;「あなたがいなければ良かった」<br />「あなたがいなければ、あの子はここまで苦しまずに済んだはずなのに。あなたが外の世界を見せなければ」<br />「あの子を愛してたのは私だけで良かったの」<br />「あの子に苦しみを与えたのは、私の責任なの。あの子を作り出してしまった私のね。だから、私はすべてを与えるつもりだった。あの子の宿命を支えてあげられるのは、私しかいないはずだったから。なのに、あの子は自分の世界を見つけてしまった。あなたがいる世界を。あなたとの世界を」<br />「私は、もうあの子と苦しみを分かち合うことはできない。それはあの子が望まなかったから。悔しいけど、あの子が望んだのは消したはずの遠い想い出」<br />「さっさと行きなさい」<br />「そんなにあの子と苦しみたいんだったら、一緒に苦しんであげて。それができるのは、あなただけよ……遥ちゃん」<br />「息子を……頼みます」 | ;「あなたがいなければ良かった」<br />「あなたがいなければ、あの子はここまで苦しまずに済んだはずなのに。あなたが外の世界を見せなければ」<br />「あの子を愛してたのは私だけで良かったの」<br />「あの子に苦しみを与えたのは、私の責任なの。あの子を作り出してしまった私のね。だから、私はすべてを与えるつもりだった。あの子の宿命を支えてあげられるのは、私しかいないはずだったから。なのに、あの子は自分の世界を見つけてしまった。あなたがいる世界を。あなたとの世界を」<br />「私は、もうあの子と苦しみを分かち合うことはできない。それはあの子が望まなかったから。悔しいけど、あの子が望んだのは消したはずの遠い想い出」<br />「さっさと行きなさい」<br />「そんなにあの子と苦しみたいんだったら、一緒に苦しんであげて。それができるのは、あなただけよ……遥ちゃん」<br />「息子を……頼みます」 |