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| *メカニックデザイン:{{メカニックデザイン|シド・ミード}} | | *メカニックデザイン:{{メカニックデザイン|シド・ミード}} |
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− | ビシニティの石像の中で眠っていた[[モビルスーツ]]。「'''ターンエーガンダム'''」と読む。その姿から「ホワイトドール」「ヒゲ」などとも呼ばれる。劇中この機体を「[[ガンダム]]」と呼ぶのは[[コレン・ナンダー]]や[[ギム・ギンガナム]]くらいで、「∀ガンダム」と本編中で呼ばれた事は一度しかない。それというのも機体の名前が判明していないからである。 | + | ビシニティの石像の中で眠っていた[[モビルスーツ]]。「'''ターンエーガンダム'''」と読む。 |
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| + | その姿から「ホワイトドール」「ヒゲ」などとも呼ばれる。劇中この機体を「[[ガンダム]]」と呼ぶのは[[コレン・ナンダー]]や[[ギム・ギンガナム]]くらいで、「∀ガンダム」と本編中で呼ばれた事は一度しかない。それというのも機体の名前が判明していないからである。 |
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| + | === 機体概要 === |
| 本機に代表される[[黒歴史]]級のMSは、駆動に「IFBD(アイフィールドビームドライブ)」を採用している。これは体中に[[Iフィールド]](同名の一般的なものと違って、実弾に対しても有効)を張り巡らせ、これの形を変える事で機体を動かす、操り人形のようなシステムである。このため、機体の中に駆動系を必要とせず、足は殆ど推進機で体は広い空きスペースといった設計が可能になっている。特に胸部の空間は「マルチパーパスサイロ」と名付けられ、ミサイルなどを収納できる。 | | 本機に代表される[[黒歴史]]級のMSは、駆動に「IFBD(アイフィールドビームドライブ)」を採用している。これは体中に[[Iフィールド]](同名の一般的なものと違って、実弾に対しても有効)を張り巡らせ、これの形を変える事で機体を動かす、操り人形のようなシステムである。このため、機体の中に駆動系を必要とせず、足は殆ど推進機で体は広い空きスペースといった設計が可能になっている。特に胸部の空間は「マルチパーパスサイロ」と名付けられ、ミサイルなどを収納できる。 |
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| また、高性能な[[ナノマシン]]を持っており、ある程度の自己修復・自己メンテナンスができる"生きている"マシンである。逆に、これを分解に用いる装備として月光蝶がある。これは本来極小サイズのナノマシンを噴出し、人工物を分解・[[地球]]の浄化作用をうながすためのシステムであったが、[[黒歴史]]以前の文明を滅ぼした力として、それを欲した[[ターンX]]のパイロットである[[ギム・ギンガナム]]によりコピーされ兵器として利用されてしまった。なお、本機が埋まっていたビシニティの石像の正体はナノスキンの垢が堆積したものである。 | | また、高性能な[[ナノマシン]]を持っており、ある程度の自己修復・自己メンテナンスができる"生きている"マシンである。逆に、これを分解に用いる装備として月光蝶がある。これは本来極小サイズのナノマシンを噴出し、人工物を分解・[[地球]]の浄化作用をうながすためのシステムであったが、[[黒歴史]]以前の文明を滅ぼした力として、それを欲した[[ターンX]]のパイロットである[[ギム・ギンガナム]]によりコピーされ兵器として利用されてしまった。なお、本機が埋まっていたビシニティの石像の正体はナノスキンの垢が堆積したものである。 |
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− | 本機搭載の[[コアファイター]]はそれまでのシリーズのものと異なりモビルスーツとしての構造や稼働に関わらない。∀ガンダムの制御コックピットとしての意味合いが強く、奪われた∀ガンダムと対決したことも。劇中ではミサイルを撃っていたが、後付であり本来は非武装の完全な脱出装置である。
| + | ==== [[コアファイター]] ==== |
| + | それまでのシリーズのものと異なりモビルスーツとしての構造や稼働に関わらない。∀ガンダムの制御コックピットとしての意味合いが強く、奪われた∀ガンダムと対決したことも。 |
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| + | 劇中ではミサイルを撃っていたが、後付であり本来は非武装の完全な脱出装置である。 |
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| + | === 劇中での活躍 === |
| イングレッサ・ミリシャが[[ムーンレィス]]に対抗できたのは本機のおかげと言ってよく、ほぼ単機で何度も窮地を脱して見せている。また、局地的かつ小競り合いな紛争ばかりの作品ではあったが、名も無い一般兵を含め驚くほど人的被害を軽減して見せたのもこの機体と[[ロラン・セアック]]の力であったと言える。 | | イングレッサ・ミリシャが[[ムーンレィス]]に対抗できたのは本機のおかげと言ってよく、ほぼ単機で何度も窮地を脱して見せている。また、局地的かつ小競り合いな紛争ばかりの作品ではあったが、名も無い一般兵を含め驚くほど人的被害を軽減して見せたのもこの機体と[[ロラン・セアック]]の力であったと言える。 |
