ゲッター線

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ゲッター線(Getter Ray)とは、『ゲッターロボシリーズ』に登場する放射線。

概要

宇宙から無限に降り注ぐ放射線の一つで、大多数のゲッターロボの動力。遥か太古の昔地球にゲッター線が振り注ぎハチュウ人類を絶滅させた。人間にとっては無害とされる。恐竜帝国にとってはゲッター線で動くゲッターロボは天敵のような存在なのである。

元々はこれ以上の設定はなく、単純に「ハチュウ人類にとって有害で、ロボットを動かせるくらいにすごいエネルギー」以上のものではなかったのだが、TVアニメ『ゲッターロボG』放映終了後、漫画やOVAで発表されたゲッターロボシリーズの関連作品で設定がどんどん追加され、インフレしていった。ここでは、その「後付された」設定を元に解説する。

概略

基本的には「進化の力」として扱われる。ゲッター線はただのエネルギーではなく「意思」を持っているとされ、宇宙のさまざまな種族の文明に干渉してきた。ゲッター線は自らが認めたものを無限に「進化」させることができ、地球では哺乳類の進化を促して人類を生み出したとされる。

OVA『世界最後の日』では宇宙生物インベーダーのエネルギー源でもあるが、インベーダーはゲッター線を過剰に吸収すると体が耐えきれずに崩壊するため、ゲッターロボによる攻撃の効果は認められる。なお、インベーダーはゲッター線に寄生しているのであって、ゲッター線はその存在を認めていない。

ゲッターロボの駆動には「ゲッター炉心」と呼ばれる反応システムを用いる。この炉心は原子炉同様、臨界を越えるとメルトダウンを起こし、高熱を発して溶け出す。また、どんな影響があるのかは不明であるが、「ゲッター線汚染」という、一種の放射能汚染を引き起こす場合もあった。団龍彦の小説『スーパーロボット大戦』でもゲッター線には臨界点が存在し、それを超えると制御不能になる事が隼人の口から明かされている(同作の真ゲッターロボはその臨界点を超えたゲッター線を動力とした悪の存在として登場した)。ゲッターエネルギーは宇宙からゲッター線が無くならない限り無尽蔵であり、宇宙開発には最適のエネルギー源であったが、前述の理由により対恐竜帝国用の切り札的な兵器として戦闘用に転用される。対恐竜帝国に絶大な効果を発揮した「ゲッタービーム」は、ゲッター線の戦闘への転用の典型例である。しかしながら恐竜帝国も「ゲッタービーム」への対策を講じており、無事に防いでいる場面もある。

人工的な核融合を引き起こすことも可能であり、OVA『世界最後の日』では15個の衛星を吸い込み、質量を増やした木星に暴走させたゲッター炉心を撃ち込み、核融合を起こす「ゲッター線の太陽」が生み出された。

ゲッターロボが変形することができるのもゲッター線による効果であり、ゲッター線によって金属が延び縮みしたり、金属チップが増殖するという現象を引き起こす。それによりとんでも変形や合体も可能となっている。ちなみに、ゲッターロボの装甲は「ゲッター合金」と呼ばれる一種の形状記憶合金で出来ている。

ゲッター線には未解明の部分も残されている。ゲッター搭乗者が見る「」や機械ですらも進化させることができる能力については、作中でも謎のままである。ゲッター線研究の第一人者であった早乙女博士ですら、ゲッター線の全貌を解き明かすまでには至っていない。

また、ゲッターに限らず浴びたマシンの進化や変質を促すこともあり、『F完結編』ではマジンガーZマジンカイザーに進化させることに成功。また、『R』ではデビルガンダムを結果的に復活させた詫び代わりとして、極限までDG細胞に侵された東方不敗の肉体を治した事もある。

漫画版では“物質、時空間、自然物、進化、生命”全てを司る存在であることをうかがわせており、同時にゲッター線が生命を宇宙に広げていく機構としての側面を果たしている事も明らかにした。なお、死んだ生命(魂)も再びゲッターの元に帰っており、帝王ゴールブライ大帝は死後に早乙女博士竜馬の前に、ゲッターの使者として姿を現した。

また、漫画作品『偽書ゲッターロボ ダークネス』(SRW未参戦)の世界では光のゲッター線と闇のゲッター線が存在し、正義と悪の二分担とされているが、その世界でもゲッター線の本質はどちらも同じで最終目的は同じである。つまりゲッター線その物に善悪の感情は無い。

