「ゲッター線」を編集中
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− | + | == ゲッター線(Getter Radiation) == | |
− | + | 『[[ゲッターロボシリーズ]]』の大半に登場する、[[宇宙]]から無限に降り注ぐ放射線の一つで、大多数の[[ゲッターロボ (兵器)|ゲッターロボ]]の動力。遥か太古の昔[[地球]]にゲッター線が振り注ぎ[[恐竜帝国|ハチュウ人類]]を絶滅させた。人間にとっては無害とされる。恐竜帝国にとってはゲッター線で動くゲッターロボは天敵のような存在なのである。 | |
− | [[宇宙]]から無限に降り注ぐ放射線の一つで、大多数の[[ゲッターロボ (兵器)|ゲッターロボ]] | ||
− | + | 元々はこれ以上の設定はなく、単純に「ハチュウ人類にとって有害で、ロボットを動かせるくらいにすごいエネルギー」以上のものではなかったのだが、TVアニメ『[[ゲッターロボG]]』放映終了後、漫画やOVAで発表されたゲッターロボシリーズの関連作品で設定がどんどん追加され、インフレしていった。ここでは、その「後付された」設定を元に解説する。 | |
− | == 概略 == | + | ==概略== |
基本的には「進化の力」として扱われる。ゲッター線はただのエネルギーではなく「'''意思'''」を持っているとされ、宇宙のさまざまな種族の文明に干渉してきた。ゲッター線は自らが認めたものを無限に「進化」させることができ、地球では哺乳類の進化を促して人類を生み出したとされる。 | 基本的には「進化の力」として扱われる。ゲッター線はただのエネルギーではなく「'''意思'''」を持っているとされ、宇宙のさまざまな種族の文明に干渉してきた。ゲッター線は自らが認めたものを無限に「進化」させることができ、地球では哺乳類の進化を促して人類を生み出したとされる。 | ||
− | OVA『[[真ゲッターロボ 世界最後の日|世界最後の日]]』では宇宙生物[[インベーダー]]のエネルギー源でもあるが、[[インベーダー]]はゲッター線を過剰に吸収すると体が耐えきれずに崩壊するため、[[ゲッターロボ (兵器)|ゲッターロボ]] | + | OVA『[[真ゲッターロボ 世界最後の日|世界最後の日]]』では宇宙生物[[インベーダー]]のエネルギー源でもあるが、[[インベーダー]]はゲッター線を過剰に吸収すると体が耐えきれずに崩壊するため、[[ゲッターロボ (兵器)|ゲッターロボ]]による攻撃の効果は認められる。なお、[[インベーダー]]はゲッター線に寄生しているのであって、ゲッター線はその存在を認めていない。 |
− | + | [[ゲッターロボ (兵器)|ゲッターロボ]]の駆動には「'''ゲッター炉心'''」と呼ばれる反応システムを用いる。この炉心は原子炉同様、臨界を越えるとメルトダウンを起こし、高熱を発して溶け出す。また、どんな影響があるのかは不明であるが、「ゲッター線汚染」という、一種の放射能汚染を引き起こす場合もあった。団龍彦の小説『スーパーロボット大戦』でもゲッター線には臨界点が存在し、それを超えると制御不能になる事が[[神隼人|隼人]]の口から明かされている(同作の[[真ゲッターロボ]]はその臨界点を超えたゲッター線を動力とした'''悪の存在'''として登場した)。ゲッターエネルギーは[[宇宙]]からゲッター線が無くならない限り無尽蔵であり、宇宙開発には最適のエネルギー源であったが、前述の理由により対[[恐竜帝国]]用の切り札的な兵器として戦闘用に転用される。対[[恐竜帝国]]に絶大な効果を発揮した「ゲッタービーム」は、ゲッター線の戦闘への転用の典型例である。しかしながら[[恐竜帝国]]も「ゲッタービーム」への対策を講じており、無事に防いでいる場面もある。 | |
人工的な核融合を引き起こすことも可能であり、OVA『[[真ゲッターロボ 世界最後の日|世界最後の日]]』では15個の衛星を吸い込み、質量を増やした[[木星]]に暴走させたゲッター炉心を撃ち込み、核融合を起こす「ゲッター線の[[太陽]]」が生み出された。 | 人工的な核融合を引き起こすことも可能であり、OVA『[[真ゲッターロボ 世界最後の日|世界最後の日]]』では15個の衛星を吸い込み、質量を増やした[[木星]]に暴走させたゲッター炉心を撃ち込み、核融合を起こす「ゲッター線の[[太陽]]」が生み出された。 | ||