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| 作中では洗濯、牛の運搬、橋代わりなど平和目的、引いては機械の本質である「道具」として使用されるシーンが印象的であった。そもそもモビルスーツの本来の姿は「過酷な環境に適応した万能の作業機械」なので、ある意味原点に立ち返ったともいえる。最後は[[ターンX]]と相討ちとなり、共にナノマシンの繭に包まれ再び眠りについている。 | | 作中では洗濯、牛の運搬、橋代わりなど平和目的、引いては機械の本質である「道具」として使用されるシーンが印象的であった。そもそもモビルスーツの本来の姿は「過酷な環境に適応した万能の作業機械」なので、ある意味原点に立ち返ったともいえる。最後は[[ターンX]]と相討ちとなり、共にナノマシンの繭に包まれ再び眠りについている。 |
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− | === 表記について ===
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− | 「∀」の記号は数学の「全ての・任意の」を表す記号である(線形代数学等で使用する)。確かにアルファベットのAをひっくり返した形になっているが、そもそもアルファベットですらない。なので、入力するには「ターンエー」「トップスタンドエー」ではなく'''「きごう」「すべて」'''で変換しよう。また、PCの言語バーの辞書登録機能を使って登録しておくという方法もある。
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| == 登場作品と操縦者 == | | == 登場作品と操縦者 == |
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| :[[Iフィールド]]機能を持ち合わせた大型の盾。形状は[[ゲルググ]]のシールドにそっくりである。 | | :[[Iフィールド]]機能を持ち合わせた大型の盾。形状は[[ゲルググ]]のシールドにそっくりである。 |
| ;ミサイル | | ;ミサイル |
| + | :コアファイターに後付で装備。 |
| :『α外伝』でコアファイターに分離したときの唯一の武装。 | | :『α外伝』でコアファイターに分離したときの唯一の武装。 |
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− | ==== 月光蝶 ==== | + | ==== 特筆機能 ==== |
− | 背部から[[ナノマシン]]を噴射し、あらゆる人工物を砂に分解する。 | + | ;月光蝶 |
− | | + | :背部から[[ナノマシン]]を噴射し、あらゆる人工物を砂に分解する。資料によれば、劇中で∀が使用したものとターンXがコピーして使用したものは両方とも'''フルパワーの1/10以下'''。最大出力で起動した場合は地球圏から木星圏まで届くという。地上で使用した場合、副次効果としてハリケーンが発生する。 |
− | 資料によれば、劇中で∀が使用したものとターンXがコピーして使用したものは両方とも'''フルパワーの1/10以下'''。最大出力で起動した場合は地球圏から木星圏まで届くという。地上で使用した場合、副次効果としてハリケーンが発生する。
| + | :格闘・射撃という規範に入るのかすら不明な兵装だが、スパロボでは基本的に格闘扱いで、通常版と[[マップ兵器]]版が存在する。マップ兵器版は威力・射程共にトップクラスであり、月光蝶が解禁される後半の∀の殲滅力は頭一つ飛びぬけている。[[ターンX]]との対決では月光蝶が暴走した。スパロボでもターンXに対して通常兵器版を使用すると、戦闘アニメが変化するという非常に珍しい演出が『[[スーパーロボット大戦α外伝|α外伝]]』から導入されている。 |
− | | + | :Zシリーズでは装甲値ダウンの[[特殊効果]]が追加されたため、更に猛威を振るった。『[[第2次スーパーロボット大戦Z|第2次Z]]』ではロランによって封印されていたが、『[[第2次スーパーロボット大戦Z再世篇|第2次Z再世篇]]』においてロランの手により封印が解かれる。その理由は、地上に落下しようとしている[[ピラー破片|ピラーの破片]]から人々の命を救うためというロランらしい理由であった。また、『[[第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇|第3次Z天獄篇]]』の[[トドメ演出]]は原作OPのアオリとダッシュを忠実に再現しており、必見の出来。 |
− | 格闘・射撃という規範に入るのかすら不明な兵装だが、スパロボでは基本的に格闘扱いで、通常版と[[マップ兵器]]版が存在する。マップ兵器版は威力・射程共にトップクラスであり、月光蝶が解禁される後半の∀の殲滅力は頭一つ飛びぬけている。[[ターンX]]との対決では月光蝶が暴走した。スパロボでもターンXに対して通常兵器版を使用すると、戦闘アニメが変化するという非常に珍しい演出が『[[スーパーロボット大戦α外伝|α外伝]]』から導入されている。 | + | :『第3次Z天獄篇』では中盤で更なる封印が解かれ、気力130以上でコマンドとしての月光蝶が追加される。その効果は1マップで1度のみ使用可能で使用すると行動終了になるが、自身を中心とした10マス範囲内の全ての敵のENを300減らし、自身のENを全回復するという強烈な効果である。オールキャンセラーなどで無効にされない為ボスクラスの敵のENも吸収する事が可能(ただしENが300以上あったりEN回復持ちも多いため過信は禁物)。EN消費武器しかない敵やバリア持ちの敵を事実上無力化できるのと同時に、自身のEN消費の多さをカバーできる。ただ、ENを回復する目的なら行動回数を消費せずとも回復できるプロペラントタンクや精神コマンド[[補給]]・補助GNドライヴ、DECチャージャー等で十分にカバーできるので、雑魚敵を無力化するか緊急時のみの使用に限定した方が無駄も無い。エフェクトは『[[スーパーロボット大戦Z|Z]]』でターンXが使用していた月光蝶のものが採用されている。 |