ゲッターロボとの同化

漫画版、及びOVA『新ゲッターロボ』の竜馬が見た、近い未来の出来事で、ゲッターロボと人が同化し争い身体を奪い合い殺しあう事で無限に進化する。その光景はまさに地獄そのもの。この地球を支配しているのは"ゲッター聖ドラゴン"というゲッターロボで、自らの下に訪れた竜馬に対し、「ここはお前の来るところでは無い」と告げ、更に遠い未来で互いに出会う事を示唆した。

新ゲッターロボ』では平行世界竜馬が乗っており、隼人、弁慶、早乙女博士、ミチルも皆ゲッターロボと同化し、そこで生まれた赤ん坊も既にゲッターロボと同化していることに竜馬は驚愕する。本作での聖ドラゴンは巨大ドラゴンという名であり(劇中で呼称されるシーンはない)並行世界の竜馬がドラゴンに取り込まれた結果誕生した形態であり、エンペラーに繋がる存在であるといわれている。

ゲッター線との同化

上文がゲッターロボとの同化に対し、こちらはゲッター線その物と同化する事を言う。原作漫画版の登場人物である南風渓(SRW未参戦)の場合は、精神のみが同化していた為、人類医学の観点では植物状態と同様の姿となっていた。

真ゲッターロボ (原作漫画版)』の早乙女研究所では真ゲッタードラゴンの起動によって博士、所員、みんなまとめて取り込まれている。その際取り込まれた者達はゲッターと世界のすべてを知る。取り込まれていく所員達は、ゲッター線と同化する瞬間、次々と「ああ。そうか。そうだったのか」と全てを知って満足そうに取り込まれている。

また真ゲッターロボに取り込まれるのはゲッター線と同化したのと同じ現象である。こちらも有機物・無機物問わず吸収していた。また真ゲッターに乗って精神の弱い者はそのまま取り込まれる。前述の通り、南風渓は真ゲッターロボに乗っただけで精神を完全に取り込まれ、大道剴は真ゲッターロボに乗った事で精神に異常をきたし、真ゲッターロボを爆破しようとしたが、そのまま肉体ごと取り込まれた。一文字號は真ゲッターロボと完全に同調した事で全てを知り、同じく真ゲッターロボと完全に同調して全てを知った流竜馬やメシア・タイールと共に、最後は真ゲッターロボに取り込まれた。

ゲッター線の使命

石川賢の漫画『真説・魔獣戦線』によると、謎の存在“時天空”を倒す為に、“大いなる意思”が魔獣や星を喰う化け物、宇宙を破壊する機械のバケモノを作り出したという。この宇宙を破壊する機械のバケモノこそがゲッターロボであり、ゲッター線であるという考察が読者の間でなされている。現在、その目的を最も理想的な形で顕在化させている内の一つが「ゲッターエンペラー」である。『ゲッターロボアーク』で巴武蔵はゲッター線を通じ、「人間が生まれた意味」「人間同士が殺しあう意味」を知り始めていた様子が描かれており、作品間の繋がりを見せている。

この為、ゲッターの進化に不都合な生命体は駆除される。例で上げると恐竜、昆虫、植物など。だが時には人間が進化を放棄した場合ゲッターがその放棄した者を滅ぼそうとする。ゲッター線が自身の使命を全うする際に起こすその戦いは、多くの他星系の住人には宇宙の破壊者であり、未来の簒奪者と映る。

なお、ゲッター線が存在する全ての世界でゲッター線が自らの使命を全うする戦いを起こすわけではなく、団龍彦の小説『スーパーロボット大戦』では遥か未来の世界でもゲッター線は特に行動を起こしておらず[1]、『第3次α』ではゲッター線は自ら身を引くような形になっている(後述)。

ゲッターを滅ぼそうとする者達

上文に書いてあるようにゲッターに滅ぼされた者は数知れず、ゲッターに対抗する者は多い。遥か未来からやってくる昆虫人(原作漫画版)や、別の次元に住む神々に、彼らの意を受けた異世界の地球人・安倍晴明(『新ゲッターロボ』)がゲッターを滅ぼす為に早乙女研究所と竜馬達を襲ってくる。現代では恐竜帝国百鬼帝国が代表的な敵対者である。神々が語るに百鬼帝国とは別物)は、ゲッターに駆逐された者達の末裔とされている。漫画『ゲッターロボアーク』(SRW未参戦)に登場する帝王ゴールの実子・カムイや『新ゲッターロボ』の竜馬など、単身時空を越えてゲッターに戦いを挑む者もいる。

