装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ

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装甲騎兵ボトムズ
ペールゼン・ファイルズ
監督 高橋良輔
キャラクターデザイン 塩山紀生
メカニックデザイン 大河原邦男
森木靖泰
音楽 前嶋康明
乾裕樹[1]
制作 アンサースタジオ
発表期間 2007年10月26日 -
2008年8月22日
話数 全12話
シリーズ ボトムズシリーズ
初登場SRW 第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
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装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ』はアンサースタジオ制作のOVA作品。

概要[編集 | ソースを編集]

ボトムズシリーズOVA第5作で、『装甲騎兵ボトムズ レッドショルダードキュメント 野望のルーツ』と『装甲騎兵ボトムズ』第1話の間のエピソード。2009年1月17日には再編集した劇場版が公開された。

バンダイが製作に関わった初のボトムズシリーズ作品でもある。

本作はATなどのメカニックは3DCGで描かれており、戦闘シーンはCGのメカ・背景に手描きの炎や爆発などのエフェクトが加えられた演出となっている。CGを多用することによって無数の機体による大規模戦闘の描写が可能になり、これまで回想や断片的な表現でしか触れられなかった「百年戦争」が初めて本格的に取り上げられている。物語の場がほとんど戦場に限られているため、『野望のルーツ』同様キャストに女性キャラは1人も存在しない。そのため、当時のアフレコ現場は昨今ではありえない異様そのものだったという(『野望のルーツ』当時はともかく、『ペールゼンファイルズ』発売当時は萌えアニメが氾濫していたため)。

なお、お約束の次回予告だが、第2話収録の予告における「嘘を言うなっ!」のくだりは近年の作品という事もあって人気が高く、しばしばネタにされる。

ストーリー[編集 | ソースを編集]

第三次惑星サンサ攻略戦後、ネハルコ参謀総長の送り込んだスパイによって、そのおぞましい実態が明らかになったレッドショルダー

最高責任者であるヨラン・ペールゼンは、軍事法廷で検事の厳しい追求を受けていた。終始無言を貫くペールゼンに対し、1人の男―メルキア情報省次官フェドク・ウォッカム―が法廷に現れる。彼の提出した新たな証拠に、沈黙を保っていたペールゼンは突然錯乱。ウォッカムは、ペールゼンを精神疾患であると訴え、情報省精神医療収容所に幽閉する。

同じ頃、レッドショルダーから配置転換されたキリコ・キュービィーは、惑星ロウムスのタイバス渡河作戦の最前線に居た。投入戦力60万の作戦。それは、これからキリコに待ち受ける地獄の入り口でしかなかった。

登場人物[編集 | ソースを編集]

バーコフ分隊[編集 | ソースを編集]

キリコ・キュービィー
ペールゼンの逮捕後、グレゴルー等と共にレッドショルダーから配置転換される。
ノル・バーコフ
バーコフ分隊の隊長で、階級は曹長。荒くれ者が多いAT乗りでは珍しい学者タイプの人間。ガレアデで出会ったキリコに興味を持つ。
ガリー・ゴダン
階級は曹長。俊敏な状況判断能力を持つが、身勝手な性格で単独行動を取ることが多い。
ゲレンボラッシュ・ドロカ・ザキ
階級は伍長。天性の技能を持つAT乗りの少年兵だが、情緒不安定で激しい攻撃衝動を持つ。
ダレ・コチャック
階級は軍曹。肥満体型に臆病な性格で、自他共に部隊に場違いな存在であると認めている。

メルキア情報省[編集 | ソースを編集]

フェドク・ウォッカム
メルキア情報省次官。ペールゼンが提唱した「異能生存体」に興味を持ち、彼を軍事法廷から救出する。
異能生存体と思わしきキリコ等バーコフ分隊を様々な激戦地に送り込む。
コッタ・ルスケ
ウォッカムの秘書。ウォッカム以上に「異能生存体」とキリコという存在に魅せられてゆく。ジャン・ポール・ロッチナと瓜二つの顔と声を持っている。
メンケン
ウォッカムの部下である医師。ペールゼンへの拷問同然の尋問に医学的見地から反対意見を述べるものの、強引なウォッカムに押し切られて実行させられる。

メルキア軍[編集 | ソースを編集]

ヨラン・ペールゼン
レッドショルダーの創設者。彼が作成した異能生存体に関する研究文書「ペールゼン・ファイルズ」が、本作の鍵となっていく。
ネハルコ、ラーキンソン
ペールゼンを危険視し、内偵調査によって彼を失脚させることに成功するが、後一歩のところでウォッカムに邪魔される。
ワップ
今作の広瀬正志枠。バーコフ分隊が所属する惑星ガレアデM7前線基地の上級曹長。上に媚へつらい下に威圧的に接する、分かりやすい下種で、小柄な体型なのを気にしている。
エンディングでは広瀬氏がかつてTVシリーズで演じたカン・ユー大尉と共にランニングをする姿が見られ、またワップの宿舎にも仲良く写った写真が貼ってある。

