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| *意志を持っている(「スーパーロボット大戦Z」のソフトバンククリエイティブの攻略本後書きにて寺田Pが明言)。 | | *意志を持っている(「スーパーロボット大戦Z」のソフトバンククリエイティブの攻略本後書きにて寺田Pが明言)。 |
| *生命体の進化に何らかの関わりを持つ。 | | *生命体の進化に何らかの関わりを持つ。 |
− | *陰陽の側面を持つ太極の欠片であるため、星座で正対となっているスフィアは似た性質と相容れない性質が同居することになる。 | + | *それぞれ固有の因果を持っている。スフィア同士が接触した時、相性が悪い場合は一方が一方の力を打ち消すが、相性がいい場合は互いに力を高め合い、源理の力を導くことも可能。逆に因果の干渉が起こらない場合は当然何も起こらない。 |
− | *それぞれ、星座や[[タロット]]のアルカナに由来する固有の因果を持っている。モチーフとなった要素のうち、性格分類は能力、アルカナの寓画・寓意は属性、正位置・逆位置はリアクターの在り様を示す。スフィア同士が接触した時、相性が悪い場合は一方が一方の力を打ち消すが、相性がいい場合は互いに力を高め合い、源理の力を導くことも可能。逆に因果の干渉が起こらない場合は当然何も起こらない。
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| **確認されているのは、以下の3つ。 | | **確認されているのは、以下の3つ。 |
| **#「知りたがる山羊はその好奇心で「偽りの黒羊」の嘘を暴く | | **#「知りたがる山羊はその好奇心で「偽りの黒羊」の嘘を暴く |
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| *真の力を発揮することによって覚醒者には反作用として何らかの異常が発生する(「偽りの」黒羊を持つアイムは意味のあることが喋れなくなり、「傷だらけの」獅子に同調したランドは肉体的にも精神的にも激しい苦痛を感じた)。ただし、基本的に機動兵器に搭乗している時にしか起こらない(セツコは逆で、搭乗していない時に反作用が起きていた)。また、ガドライトや尸空、再世篇のセツコのように真の力を引き出しているにもかかわらず反作用らしきものが確認されていない場合もあるので、この反作用を乗り越えることがスフィアの覚醒の一つの段階であると思われる(おそらくサード・ステージへの移行段階)。 | | *真の力を発揮することによって覚醒者には反作用として何らかの異常が発生する(「偽りの」黒羊を持つアイムは意味のあることが喋れなくなり、「傷だらけの」獅子に同調したランドは肉体的にも精神的にも激しい苦痛を感じた)。ただし、基本的に機動兵器に搭乗している時にしか起こらない(セツコは逆で、搭乗していない時に反作用が起きていた)。また、ガドライトや尸空、再世篇のセツコのように真の力を引き出しているにもかかわらず反作用らしきものが確認されていない場合もあるので、この反作用を乗り越えることがスフィアの覚醒の一つの段階であると思われる(おそらくサード・ステージへの移行段階)。 |
| **覚醒には段階があり、リアクターを得た当初はファースト・ステージ、単純な動力としての使用に留まる。この時点ではスフィアはリアクターに影響を与えないが、逆にリアクターもスフィアに対して何も出来ない。 | | **覚醒には段階があり、リアクターを得た当初はファースト・ステージ、単純な動力としての使用に留まる。この時点ではスフィアはリアクターに影響を与えないが、逆にリアクターもスフィアに対して何も出来ない。 |
− | **リアクターの覚醒が進み、セカンド・ステージに到達すると、両者の間のつながりが強まり、リアクターが意志の力でスフィアを稼動させ、次元力を引き出せるようになる。この時、スフィアはリアクターの「意志の力」を受けることで次元力を抽出するが、同時にそれぞれの属性に応じた事象制御の力、即ち「スフィア・アクト」を発動する。このステージでは、リアクターの意志は力を引き出すこと(≒その力を扱う自分自身)にしか向けられないため、アクトがリアクター本人に適用される。外から見ると、スフィアを使うことによって反作用を受けているように見える。 | + | **リアクターの覚醒が進み、セカンド・ステージに到達すると、両者の間のつながりが強まり、リアクターが意志の力でスフィアを稼動させ、次元力を引き出せるようになる。ただし、この段階でリアクターには反作用が発生する。 |
− | ***スフィアによってはアクトをリアクターに対して勝手に発動し、無理やりその覚醒を促すことがある。