神々ですら怯え恐れる力を持つゲッター線。神は人類やゲッターの行き着く先は「おぞましき姿」だと述べるが、その真実は不明。そして石川氏亡き今、それが明かされることは永遠にない。

竜馬達との関係

基本的にゲッター線は流竜馬を基準に意思を託しており、原作版では幾度もその対話による決別と融合を描かれている。SRWオリジナルの設定では、他のメディア作品なども含め、あらゆる平行世界の竜馬を見ていると設定されている。これは竜馬と究極のゲッターロボ・ゲッターエンペラーの関係性が非常に深い為だと思われる。なお他メディア作品の竜馬の中には、ゲッター線の力を個人で引き出せる者などもいる。他にも、竜馬の中にはゲッターに直接歯向かう者も居り、『新ゲッターロボ』の竜馬などがそれに当たる。

武蔵や弁慶に関しても、真ドラゴンの誕生時の出来事や超未来でのゲッターエンペラーとの関わり方から、ゲッター線に縁を持ったものは、いずれも何らかの形で関係性が見え隠れする。ちなみに隼人は、超未来の「ゲッター戦記」に関わる事態には滅多に連れて行かれず、これにも何らかの意思が介在していると思われる(『世界最後の日』等、例外も存在する)。また、一文字號に対しても竜馬と同じものを見せ、意思の疎通や対話を行っていた。

なおゲッター線は漫画版を基点に、TV版、OVA版、スパロボ等のクロス作品で戦った全ての記憶が蓄積されており、それを竜馬に見せて己が使命を伝えたりもする…という説も存在するが、真偽は不明。

ゲッターロボの戦闘能力との関係

「三つの心が一つになれば」の言葉通り、基本的にはゲッター線に選ばれた者が搭乗していないとゲッターロボはその真の力を発揮できない事が多い。『新ゲッターロボ』にて隼人弁慶の二人乗りのゲッターは竜馬が搭乗していない時と比べて大幅に戦闘能力が低下しており、逆に竜馬が搭乗した際には、絶大な戦闘能力を発揮している。また、この作品においては竜馬は単独でゲッターの力を引き出せる存在となっており、ただ一人ゲッター線に選ばれた存在となっている。なお、これは『新』の竜馬の適正がずば抜けて高かったという理由もあり、隼人や弁慶が選ばれなかったという訳ではないと思われる。

また、スパロボシリーズの姉妹作である『A.C.E.シリーズ』の第3作『A.C.E.3』においては、真ドラゴンの最終形態に同作のオリジナルキャラクターであるベルクトがコアとなって搭乗するが、『A.C.E.3』本編で隼人が言った通り、ゲッター線に選ばれた存在ではない彼が(ベルクトが言うには「に否定された真ドラゴンが新たなコアを求めた」との事だが)搭乗する真ドラゴンが本来の戦闘能力を発揮できるわけがなく、その戦闘能力は原作の號達が搭乗していた時と比べて、大幅に低下していた(ただし、それでも当作品中最速の機動力を持つなど、強力な機体には違いない)。しかし、ベルクト自身は真ドラゴンを起動・操縦しての戦闘をするだけの適正能力はあったので、普通の人間と比較すればゲッターに選ばれた存在であるとも解釈できる。

大いなる意思

「ビッグバンは成功だ!時天空は崩壊している、ビッグバンは時天空を破壊しながら拡大していく」
「しかし時天空は無限だ、いずれビッグバンの爆発力も弱まる」
「原始的だが分子構造体を組み合わせ、時天空を攻撃する生物体を作り出す!」
「遺伝子を次々と組み合わせ、進化する戦闘的な種がいい!! 我々のような意識体ではなく、おのれら同士が喰い合う種がいい!」
「喰い合う事によって強くなる、破壊せよ、同胞を殺せ、武器を作り上げろ!」
「その中で生き残った種が進化を繰り返し、星々を喰う魔物が生まれてもいい!!」
「兵器を使い…宇宙を消滅させる機械の化物でもいい!!」
『真説・魔獣戦線』より、大いなる意思の意識体の言葉。

これより以下の石川賢他作品とのリンクは、あくまでも各漫画・映像作品の作中で提示された情報から読者の間で行われた一推察である。全ての真実は作者である故・石川賢が知っていたのみとなった。