− | + | [[ゲッターロボ (兵器)|ゲッターロボ]]が[[変形]]することができるのもゲッター線による効果であり、ゲッター線によって金属が延び縮みしたり、金属チップが増殖するという現象を引き起こす。それによりとんでも変形や[[合体]]も可能となっている。ちなみに、[[ゲッターロボ (兵器)|ゲッターロボ]]の装甲は「ゲッター合金」と呼ばれる一種の形状記憶合金で出来ている。 | |
ゲッター線には未解明の部分も残されている。ゲッター搭乗者が見る「[[夢]]」や機械ですらも進化させることができる能力については、作中でも謎のままである。ゲッター線研究の第一人者であった[[早乙女博士]]ですら、ゲッター線の全貌を解き明かすまでには至っていない。 | ゲッター線には未解明の部分も残されている。ゲッター搭乗者が見る「[[夢]]」や機械ですらも進化させることができる能力については、作中でも謎のままである。ゲッター線研究の第一人者であった[[早乙女博士]]ですら、ゲッター線の全貌を解き明かすまでには至っていない。 | ||
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+ | また、ゲッターに限らず浴びたマシンの進化や変質を促すこともあり、『[[スーパーロボット大戦F完結編]]』では[[マジンガーZ]]を[[マジンカイザー]]に進化させることに成功。また、Rではデビルガンダムを結果的に復活させた詫び代わりとして、極限まで[[DG細胞]]に侵された[[東方不敗マスター・アジア|東方不敗]]の肉体を治した事もある。 | ||
漫画版では“'''物質、時空間、自然物、進化、生命'''”全てを司る存在であることをうかがわせており、同時にゲッター線が生命を宇宙に広げていく機構としての側面を果たしている事も明らかにした。なお、死んだ生命(魂)も再びゲッターの元に帰っており、[[帝王ゴール]]や[[ブライ大帝]]は死後に[[早乙女博士]]や[[流竜馬|竜馬]]の前に、ゲッターの使者として姿を現した。 | 漫画版では“'''物質、時空間、自然物、進化、生命'''”全てを司る存在であることをうかがわせており、同時にゲッター線が生命を宇宙に広げていく機構としての側面を果たしている事も明らかにした。なお、死んだ生命(魂)も再びゲッターの元に帰っており、[[帝王ゴール]]や[[ブライ大帝]]は死後に[[早乙女博士]]や[[流竜馬|竜馬]]の前に、ゲッターの使者として姿を現した。 | ||
− | + | また、現在連載中の漫画作品『偽書ゲッターロボ ダークネス』(SRW未参戦)の世界では光のゲッター線と闇のゲッター線が存在し、正義と悪の二分担とされているが、その世界でもゲッター線の本質はどちらも同じで最終目的は同じである。つまりゲッター線その物に善悪の感情は無い。 | |
=== ゲッターロボとの同化 === | === ゲッターロボとの同化 === | ||
− | 漫画版、及びOVA『[[新ゲッターロボ]]』の[[流竜馬 (OVA)|竜馬]] | + | 漫画版、及びOVA『[[新ゲッターロボ]]』の[[流竜馬 (OVA)|竜馬]]が見た、近い未来の出来事で、ゲッターロボと人が同化し争い身体を奪い合い殺しあう事で無限に進化する。その光景はまさに地獄そのもの。この[[地球]]を支配しているのは"'''ゲッター聖ドラゴン'''"というゲッターロボで、自らの下に訪れた竜馬に対し、「ここはお前の来るところでは無い」と告げ、更に遠い未来で互いに出会う事を示唆した。 |
− | 『[[新ゲッターロボ]]』では[[平行世界]]の[[流竜馬 (OVA)|竜馬]]が乗っており、隼人、[[武蔵坊弁慶|弁慶]]、早乙女博士、ミチルも皆[[ゲッターロボ (兵器)|ゲッターロボ]] | + | 『[[新ゲッターロボ]]』では[[平行世界]]の[[流竜馬 (OVA)|竜馬]]が乗っており、隼人、[[武蔵坊弁慶|弁慶]]、早乙女博士、ミチルも皆[[ゲッターロボ (兵器)|ゲッターロボ]]と同化し、そこで生まれた赤ん坊も既に[[ゲッターロボ (兵器)|ゲッターロボ]]と同化していることに竜馬は驚愕する。本作での聖ドラゴンは'''巨大ドラゴン'''という名であり(劇中で呼称されるシーンはない)並行世界の竜馬がドラゴンに取り込まれた結果誕生した形態であり、エンペラーに繋がる存在であるといわれている。 |
