Wシリーズ

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Wシリーズ(W series)とは、バンプレストオリジナル作品に登場する人造人間

概要[編集 | ソースを編集]

シャドウミラーの戦力として、レモン・ブロウニングが造り出した一連の人造人間のシリーズのこと。

スーパーロボット大戦A』の女性主人公として初登場したラミア・ラヴレスや、『無限のフロンティアシリーズ』の初代主人公として登場するハーケン・ブロウニング、彼の部下アシェン・ブレイデル等がWシリーズの代表である。

Wナンバー[編集 | ソースを編集]

Wシリーズはシャドウミラーの主力兵士として多数の個体が「製造」されているが、その中でも特に優れた能力を持たされた個体は「Wナンバー」あるいは「ナンバーズ」と呼ばれ、「W○○」と形式番号で呼ばれる。Wナンバーは現在、W00~W17までの18体が制作されたことが判明しており、前述のラミアは「W17(ダブリュー・ワンセブン)」、ハーケンは「W00(ダブリュー・ゼロゼロ)」である。

この2人の例からも分かる通り、Wナンバーには形式番号とは別に固有の名前も与えられている。これは『A』でのラミアのように、元々Wナンバーには外部組織への潜入工作任務等が想定されていたために設定されたものと思われるが、開発者であるレモンの一種の親心による影響があった可能性もある。一方で「名前か。そうだな…ラミアという」とラミア本人が即興で考えたような描写もあり、各々が勝手に名乗っているだけの可能性もある。彼らに対して特段そのような思い入れを抱いていない彼女以外の人物は、専らWナンバーを形式番号で呼称する。

元々から生身の人間であるW00・ハーケンを除き、Wナンバー(ギムノスとアークゲイン除く)はそれぞれに何らかの方法で感情を持たされており、中でもW07「アシェン・ブレイデル」とW17「ラミア・ラヴレス」は、ほぼ人間と遜色ないまでの感情を持つレベルに到達している(アシェンの方は23年という実動期間の産物だが)。シャドウミラーのリーダーであるヴィンデルや幹部のアクセル(所謂「悪セル」の方)はWナンバーに感情は不要と考えており、彼らを任務を忠実にこなすための人形としか見ていなかった。しかしレモンはWナンバー開発の過程で、Wナンバーが人間以上に人間らしく育つ可能性を感じたようで、その様を体現したラミアはレモンから「さすが私の最高傑作」「私の誇り」とまで評された。なお『EXCEED』でのピートの発言からすると、どうもアシェンに対しても同様の期待を寄せていたらしい。

『A』では「Wシリーズ」の呼び名は使われず、「Wナンバー」だけが使われる。ごまんといると表現されていることから、『A』での「Wナンバー」はOGシリーズの「Wシリーズ」に対応した言葉であり、OGシリーズの「Wナンバー」に相当する区分は『A』には存在しないものと思われる。

開発史[編集 | ソースを編集]

Wシリーズの開発過程で最初に造り出されたプロトタイプ「W00」は、人工授精によって生まれた試験管ベビーに、先天的にパーソナルトルーパーの操縦技術を刷り込ませた上で育成するというものであった。しかし、赤ん坊の状態から普通の人間と同じように育てなければならず、兵器として運用するまでに要する期間の面で問題があったため、W00のコンセプトは専用機の開発計画と共に凍結された。

その後Wシリーズの計画の中心は、戦力整備に時間を要しないアンドロイドの開発へと移行した。所謂初期型Wシリーズは機動兵器の操縦技術を持たされず、内蔵火器を搭載した生身での白兵戦仕様であり、Wナンバーの中ではW01からW10までが初期型に該当する(便宜上分類するなら、W00も初期型の範疇に含まれる)。

それ以降に開発が開始された後期型Wシリーズにおいては、W00以降、計画の中で凍結されていた機動兵器の操縦能力への対応が見直され、高い操縦能力を持たされるようになっている。また、Wナンバーに関しては開発コンセプトがバイオロイドへと移行[1]したようであり、このおかげで他組織への潜入任務等も問題なくこなせるようになった。後期型に該当するWナンバーはW11~W17までの7体。