『真説・魔獣戦線』に出てくるこの「大いなる意思」とは、人の言葉と概念を用いると「神」が最も近い意識体である。先述のように、ゲッター線を生み出した存在であると読者に推察されているが、真相は不明。同時に、宇宙を作り上げた存在でもある。

謎の無限存在である時天空に対し、大いなる意思は最終攻撃「ビッグバン」を起こし、時天空の体の一部(実際には宇宙全体を俯瞰で眺めても、その一部が映る程度なので、“体”と呼称する部分なのかは不明。一応核はあるようだ)を破壊、その侵食を一時的に止める。この稼がれた時の間に対抗手段を探す為、ビッグバンによって副次的に発生した空間(宇宙)にて、分子構造体を素地に、遺伝子の掛け合わせで進化する戦闘種を作り上げる。これらは最終的に時天空を攻撃する生物体となる事が期待された。これが「人類」である。人類は同胞を殺し、武器も作り上げ、更に殺しあって強い種が生き残るようになる。ただし、この種は自滅の可能性も内包しているため、大いなる意思の一部は、「そしたらまたイチからやりなおせばいい」として、兵器の誕生には悠久の時をかける様相を見せた。

そして、大いなる意思の眷属達(ゲッターもこのうちの一つと推察)は新たな命(兵器)を作り上げる。その一つの成果がゲッター線、完成形がエンペラーであると思われ、それ以外の時空でも時天空を倒そうとする兵器は生まれつつあり、ビッグバンが終わるまでの時間を目標に、兵器の完成は目指されている。ただし、それらは決して善であるわけではなくほぼ全ての時空において抑止力が存在している。その抑止力は皮肉にもゲッターを扱う側=主人公たちの敵である。

このように、大いなる意思によって明かされた「人間の生まれた意味」とは、「同種族で互いに殺しあう事で進化し続け、神をも超える時天空を殺す為の“兵器”となるため」である。このテーマ性に関してはゲッターロボに限らず、石川作品に置ける多くの作品(歴史ものやスポーツものから極道ものに至るまで)で共通して見られるものであり、根底に常に流れているものである。

他にはOVA版『マジンカイザー』にも“大いなる意思”と思しき存在が現れたが、関係は不明。

石川賢の別の漫画作品『虚無戦記』では“神”とも“兵器”とも呼ばれる存在「ラ・グース」が出てくる。SRWでいうペルフェクティオすら彷彿とさせる存在で(むしろペルフェクティオの元ネタと思われる)、まだ胎児の状態だが、「自分が育つ為の空間」を広げようとしている。この手段というのが、自らが存在する既存の宇宙を内側から喰らい破壊することで、より広大な新宇宙を創造する、というものである。その新宇宙さえも時が経てば破壊し、さらに広大な別の新宇宙を作り出す。これらを延々繰り替えして宇宙を拡大させており、このことから「宇宙の創造と破壊者」とも呼ばれている。

空間を食い破って現れる際の、歪んだ周辺星域の様子を指して、ラ・グースは“星々を喰う魔物”とも呼ばれており、『真説・魔獣戦線』とのリンクが彷彿とされる。ラ・グースを驚異と考えた別の神々は、既にこの存在に戦いを挑んでおり∞宇宙戦争に突入した為、ゲッター時空の戦争と似た状況に陥っている。あくまでも似ている、という話であって規模はゲッターエンペラー以上の強さを持つ兵器80億体がラ・グースに挑むという比較すらできない状況になっている。ちなみにそれらは眠っている状態のラ・グースの攻撃『デストロイ・スペーシー』によって一体を残して一瞬で消滅している。これですら最終的には時天空を倒す為の兵器の一つに過ぎないという。

因みに石川は「この存在が登場する作品とゲッターが繋がる可能性は?」という質問に対して「ちょっと考えたけどそこまではやらないと思う」としながらも、その後も「登場したら面白いかなぁ、うーん」とどうするか悩む様子を見せていた。ただ、石川氏の構想がどんなものであったにせよ、現実には「ゲッターロボシリーズ」と「虚無戦記」や「真説・魔獣戦線」は類似した設定や共通のテーマを持ちつつも公式にリンクしているわけではないことに注意。

元々石川氏の代表作は「とんでもない力を持った連中がとんでもないスケールでとんでもない敵を相手にひたすら上を目指して戦い続ける」というテンプレートが存在しているため、それらに依拠する各種作品の方向性が同じになるのは当然の成り行きである(一部例外はあるが、基本的に「行き着くところまで行ってまだ終わらない戦い」である)。