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| **リアクターが成長し、次元力の扱いに慣れて来ると、その覚醒はサード・ステージに進む。このステージに達すると、スフィア・アクトの対象をコントロールできるようになり、マシンがその場になくとも力を引き出せるようになる。ただし、リアクターであり続けるための「共鳴条件」は変わらないため、「いがみ合う双子」など、スフィアによっては'''反作用そのものを克服してもそれによる変化までは打ち消せないことがある'''。 | | **リアクターが成長し、次元力の扱いに慣れて来ると、その覚醒はサード・ステージに進む。このステージに達すると、スフィア・アクトの対象をコントロールできるようになり、マシンがその場になくとも力を引き出せるようになる。ただし、リアクターであり続けるための「共鳴条件」は変わらないため、「いがみ合う双子」など、スフィアによっては'''反作用そのものを克服してもそれによる変化までは打ち消せないことがある'''。 |
| *覚醒の進度は不可逆であり、リアクターが変わっても覚醒したまま。ただし、力をどの程度使えるかは新たなリアクターの熟練度による。 | | *覚醒の進度は不可逆であり、リアクターが変わっても覚醒したまま。ただし、力をどの程度使えるかは新たなリアクターの熟練度による。 |
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| == 12のスフィア == | | == 12のスフィア == |
− | 前述の通りスフィアの総数は12である(とされている)。再世篇にてユーサーにより、[[黄道十二星座]]に対応していることが明らかにされた。なお、セツコ、ランド、クロウ、ヒビキ共に初期誕生日と関連するスフィアの星座が一致しているが、スフィアを扱うにあたって関係あるかは不明(設定的に考えれば何のスフィアを扱うかの比喩であろう)。またスフィアそれぞれに属性があり、同調が進むと所持者はその属性に引きずられ、性質が変わって行く。
| + | 前述の通りスフィアの総数は12である。再世篇にてユーサーにより、[[黄道十二星座]]に対応していることが明らかにされた。なお、セツコ、ランド、クロウ、ヒビキ共に初期誕生日と関連するスフィアの星座が一致しているが、スフィアを扱うにあたって関係あるかは不明(設定的に考えれば何のスフィアを扱うかの比喩であろう)。またスフィアそれぞれに属性があり、同調が進むと所持者はその属性に引きずられ、性質が変わって行く。 |
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| 現在発覚しているスフィアの性質は、星座ごとの性格分類に近いもしくは逆の関係にあるものが多い。逆の性質も、自然が感じられなくなることで自然を愛する心が高まるという風に、マイナスの状況に追い込むことで因子を高めるための可能性もある。時獄編の時点によると「スフィアの代償は主に精神的な物」とのこと(ユーサーは表面的な変容が出てはいるものの、セツコやランドの症状はある程度は「そう強く思い込まされているだけ」の可能性がある)。 | | 現在発覚しているスフィアの性質は、星座ごとの性格分類に近いもしくは逆の関係にあるものが多い。逆の性質も、自然が感じられなくなることで自然を愛する心が高まるという風に、マイナスの状況に追い込むことで因子を高めるための可能性もある。時獄編の時点によると「スフィアの代償は主に精神的な物」とのこと(ユーサーは表面的な変容が出てはいるものの、セツコやランドの症状はある程度は「そう強く思い込まされているだけ」の可能性がある)。 |
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− | アサキムはさらに詳細不明の残り四つ(牡牛座・蠍座・射手座・魚座)のうち一つを所持している。タロットが所有者を表すとすると、可能性が高いのはタロットで悪魔と対の関係にある牡牛座辺りだろうか。蠍座だとしたら「悪魔」「死神」というおよそ最悪のイメージがそろうため、特に嫌な組み合わせである。
| + | アサキムはさらに詳細不明の残り四つ(牡牛座・蠍座・射手座・魚座)のうち一つを所持している。 |
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− | このほかに有力視されているのが射手座。次から次へとスフィアの覚醒を促すアサキムの行動は'''射手座が司る性格分類そのもの'''であるほか、射手座の神話のケイローンは毒を受け、不死であるがゆえに苦しみ、最終的に不死身を捨てて死を選んでおり、不滅の呪縛を受け己の死を求めて彷徨うアサキムにこれでもかと言うほど合致している。
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| === 偽りの黒羊 === | | === 偽りの黒羊 === |
