相羽シンヤ

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2019年2月2日 (土) 11:36時点におけるボイジャー (トーク | 投稿記録)による版 (→‎余談)
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相羽シンヤ
読み あいば しんや
登場作品 宇宙の騎士テッカマンブレード
声優 子安武人
種族 地球人テッカマン
性別
生年月日 連合地球歴174年(西暦2282年)5月15日
年齢 18歳
身長 177 cm
体重 64 kg
血液型 A型
所属 アルゴス号 → ラダム
テッカマン

テッカマンエビル

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概要

相羽タカヤDボゥイ)の双子の弟。テッカマンエビル変身する。

タカヤとは兄弟にして、スポーツや武道のライバル同士であり、天才肌のタカヤに対し、努力型で常に完璧を求めるパーフェクト・ボゥイ。普段は物静かだが、内には家族に対する複雑な感情を持つ。タカヤを敬愛すると同時に大きなコンプレックスも抱えていた。テッカマンと化したことで、その思いは増大し、タカヤを倒すことで自身の存在理由を証明しようとする。

当初はタカヤことテッカマンブレードをラダムの本能で暴走させるという策略を見せたこともあったが、次第にラダムの使命よりも自身の手でタカヤを倒すことだけを考えるようになっていった。最終決戦では自身もブラスター化を行うが、反動により力尽きる。ラダムから解放された後、双子の兄に自身のテッククリスタルを託し、息を引き取った。

特典映像『燃えた時計』では、幼い頃自分の不注意でおこした火事で母親を失っており、そのことで父・相羽孝三に疎まれていると思っていたこともタカヤへのコンプレックスにつながっていた。しかし、この映像では孝三がテッカマンにフォーマットされている最中のシンヤを助けようとするシーンがあり、彼の勘違いだったことになる。しかし、既にラダムに支配されていたシンヤは、そのことに気付かず、死の間際で思い出すのだった。

鈴木典孝が描くコミカライズ版でもブレードのライバルとして登場するが、その正体はアニメ本編と大きく異なり、相羽タカヤの細胞から生み出されたクローンというものだった。

登場作品と役柄

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦J
大体原作通りだが、ブラスター化の時期が原作より早く、ラダムとの最終決戦前に一度お披露目する。
スーパーロボット大戦W
今回も大体原作通りだが、第1部の途中で一度だけゾンダー相手にDボゥイと共闘し、兄弟ボルテッカを放つという夢の共演がある(しかもエビルを操作可。兄弟ボルテッカは流石に援護攻撃という扱いだったが)。また、第2部ではデッドラダムに勧誘し、ブレードにぶつけたりもする。終盤、ブレードルートでブレードとの一騎打ちが再現されるが、ここで一定ターン以内にブラスターエビルを倒すと「ブラスター化の反動が来る前に自力でエビルを倒した」事になり、ラダムの支配を脱したシンヤとDボゥイが和解を果たす(出来なかった場合は原作通り)。しかし、その後、2人の前にラダム獣の群れが現れ、シンヤはDボゥイのために単身ラダム獣に立ち向かい、死亡する。また、Dボゥイの手に渡ったシンヤのクリスタルがDボゥイの命を救うことになった。なお、ミユキが生存している場合、彼女がラダム獣と戦うシンヤを救い、その最期を看取った事になり、彼女の口から「最期までタカヤお兄ちゃんに謝っていた」事が明かされる。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

テッカマンにも拘わらず防御が異様に高く、かなり打たれ強い。最強武器が射撃なのに格闘が高いというミスマッチは健在。

精神コマンド

W
集中 ひらめき 気合 熱血 覚醒 
スポット参戦時にこれらのコマンドを所持している。タカヤとの違いは「ひらめき」と「不屈」のみ。やはり双子だからか?

特殊技能(特殊スキル)

J
斬り払いカウンターヒット&アウェイブラスター化底力L9、援護攻撃L4、指揮L4、コンボL4
ボス格だけあって強力な技能がずらり。ブラスター化はイベント用。

人間関係

相羽タカヤDボゥイ
双子の兄。彼より0.01秒遅く生まれた事が彼のコンプレックスの原点になっている。
相羽ミユキ
妹。原作ではシンヤがミユキを殺した(正確にはミユキの自爆)のだが、Wでは逆にミユキがシンヤの最期を看取る事になった。
相羽ケンゴ
長兄。彼の前でタカヤへのコンプレックスを吐き出したことも。
相羽孝三
父。『燃えた時計』において、母のことで恨まれていると思っていたことも描かれた。
相羽夫人
母。『燃えた時計』では、シンヤの不注意で起こした火事からシンヤを助けるために、シンヤを耐熱用の時計台の中に避難させた後、シンヤの眼前で焼死してしまう。
ゴダード
部下である以前に、父親のように慕っていた武術の師匠。
フォン・リー
幽閉中、利害一致した彼女の手で解放され、ブラスター化を施してもらう。
如月アキ
面影が母親に似ているらしい。また、最終決戦では、アキに自身の心情を吐き出している。