=== ゲッター線との同化 === | === ゲッター線との同化 === | ||
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『[[真ゲッターロボ (原作漫画版)]]』の[[早乙女研究所]]では[[真ゲッタードラゴン]]の起動によって博士、所員、みんなまとめて取り込まれている。その際取り込まれた者達はゲッターと世界のすべてを知る。取り込まれていく所員達は、ゲッター線と同化する瞬間、次々と「'''ああ。そうか。そうだったのか'''」と全てを知って満足そうに取り込まれている。 | 『[[真ゲッターロボ (原作漫画版)]]』の[[早乙女研究所]]では[[真ゲッタードラゴン]]の起動によって博士、所員、みんなまとめて取り込まれている。その際取り込まれた者達はゲッターと世界のすべてを知る。取り込まれていく所員達は、ゲッター線と同化する瞬間、次々と「'''ああ。そうか。そうだったのか'''」と全てを知って満足そうに取り込まれている。 | ||
− | また[[真ゲッターロボ | + | また[[真ゲッターロボ]]に取り込まれるのはゲッター線と同化したのと同じ現象である。こちらも有機物・無機物問わず吸収していた。また真ゲッターに乗って精神の弱い者はそのまま取り込まれる。前述の通り、南風渓は[[真ゲッターロボ]]に乗っただけで精神を完全に取り込まれ、大道剴は[[真ゲッターロボ]]に乗った事で精神に異常をきたし、[[真ゲッターロボ]]を爆破しようとしたが、そのまま肉体ごと取り込まれた。[[一文字號]]は[[真ゲッターロボ]]と完全に同調した事で全てを知り、同じく[[真ゲッターロボ]]と完全に同調して全てを知った[[流竜馬]]やメシア・タイールと共に、最後は[[真ゲッターロボ]]に取り込まれた。 |
=== ゲッター線の使命 === | === ゲッター線の使命 === | ||
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この為、ゲッターの進化に不都合な生命体は駆除される。例で上げると[[恐竜帝国|恐竜]]、[[百鬼帝国|鬼]]、昆虫、植物など。だが時には人間が進化を放棄した場合ゲッターがその放棄した者を滅ぼそうとする。ゲッター線が自身の使命を全うする際に起こすその戦いは、多くの他星系の住人には宇宙の破壊者であり、未来の簒奪者と映る。 | この為、ゲッターの進化に不都合な生命体は駆除される。例で上げると[[恐竜帝国|恐竜]]、[[百鬼帝国|鬼]]、昆虫、植物など。だが時には人間が進化を放棄した場合ゲッターがその放棄した者を滅ぼそうとする。ゲッター線が自身の使命を全うする際に起こすその戦いは、多くの他星系の住人には宇宙の破壊者であり、未来の簒奪者と映る。 | ||
− | なお、ゲッター線が存在する全ての世界でゲッター線が自らの使命を全うする戦いを起こすわけではなく、団龍彦の小説『スーパーロボット大戦』では遥か未来の世界でもゲッター線は特に行動を起こしておらず<ref>当時はゲッター線の使命の設定が完全に固まっていなかった事もあるが、この世界では人類が滅亡寸前で、ゲッター線は[[闇の帝王|ギャラハン]]によってテクノロジーが握られてしまっているという最悪の状況だった上に、最終的にギャラハン一派の全滅によりテクノロジーそのものが失われたので、使命を全うできる状態ではなかったとも言える。</ref> | + | なお、ゲッター線が存在する全ての世界でゲッター線が自らの使命を全うする戦いを起こすわけではなく、団龍彦の小説『スーパーロボット大戦』では遥か未来の世界でもゲッター線は特に行動を起こしておらず<ref>当時はゲッター線の使命の設定が完全に固まっていなかった事もあるが、この世界では人類が滅亡寸前で、ゲッター線は[[闇の帝王|ギャラハン]]によってテクノロジーが握られてしまっているという最悪の状況だった上に、最終的にギャラハン一派の全滅によりテクノロジーそのものが失われたので、使命を全うできる状態ではなかったとも言える。</ref>、『第3次α』ではゲッター線は自ら身を引くような形になっている(後述)。 |
=== ゲッターを滅ぼそうとする者達 === | === ゲッターを滅ぼそうとする者達 === | ||