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| '''機動兵器に搭載されていなくとも条件を満たした者が近くにいれば覚醒し、同調の度合いが低くても覚醒者を自分の意に添うように動かす'''など危険な方向で確固たる意思と力を持っており、アリエティス自体もこのスフィアがアイムと名乗る前の彼をコントロールして作らせた。そのため、決して肉体的ダメージがないからと言って本当に安全なスフィアというわけではない。むしろアイムを見てわかるように、嘘で塗り固められた人生を送り続ける事で、「嘘付き」と見做されて誰からも信用されなくなる為、ある意味では危険なスフィアとも言える。いくら一番安全といっても上記のようにあくまでも'''反作用でリアクターが受ける被害が一番軽いから'''に過ぎない。当のアイムは完全に開き直っていたのか全く気にしていない様子ではあったが。しかし上記のように同調が進めば死を偽れるようになる='''リアクターが自分の意思で文字通りの不死身になれる'''ため、生存性もスフィアの中では現状一番高い。 | | '''機動兵器に搭載されていなくとも条件を満たした者が近くにいれば覚醒し、同調の度合いが低くても覚醒者を自分の意に添うように動かす'''など危険な方向で確固たる意思と力を持っており、アリエティス自体もこのスフィアがアイムと名乗る前の彼をコントロールして作らせた。そのため、決して肉体的ダメージがないからと言って本当に安全なスフィアというわけではない。むしろアイムを見てわかるように、嘘で塗り固められた人生を送り続ける事で、「嘘付き」と見做されて誰からも信用されなくなる為、ある意味では危険なスフィアとも言える。いくら一番安全といっても上記のようにあくまでも'''反作用でリアクターが受ける被害が一番軽いから'''に過ぎない。当のアイムは完全に開き直っていたのか全く気にしていない様子ではあったが。しかし上記のように同調が進めば死を偽れるようになる='''リアクターが自分の意思で文字通りの不死身になれる'''ため、生存性もスフィアの中では現状一番高い。 |
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− | 対の位置にある「揺れる天秤」の力が「思考の貫徹=己を偽らない力」であるのに対し、こちらは「'''己を偽る力'''」と言える。「相反する感情を意志で制御する⇒己の意志を偽る」という側面から、「相反する感情の衝突=己の意志と向き合うこと」を力とする「いがみ合う双子」の力を完全に封じることが出来る。このスフィアの力を引き出すには「嘘をつく⇒己の知る真実とは違うことを自分の意志で口にする⇒己を偽る意志」が必要となるため、他者に嘘を暴かれて己の意識と向き合わされた時点で停止してしまう。そのため、真実を強制的に暴き立てて外界に開示する「知りたがる山羊」との相性が最悪。
| + | 「相反する感情を意志で制御する⇒己の意志を偽る」という側面から、「相反する感情の衝突=己の意志と向き合うこと」を力とする「いがみ合う双子」の力を完全に封じることが出来る。このスフィアの力を引き出すには「嘘をつく⇒己の知る真実とは違うことを自分の意志で口にする⇒己を偽る意志」が必要となるため、他者に嘘を暴かれて己の意識と向き合わされた時点で停止してしまう。そのため、真実を強制的に暴き立てて外界に開示する「知りたがる山羊」との相性が最悪。 |
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| アサキムに奪われたと思われていたが、再世篇では「自分が死んだ」という稀代の大嘘を実行して生存したアイム共々再登場を果たした。最後にはアサキムの「知りたがる山羊」によって無力化され、ユーサーに討たれたことでその手に渡った。スフィア・アクトの内容から殺しても死なないという性質を得られるので、サード・ステージへの移行段階に入って以降は無力化しないで奪う方法が存在するかは不明。 | | アサキムに奪われたと思われていたが、再世篇では「自分が死んだ」という稀代の大嘘を実行して生存したアイム共々再登場を果たした。最後にはアサキムの「知りたがる山羊」によって無力化され、ユーサーに討たれたことでその手に渡った。スフィア・アクトの内容から殺しても死なないという性質を得られるので、サード・ステージへの移行段階に入って以降は無力化しないで奪う方法が存在するかは不明。 |
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| ;牡羊座(アリエス) | | ;牡羊座(アリエス) |
| :星座のモチーフは、継母の謀略によって生贄にされかけた兄妹を救うためにゼウスに遣わされた金の皮を持つ羊。 | | :星座のモチーフは、継母の謀略によって生贄にされかけた兄妹を救うためにゼウスに遣わされた金の皮を持つ羊。 |
