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− しかしその内面は、肥大したエゴの塊そのもので、卑劣で残忍かつ狡猾な[[性格]]。自分以外の他人全てを見下し、目的の為に「道具」として利用し犠牲にする事を一切躊躇わない傲慢さの持ち主で、自らが冥府の王…「冥王」になるという独善極まりない野心を秘めて、その実現の為に鉄甲龍を裏切って[[天のゼオライマー]]を奪い、物語の「真の元凶」として暗躍を重ねる事になる。
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− しかし、これは「本当の意味の惨劇」の始まりに過ぎなかった…。
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− 実は15年前、自分がいずれどこに行ったとしても殺される事を把握していたマサキは、自身と同じ遺伝子を持つクローンがゼオライマーに搭乗するのと同時に、データ化した自身の人格と記憶がプログラミングされるようセットしており、ゼオライマーの機体のパイロット登録システムに自身の遺伝子を登録していたのもその為だった。これは他の八卦ロボに登録されていたパイロット達の場合も同様で、マサキは日本政府か鉄甲龍のどちらかが世界を制し、その鍵となるのがゼオライマーであると計算。ゼオライマーの搭乗者になる予定だった幽羅帝だけでなく[[八卦衆]]のメンバー達もまた、全員が「マサキの遺伝子から造られたクローン」として生み出される事になり、最終的に彼らの内の誰がゼオライマーを手中に収める事になっても、マサキの人格が上書きされてしまうという悪意に満ちたシナリオとなっていたのである。かくしてマサトに人格と記憶がプログラミングされる形で、木原マサキの邪悪な人格は現れ、彼による八卦衆の「一方的な虐殺劇」が幕を開ける事になる。
− 耐爬の駆るランスターの撃破後、すれ違いを重ねながらも挑んでくる[[シ・アエン]]、[[シ・タウ]]の姉妹が駆る[[水のガロウィン]]、[[火のブライスト]]相手には、意図的に民間人の犠牲をした戦い方を展開し、和解しかけた姉妹の姿を「茶番」と嘲笑う形で撃破。続く自身の運命を弄ばれマサキを憎む[[葎]]の[[月のローズセラヴィー]]戦では、美久が連れ去られてしまう事態となり、一時的にマサトの人格と入れ替わるが、隙を見て再び人格を入れ替えて次元連結システムのデバイスそのものであった美久を呼び戻し、形勢を逆転させたマサキは、自身を「お父さん」と呼ぶ葎の気持ちを尻目にして撃破する。+
− 帰還後、マサキの人格は、ほぼ完全にマサトの身体を掌握する事になり、後に[[塞臥]]、[[ロクフェル]]、[[祗鎗]]の駆る[[雷のオムザック]]、[[地のディノディロス]]、[[山のバーストン]]の3機によって世界各国の軍隊が壊滅する中、マサキは美久の説得を受け入れないどころか狼藉を働きながら「成長するガラクタ」と嘲り、沖率いる武装部隊の脅迫にも次元連結システムを応用したデバイスによって跳ねのけ、まさに徹頭徹尾といって良い形で己の欲望のままに行動する。しかし、[[ラスト・ガーディアン]]本部を直接攻撃してきた塞臥達3人の愛情関係がもたらした[[三角関係]]を見た結果、消滅したと思っていたマサトの良心が突き動かされる事になり、最終的に彼らを葬ったものの、マサキの人格はマサトの強靭な意思によって押さえつけられてしまう事になった。最後は全てに決着をつけるべく、自らの意志で出撃したマサトと美久、そして同じく決着をつけようと待ち構えていた幽羅帝3人の意志によって、マサキの邪悪な人格もまた、全てを巻き込んだメイオウ攻撃によって消滅。その歪んだ野心は完全に終止符を打たれるのだった。+
→概要
== 概要 ==
== 概要 ==
かつて[[鉄甲龍]]に所属していた科学者で、機械工学のみならず生物工学にも才能を発揮した天才的技術者。
かつて[[鉄甲龍]]に所属していた科学者で、機械工学のみならず生物工学にも才能を発揮した天才的技術者。しかしその内面は、肥大したエゴの塊そのもので、卑劣で残忍かつ狡猾な[[性格]]。自分以外の他人全てを見下し、目的の為に「道具」として利用し犠牲にする事を一切躊躇わない傲慢さの持ち主で、自らが冥府の王…「冥王」になるという独善極まりない野心を秘めて、その実現の為に鉄甲龍を裏切って[[天のゼオライマー]]を奪い、物語の「真の元凶」として暗躍を重ねる事になる。
=== 劇中での活躍 ===
=== 劇中での活躍 ===
==== 生い立ち ====
==== 生前 ====
15年前、世界制覇を目論む秘密結社「鉄甲龍」の技術者として活躍していたマサキは、[[ルラーン]]と共に8体の[[八卦ロボ]]を開発し、更には異次元から無尽蔵のエネルギーを供給するシステムである[[次元連結システム]]も独自に開発。まさに組織の最大の功労者としてマサキは名声を欲しいままにしていた。