− | + | 上文に書いてあるようにゲッターに滅ぼされた者は数知れず、ゲッターに対抗する者は多い。遥か未来からやってくる昆虫人(原作漫画版)や、別の次元に住む神々に、彼らの意を受けた[[異世界]]の地球人・[[安倍晴明]](『[[新ゲッターロボ]]』)がゲッターを滅ぼす為に[[新早乙女研究所|早乙女研究所]]と竜馬達を襲ってくる。現代では[[恐竜帝国]]と[[百鬼帝国]]が代表的な敵対者である。神々が語るに[[鬼]]([[百鬼帝国]]とは別物)は、ゲッターに駆逐された者達の末裔とされている。漫画『ゲッターロボアーク』(SRW未参戦)に登場する[[帝王ゴール]]の実子・カムイや『[[新ゲッターロボ]]』の[[流竜馬 (OVA)|竜馬]]など、単身時空を越えてゲッターに戦いを挑む者もいる。 | |
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神々ですら怯え恐れる力を持つゲッター線。神は人類やゲッターの行き着く先は「おぞましき姿」だと述べるが、その真実は不明。そして石川氏亡き今、それが明かされることは永遠にない。 | 神々ですら怯え恐れる力を持つゲッター線。神は人類やゲッターの行き着く先は「おぞましき姿」だと述べるが、その真実は不明。そして石川氏亡き今、それが明かされることは永遠にない。 | ||
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=== ゲッターロボの戦闘能力との関係 === | === ゲッターロボの戦闘能力との関係 === | ||
− | 「三つの心が一つになれば」の言葉通り、基本的にはゲッター線に選ばれた者が搭乗していないと[[ゲッターロボ (兵器)|ゲッターロボ]]はその真の力を発揮できない事が多い。『[[新ゲッターロボ]]』にて[[神隼人 (OVA)|隼人]]と[[武蔵坊弁慶|弁慶]]の二人乗りのゲッターは[[流竜馬 (OVA)|竜馬]] | + | 「三つの心が一つになれば」の言葉通り、基本的にはゲッター線に選ばれた者が搭乗していないと[[ゲッターロボ (兵器)|ゲッターロボ]]はその真の力を発揮できない事が多い。『[[新ゲッターロボ]]』にて[[神隼人 (OVA)|隼人]]と[[武蔵坊弁慶|弁慶]]の二人乗りのゲッターは[[流竜馬 (OVA)|竜馬]]が搭乗していない時と比べて大幅に戦闘能力が低下しており、逆に竜馬が搭乗した際には、絶大な戦闘能力を発揮している。また、この作品においては竜馬は単独でゲッターの力を引き出せる存在となっており、ただ一人ゲッター線に選ばれた存在となっている。なお、これは『[[新]]』の竜馬の適正がずば抜けて高かったという理由もあり、隼人や弁慶が選ばれなかったという訳ではないと思われる。 |
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+ | また、スパロボシリーズの姉妹作である『A.C.E.シリーズ』の第3作『[[Another Century's Episode 3 THE FINAL|A.C.E.3]]』においては、[[真ドラゴン]]の最終形態に同作のオリジナルキャラクターであるベルクトがコアとなって搭乗するが、『[[Another Century's Episode 3 THE FINAL|A.C.E.3]]』本編で[[神隼人 (OVA)|隼人]]が言った通り、ゲッター線に選ばれた存在ではない彼が(ベルクトが言うには「[[ゴウ]]に否定された[[真ドラゴン]]が新たなコアを求めた」との事だが)搭乗する[[真ドラゴン]]が本来の戦闘能力を発揮できるわけがなく、その戦闘能力は原作の[[ゴウ]]達が搭乗していた時と比べて、大幅に低下していた。しかし、ベルクト自身は[[真ドラゴン]]を起動・操縦しての戦闘をするだけの適正能力はあったので、普通の人間と比較すればゲッターに選ばれた存在であるとも解釈できる。 | ||
=== 大いなる意思 === | === 大いなる意思 === | ||
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これより以下の石川賢他作品とのリンクは、あくまでも'''各漫画・映像作品の作中で提示された情報から読者の間で行われた一推察'''である。全ての真実は作者である故・石川賢が知っていたのみとなった。 | これより以下の石川賢他作品とのリンクは、あくまでも'''各漫画・映像作品の作中で提示された情報から読者の間で行われた一推察'''である。全ての真実は作者である故・石川賢が知っていたのみとなった。 | ||