− | :ちなみに、妹は羊に乗って逃げる際、あまりの速度に耐え切れずに転落死してしまった。「極めて危険な状況からの逃避」という点において、進退窮まってなお嘘をつき続けて現実から逃避しようとしたアイムと重なる。また、「双子」の一方を実質殺した、というのも意味深である。「'''神によって使わされた羊'''」という点から深読みすると、アイムのスフィア狩りはサイデリアルの指令によるものだった、いわば「加入試験」だった可能性がある。 | + | :ちなみに、妹は羊に乗って逃げる際、あまりの速度に耐え切れずに転落死してしまった。「極めて危険な状況からの逃避」という点において、進退窮まってなお嘘をつき続けて現実から逃避しようとしたアイムと重なる。 |
| :性格分類においては、「強い自意識」を司るとされ、自分を守るための意志が転じて嘘全般を力とすると思われる。 | | :性格分類においては、「強い自意識」を司るとされ、自分を守るための意志が転じて嘘全般を力とすると思われる。 |
| :割り振りは男性。 | | :割り振りは男性。 |
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| リアクターは[[ヒビキ・カミシロ]]。[[ジェニオン]]により運用が可能。元々は[[ガドライト・メオンサム]]が所持し、[[ジェミニア]]で運用されていたが、時獄戦役末期にヒビキが奪取しリアクターとなった。存在していた世界は不明。ジェミナイが存在していた世界にあったことは判明している。 | | リアクターは[[ヒビキ・カミシロ]]。[[ジェニオン]]により運用が可能。元々は[[ガドライト・メオンサム]]が所持し、[[ジェミニア]]で運用されていたが、時獄戦役末期にヒビキが奪取しリアクターとなった。存在していた世界は不明。ジェミナイが存在していた世界にあったことは判明している。 |
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− | '''「相反する二つの意志」'''('''より正確には、ある感情の裏にある対極の意志。'''ガドライトの場合は'''「母星を失った憤怒とそれができない自分に対する諦観」'''、ヒビキの場合は'''「運命に屈する絶望とそれを覆す希望」''')によって覚醒・活性化する。同調が進むと、リアクターは活性化に使用される感情のうちマイナス面が増幅されていく。このため、力を引き出すには対極に存在するプラスの感情を自らの意志で無理やりにでも励起させねばならず、「サイデリアルに勝てない」という諦念を増幅されたガドライトは怒りの根源を「ジェミナイの滅亡」から「ジェミナイが滅び、地球が守られる理不尽」へと変えることで強引にスフィアを稼動させていたが、その結果行動が逆恨みからの八つ当たりと化し、引きずられる形で人間性そのものも、かつてとはかけ離れた退廃的なものへと変貌していった(逆に、現役当時の高潔な人格こそが反作用の影響だと考える見方もある)。 | + | '''「相反する二つの意志」'''(ガドライトの場合は'''「母星を失った憤怒とそれができない自分に対する諦観」'''、ヒビキの場合は'''「運命に屈する絶望とそれを覆す希望」''')によって覚醒・活性化する。反作用については時獄篇の時点では明言されておらず、不明。 |
| | | |
| スフィア・アクトは「'''表面化する感情の逆転'''」であり、ガドライトはこの力で、他者の表面化しているもののさかしまに当たる感情(怒りなら恐れ、喜びなら悲しみなど)を顕在化させることで[[スペースノイド]]と[[アースノイド]]の対立を煽って開戦に仕向け、[[Z-BLUE]]の戦意を諦観へと変換した。実質、裏の欲求を表出化させるものであるため、能力解除後にもスイッチされた感情に対して違和感を感じることはない模様。また、本人の言や代償から、顕在化する感情は元の感情と同程度の強さとなる模様(要は絶対値が同じ)。 | | スフィア・アクトは「'''表面化する感情の逆転'''」であり、ガドライトはこの力で、他者の表面化しているもののさかしまに当たる感情(怒りなら恐れ、喜びなら悲しみなど)を顕在化させることで[[スペースノイド]]と[[アースノイド]]の対立を煽って開戦に仕向け、[[Z-BLUE]]の戦意を諦観へと変換した。実質、裏の欲求を表出化させるものであるため、能力解除後にもスイッチされた感情に対して違和感を感じることはない模様。また、本人の言や代償から、顕在化する感情は元の感情と同程度の強さとなる模様(要は絶対値が同じ)。 |
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| 釣り合った二つの感情の衝突を力とするこのスフィアの特性は、さしずめ「'''対極を否定する力'''」と言える。 | | 釣り合った二つの感情の衝突を力とするこのスフィアの特性は、さしずめ「'''対極を否定する力'''」と言える。 |
| | | |