他作品との人間関係

デッド・エンド
Wでは戯れに彼を仲間に誘うも、内心彼を「野良犬」と侮蔑していた。
火麻激
Wでは生身の彼と対決する場面も。
シホミ・アーディガン
鋭くシンヤの本心を見透かす。彼女に本心を見透かされた事で激昂する場面もある。
カズマ・アーディガン
シンヤを「根性が歪みまくっている」とし、激しく敵視。カズマにとってシンヤは五飛と並んで単純に気に入らない存在であるらしい。

名台詞

「ボルテッカァァァアアア!!」
Dボゥイとイントネーションが微妙に違うのがミソ。
「ブレード…次は貴様がこうなるんだ…!」
第12話ラストの台詞。目覚めたばかりのエビルはオペレーション・サンセット成功に沸き立つ宇宙艇部隊・フォーカードを次々と血祭りにあげていく。ウォーミングアップと言わんばかりの狩りをし終えた後、彼は地球を眼下に見据え、次の獲物は貴様だと地球のどこかにいるテッカマンブレードの名を呼ぶのだった。
(フフフ…久しぶりの地球だな。眺める景色は違っても、人間達は相変わらず愚かしい…俺を感じるか…ブレード!)
第13話より。故郷の地球に舞い戻ったシンヤはテックセットを解除、スペースナイツ基地近隣の海上都市にある衣服店に入り、女店主を外傷も与えず殺した後、男性用の衣服を着込み実の兄を探し街を歩く。一通り歩いた後、彼は廃墟に立ちラダム樹に覆われた地表を眺めながらこの独白を言う。そして、意識を集中させブレードを呼ぶのだった。この時、互いの額が互いのテッククリスタルに似たマークを浮かび上がらせるのが印象的。
「今はまだ眠りについているこのラダム樹も、やがてその花を一斉に開かせる時が来る。その時こそ、我々ラダムは…ブレードッ!!」
第13話、Dボゥイと素顔で対峙する際に。振り向く時にロングヘアーが激しくなびくオーバーアクションも印象的。
「我々がラダムである以上、ラダムの為に働くのは当然だ。人間に味方するお前の方が裏切り者さ!」
「そうは思わないかい…タカヤ兄さん?」
第13話より。視聴者に初めてDボゥイの本名が知らされた場面でもある。
「どうした?隙だらけじゃないか」
「いつまでも下らない人間であろうとするから、隙ができるんだ!」
第13話、ブレードを圧倒しながら。
「フフフッ、そうこなくっちゃ。さすがだね、兄さん…やっと勝負らしくなってきた」
第13話、地下鉄内で交戦する際に。頭部めがけて跳躍するエビルの刃を避けたブレードは、巴投げの応用で蹴り飛ばし、彼めがけてテックランサーの先端部をブーメラン代わりに投げるが、難なくかわされ、朽ち果てた列車が左斜めに裂けてしまう。この状況を楽しむかのようにエビルは無邪気に微笑むのだった。
「フフフフッ…同じ胎内で一緒に過ごした者同士が争う…自分と戦ってるみたいじゃないか。兄さん?」
上の台詞の後、ブレードとエビルは互いのテックランサーをぶつけ合う。鍔迫り合いの状態のままブースターを吹かせながら、エビルは双子の兄に呼びかける。ラダムに取り込まれた彼の囁きは、感傷も葛藤もなくブレードの心を抉っていく。
「俺達は双子だ。元々一つだったものが二つに分かれたんだ。どちらか片方だけが生き残ればいい…生き残ればなぁー!」
黒い悪魔と化した実弟の言葉を振り払わんとブレードは間合いを取り、テックランサーをエビルに向け投げつける。これをかわされた後、エビルは実兄がテックウィンで回収しようとするのを見逃さずに断ち切り、ホームに突き刺さった状態のランサーを手にした後、投げ捨てて踏みつけながらこの台詞を吐き、息の根を止めんと襲い掛かる。
「フフフ…わかったぞ、ブレード。お前の致命的な弱点が…」
エビルがブレードとの死闘を楽しむ最中、彼は突如激しく苦悶するブレードに気付く。頭部アーマーのセンサーを起動させると、頭部が明滅しているのが確認された。この様を見た赤い悪魔は、とある策略を思いつく…。