− | 『真説・魔獣戦線』に出てくるこの「大いなる意思」とは、人の言葉と概念を用いると「神」が最も近い意識体である。先述のように、ゲッター線を生み出した存在であると読者に推察されているが、真相は不明。同時に、[[宇宙]]を作り上げた存在でもある。 | + | :『真説・魔獣戦線』に出てくるこの「大いなる意思」とは、人の言葉と概念を用いると「神」が最も近い意識体である。先述のように、ゲッター線を生み出した存在であると読者に推察されているが、真相は不明。同時に、[[宇宙]]を作り上げた存在でもある。 |
謎の無限存在である時天空に対し、大いなる意思は最終攻撃「ビッグバン」を起こし、時天空の体の一部(実際には宇宙全体を俯瞰で眺めても、その一部が映る程度なので、“体”と呼称する部分なのかは不明。一応核はあるようだ)を破壊、その侵食を一時的に止める。この稼がれた時の間に対抗手段を探す為、ビッグバンによって副次的に発生した空間(宇宙)にて、分子構造体を素地に、遺伝子の掛け合わせで進化する戦闘種を作り上げる。これらは最終的に時天空を攻撃する生物体となる事が期待された。これが「人類」である。人類は同胞を殺し、武器も作り上げ、更に殺しあって強い種が生き残るようになる。ただし、この種は自滅の可能性も内包しているため、大いなる意思の一部は、「そしたらまたイチからやりなおせばいい」として、兵器の誕生には悠久の時をかける様相を見せた。 | 謎の無限存在である時天空に対し、大いなる意思は最終攻撃「ビッグバン」を起こし、時天空の体の一部(実際には宇宙全体を俯瞰で眺めても、その一部が映る程度なので、“体”と呼称する部分なのかは不明。一応核はあるようだ)を破壊、その侵食を一時的に止める。この稼がれた時の間に対抗手段を探す為、ビッグバンによって副次的に発生した空間(宇宙)にて、分子構造体を素地に、遺伝子の掛け合わせで進化する戦闘種を作り上げる。これらは最終的に時天空を攻撃する生物体となる事が期待された。これが「人類」である。人類は同胞を殺し、武器も作り上げ、更に殺しあって強い種が生き残るようになる。ただし、この種は自滅の可能性も内包しているため、大いなる意思の一部は、「そしたらまたイチからやりなおせばいい」として、兵器の誕生には悠久の時をかける様相を見せた。 | ||
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他にはOVA版『[[マジンカイザー (OVA)|マジンカイザー]]』にも“大いなる意思”と思しき存在が現れたが、関係は不明。 | 他にはOVA版『[[マジンカイザー (OVA)|マジンカイザー]]』にも“大いなる意思”と思しき存在が現れたが、関係は不明。 | ||
− | 石川賢の別の漫画作品『虚無戦記』では“神”とも“兵器”とも呼ばれる存在「ラ・グース」が出てくる。SRWでいう[[ペルフェクティオ]] | + | 石川賢の別の漫画作品『虚無戦記』では“神”とも“兵器”とも呼ばれる存在「ラ・グース」が出てくる。SRWでいう[[ペルフェクティオ]]すら彷彿とさせる存在で(むしろ[[ペルフェクティオ]]の元ネタと思われる)、まだ胎児の状態だが、「自分が育つ為の空間」を広げようとしている。この手段というのが、自らが存在する既存の宇宙を内側から喰らい破壊することで、より広大な新宇宙を創造する、というものである。その新宇宙さえも時が経てば破壊し、さらに広大な別の新宇宙を作り出す。これらを延々繰り替えして宇宙を拡大させており、このことから「宇宙の創造と破壊者」とも呼ばれている。 |
− | 空間を食い破って現れる際の、歪んだ周辺星域の様子を指して、ラ・グースは“'''星々を喰う魔物''' | + | 空間を食い破って現れる際の、歪んだ周辺星域の様子を指して、ラ・グースは“'''星々を喰う魔物'''”とも呼ばれており、『真説・魔獣戦線』とのリンクが彷彿とされる。ラ・グースを驚異と考えた別の神々は、既にこの存在に戦いを挑んでおり∞宇宙戦争に突入した為、ゲッター時空の戦争と似た状況に陥っている。あくまでも似ている、という話であって規模はゲッターエンペラー以上の強さを持つ兵器'''80億体'''がラ・グースに挑むという比較すらできない状況になっている。ちなみにそれらは'''眠っている状態のラ・グース'''の攻撃『デストロイ・スペーシー』によって一体を残して一瞬で消滅している。これですら最終的には時天空を倒す為の兵器の一つに過ぎないという。 |
