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:三国志演義の蜀に対応する。『戦神決闘編』で劉備ガンダムの仲間たちが益州に建国する。 | :三国志演義の蜀に対応する。『戦神決闘編』で劉備ガンダムの仲間たちが益州に建国する。 | ||
:アニメ版では劉備はほとんどの期間を放浪しているため、部下や兵士をまともに持てるようになるのはそれこそ翔の建国以降である。おかげでアニメ版の劉備は「勢力」と呼べるようなものではない。それゆえにどんな場所にもかけつけれるフットワークの軽さをもてたといえる。 | :アニメ版では劉備はほとんどの期間を放浪しているため、部下や兵士をまともに持てるようになるのはそれこそ翔の建国以降である。おかげでアニメ版の劉備は「勢力」と呼べるようなものではない。それゆえにどんな場所にもかけつけれるフットワークの軽さをもてたといえる。 | ||
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:三国志演義の呉に対応する。『英雄激突篇』で孫一族が江東を開拓して地方領主となり、『戦神決闘編』で正式に国として名乗りを上げる。 | :三国志演義の呉に対応する。『英雄激突篇』で孫一族が江東を開拓して地方領主となり、『戦神決闘編』で正式に国として名乗りを上げる。 |
2013年4月23日 (火) 21:03時点における版
三璃紗(Militia)
『SDガンダム三国伝 BraveBattleWarriors』の舞台である異世界。「ミリシャ」と読む。中国古典小説「三国志演義」の世界観をモデルにしており、武将たちが大陸の覇権を巡って戦争を繰り返している戦乱の世界である。
SDガンダムシリーズに出てくる架空の地名や組織名は、本家のガンダムシリーズに出てくるなんらかの単語を拝借するのが伝統になっているが、「三璃紗」の名前も『∀ガンダム』のミリシャからとられている。ただしこれはあくまで名前の元ネタというだけであり、『∀ガンダム』をモチーフとしたキャラクターばかりが主役級に扱われているようなことはない。三国志つながりで「三」という漢字を使える単語が採用されたという側面もあったと思われる。
住人たち
この世界は擬人化されたSDモビルスーツたちが知的種族として文化を作り上げているが、人間の存在は確認されていない。SDガンダムシリーズの例に漏れず、彼らはロボットではなく「機械の身体をもった生物」として扱われる。畑を耕し、作物を口から食し、結婚して子供を設けると、人間となんら変わらない生活サイクルが送られている。
この世界の科学技術や文化はあくまで古代中国の域を出るものではないのだが、三璃紗の武将たちはモチーフとなったモビルスーツの武装を普通に使える。これらはあくまで「身体能力」の延長として捉えられているようだ。つまり、兵器としては銃火器など存在せず弓矢と槍しか作れないのに、その武将の固有の能力としてバルカン砲撃やビームライフル射撃は使えるという独特の世界観が構成されている。
歴史
神話の時代
世界のはじまりの時代は、大いなる闇である蚩尤(しゆう)のみが存在していた。そこにガンダムの姿を持つ四柱の神々が天より降り立った。彼らの名を、龍帝(りゅうてい)、雀瞬(じゃくしゅん)、虎暁(こぎょう)、武義(ぶぎ)と呼ぶ。
四神は蚩尤と壮大な戦いを始めた。最終的に蚩尤は封印されたが、武義もまた力を使い果たした。残った三人の神のうち、雀瞬は太陽となって世界を照らし、虎暁は月となって世界を癒し、龍帝は海となって世界を育んだ。こうして、三璃紗という世界が創世された。彼ら三神は後の世に「三侯」と呼ばれ奉られることになる。一方、蚩尤ごと自らを封印した武義の存在は忘れ去られ、あらゆる歴史書に名を残すことはなかった。
「四神」の元ネタは中国神話に出てくる四神から、「三侯」の元ネタは中国神話に出てくる古代の神王である「三皇」からである。ただし、三侯それぞれの名前は中国神話に出てくる「五帝」(三皇の後継者である聖人王たち)がモチーフとなっている。
- 龍帝 - 青龍(北方守護神) + 黄帝(五帝のひとり)
- 雀瞬 - 朱雀(南方守護神) + 瞬(五帝のひとり)
- 虎暁 - 白虎(西方守護神) + 尭 (五帝のひとり)
- 武義 - 玄武(北方守護神) + 伏羲 (三皇のひとり)
大陸統一