15年前、世界制覇を目論む秘密結社「鉄甲龍」の技術者として活躍していたマサキは、[[ルラーン]]と共に8体の[[八卦ロボ]]を開発し、更には異次元から無尽蔵のエネルギーを供給するシステムである[[次元連結システム]]も独自に開発。まさに組織の最大の功労者としてマサキは名声を欲しいままにしていた。
その後、[[日本]]政府に保護と見返りを要求するのだが、その危険な野心を見抜いていた政府側は[[沖功]]に抹殺を命令し、ゼオライマーを日本に持ち込んだマサキは、自身の[[クローン]]受精卵を提供した直後、沖によって射殺される事となった。
その後、[[日本]]政府に保護と見返りを要求するのだが、その危険な野心を見抜いていた政府側は[[沖功]]に抹殺を命令し、ゼオライマーを日本に持ち込んだマサキは、自身の[[クローン]]受精卵を提供した直後、沖によって射殺される事となった。
==== 本編 ====
==== 本編 ====
マサキの死後から15年後、長い年月を経て八卦ロボの修復をほぼ完了させ、世界制覇に向けての準備を整えた鉄甲龍は、指導者である[[幽羅帝]]の指示の下、[[耐爬]]の駆る[[風のランスター]]に出撃を命じる形で活動を開始。対する日本政府は、里親に預けたマサキのクローンの成長した[[秋津マサト]]を拉致し、[[氷室美久]]と共に、強制的にゼオライマーで出撃させるのだが、ゼオライマーにはある細工が仕込まれていた。
マサキの死後から15年後、長い年月を経て八卦ロボの修復をほぼ完了させ、世界制覇に向けての準備を整えた鉄甲龍は、指導者である[[幽羅帝]]の指示の下、[[耐爬]]の駆る[[風のランスター]]に出撃を命じる形で活動を開始。対する日本政府は、里親に預けていた[[秋津マサト|マサキのクローン]]を拉致し、[[氷室美久]]と共に、強制的にゼオライマーで出撃させるのだが、ゼオライマーにはある細工が仕込まれていた。
実は15年前、自分がいずれどこに行ったとしても殺される事を把握していたマサキは、自身と同じ遺伝子を持つクローンがゼオライマーに搭乗するのと同時に、データ化した自身の人格と記憶がプログラミングされるようセットしており、ゼオライマーの機体のパイロット登録システムに自身の遺伝子を登録していたのもその為だった。これは他の八卦ロボに登録されていたパイロット達の場合も同様で、マサキは日本政府か鉄甲龍のどちらかが世界を制し、その鍵となるのがゼオライマーであると計算。ゼオライマーの搭乗者になる予定だった幽羅帝だけでなく[[八卦衆]]のメンバー達もまた、全員が「マサキの遺伝子から造られたクローン」として生み出される事になり、最終的に彼らの内の誰がゼオライマーを手中に収める事になっても、マサキの人格が上書きされてしまうという悪意に満ちたシナリオとなっていたのである。かくしてマサトに人格と記憶がプログラミングされる形で、木原マサキは復活する。
マサキの人格は、ほぼ完全にマサトの身体を掌握する事になり、まさに徹頭徹尾といって良い形で己の欲望のままに行動する。しかし、[[ラスト・ガーディアン]]本部を直接攻撃してきた塞臥達3人の愛情関係がもたらした[[三角関係]]を見た結果、消滅したと思っていたマサトの良心が突き動かされる事になり、最終的に彼らを葬ったものの、マサキの人格はマサトの強靭な意思によって押さえつけられてしまう事になった。最後は全てに決着をつけるべく、自らの意志で出撃したマサトと美久、そして同じく決着をつけようと待ち構えていた幽羅帝3人の意志によって、マサキの邪悪な人格もまた、全てを巻き込んだメイオウ攻撃によって消滅。その歪んだ野心は完全に終止符を打たれるのだった。
なお、マサトに宿っていたマサキは、あくまでも「秋津マサト」という人間に、ゼオライマーに登録されていた「木原マサキ」の人格と記憶のデータを半ば無理矢理上書きされたものでしかなく、本当にマサキが生き返っていた訳では無い。予めプラグラムされた物であったとしても最後までその想いを切り捨てず散ったロクフェルの様に、15年という年月を経て記憶と経験を培って生まれたマサトの優しい「心」もまた、マサキの人格と記憶のデータが植え付けられただけでは失われず、優れた頭脳と技術を持ちながらも、人間の心を理解せず、自身のゲームを楽しむ為の玩具として利用し軽視し続けるだけだった時点で、マサキの野望が潰えるのは必然だったのかもしれない。
なお、マサトに宿っていたマサキは、あくまでも「秋津マサト」という人間に、ゼオライマーに登録されていた「木原マサキ」の人格と記憶のデータを半ば無理矢理上書きされたものでしかなく、本当にマサキが生き返っていた訳では無い。予めプラグラムされた物であったとしても最後までその想いを切り捨てず散ったロクフェルの様に、15年という年月を経て記憶と経験を培って生まれたマサトの優しい「心」もまた、マサキの人格と記憶のデータが植え付けられただけでは失われず、優れた頭脳と技術を持ちながらも、人間の心を理解せず、自身のゲームを楽しむ為の玩具として利用し軽視し続けるだけだった時点で、マサキの野望が潰えるのは必然だったのかもしれない。