− | 力を引き出すために必要なのは「相反する意志の衝突⇒己の感情と向き合う意志」。そのため、「己の感情に向き合わず逃避する」ことを強制する「偽りの黒羊」との相性が最悪(感情の衝突自体が起きなくなる)。また、二つの感情が釣り合った状態でないとやはり停止してしまうため、リアクターは常に己の感情のバランスを保つ必要がある。絶えず己と向き合い、勝つことも負けることも許されないという意味では、ある意味リアクターにかかる精神的負担がもっとも大きいスフィアとも言える。さらに、偽りの黒羊同様にリアクターに対して勝手に「感情の反転」を発動している節がある。この裏づけとして、ガドライトの場合は無駄な戦いを仕掛ける・特異点の情報をばらすなど、回避すべき行動をやらかしている他、ジェミナイが滅んだ日の戦いでは「故郷を襲った敵に対する怒りとそれを許そうとする許容」という二つの感情が存在していたことがわかっている。問答無用で母星を滅ぼした敵を許すなどどう考えてもあり得ないことから、このマイナスの心はスフィアからのアクションだと考えることが出来る。
| + | 力を引き出すために必要なのは「相反する意志の衝突⇒己の感情と向き合う意志」。そのため、「己の感情に向き合わず逃避する」ことを強制する「偽りの黒羊」との相性が最悪(感情の衝突自体が起きなくなる)。また、二つの感情が釣り合った状態でないとやはり停止してしまうため、リアクターは常に己の感情のバランスを保つ必要がある。絶えず己と向き合い、勝つことも負けることも許されないという意味では、ある意味リアクターにかかる精神的負担がもっとも大きいスフィアとも言える。 |
− | | |
− | このスフィアには他との根本的な違いとして、'''地球ではない別の星に存在していた'''という点がある。
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− | 余談の項にあるが、大アルカナをモチーフ・モデルとした設定が組まれているならば、「対立する二極」を意味するこのスフィアは、太極にもっとも近く、同時にもっとも遠いスフィアと言える(太極=太陽のアルカナは「対立する二極の融和・融合」を示すが、いがみ合う双子は「対立する二極の衝突」を力とする)。
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| ;双子座(ジェミニ) | | ;双子座(ジェミニ) |
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| リアクターは[[ランド・トラビス]]。[[ガンレオン]]により運用が可能だが、制御には[[メール・ビーター]]が必要となる。存在していたのは『[[戦闘メカ ザブングル]]』『[[オーバーマン キングゲイナー]]」『[[∀ガンダム (TV)|∀ガンダム]]』の世界観を包括した「荒廃世界」。 | | リアクターは[[ランド・トラビス]]。[[ガンレオン]]により運用が可能だが、制御には[[メール・ビーター]]が必要となる。存在していたのは『[[戦闘メカ ザブングル]]』『[[オーバーマン キングゲイナー]]」『[[∀ガンダム (TV)|∀ガンダム]]』の世界観を包括した「荒廃世界」。 |
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− | '''「心身問わず痛みに伴う叫び」'''によって覚醒し、'''「痛みに抗う意志(要は根性)」'''によって活性化する。 | + | '''「心身問わず痛みに伴う叫び」'''によって覚醒し、'''「痛みに耐える意志(要は根性)」'''によって活性化する。 |
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| 対となる「尽きぬ水瓶」は己を省みない慈愛を力とするが、それに対応するこちらの特性は、'''「痛みに抵抗する力」'''と言える。 | | 対となる「尽きぬ水瓶」は己を省みない慈愛を力とするが、それに対応するこちらの特性は、'''「痛みに抵抗する力」'''と言える。 |
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| なお、嘘を力とする「偽りの黒羊」の対の位置にあり、その特性は「'''己を偽らない力'''」と言える。 | | なお、嘘を力とする「偽りの黒羊」の対の位置にあり、その特性は「'''己を偽らない力'''」と言える。 |