『三国伝』が始まるよりも400年前の時代においても、三璃紗は群雄割拠していた。楚という国の覇王が統一寸前までいっていたのだが、これを阻んだのが劉邦という武将で、最終的に劉邦によって大陸は統一された。この歴史は史実の漢王朝設立とほぼそのままである。『三国伝』の時代には項羽の魂を告ぐ武将「項羽ターンX」が登場する(『三国伝外伝・武勇激闘録』)
なお、劉邦がつくりあげた統一王朝の国名は作中では一切でてこず、単に「朝廷」とのみ呼ばれる。
風雲豪傑編
『三国伝』の第一部にあたる時代。三国志演義で言うところの黄巾の乱から董卓の最後までが描かれる。
皇帝であった霊帝ガンダムが暗殺され、朝廷の実権は董卓ザクに握られた。董卓は皇帝の証である玉璽を独占し、その力に魅入られ、心が闇に囚われるようになる。董卓は三璃紗を暴虐により支配し、人民は苦しめられた。官軍の闘将であった曹操ガンダムは董卓を討つための反董卓連合軍の結成を三璃紗全土に呼びかけ、最終的に董卓を打ち倒す。
この連合軍の結成により、劉備ガンダム、曹操ガンダム、孫権ガンダムの三人の「三候の魂を継ぐもの」がはじめて集合する。
英雄激突編
『三国伝』の第二部にあたる時代。三国志演義で言うところの徐州侵攻から赤壁の戦いまでが描かれる。
反董卓連合軍は解散し、武将たちは自らの故郷に帰って自国の復興に努めていた。しかし、董卓の持っていた玉璽を入手した袁術ズサが、董卓同様に世界の支配者となる野心に取り付かれた。劉備は暴走する袁術を止めるために江東の領主となった孫一族の協力を得て、袁術を討つ。
玉璽はその後は袁術の兄である袁紹バウの手に渡り、やはり彼も三璃紗統一の野望にとりつかれる。しかし袁紹は官渡の戦いで曹操軍に敗れてしまう。
曹操はことここにいたり、真の平和を築くためには三璃紗統一が必要と強く確信する。孫権が治める江東地方への侵攻を開始する。曹操の覇道に意を唱える劉備は孫権と手を組み、曹操から江東を防衛する戦いに参戦した。最終的には「赤壁」にて、劉備、孫権、曹操の三人が三候の力を覚醒させて激突。ぶつかりあうパワーが爆ぜた後、曹操の姿はどこにもなかった。大将が行方不明になったことから曹操軍は撤退。赤壁の戦いは江東側の勝利の終わった。アニメ版はここで完結するが、漫画版では劉備も行方不明となり『戦神決闘編』へ続く。
戦神決闘編
『三国伝』の第三部にあたる時代。三国志演義からはかけ離れたオリジナル展開となっている。
赤壁の戦いに勝利した孫権は江東一体を新たに「轟(ゴウ)」という国にまとめあげた。一方、行方不明になった曹操の息子である曹丕も北方をまとめあげ「機駕(ギガ)」を建国。一方、劉備の仲間たちは西方の益州に渡り、「翔(ショウ)」の国を建国した。こうして三国時代が始まる。
しかし機駕はかつての誇りを失い、戦乱を広げるだけの野蛮な国家に成り果てていた。若き皇帝である曹丕は宰相の司馬懿サザビーの言うがままに行動しており、司馬懿の真の目的はこの三璃紗に戦乱を広げ、古代の闇「蚩尤」を復活させ、その力を得ることだったのである。翔と轟の次世代の若き武将たちは機駕の背後にある闇を打ち砕くために奮闘。一方、行方不明になっていた曹操、そして劉備も三璃紗を狙う闇の存在に感づいており、それを止めるために歴史の裏で暗躍していた。
そして最終的に三候の魂を継ぐ劉備、曹操、孫権に加え、最後の四神の力を持つ呂布が復活し、「五丈原」にて四人の力でついに復活した蚩尤を倒す。しかしその蚩尤の力を司馬懿がとりこんでしまい、真なる破壊神「天熾鵬 司馬懿サザビー」が誕生。四人は自らの命をかけて司馬懿を倒し、そして昇天した。
四人と司馬懿が地上から去った後、残されたものは三国を治めた。蚩尤復活のさいに何人かが生贄に捧げられてしまったのだが、そのうちの一人司馬炎ザクIIのみは生き残った。彼はそれまでの記憶を全て失っていたが、翔の武将である姜維ガンダムF91の養子である。この司馬炎が後に三璃紗統一をなし、「真」という国家が誕生する。ここで『三国伝』の物語は完結する。
「真」は史実の「晋」をモチーフとしているが、司馬炎が翔の側についてしまっているので、三国志的に言えば「蜀が統一した」ということになる。
他作品との関係
G記には「SD戦国伝」シリーズに登場した中国風の国家「影舞乱夢(エイブラム)」が三璃紗の最初の国家であると記されており、また南方はインド風の国家「赤流火隠(アルビオン)」がかつて存在していた地域とされている。東方の国として「蓬莱」という地域の存在にも触れられているが、SD戦国伝の主な舞台である「天宮(アーク)」との関連、およびSD戦国伝からどれほどの年月が経過しているのかは定かではない。