尚、一口に人造人間の開発といってもその方向性は一様ではなかったようで、実際に開発された個体を観察すると、前述の試験管ベビー・アンドロイド・バイオロイドといった肉体の組成の別とは異なる点で、複数の過程が混在していることが確認できる。

1つは身体及び感情要素の双方を一から構築するという開発パターンで、初期型WナンバーではW06やW07、後期型では類似したコンセプトであるW16やW17が該当する。

2つ目は後から別の人格を移植することを前提にボディが設計されているタイプのもので、初期型ではW05、後期型では同じコンセプトのW15が該当する。うち、ゼンガー・ゾンボルトの人格データを移植したW15「ウォーダン・ユミル」には「定期的にアースクレイドルの『メイガス・ゲボ』とリンクしないと精神が不安定になる」という欠点も観察されており、技術としては不安定な部分があったようだが、ガグン・ラウズのように思念のみの存在となった者が自身の器として利用するなど、応用範囲の広い技術でもあったようである。

これらとは全く異なる開発パターンとして、Wシリーズで培った白兵戦技術(及び、推測ではあるが巨大機動兵器の技術)を応用し、人間的な外観や感情の育成を放棄して純粋に白兵戦の戦闘力のみを追求したW10などの例もある。

専用特殊コード[編集 | ソースを編集]

Wシリーズには、その任務を滞りなく遂行するためにいくつかの特殊コードの使用が許可(或いは義務付け)されており、現時点(2011/11)では3種の存在が確認されている。無論のこと、これらのコードは人間であるハーケンには無縁の代物。

全個体(及び機動兵器)に採用されているのが「コードATAAsh To Ash=灰は灰に)」と呼ばれる自爆コードである。基本的には機密保持のために自身を抹消するためのものであるが、WナンバーのATAは非常に強力なものであるようで、効果範囲をどの程度絞るかにもよるが、自身の周囲を跡形もなく吹き飛ばすことが可能。これは前述の通り、潜入工作等の任務も想定されているWナンバーに対し、遂行可能な任務の幅を広げるための措置であると思われる。ただし、量産型のそれは自身の消滅コードとしての搭載であり、爆発は起きない。

また、W07とW17には「コードDTDDust To Dust=塵は塵に)」と呼ばれる強制オーバーヒート誘発機能が搭載されており、機能の活性化に伴う熱処理を速やかに実施することで、演算処理能力を中心とした各種機能を大幅に向上させることが可能。このコードは副作用として、発動すると演算処理のためのデータスペースを確保するため、それ以前に加えられた命令及びコード実行処理を全てキャンセルするという効果がある。加えてW07の場合、コード発動時には底抜けに明るい口調となる、という実用面で疑問符のつく機能が併存している。これは開発者であるレモンの「Wシリーズは完全な自我を獲得できるのか」という思惑によるものと推定される(また共通コードとして持っているため彼女たちを姉妹と考えている)。

更に、『無限のフロンティアEXCEED』では第3のコードである「コードPTPPlay The Papet=人形使い)」、通称「強制介入コード」の存在が確認された。その名の通り、Wナンバーの指揮権の序列において上位にあるものが下位の者を完全に使役するための機能であり、ATAの発動を外部から強制することも可能となっている。「W03」ピート・ペインに実装されているが、通常の状態では封印されている。そのため彼はネバーランド前部においてこの機能の解除申請を済ませ、カルディアやアシェンに対して使用することで、彼女達を支配下に置くことに成功した。しかし、アシェンはその後プロテクトを本人の意識と別の所で書き換えており(PTPを使われるとDTDが強制的に起動する設定も付加されている)、再度コードPTPを使われた際には無効化している。

Wシリーズの一覧[編集 | ソースを編集]

初期型[編集 | ソースを編集]