「やっと思い出したようだね。僕らの懐かしい思い出の地を…」
「僕達兄弟がよく遊んだ海、砂浜、灯台…。人間であろうとする兄さんには…似合いの墓場じゃないかあっ!!
第14話、思い出の海岸に誘い込んでブレードを追い詰めながら。
「忘れようとしても忘れられない、心の奥に焼きついた思い出が兄さんを迷わせるのかい…?」
「アマリリス…ミユキが好きだったこの花が、裏切り者の手向けの花となればあいつも喜ぶ!」
上の後、アマリリスの花畑にて。ミユキが好きな花を見せられると同時に、忘れようとする記憶を抉り出され、ブレードは動揺する…。
尚、この時までは、ミユキもタカヤの敵になる予定だったが、ミユキもタカヤ同様にラダムにはならず、人類の味方になることを、この時点のタカヤもシンヤも知る由はなかった。
「人間であろうとするお前がテッカマンでいられる時間は30分。それを過ぎれば、お前はもはや人間ではなくなる…!」
不完全なテッカマンであるブレードの変身時間は30分を過ぎようとしていた。苦悶の叫び声をあげるブレードに対し、エビルはとどめと言わんばかりにこの台詞を突きつける。
「フハハハ…殺せ。お前が守ろうとした地球人を…!皆殺しにするまで暴れるがいいッ!!」
第14話ラストより。エビルの策略通り、30分の活動限界時間は過ぎ、ブレードは我を忘れスペースナイツに襲い掛かる。ペガスの左腕部を斬り捨てて地面に突き落とした様を見たエビルは、騎乗型ラダム獣を駆りせせら笑いながらその場を去る。後は裏切り者が地球人すべてを道連れにし滅び行くのを待つばかりだ、と。
もっとも、地球人を皆殺しにしたら、ラダムの器がなくなってしまうので、実際には皆殺しまではさせず、スペースナイツや軍を全滅させた後、消耗したブレードを抹殺する気でいたのだろう。
「何ぃっ!? ば、馬鹿なぁぁぁぁぁっ!!?」
(なかなかやるね…兄さん…フッ、フフフフフ…)
ブレードを悪魔にせんと目論んだエビルの策略はミリィの捨て身の説得により失敗に終わった。やがて、再びエビルの前に現れたブレードは怒りのボルテッカをエビルへとぶつける。その衝撃で宇宙に放り出された彼は、何を思う…。
「フッ、ボルテッカを少しは研究したらしい。だが、所詮猿真似。本物がどういうものか、見せてやるぅッ!!」
第19話より。バルザックの駆るソルテッカマン1号機のフェルミオン砲を全弾喰らいながらもエビルは無傷な状態だった。その仕返しと言わんばかりに、彼はボルテッカを放ちソルテッカマンを返り討ちにする。
「後はお前たちで充分…」
「フフ…好き勝手してくれたお礼はしなければならない。行け、ラダム獣よ!人間どもを存分に叩き潰してくるがいい…!!」
オペレーションヘブンは失敗に終わり、ブレードの気配はない。邪魔する者はいない、と悟ったエビルは忠実なるラダム獣にこの台詞を言い放ち、防衛軍本部を破壊せよと命ずるのだった。
「宇宙のフライング・ダッチマン、マリー・セレストってわけかい?」
第24話の回想シーン、謎の宇宙船と接触するも、生命反応がなかったことへのコメント。実はこれこそがラダムの母艦であり、人類にとっての悪夢の始まりだったのだが…。なお、フライング・ダッチマンは、船長一人だけで海を彷徨う船の伝承。マリー・セレストは、乗員だけが忽然と消えたまま漂流していた船の名前。
「125…」
「133…134…135…136…137…138…139…140…141…150…!!」
第34話冒頭より。レイピアの自爆からランス、アックス、ソードを守るために傷ついたシンヤ。その傷も完治し、リハビリとしてラジオから流れる「G線上のアリア」をBGMにして回数を数えながら左腕で腕立て伏せをし続ける。
「俺が負けたなら、悔しくて顔を見ることもできなかったと思うよ。それに…」
「あの時、タカヤ兄さんは本気を出していたのかどうか…」