玉璽
三璃紗において最も重要なのが、玉璽と呼ばれるアイテムである。玉璽は「世界を統べる力を与えるもの」とされ、代々皇帝が持つものとされているが、実はこれを正しく使えるのは四神の魂を継ぐもののみであり、それ以外のものが玉璽を持つと闇の力を引き出してしまう。
玉璽の正体は過去からの人間の思いの結晶体とされ、その中には善も悪もないまぜになっている。
玉璽は持つだけで所有者に超常的な力を与えるのだが、この力が極まると「天玉鎧」を召喚できる。天玉鎧はそれをまとったものに世界を破壊する程の超絶的な力を与える、一種の強化アーマーである。四神に対応して蒼龍・炎鳳・弩虎・真武の四形態がある。なお、四神の力を持たないものは天玉鎧のまがいものである十極呪導鎧を召喚できる。
『三国伝』の物語では「四神」のうち「三候」しか歴史に名を残していないということで、玉璽や天玉鎧は「三候の魂を継ぐものにしか使えない」というミスリードがなされていた。そのため、天玉鎧が四つあるということが大きな謎としてストーリーの中核をなしていた。
主な勢力
- 翔(ショウ)
- 三国志演義の蜀に対応する。『戦神決闘編』で劉備ガンダムの仲間たちが益州に建国する。
- アニメ版では劉備はほとんどの期間を放浪しているため、部下や兵士をまともに持てるようになるのはそれこそ翔の建国以降である。おかげでアニメ版の劉備は「勢力」と呼べるようなものではない。それゆえにどんな場所にもかけつけれるフットワークの軽さをもてたといえる。
- 翔に属する武将たちの演者(モチーフとなったモビルスーツ)のほとんどは、宇宙世紀を舞台にするガンダムシリーズで主役を飾ったガンダムタイプたちである。
- 轟(ゴウ)
- 三国志演義の呉に対応する。『英雄激突篇』で孫一族が江東を開拓して地方領主となり、『戦神決闘編』で正式に国として名乗りを上げる。
- 演義の呉と同様、水軍が強い国。アニメ版では一番目立っていた勢力で、おかげで主人公が劉備でなく孫権と揶揄されることもしばしば。
- 轟に属する武将たちの演者は、OVA作品に登場したモビルスーツが主体である。特に孫一族はGPシリーズで固められている。
- 機駕(ギガ)
- 三国志演義の魏に対応する。『戦神決闘編』で曹操の領土を引き継いだ曹丕が、新たに国号を改めることで建国された。
- 曹操支配下にあった時代から、経済力・軍事力とも最強の勢力であった。『戦神決闘編』では宿敵だが、アニメ版では憎むべき敵というよりライバルとして描かれる。
- 機駕に属する武将たちの演者は、『機動新世紀ガンダムX』の主役級と他作品に出てくる敵モビルスーツで構成されている。
- 董卓軍
- 第一部『風雲豪傑編』の敵勢力。董卓ザクとその配下によって構成される。配下としては呂布トールギスが率いる呂布隊と、張兄弟率いる黄巾隊がいるが、アニメ版では黄巾賊は劉備に討伐されるので黄巾隊としては出てこない。
- 演者は『新機動戦記ガンダムW』の敵モビルスーツが目立つ。
- 袁術軍
- 第二部『英雄激突篇』の序盤の敵勢力。袁術ズサとその配下たち。
- 演者は『機動戦記ガンダムΖΖ』の敵モビルスーツが目立つ。
- 袁昭軍
- 第二部『英雄激突篇』の中盤の敵勢力。袁術の兄である袁昭バウとその配下たち。
- やはり演者は『機動戦記ガンダムΖΖ』の敵モビルスーツが目立つ。
- 西涼軍
- 第三部『戦神決闘編』序盤の主人公視点の勢力。後に翔の五誇将となる馬超ブルーディスティニーの故郷だが、機駕の侵攻を受ける。
- 演者は『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』での登場をメインとする宇宙世紀の陸戦型モビルスーツ。
- 南方軍
- 第三部『戦神決闘編』中盤の敵勢力。三国志演義の南蛮に相当し、孟獲ガンダムが治める。
- 演者は『機動武闘伝Gガンダム』のモビルファイター。
登場作品
- スーパーロボット大戦UX
- プロローグで主要キャラクターたちが「こちらの世界」に飛ばされ、三璃紗自体は最後まで舞台にならない。
- 当初、この世界は並列世界かと思われていたが、実際にはラドリオ星と同様に未来の地球であることが終盤にて判明する。