− | + | 因みに石川は「この存在が登場する作品とゲッターが繋がる可能性は?」という質問に対して「ちょっと考えたけどそこまではやらないと思う」としながらも、その後も「登場したら面白いかなぁ、うーん」とどうするか悩む様子を見せていた。ただ、石川氏の構想がどんなものであったにせよ、現実には「ゲッターロボシリーズ」と「虚無戦記」や「真説・魔獣戦線」は類似した設定や共通のテーマを持ちつつも'''公式にリンクしているわけではない'''ことに注意。 | |
− | + | 元々石川氏の代表作は「とんでもない力を持った連中がとんでもないスケールでとんでもない敵を相手にひたすら上を目指して戦い続ける」というテンプレートが存在しているため、それらに依拠する各種作品の方向性が同じになるのは当然の成り行きである(一部例外はあるが、基本的に「行き着くところまで行ってまだ終わらない戦い」である)。 | |
== スーパーロボット大戦においてのゲッター線 == | == スーパーロボット大戦においてのゲッター線 == | ||
概ね原作に準じ、「進化を司る、意思を持った無限エネルギー」として描かれる。 | 概ね原作に準じ、「進化を司る、意思を持った無限エネルギー」として描かれる。 | ||
− | + | ゲッターは戦えば戦うほど強くより強大に進化する。だからこそ戦いを放棄する者を許さない。スパロボにおいて[[人類補完計画]]などをゲッターが止めようとするのは、進化を放棄する行為や存在を認めていないからである。また、スパロボにおいては、今ある命=進化の可能性を持った存在を守るのもゲッター線の使命で、スパロボでは[[宇宙怪獣]]などが人類を滅ぼそうとするのを止めるのはこの為。ただ、基本的に相克による進化を促しつつも、とにかく最終的に人類が進化出来ればプロセスは極論、問題ではないようで、融和という争いとは逆の方向から進化を促す[[ビムラー]]などに対して排除行動を取ることはない(むしろビムラーの方がゲッター線に同調することが多い)。 | |
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− | + | なお、[[第3次α]]ではゲッター線は人類が自ら進化するための導き手であり、武蔵が「それ単体では何もしない」と言及している。EDでは[[宇宙]]から降り注ぐゲッター線が減少し、将来的に[[地球]]へ降り注ぐゲッター線が消滅するかもしれない事が示唆されているが、これはゲッター線自身が[[アポカリュプシス]]を乗り越えた人類の進化を認め、ゲッター線が必要なくなったと判断したのかもしれない。 | |
− | + | またゲッター線の行動基準はその世界に合わせて変わり、自分の適応する人類の世界(チェンゲや新が参戦した場合)では積極的に活動するが、自分の適性の低い世界(TV版竜馬が参戦した場合)ではある程度の力を貸すだけであり、スパロボのゲッター線の多くは活動せずに傍観している事が多い。また、スパロボの各作品は[[平行世界]]での繋がりが設定されているが、ゲッター線はその認識外の扱いで、[[第3次α]]ではゲッター単体がそれぞれの[[平行世界]]を俯瞰で眺めている様子を見せる。 | |
− | + | [[第3次α]]や[[天獄篇]]においてゲッター線の使者として竜馬の前に現れた[[巴武蔵|武蔵]]の言葉や、Zにおける[[アサキム・ドーウィン|アサキム]]の言葉から、SRWシリーズの世界観においても'''全ての世界の竜馬はゲッター線に選ばれし存在'''であるとされている。 | |