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− | このスフィアは[[カルロス・アクシオン・Jr.]]が[[トライア・スコート]]の元へ「VX」として持ち込み、さらに元を辿れば[[エルガン・ローディック|エルガン]]が[[アクシオン財団]]に持ち込んだものである。エルガンの元の所属を考えると[[クロノ]]が保有していたのかも知れない。<br />「金の音で正気に戻す」というあまりにバカバカしい対応策や、あっさり対処されたことから見落とされがちだが、「反作用に自分の意思で対処する」ことが出来ないため、実は現状判明している中ではトップクラスに危険なスフィアである([[ゼロシステム]]を極端にしたような状態となる他、間接的にだが'''反作用の被害が他者に及ぶ''')。しかもクロウの場合、'''借金がないと制御できない'''という事になり、挙句の果てに'''当人もそれを理解している'''。覚醒と活性化の条件が現状判明しているスフィアで'''一番易しい(方向性すら問わない)'''ことの代償なのだろうか? | + | このスフィアは[[カルロス・アクシオン・Jr.]]が[[トライア・スコート]]の元へ「VX」として持ち込み、さらに元を辿れば[[エルガン・ローディック|エルガン]]が[[アクシオン財団]]に持ち込んだものである。エルガンの元の所属を考えると[[クロノ]]が保有していたのかも知れない。 |
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| + | 「金の音で正気に戻す」というあまりにバカバカしい対応策や、あっさり対処されたことから見落とされがちだが、「反作用に自分の意思で対処する」ことが出来ないため、実は現状判明している中ではトップクラスに危険なスフィアである([[ゼロシステム]]を極端にしたような状態となる他、間接的にだが'''反作用の被害が他者に及ぶ''')。しかもクロウの場合、'''借金がないと制御できない'''という事になり、挙句の果てに'''当人もそれを理解している'''。覚醒と活性化の条件が現状判明しているスフィアで'''一番易しい(方向性すら問わない)'''ことの代償なのだろうか? |
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| 力を引き出すためには前述の通り、何でもいいのでとにかく強く折れない意志を保つ必要がある。このように力を引き出す手段は単純だが停止する条件もまた単純で、何かに負けて意志が折れた時点で停止してしまう。 | | 力を引き出すためには前述の通り、何でもいいのでとにかく強く折れない意志を保つ必要がある。このように力を引き出す手段は単純だが停止する条件もまた単純で、何かに負けて意志が折れた時点で停止してしまう。 |
248行目: |
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| ;牡牛座(タウラス) | | ;牡牛座(タウラス) |
| :星座のモチーフは、ニンフの女性エウロペに恋したゼウス(ギリシャ神話の主神)が変身した白い牡牛。 | | :星座のモチーフは、ニンフの女性エウロペに恋したゼウス(ギリシャ神話の主神)が変身した白い牡牛。 |
− | :この牡牛はエウロペを乗せて孤島であるクレタ島へと連れ去り、そこで正体を現して求婚するというなかなか無茶なアクションを起こしている(ゼウスは女性絡みで無茶をすることが多い)。タロットの寓意と寓画、そしてこのモチーフからして、このスフィアを持つ何者かはサイデリアルのトップであり、シンカ(神化)を遂げて「神」になっ(てしまっ)た誰か(恐らく女性)の可能性が高い。こう聞くと、まるでそれは[[イルイ・ガンエデン]]である(奇しくも、時の牢獄はバラルの結界同様、外敵を排斥するための地球封印である)。 | + | :この牡牛はエウロペを乗せて孤島であるクレタ島へと連れ去り、そこで正体を現して求婚するというなかなか無茶なアクションを起こしている(ゼウスは女性絡みで無茶をすることが多い)。 |
| :性格分類においては、「深慮」を司る。 | | :性格分類においては、「深慮」を司る。 |
| :割り振りは女性。 | | :割り振りは女性。 |
| :対の星座は蠍座。 | | :対の星座は蠍座。 |
− | :誰かを想うあまりに暴走して遠く離れた場所に連れ去った、という点からして、エタニティ・フラット(次元の壁による多次元との隔絶と、それによるバアルからの守護)を起こしたのはこのスフィアのスフィア・アクトである可能性が高く、恐らくこのスフィアの力は「次元・空間を操る力」だと思われる。深慮(頑固でスローペースとも)という性格分類にしても、次元・空間をある状態に固定する能力とすれば合致する。そうであるとするならば、アサキムとシュロウガを不滅の呪いに落としたのはこのスフィアであると思われる。
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− | :ちなみに、'''牡牛座は争い事を嫌う'''。ガドライトが闘争を引き起こして粛清対象になったことからも、闘争を封じる意図があることが推測される。
| |
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| ;教皇 | | ;教皇 |
260行目: |
252行目: |