「もしも、俺と同じだけ努力をしたら、タカヤ兄さんが勝つに違いない。そう思うことがあるんだ」
第34話、オメガの前で。長兄のケンゴでもある彼に、シンヤは高校生時代のリレーで1等となり、双子の兄であるタカヤに勝利する。しかし、勝負の結果に関わらずタカヤの表情は晴れやかだった。第45話でもこの回想があり、ここでシンヤは「勝負に勝ったけど俺はタカヤに負けた」と思い込んでいた。Dボゥイがアキに常に努力を惜しまないシンヤとの思い出を語る中、シンヤはタカヤへの嫉妬をケンゴに伝える。
「父さんもミユキも、思い出らしい思い出もないままに死んでしまった母さんも、俺よりも、タカヤ兄さんの明るい性格を愛していたね。兄さんもそうかい?」
第34話より。ラダム虫による調整を受けたとはいえ、シンヤのタカヤに対する嫉妬は相当なものだ。彼は本質的には家族を愛するケンゴにこの台詞をぶつけていく。
シンヤ「先に助けられた時、正直言ってすごく嬉しかったさ…でも、すぐに気付いたんだ。父さんは俺には助けがいるけど、タカヤ兄さんは逆境も一人で乗り越えられるって判断したんだ。土壇場の底力は、俺よりも上だってね」
オメガ「お前がタカヤを…いや、ブレードを恐れるのは…それか?」
シンヤ「コンプレックスっていうやつかな…?これはタカヤ兄さんをこの手で倒すまで消えないよ。俺達は双子である必要はないんだ。どちらか一人、残ればいい…!!」
第34話より、アルゴス号に乗る前の日を思い出しながら。自然の驚異に絶望したシンヤは彼を励ます強靭な精神力を持つタカヤの姿に完膚なきまでに打ちのめされる。シンヤを助けようとする孝三の姿もあって、そのコンプレックスは一層強いものとなっていた…。
(ゴダード……)
第36話ラスト、テッカマンアックスの消滅を感知する際に。武術の師匠であり、忠実な部下でもあり、実父である孝三よりも父のように慕っていたゴダードの死に、シンヤは何を思うのか…。
「馬鹿め…!」
第41話、オービタルリング内でフォン・リーモロトフの死を告げられた際に。独断でブレード抹殺に動いた彼に対し、シンヤは余計な事を、と毒づく。
(ブレード…今度こそこの手で、貴様を地獄に送り届けてやる…!!)
第41話、アラスカの大地に降り立って。傷も癒え、ブレードを倒すために血の滲むような努力をし終えた今、自分は兄に勝てるはずだ、と確信していた。
シンヤ「久しぶりだね、兄さん…」
Dボゥイ「エビル…やはり生きていたか!」
シンヤ「当たり前さ。兄さんとの決着をつけるまでは、死ねないよ…」
Dボゥイ「くっ…!俺もお前達を倒すまでは、死ぬわけにはいかない!!」
シンヤ「はっきり言ってくれるじゃないか…!!」
アラスカに建てられた新スペースナイツ基地内にて。このやり取りの後、生身での格闘を挑む事になる。
シンヤ「俺達は双子だよなぁ?兄さんが好きな兄弟愛はどうしたんだいっ!?」
Dボゥイ「何の話だ!?」
シンヤ「…そういう事かい?」
Dボゥイ「俺にあるのは、ラダムへの怒りと憎しみだけだっ!!」
シンヤ「昔はこうやってケンカをしたよね…?えぇ!?兄さぁんっ!!」
エレベーター内で取っ組み合いながら。アマリリスの花を見せた時のようにシンヤはDボゥイを挑発するが、ブラスター化の影響により記憶が欠落している彼には無意味な行為だった。
ちなみに最初の台詞はスパロボで回避台詞として採用。
「こうやって戦うのは久しぶりだね。ミユキが死んで以来かな?」
「腕が疼いていたよ。兄さんに俺の動きが見切れるかな!?」
「いつまで穴の中に隠れる気だい、兄さん?」
「今までと同じと思ったら大間違いだよ、兄さん!」
「フハハハ…どうしたんだい、兄さん?勝負はこれからだよ…ッ何!?屑どもめ…!」
第42話、新スペースナイツ基地内の植物プラントを飛び出し、アラスカの氷原で戦いながら。決闘に酔いしれるエビルは5段目の台詞でソルテッカマンの援護を受け、忌々しげに呟く。