スーパーロボット大戦においてのゲッター線

概ね原作に準じ、「進化を司る、意思を持った無限エネルギー」として描かれる。

ゲッターは戦えば戦うほど強くより強大に進化する。だからこそ戦いを放棄する者を許さない。また、ゲッターの考える進化には終着点が想定されていない。例えば人類を究極の生物として進化させる人類補完計画はゲッターに言わせれば「それ以上の進化をさせないための計画」であり生物としての堕落とみなしている。進化に終わりはないのだから、「究極の姿」なんて幻想に満足してはならないのである。 また、SRWにおいては、今ある命=進化の可能性を持った存在を守るのもゲッター線の使命で、SRWでは宇宙怪獣などが人類を滅ぼそうとするのを止めるのはこの為。ただ、基本的に相克による進化を促しつつも、とにかく最終的に人類が進化出来ればプロセスは極論、問題ではないようで、融和という争いとは逆の方向から進化を促すビムラーなどに対して排除行動を取ることはない(むしろビムラーの方がゲッター線に同調することが多い)。

なお、『第3次α』ではゲッター線は人類が自ら進化するための導き手であり、武蔵が「それ単体では何もしない」と言及している。EDでは宇宙から降り注ぐゲッター線が減少し、将来的に地球へ降り注ぐゲッター線が消滅するかもしれない事が示唆されているが、これはゲッター線自身がアポカリュプシスを乗り越えた人類の進化を認め、ゲッター線が必要なくなったと判断したのかもしれない。

またゲッター線の行動基準はその世界に合わせて変わり、自分の適応する人類の世界(『世界最後の日』や『新』が参戦した場合)では積極的に活動するが、自分の適性の低い世界(TV版竜馬が参戦した場合)ではある程度の力を貸すだけであり、スパロボのゲッター線の多くは活動せずに傍観している事が多い。また、SRWの各作品は平行世界での繋がりが設定されているが、ゲッター線はその認識外の扱いで、『第3次α』ではゲッター単体がそれぞれの平行世界を俯瞰で眺めている様子を見せる。

『第3次α』や『第3次Z天獄篇』においてゲッター線の使者として竜馬の前に現れた武蔵の言葉や、『Z』におけるアサキムの言葉から、SRWの世界観においても全ての世界の竜馬はゲッター線に選ばれし存在であるとされている。

ゲッター線のそのあまりにも強大、且つ恐ろしい力は他の版権作品のキャラクターにも恐れられている事が多く、バンプレストオリジナルキャラクターの大ボスクラスの人物にもゲッター線の強大な力やその恐ろしさを知っている者が存在する。彼らが恐れているのはゲッター線そのものよりも、その力を究極の形で発揮するエンペラーや、無限の戦いに身を投じた「別の可能性の竜馬」であることが多い。

SRWシリーズにおいてゲッター線の脅威を語った人物

邪神ドラゴ
全てに破滅をもたらす邪神。『NEO』にて、ゲッター線を「破滅を呼ぶ力」とし、その存在を非常に危惧していた。
ユーゼス・ゴッツォ
ゼ・バルマリィ帝国の重鎮にして、神になろうと画策した男。『α』にて、ゲッター線を「全宇宙を支配する事すら可能な力」と評する。
ザ・データベースインファレンスクリティックアプリカントレギュレイトアリア・アドヴァンス
宇宙を旅する知の記録者達。『W』にて、組織のリーダー格の一人であるインファレンスはゲッター線を「宇宙の死に深く関わる力」と評する。また、彼らは真ゲッターロボより更に進化し、宇宙の破壊者へと近づいたゲッター(ゲッターエンペラー)の存在を記憶している節が見られ、明確にゲッターロボを「宇宙に災厄をもたらす存在」と捉えていた。
追記するとアリアやアプリカントは記録されている真ゲッターと竜馬達の真・ゲッターが微妙に違うことを示唆している。彼らが知る真ゲッターは、エンペラーの存在を考えるとチェンゲに登場した対インベーダー用のものだと思われる。
アサキム・ドーウィン
平行世界を彷徨う謎の男。『Z』にて、ゲッター線、そしてそれに選ばれた存在である竜馬を知っており、全ての世界の竜馬がゲッター線に選ばれし存在である事を仄めかしている。
ラルヴァアマネ
古代のアースティアの天才科学者。『NEO』にて、竜馬を「滅ぼす側の人間」と評し、ゲッター線に関しては「世界を希望で満たす可能性も、その可能性を塗り潰してしまう程の絶望で世界を満たす可能性も共に内包した力」と評している。
ニア・テッペリンアンチスパイラル
自らの力が銀河の破滅につながることを知りその身を変えた反螺旋族。『第2次Z再世篇』にて、ゲッター線及びゲッターロボを扱う者達を「銀河に災いを呼ぶ」とし、その存在を敵視していた。また、「スパイラルネメシスを阻止するためにもゲッターはここで破壊する」とも言っている。『第3次Z時獄篇』の展開からゲッター線は螺旋力と強く引き合う性質をもつらしく、スパイラルネメシスに大きく近づいてしまうらしい。