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ゲッター線のそのあまりにも強大、且つ恐ろしい力は他の版権作品のキャラクターにも恐れられている事が多く、[[バンプレストオリジナル]]キャラクターの大ボスクラスの人物にもゲッター線の強大な力やその恐ろしさを知っている者が存在する。彼らが恐れているのはゲッター線そのものよりも、その力を究極の形で発揮するエンペラーや、無限の戦いに身を投じた「別の可能性の竜馬」であることが多い。 | ゲッター線のそのあまりにも強大、且つ恐ろしい力は他の版権作品のキャラクターにも恐れられている事が多く、[[バンプレストオリジナル]]キャラクターの大ボスクラスの人物にもゲッター線の強大な力やその恐ろしさを知っている者が存在する。彼らが恐れているのはゲッター線そのものよりも、その力を究極の形で発揮するエンペラーや、無限の戦いに身を投じた「別の可能性の竜馬」であることが多い。 | ||
=== SRWシリーズにおいてゲッター線の脅威を語った人物 === | === SRWシリーズにおいてゲッター線の脅威を語った人物 === | ||
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;[[邪神ドラゴ]] | ;[[邪神ドラゴ]] | ||
− | : | + | :全てに破滅をもたらす邪神。[[NEO]]にて、ゲッター線を「'''破滅を呼ぶ力'''」とし、その存在を非常に危惧していた。 |
;[[ユーゼス・ゴッツォ]] | ;[[ユーゼス・ゴッツォ]] | ||
− | :[[ゼ・バルマリィ帝国]] | + | :[[ゼ・バルマリィ帝国]]の重鎮にして、神になろうと画策した男。[[α]]にて、ゲッター線を「'''全宇宙を支配する事すら可能な力'''」と評する。 |
;[[ザ・データベース]]([[インファレンス]]、[[クリティック]]、[[アプリカント]]、[[レギュレイト]]、[[アリア・アドヴァンス]]) | ;[[ザ・データベース]]([[インファレンス]]、[[クリティック]]、[[アプリカント]]、[[レギュレイト]]、[[アリア・アドヴァンス]]) | ||
− | : | + | :宇宙を旅する知の記録者達。[[W]]にて、組織のリーダー格の一人である[[インファレンス]]はゲッター線を「'''宇宙の死に深く関わる力'''」と評する。また、彼らは[[真ゲッターロボ]]より更に進化し、宇宙の破壊者へと近づいたゲッター(ゲッターエンペラー)の存在を記憶している節が見られ、明確にゲッターロボを「'''宇宙に災厄をもたらす存在'''」と捉えていた。 |
− | : | + | :追記するとアリアやアプリカントは記録されている真ゲッターと竜馬達の真・ゲッターが微妙に違うことを示唆している。彼らが知る真ゲッターは、エンペラーの存在を考えるとチェンゲに登場した対インベーダー用のものだと思われる。 |
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;[[アサキム・ドーウィン]] | ;[[アサキム・ドーウィン]] | ||
− | :[[平行世界]] | + | :[[平行世界]]を彷徨う謎の男。[[Z]]にて、ゲッター線、そしてそれに選ばれた存在である竜馬を知っており、'''全ての世界の竜馬がゲッター線に選ばれし存在'''である事を仄めかしている。 |
;[[ラルヴァ]]([[アマネ]]) | ;[[ラルヴァ]]([[アマネ]]) | ||
− | :古代の[[世界観/NEO#アースティア|アースティア]] | + | :古代の[[世界観/NEO#アースティア|アースティア]]の天才科学者。[[NEO]]にて、竜馬を「'''滅ぼす側の人間'''」と評し、ゲッター線に関しては「'''世界を希望で満たす可能性も、その可能性を塗り潰してしまう程の絶望で世界を満たす可能性も共に内包した力'''」と評している。 |
;[[ニア・テッペリン]]([[アンチスパイラル]]) | ;[[ニア・テッペリン]]([[アンチスパイラル]]) | ||
− | : | + | :自らの力が銀河の破滅につながることを知りその身を変えた反螺旋族。[[第2次Z再世篇]]にて、ゲッター線及びゲッターロボを扱う者達を「'''銀河に災いを呼ぶ'''」とし、その存在を敵視していた。また、「'''スパイラルネメシスを阻止するためにもゲッターはここで破壊する'''」とも言っている。時獄篇の展開からゲッター線は螺旋力と強く引き合う性質をもつらしく、スパイラルネメシスに大きく近づいてしまうらしい。 |
== ゲッター線と同種、同系統、同質の存在 == | == ゲッター線と同種、同系統、同質の存在 == | ||
118行目: | 118行目: | ||