登場メカ[編集 | ソースを編集]

AT[編集 | ソースを編集]

スコープドッグ
スコープドッグ・ターボカスタム ISS仕様
スコープドッグ (ショルダーミサイルポッド)
スタンディングトータス
ダイビングビートル
ファッティー
チャビィー

用語[編集 | ソースを編集]

バーコフ分隊
惑星ガレアデのM7前線基地にて、ギルガメス上層部の命令にて結成されたAT部隊。
ペールゼン・ファイルズ
かつてペールゼンが作成し、レッドショルダー隊長だったインゲ・リーマンが秘匿していた、とされる情報ファイル。異能生存体についての研究が記されており、ウォッカムはその中に名前のあったキリコらをバーコフ分隊として組織、彼らを極限状態に置いてその能力を観察する。だが、ペールゼンがそのファイルを制作した意図は別の所にある。
惑星モナド攻略戦
バーコフ分隊の面々が異能生存体であると確信したウォッカムが立案した作戦。バララントが半世紀かけて要塞化した、古代クエント文明の遺産が眠る謎の惑星モナドを奪還することが目的。1億2千万人が動員されるという、ボトムズシリーズのみならずSF作品全体で見てもそうそうお目にかかれない大規模作戦。既に百年戦争の休戦は内定しており、いわばウォッカムの点数稼ぎのための作戦である。異能生存体を前面に押し立てれば成功する、とウォッカムは目論んでいる。

楽曲[編集 | ソースを編集]

オープニングテーマ
「鉄のララバイ」
作詞:高橋良輔 / 作曲:磯崎健史 / 編曲:佐々木総作・福田真一郎・二宮英樹 / 歌:柳ジョージ
サビに出てくる「Dummy Boy」とは自動車の衝突実験などに使用される人形の事。本作におけるキリコ達の立場を表すと同時に、「ダニー・ボーイ(戦地に赴く子や孫に向けて歌った歌。他作品で言えば『テッカマンブレード』のバーナードの歌)」とも掛けている。
『第2次Z』『OE』で採用。スパロボ初登場となる『第2次Z破界篇』では、一度きりの出番にも関わらず美麗なアレンジが加えられ、必聴と言える出来になっている。
エンディングテーマ
「バイバイ・ブラザー」
作詞:高橋良輔 / 作曲:磯崎健史 / 編曲:佐々木総作・福田真一郎・二宮英樹 / 歌:柳ジョージ
使用されているイラストは、ミリタリー物を得意とする漫画家・吉原昌宏氏の手によるもの。
なお「鉄のララバイ/バイバイ・ブラザー」は柳ジョージ氏の生前最後に発売された[2]楽曲であると同時に、最初で最後のアニメ作品とのタイアップとなった。

登場作と扱われ方[編集 | ソースを編集]

Zシリーズ[編集 | ソースを編集]

第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
初参戦作品。原作終了後であり、キリコの回想として終盤のストーリーが断片的に再現されるのみ。ただし、バーコフ分隊の面々は登場し、中断メッセージでも出番が与えられているため、扱いが悪いとも言えない。なお、今回バーコフ分隊を結成させたのはペールゼン本人である(ウォッカムは出てこない)。
第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
機体を登場させるために継続参戦となった。
なお、隠し機体のスコープドッグ (ショルダーミサイルポッド)は出典がこの作品名義となっている。
第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
本作は参戦していないが、終盤にてバーコフ分隊の名前がキリコの口から語られている。
また惑星モナドの消滅がワイズマンによる時空震動の実験によるものであったことが明かされた。

単独作品[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦Operation Extend
第4章より参戦。第2次Z破界篇では回想であった原作のシナリオが丸々展開されるが、なんとバーコフ分隊全員が死亡フラグを回避して生存し、自軍へ正式加入する。このためか、全員が「底力:異能」と「異能の力」スキル持ち(あくまで近似値であるためか異能生存体のスキルではない)。
バーコフ分隊救出とモナド脱出に伴う戦いは、征士郎ひまり(とプレイヤー)の心に大きな影を落とした。ウォッカムは名前のみ登場し、ロッチナが彼の使いとしてルスケの役割を担ってペールゼンに接触している。

各話リスト[編集 | ソースを編集]

話数 サブタイトル 登場メカ 備考 再現スパロボ
1 渡河作戦 スコープドッグ
ダイビングビートル
2 ガレアデ ファッティー地上用
3 分隊 スタンディングトータス OE
4 死の谷 OE
5 尋問
6 異能
7 狙撃
8 冷獄 チャビィー OE
9 ダウン・バースト OE
10 戦略動議 スコープドッグ・ターボカスタム ISS仕様
チャビィー宇宙用
11 不死の部隊 第2次Z破界篇
OE
12 モナド 第2次Z破界篇
OE

商品情報[編集 | ソースを編集]

劇場版

主題歌

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. 乾氏は2003年に逝去されているため本作品の制作には関与していないが、TVシリーズのBGMが使われているためクレジットされている。
  2. 2011年10月10日死去