ゲッター線と同種、同系統、同質の存在

イデ
無限力を司る。こちらは宇宙の全てを支配するイデという集合的存在でありながら、自身を心正しく扱える新人類を、宇宙の死と新生を幾度も繰り返しながら作りあげようと画策してきた存在である。ゲッター線が「純粋な闘争(攻撃)本能」を持つのに対し、イデは「純粋な防衛本能」を持ち、ある意味ではゲッター線とは対極の存在であるといえる。目指すところもまるで反対。
ビムラー
宇宙意思「ビッグソウル」が生み出したエネルギー。無機物を含む存在の進化を促す事からゲッターとの類似点も多い。こちらは穏やかに地球人類の進化を促す、或いは導く事にその意思は向いている。
ゲッター線が「相克による進化」を促すのに対し、ビムラーは「融和による進化」を促す。SRWにおいては互いに歩み寄っているようで、ゲッター線とビムラーが同調する場面も多い。
ザ・パワー
原作でも謎のままであった、無限の超エネルギー。勇者ロボZマスターのいずれもその力を扱えた点からすると、本質的にその力は意思の方向性を持たない公平無私のものであると思われる。
ラ・ムーの星
SRWでは無限力の一つの側面として登場した。原作は神秘の力の源として登場していたが詳細不明。
次元力
Zシリーズの多元世界を構成する「存在の力」。これを介して霊子を動かすことで事象の制御を行える。
螺旋力
大半の面で酷似する。特に「際限のない進化の力」という点では完全に共通している。違いは、ゲッター線が宇宙から降り注ぐエネルギーであるのに対し、螺旋力は個々人が秘める力という点。異種同質のエネルギーで、その果てに待っているものも似通っている。外部に存在するゲッター線に促されることで、螺旋力はより大きく成長していく。
ドラグニウム
エンブリヲが発見・研究した多元宇宙に干渉する超エネルギー。作中の人間が使う「マナ」はこれを精製する事で出来る。『V』ではゲッター線の別名。

その他

マジンカイザー
F完結編』ではマジンガーZにゲッター線を浴びせることで進化した。短編漫画『マジンカイザー対真ゲッターロボ』でも建造にゲッター線が関わっている。
東方不敗マスター・アジア
R』においては、彼曰くゲッター線が詫びを入れたとのこと。原作、SRW含めてゲッター線が詫びを入れたのは彼くらいであり、つくづくこの御方が人間離れした存在であることが解る。あるいは彼もゲッターに見込まれたのかもしれない。
デビルガンダム
『R』において、ゲッター線のせいで復活してしまい、ゲッター線が東方不敗に詫びを入れた理由となった。この事を考えると、ゲッター線はデビルガンダムを相当危険視しているようである。
抗体コーラリアン
SRWの姉妹作『A.C.E.3』においては、抗体コーラリアンがゲッター線を浴びて異常進化を遂げた存在がインベーダーの正体とされていた。
ドラゴン
『V』において、ドラグニウム=ゲッター線を体内に取り込んで安定した結晶に変える能力を発揮しており、早乙女博士からは敬意を込めて「ゲッター線を組み伏せるもの」と評されている。
マジンエンペラーG
マジンガーZERO
『V』では、どちらもゲッター線で制御、もしくは稼働させる事が可能となった。

脚注

  1. 当時はゲッター線の使命の設定が完全に固まっていなかった事もあるが、この世界では人類が滅亡寸前で、ゲッター線はギャラハンによってテクノロジーが握られてしまっているという最悪の状況だった上に、最終的にギャラハン一派の全滅によりテクノロジーそのものが失われたので、使命を全うできる状態ではなかったとも言える。