;[[ビムラー]] | ;[[ビムラー]] | ||
:宇宙意思「ビッグソウル」が生み出したエネルギー。無機物を含む存在の進化を促す事からゲッターとの類似点も多い。こちらは穏やかに地球人類の進化を促す、或いは導く事にその意思は向いている。 | :宇宙意思「ビッグソウル」が生み出したエネルギー。無機物を含む存在の進化を促す事からゲッターとの類似点も多い。こちらは穏やかに地球人類の進化を促す、或いは導く事にその意思は向いている。 | ||
− | : | + | :ゲッター線が「相克による進化」を促すのに対し、ビムラーは「融和による進化」を促す。スパロボにおいては互いに歩み寄っているようで、ゲッター線とビムラーが同調する場面も多い。 |
+ | ;[[ザ・パワー]] | ||
+ | :原作でも謎のままであった、無限の超エネルギー。[[勇者ロボ]]や[[Zマスター]]のいずれもその力を扱えた点からすると、本質的にその力は意思の方向性を持たない公平無私のものであると思われる。 | ||
;[[ラ・ムーの星]] | ;[[ラ・ムーの星]] | ||
− | : | + | :スパロボでは[[無限力]]の一つの側面として登場した。原作は神秘の力の源として登場していたが詳細不明。 |
;[[次元力]] | ;[[次元力]] | ||
− | : | + | :Zシリーズの多元世界を構成する「存在の力」。これを介して霊子を動かすことで事象の制御を行える。 |
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;[[螺旋力]] | ;[[螺旋力]] | ||
− | : | + | :大半の面で酷似する。特に「際限のない進化の力」という点では完全に共通している。違いは、ゲッター線が宇宙から降り注ぐエネルギーであるのに対し、螺旋力は個々人が秘める力という点。異種同質のエネルギーで、その果てに待っているものも似通っている。外部に存在するゲッター線に促されることで、螺旋力はより大きく成長していく。 |
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== その他 == | == その他 == | ||
;[[マジンカイザー]] | ;[[マジンカイザー]] | ||
− | : | + | :[[F完結編]]では[[マジンガーZ]]にゲッター線を浴びせることで進化した。短編漫画『マジンカイザー対真ゲッターロボ』でも建造にゲッター線が関わっている。 |
− | |||
− | |||
;[[東方不敗マスター・アジア]] | ;[[東方不敗マスター・アジア]] | ||
− | : | + | :[[R]]においては、彼曰くゲッター線が'''詫びを入れた'''とのこと。原作、スパロボ含めてゲッター線が詫びを入れたのは彼くらいであり、つくづくこの御方が人間離れした存在であることが解る。あるいは彼もゲッターに見込まれたのかもしれない。 |
;[[デビルガンダム]] | ;[[デビルガンダム]] | ||
− | : | + | :[[R]]において、ゲッター線のせいで復活してしまい、ゲッター線が東方不敗に詫びを入れた理由となった。この事を考えると、ゲッター線はデビルガンダムを相当危険視しているようである。 |
− | + | ;[[抗体コーラリアン]] | |
− | + | :正確にはスパロボではないが、姉妹作とも言える『[[Another Century's Episode 3 THE FINAL|A.C.E.3]]』においては、[[抗体コーラリアン]]がゲッター線を浴びて異常進化を遂げた存在が[[インベーダー]]の正体とされていた。 | |
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== 脚注 == | == 脚注 == | ||
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{{DEFAULTSORT:けつたあせん}} | {{DEFAULTSORT:けつたあせん}} | ||
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[[Category:ゲッターロボシリーズ]] | [[Category:ゲッターロボシリーズ]] |