ゼロ・ナンバーズとも呼ばれている。

ハーケン・ブロウニング(W00)
Wシリーズ開発計画の最初の試験体にして、ファーストWナンバー。便宜上初期型に分類されるが、彼のみ機動兵器の操縦技術も持たされる前提で育成されていた。現時点で確認されている初期型Wシリーズの中では、唯一生身の存在。推測ではあるが、レモンが蘇生した際に使われた技術が応用されていると思われる。レモンによってWシリーズの最上位と位置付けられている。生育環境の関係で、アンドロイドである後発型に匹敵する白兵戦能力を持つ。
ピート・ペイン(W03)
指揮管制機。Wシリーズ関連の計画に事故が発生した場合の完全な機密保持を任務として与えられている。
ギムノス・バシレウス(W05)
他者の人格を移植するタイプのWナンバー。アグラッドヘイムの王ガグン・ラウズが自身の新たな身体として利用。更に最終的には「スヴァイサー」へと変貌を遂げる。
カルディア・バシリッサ(W06)
Wナンバーの一体。特定の条件下において、W00を抹殺する指令を与えられていた。
アシェン・ブレイデル(W07)
Wナンバーの一体。コードDTDを使用可能な特殊型。W00の護衛を命じられていた。なお、元々はW00の専用機の操縦補助を想定されており、01以降の初期型では唯一PTの操縦にかかわる能力を持つ。
アークゲイン(W10)
他とは一線を画するWナンバーで、アクセル専用機であるソウルゲイン(あるいはアースゲイン)に近いフォルムを有する。
上記以外のWナンバー
W01、W02、W04、W08、W09が未稼働のまま、ネバーランドに保管されている。
量産型Wシリーズ
Wナンバー以外の白兵戦用個体。量産型Wシリーズは使い捨てが前提のため感情を持たされていないようで、抑揚のない形式的な喋り方しかしない。中には後期型の名前を冠した強力な個体が存在する他、追加装備を搭載した重装型も存在する。後期量産型ナンバーズと容姿は酷似しているが、あちらは後期型ナンバーズ(W11~W17)のロールアウト後に開発されたとする描写があるため、こちらとは別の開発ルートを辿っている可能性が高い。
初期型ゼロ・ナンバーズの残り5体が起動せずじまいであると明言されていることを考えると、アグラッドヘイムがギムノス以外に持ち去ったのは量産型の可能性がある。
登録名 無限のフロンティア EXCEED
試験用WR
作業用WR
WR・レッド
WR・イエロー
WR・グリーン
WR・ブルー
WR・ゴースト
WR・ナイト
WR・アイアン
WR・ラヴレス
WR・イーサッキ
WR・ユミル
WR・コバルト
WR・ゴールド
WR・レッド重装型
WR・ブルー重装型
WR・ゴールド重装型

後期型[編集 | ソースを編集]

ウォーダン・ユミル(W15)
ゼンガーの人格を移植したWナンバー。W05の後継機。
エキドナ・イーサッキ(W16)
W06の後継機のWナンバー。機動兵器の指揮を執るアクセルの副官的な役割を担う。
ラミア・ラヴレス(W17)
W07の後継機のWナンバー。開発者レモンにとっての最終到達点。
量産型Wシリーズ
概ね初期型の量産型と同様の特徴を有する、個性を持たされていない量産タイプ。しかし機動兵器の操縦技術は高く、その能力は他勢力の一般兵を大きく引き離している。ラミアは「思念などは発していない」と言及しており、クスハやタスクが違和感を覚えたことを疑問視していたが、彼ら念動力者は「思念を感知する」力を持っているため、人なら必ず持っているはずの「思念」がない、という点から違和感を覚えていた。ちなみに「MW(ナンバー)」と現される。

関連人物[編集 | ソースを編集]