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− | Zシリーズでは装甲値ダウンの[[特殊効果]]が追加されたため、更に猛威を振るった。『[[第2次スーパーロボット大戦Z|第2次Z]]』ではロランによって封印されていたが、『[[第2次スーパーロボット大戦Z再世篇|第2次Z再世篇]]』においてロランの手により封印が解かれる。その理由は、地上に落下しようとしている[[ピラー破片|ピラーの破片]]から人々の命を救うためというロランらしい理由であった。また、『[[第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇|第3次Z天獄篇]]』の[[トドメ演出]]は原作OPのアオリとダッシュを忠実に再現しており、必見の出来。 | |
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− | 『第3次Z天獄篇』では中盤で更なる封印が解かれ、気力130以上でコマンドとしての月光蝶が追加される。その効果は1マップで1度のみ使用可能で使用すると行動終了になるが、自身を中心とした10マス範囲内の全ての敵のENを300減らし、自身のENを全回復するという強烈な効果である。オールキャンセラーなどで無効にされない為ボスクラスの敵のENも吸収する事が可能(ただしENが300以上あったりEN回復持ちも多いため過信は禁物)。EN消費武器しかない敵やバリア持ちの敵を事実上無力化できるのと同時に、自身のEN消費の多さをカバーできる。ただ、ENを回復する目的なら行動回数を消費せずとも回復できるプロペラントタンクや精神コマンド[[補給]]・補助GNドライヴ、DECチャージャー等で十分にカバーできるので、雑魚敵を無力化するか緊急時のみの使用に限定した方が無駄も無い。 | |
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| ==== [[召喚攻撃]] ==== | | ==== [[召喚攻撃]] ==== |
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| ;[[分離]] | | ;[[分離]] |
| :コア・ファイターに分離する。『[[スーパーロボット大戦α外伝|α外伝]]』のみ実装。 | | :コア・ファイターに分離する。『[[スーパーロボット大戦α外伝|α外伝]]』のみ実装。 |
− | ;月光蝶
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− | :『第3次Z天獄篇』で追加された特殊能力版。∀を中心に範囲10マスの識別型MAP兵器で、ステージ中1回、敵機のENを-300し、∀のENを全回復する。オールキャンセラーを貫通する。エフェクトは『[[スーパーロボット大戦Z|Z]]』でターンXが使用していた月光蝶のものが採用されている。
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| === 移動タイプ === | | === 移動タイプ === |
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| == 余談 == | | == 余談 == |
| + | *「∀」の記号は数学の「全ての・任意の」を表す記号である(線形代数学等で使用する)。確かにアルファベットのAをひっくり返した形になっているが、そもそもアルファベットですらない。なので、入力するには「ターンエー」「トップスタンドエー」ではなく'''「きごう」「すべて」'''で変換しよう。また、PCの言語バーの辞書登録機能を使って登録しておくという方法もある。 |
| *本機はメディアによって能力の表現度合いが異なっており、中には凄まじい性能を有していることもある。それらの裏設定(?)の扱いが特に大きいのは小説版とゲーム『SDガンダムGジェネレーション スピリッツ』で、TV版が控え目に見えるほど性能の違いが顕著である。 | | *本機はメディアによって能力の表現度合いが異なっており、中には凄まじい性能を有していることもある。それらの裏設定(?)の扱いが特に大きいのは小説版とゲーム『SDガンダムGジェネレーション スピリッツ』で、TV版が控え目に見えるほど性能の違いが顕著である。 |
| **この能力の違いが、メディア間の設定の違いか、表現上の差なのかは判然としない。ただ、これまでの、そしてこれからの全てのガンダムを通過した最終到達点とも言える黒歴史、その最後の[[MS]]である本機の性能は[[ガンダムシリーズ]]が拡大していくに連れて常に変化し続けるため「未知数」というのが的確な表現なのかもしれない。 | | **この能力の違いが、メディア間の設定の違いか、表現上の差なのかは判然としない。ただ、これまでの、そしてこれからの全てのガンダムを通過した最終到達点とも言える黒歴史、その最後の[[MS]]である本機の性能は[[ガンダムシリーズ]]が拡大していくに連れて常に変化し続けるため「未知数」というのが的確な表現なのかもしれない。 |