「フッ…逃げたか、ブレード。まあいいさ…いつまでも俺が兄さんの下ではないことがわかっただろう?ゆっくり兄さんが出てくるのを待たせてもらうよ」
ブレードとエビルの決闘はソルテッカマン2体の介入により中断される。フェルミオン砲を難なくかわすエビルだが、着地した氷柱が光弾の着弾により崩れ落ちてしまう。崩れた氷山から身を上げ、宿敵を逃したエビルは握り締めたランサーを振りかざし、再び現れるのを待つ…。
「迎えに来たよ、兄さん…」
アラスカの氷原をゆっくりと歩きながら。だが、現れたのはブレードではなく二人のまがいもの…緑と青のソルテッカマンだった。
「口で言ってもわからん奴には教えてやろう。貴様らの命でなぁ! PSYボル…!?」
バルザックのソルテッカマン1号機改を手玉に取るエビル。ノアルのソルテッカマン2号機をも上空に蹴り上げ、すぐさま下に叩き落とした後とどめのPSYボルテッカを放とうとするが、そこにペガスを駆りブレードが現れた。
「昔はこうやってよくケンカをしたねぇ? 兄さん!」
「子供の頃から叶わなかった俺が、こうして兄さんを追い込んでるなんて…!」
「今までてこずっていたのが嘘のようだ…それとも俺が強くなりすぎたのかな…?」
テックランサーで数回斬り付け、三回ほど頭部を殴りつけながらエビルはブレードに昔の思い出を抉ろうとする。鍔迫り合いの後、ブレードからテックランサーを弾き飛ばしたエビルは陶酔感と共に蹴り飛ばした後勢いよく氷山へと突き飛ばし、ブレードのランサーを拾い上げじわじわと双子の兄を追い詰めていく…。
「兄さん…自分の武器で死ぬなんて、この裏切り者に相応しい死に方だと思わないか? ミユキと同じ運命を辿らせてやるよ!!」
「フハハハハ…!! これで俺はついに越える事ができるんだよ!! 兄さんをねえぇッ!! PSYボルテッカァァァァッッッ!!
エビルはテックランサーを十字手裏剣状にしブレードの腹部を拘束、ブレードのランサーを拾い上げ両腕を突き刺した後、恍惚と共にPSYボルテッカを放つ。PSYボルテッカの奔流の中、ブレードの装甲が崩れ落ちてゆく。しかし、閃光が収まると共に、素体テッカマンの姿となったブレードが青白い輝きを放つ…。病的なまでの子安氏の熱演も相まって、緊張感に溢れた場面になっている。
「へ、変身…!?」
「ば、馬鹿な…ッ!?」
ブラスターテッカマンブレードの力の前ではシンヤの努力も水泡に帰すものだった。圧倒的な戦闘力とボルテッカに絶望しかけるエビルだが、ソードの救援で死を免れる。
「それなら尚更だ!! 生きてる間に、ブレードを倒したいんだ!! ブレードが進化したなら、俺も同じく…!! ケンゴ兄さんは、俺がタカヤより劣ると言いたいんだね!?
第42話、ブラスターテッカマンブレードに敗北したシンヤは自らの命を捨ててでもケンゴにブラスター化を求めるが、ブレードはいずれ朽ち果てる、冷静になれと説き伏せられる。しかしどうしても兄を自分の手で倒したい彼はタカヤへの嫉妬を一層爆発させる。
「だったら挑戦させてくれぇッ!! 1%の可能性でも、俺は構わない! タカヤを倒せるのであれば!!
タカヤの肩の荷を持つのか、とケンゴに問い詰めるシンヤだが「違うッッッ!!!」と激しい返答を叩き付けられ、これに負けじと切実に自身のブラスター化を求める。自分は全てを捨ててでも、タカヤに勝ちたいと叫びながら…。
「兄さん!?お願いだ!! ケンゴ兄さぁん!! 兄さぁぁぁぁぁんッ!!」
「ケンゴ兄さん!! 出してくれぇ!! 俺は死んでも構わない!! このままブレードに勝てずに終わるのはもう、嫌だあッ!! ケンゴ兄さん!! 聞いてくれ、兄さぁぁぁん…ッ!!!
