集。全3巻。ジオラマではないがかつてのバトルストーリーが踏襲されたコンセプトの書籍で、「惑星ゾイド」と呼ばれる星の歴史が描かれている。
+
:2010年にホビージャパン社より発売されたイラスト集。全3巻。こちらはジオラマなくアートブック形式でストーリーを展開。所々はかつてのバトルストーリーを意識しつつも設定を一からリブートした新規世界観となる。「惑星ゾイド」と呼ばれる星の歴史が描かれている。
 
:タカラトミーのゾイド企画室による「公式」完全監修であり、1980年代の「ゾイド星」の設定とも、アニメ化にあわせて2000年代にリファインされた「惑星Zi」の設定とも異なる歴史が描かれている。また、新たに起こされた設定も数多く存在する。
 
:タカラトミーのゾイド企画室による「公式」完全監修であり、1980年代の「ゾイド星」の設定とも、アニメ化にあわせて2000年代にリファインされた「惑星Zi」の設定とも異なる歴史が描かれている。また、新たに起こされた設定も数多く存在する。
 
:この書籍で描かれた新設定を基にした玩具シリーズ「ゾイドオリジナル」が2013年から2014年にかけて展開された。
 
:この書籍で描かれた新設定を基にした玩具シリーズ「ゾイドオリジナル」が2013年から2014年にかけて展開された。
100行目: 100行目:  
*1991年から1993年にかけて、ゾイドシリーズと世界観を共有する『装甲巨神Z(ズィー)ナイト』という作品が玩具展開されていたが、こちらは売上不振により打ち切られている。戦闘ゾイドの技術が地球に持ち込まれて起こる戦乱、というのが背景設定である。ゾイドの造形は徹底的に人型が避けられているが、『Zナイト』のメカは全て巨大人型ロボットなのが特徴。ちなみに、サンライズによって店頭用プロモーションアニメが制作されている。
 
*1991年から1993年にかけて、ゾイドシリーズと世界観を共有する『装甲巨神Z(ズィー)ナイト』という作品が玩具展開されていたが、こちらは売上不振により打ち切られている。戦闘ゾイドの技術が地球に持ち込まれて起こる戦乱、というのが背景設定である。ゾイドの造形は徹底的に人型が避けられているが、『Zナイト』のメカは全て巨大人型ロボットなのが特徴。ちなみに、サンライズによって店頭用プロモーションアニメが制作されている。
 
*『[[絶対無敵ライジンオー]]』の没シナリオの1つに、「ライジンオーとキングゴジュラスを競演させる」という話があった。ちなみに『ライジンオー』もトミーがメインスポンサーである。
 
*『[[絶対無敵ライジンオー]]』の没シナリオの1つに、「ライジンオーとキングゴジュラスを競演させる」という話があった。ちなみに『ライジンオー』もトミーがメインスポンサーである。
*『[[機動戦士ガンダムSEED]]』シリーズの福田巳津央監督はゾイドシリーズのファンを公言しており、[[ストライクガンダム]]の装備換装機構やガンダムシリーズ初の4足獣型MS・[[バクゥ]]等、アニメ版ゾイドシリーズを参考にしたメカニックが登場する。
+
*『[[機動戦士ガンダムSEED]]』シリーズの福田巳津央監督はインタビューに際し、同作を作るうえで自身の子供に(当時の)若年層の流行をリサーチしたところ、そこにゾイドやデジモンシリーズがあったことからガンダムシリーズ初の4足獣型MS・[[バクゥ]]が登場したと語っている。
 
*2018年放送のTVドラマ『おっさんずラブ』では主人公の趣味としてゾイドが登場する。劇中では[[シールドライガー]]と[[セイバータイガー]]が登場し、後者は'''何気なく物語の伏線を担っている。'''
 
*2018年放送のTVドラマ『おっさんずラブ』では主人公の趣味としてゾイドが登場する。劇中では[[シールドライガー]]と[[セイバータイガー]]が登場し、後者は'''何気なく物語の伏線を担っている。'''
 
**タカラトミーのTwitter上でも同ドラマを意識した発言を行っている。
 
**タカラトミーのTwitter上でも同ドラマを意識した発言を行っている。
59

回編集

案内メニュー