レモン・ブロウニング
前述の通り、Wシリーズ開発計画の総責任者。全てのWナンバーにとっての生みの親とも言える存在であり、(量産型はともかく)各個体に相応の愛着を持って接し、いわば「育てて」いるに近い対応を取っていた。このため、W03やW17など、感情の芽生えたWナンバーの中には、彼女に感謝の言葉を述べる個体も少なからず存在する。元々は人造人間の技術(Wシリーズに転用されている)で不完全に蘇生したエクセレン・ブロウニングであり、その意味では彼女こそが本当の意味での「W00」とも言える。
アクセル・アルマー
シャドウミラー隊において、Wシリーズを指揮する機動兵器隊長。元々は性能にこそ一定の評価を下しつつも、Wナンバーに感情を持たせようとし、人間らしく扱うレモンの姿勢に懐疑的であった(『A』において敵として向かい合った場合や、GBA版『OG2』等の彼は、その認識を改めぬまま果てる)彼だが、Wナンバーが亡きレモンの遺産となったことでその接し方にも変化が生じ、彼女らが人間としての自我を持つ可能性について肯定的な認識を持つようになる。ラミアやアシェンがATA発動を余儀なくされそうになった場面では、身の危険を厭わずにコードDTDの外部からの強制発動という荒技で彼女達の命を繋ぎとめた。
ゼンガー・ゾンボルト
ウォーダン・ユミルの人格のベースとなっている。スレードゲルミルを駆るウォーダンとは数度にわたり剣を交えるが、最終的にメイガスを護るために剣を揮うという明確な目的と自我を持つに至ったウォーダンを武人として遇し、真っ向からの真剣勝負で彼の闘志に応えた。
ガグン・ラウズ
アグラッドヘイムの王で、W05・ギムノスのボディを身体として利用していた。ボディの流用のために声が似るのは当然として、豪胆な性格や技台詞の言い回しなども親分そっくり。彼の身体がW05と適合したのはW05が人格移植タイプであるという特徴を備えていたからだが、或いは彼自身の性格がW05の求める特徴に合致していたからなのかもしれない。
ヴィンデル・マウザー
シャドウミラー隊指揮官。かつてのアクセル同様Wナンバーを駒として見ており、OGシリーズでは最後まで「人形」と蔑み続けたラミアに引導を渡された。

版権作品の関連人物[編集 | ソースを編集]

メガノイド
AAP)』ではシャドウミラーがメガノイド勢力に取り入るためにスパイとして潜入させていたが、自分達以外を信用しない彼らによって全員がメガノイドに改造されてしまった事が語られる。
コロス曰く「よくできていたが、スーパー人間である我々に比べればまだまだ」との事。

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. 明確に「バイオロイド」であると述べられているシーンはなく、詳細は不明。ラミアに関しては「言語中枢を司る部品の破損」という描写があるので部分的には機械の部位があるものと推測されるが、他組織への潜入任務をこなす際に身体検査等をクリアする必要がある点などから考えて、生身の肉体が相当程度を占めている可能性が高いと考えられる(この点は「生体コア」を必要とするODEシステムが彼女を取り込んだ描写からもある程度裏付けられる)。このことは『A』でアクセルが「材質的な部分を除けば、限りなくロボットに近い」と材質は生物と同じだと取れる説明をしているほか、量産型ゲシュペンストMk-IIに搭乗したメガノイド兵が現れた際に、Wシリーズがメガノイドに改造されたと判断していることからも窺える。この任務という観点で言えば、ラミアと同じく工作任務に従事していたエキドナは同様の点からバイオロイドである可能性が高い一方、そのような任務が想定されていたとは考えにくいウォーダンについては何とも言い難い。なお、ラミアは犬である千代錦からは真っ先に警戒されていたり、スーパーロボット大戦OG -ジ・インスペクター- Record of ATXにて龍王機に魂を覗かれた際に、一緒に覗かれたキョウスケエクセレンと異なり「魂魄」の文字が無く「器」と表示されたりと、人間に近いWシリーズは人間は誤魔化せても、それ以外の生物相手では完全には誤魔化せない可能性が高い(この点は映画『ターミネーター』とよく似ている)。