| :このカードは「悪魔」と真逆の構図で描かれており、デザインには宗教的聖性や霊的象徴の協調などが暗示され、「救済」の寓意を持つカードである。また、法を記した書物を持たず霊性を司る十字架を携えるなど、教皇が人間を超越した法そのものであると暗示している。 | | :このカードは「悪魔」と真逆の構図で描かれており、デザインには宗教的聖性や霊的象徴の協調などが暗示され、「救済」の寓意を持つカードである。また、法を記した書物を持たず霊性を司る十字架を携えるなど、教皇が人間を超越した法そのものであると暗示している。 |
| :No.5のカードであることを強く意識したデザインをしており、2つの柱とその真下に2人の従者(聖職者)、中央に教皇本人というトランプの5のような並びに固定されている。この3人は、教皇の力が精神・魂・肉体全てに及んでいることを示しているという(あくまで主役は教皇本人で対等ではない)。ちなみに、2人の聖職者は左右対称な点を除けば判を押したかのようにそっくりなデザインをしている。 | | :No.5のカードであることを強く意識したデザインをしており、2つの柱とその真下に2人の従者(聖職者)、中央に教皇本人というトランプの5のような並びに固定されている。この3人は、教皇の力が精神・魂・肉体全てに及んでいることを示しているという(あくまで主役は教皇本人で対等ではない)。ちなみに、2人の聖職者は左右対称な点を除けば判を押したかのようにそっくりなデザインをしている。 |
− | <!--:ちなみに、人造ながら「神の代理人」であるガンエデンの他、「教団を率いる」存在だったラ・ギアスの[[ヨーテンナイ]]もまた、時の牢獄と似た計画を進めていた。前述の通り、教皇のカードは教皇本人以外にも2人の聖職者が描かれており、「傷だらけの獅子」「いがみ合う双子」など他のスフィアの例を見る限り、スフィア・リアクター以外に関係者がいる可能性は十分ありうるので、上記2名は無関係ではないのかも知れない(各人の計画もその最終結果は、ガンエデンは肉体、ヨーテンナイは魂、時の牢獄は精神を除いた他2つを停滞させるものとも取れる)。仮にそうであるなら、2つある「柱」は同じく2つ存在するクロスゲートあるいは塔(調和の塔と[[バラルの園]])を暗示するのだろうか。また、この2人は「'''神の贄に選ばれて人間を超越、敗北後はその隙を突いて力を強奪される。強奪者は敗北後に上位存在による試練だった可能性があることが判明する。'''」というところが一致しており、「そっくりな2人の聖職者」を彷彿とさせる。ちなみに、バラルとは「混沌」を意味し、即ち「調和」の対義語である。さらにはバラル(バベルの塔)をモチーフとするタロット「塔」のデザインは、「[[ユーゼス・ゴッツォ|神への反逆者]]に対する断罪」あるいは「[[カドゥム・ハーカーム|人間的宗教観]]からの解放」を意味するという。狙いすましたかのような符合だが、果たしてどこまで偶然なのだろうか。-->
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| === 蠍座 === | | === 蠍座 === |
277行目: |
268行目: |
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| === 射手座 === | | === 射手座 === |
− | 「相反する感情の衝突」を力とする「いがみ合う双子」の対の位置にある。<!--対の性質を持つというスフィアの特徴と性格分類から考えると、その能力は「抑制の開放」と思われる。即ち、相反する意思のスイッチである双子座に対して、射手座はぶつかり合って拮抗・抑圧されている何かを解き放つものと推測される(射手座は心の赴くままに行動するという性格がある)。--> | + | 「相反する感情の衝突」を力とする「いがみ合う双子」の対の位置にある。 |
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| ;射手座(サジタリウス) | | ;射手座(サジタリウス) |
| :星座のモチーフは弓の名手であったケンタウルスの青年・ケイローン。 | | :星座のモチーフは弓の名手であったケンタウルスの青年・ケイローン。 |
− | :アポロンとアルテミスから数々の叡智を授かり、それを以ってカストール(双子座)やアスクレピオス(蛇遣い座)などの後の英雄達の師となったが、ヘラクレスの放った毒矢が偶然刺さってしまい、苦しみに耐えかねて不死の権能をプロメテウスに渡して落命した。余談だが、プロメテウスはそれ以前に'''禁忌を犯したことで神の怒りに触れ、永きに渡り苛まれ続ける刑罰を受けている'''(プロメテウスはこの時点で既に不死だったという説がある)。そのため、アサキムのスフィアが射手座の場合、プロメテウスがアサキムで、ケイローンは前のスフィアリアクターの暗示である可能性も考えられる。 | + | :アポロンとアルテミスから数々の叡智を授かり、それを以ってカストール(双子座)やアスクレピオス(蛇遣い座)などの後の英雄達の師となったが、ヘラクレスの放った毒矢が偶然刺さってしまい、苦しみに耐えかねて不死の権能をプロメテウスに渡して落命した。余談だが、プロメテウスはそれ以前に'''禁忌を犯したことで神の怒りに触れ、永きに渡り苛まれ続ける刑罰を受けている'''(プロメテウスはこの時点で既に不死だったという説がある)。 |
| :性格分類においては、「発展願望」を司る。 | | :性格分類においては、「発展願望」を司る。 |
| :割り振りは男性。 | | :割り振りは男性。 |
304行目: |
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| :このカードは双子を示す複数の要素や本能と理性の葛藤を示しているとされる。割り振りは女性。 | | :このカードは双子を示す複数の要素や本能と理性の葛藤を示しているとされる。割り振りは女性。 |
| :「月」のタロットが示す寓意は正位置が'''「不安定」「隠れた危険」(「隠れた敵」とも)「現実逃避」「猶予なき選択」'''、逆位置が'''「過去からの脱却」「失敗に繋がらない過ち」「未来への希望」「すぐれた直感」'''。 | | :「月」のタロットが示す寓意は正位置が'''「不安定」「隠れた危険」(「隠れた敵」とも)「現実逃避」「猶予なき選択」'''、逆位置が'''「過去からの脱却」「失敗に繋がらない過ち」「未来への希望」「すぐれた直感」'''。 |
− | :明言されていないが、正位置の「隠れた危険」やタロットが「双子」と関わること、そして本能と理性の葛藤、というファクターから、スズネが所持しているのではないか、という見かたもあるが、逆に交際開始の時期が判然とせず、また「恋人」の寓画で天使(=テンシ?)が味方する立ち位置にあるマキが所持者では? という意見もある。
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− | === 蛇遣い座 ===
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− | スフィアは12個存在する、とされているが、時獄篇で示唆された情報を信じるならば、どうやら忘れ去られたロストナンバーのスフィアが存在しているらしい。最有力候補と目されているのは蛇遣い座のモチーフであるアスクレーピオスを元ネタとすると思われる[[アスクレプス]]とその乗り手である[[アドヴェント]]。ただし、この星座は十二宮ではないため対応する大アルカナが存在しない。
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− | ;蛇遣い座(オフューカス)
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− | :13番目の黄道上の星座。蠍座・射手座・天秤座に隣接する。
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− | :十二星座には数えられないが、占いによっては含まれていることもある。この星座をまたぐ形で蛇座が存在し、二つで一組とされることもある。
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− | :十三星座占いの性格分類においては、「理性と正義感を重んじる意志」を司る。
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− | :星座のモチーフは、ギリシャ神話に登場する名医アスクレーピオス。アポローンによって殺された彼の妻コローニスの胎内から取り出された。
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− | :ケイローンから医術を学んだアスクレーピオスは数々の病を治して名医となったが、人を救うことに懸命になるあまり死者の蘇生という禁忌に踏み込んでしまう。これに怒った冥府の神ハーデスの抗議を受け、ゼウスはやむなくアスクレーピオスを殺したが、その才能を惜しんで空に上げ、星座とした。
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− | :スフィアの覚醒の状況は元となった星座の神話に由来するが、この場合アスクレーピオスは一度神の意志によって死を迎え、その後星座となっていることからして、リアクターが死を迎えることが覚醒の条件とも考えられる。
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− | :一体化しているへび座はアスクレーピオスの使いであり、またアスクレーピオス自身の化身ともされている。
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| == 特殊能力「スフィア・アクト」 == | | == 特殊能力「スフィア・アクト」 == |