第42話ラスト、「お前まで失うわけにはいかない」とオメガから牢獄に落とされた後で。ジャケット姿が溶けてしまい、一糸纏わぬ生まれたままの姿でシンヤは己の本心をさらけ出す。そこに人類を恐怖に陥れる赤い悪魔の姿はなく、ただ双子の兄を追い越したいという、悲しき弟の姿があった…。
「俺は、ここで終わらないッ!! 必ず、俺は勝つ!! だから…俺からタカヤを取らないでくれえッ!! 兄さぁぁぁぁんッ!!」
総集編でもある第45話ラスト、牢獄の中で。思えば、この時から既にラダムの支配を乗り越えはじめていたのかもしれない。この後、そこにフォン・リーが歩み寄る…。
「兄さん…タカヤ兄さん。僕だよ、シンヤだよ」
「これを聞いている兄さんはもう大人なんだね。なんだかそれって不思議だな。兄さんも僕もどこで何をやっているのかな?」
「仲良くしてるよね? まさか、喧嘩なんかしてないよね?
「だってケンゴ兄さんったら意地悪言うんだもん。『大人っていうのは難しいから変わっちゃうかもしれないよ』って…」
「そんなことないよね? 僕たちいくつになっても変わんないよ。僕が兄さんが好きだってことは」
「僕達一緒に生まれた双子だもん。僕達は元々一人だったんだもん」
「僕はずーっと兄さんが大好きだよ。ケンゴ兄さんよりも、ミユキよりも、ずっとずっと…」
タイムカプセルの中に入っていたテープレコーダーに録音されていた、未来のタカヤに宛てたメッセージ。この時のシンヤは、将来、喧嘩どころか地球の危機レベルでタカヤと殺し合う事になるとは夢にも思わなかったであろう…。
「俺はやっと解ったんだ。何故、兄さんとこんなにまで憎み合い、戦わなければならなかったのか」
「俺は兄さんと戦い続ける事でしか俺の存在、俺が生きているという事を証明できなかったんだよ……」
「ラダムでも人間でも同じ事さ。たとえテッカマンにならなくても、俺はきっと兄さんと戦っていたと思うよ……」
「嬉しいんだよ、俺は。こうやって兄さんと決着を付けられるという事が。……だからこそ俺は、俺の持つ力を全て賭けて兄さんを倒す!」
「気にするなよ兄さん。これは宿命なんだ。俺達双子が……いや、ラダムと人類二つの種族が未来をかけて戦う――逃れようのない宿命だったんだ……」
最後の戦いを行う直前、Dボゥイと対峙したシンヤは今までとは違い、全てを悟ったように穏やかに語る。この後の彼の台詞にもあるように、彼は元から兄を超えたいという強い思いを持っていた。しかし、それがラダムの尖兵として裏切り者と戦うという意思と一致したことが彼の運命を決めてしまった。
「最高だ…最高だよ兄さん! こんなにも充実した時を過ごせるなんて…! …もうラダムも人間も関係ない! この瞬間が俺の全てだよ兄さん!」
最後の戦いの一戦目において。ブラスター化を施される少し前から彼はラダムの地球侵略よりも兄、タカヤとの私闘に執着するなど既にラダムの洗脳を乗り越えた行動をとり始めていた。
「憎い? 憎いわけじゃないよ。むしろ愛しているんだ…。愛するが故に憎い…血の宿命さ」
「テッカマンにならなくても、いずれは戦うことになったはず…元々一つだったものが惹かれあい、元通りに戻ろうとする戦いなんだから」
「俺と兄さんの戦い…邪魔をしないでくれ!」
「できるかい?兄さんと同じ顔の俺を」
ブラスター化の反動で傷つくシンヤに銃口を向けるアキへの言葉。なお、この回のシンヤは作画崩壊が極まっており、全く似てないのが泣ける。
「勝った…よね?」
「僕は…兄さんに勝ったんだよね?ブラスター化の限界があそこで来なければ、あの時確実に兄さんの心臓を捉えてたよ」
「ようやく兄さんに勝ったんだ…。素晴らしいよ、兄さんは。本気で僕と戦ってくれたんだもの」
「嬉しい…はずなのに、悲しいな…。いつまでも、兄さんと、戦っていたかった…。目標、無くなっちゃったじゃないか…」
以上はラダムの支配を脱した瀕死のシンヤの言葉。タカヤとの決着に固執していたように見えたシンヤだったが、本心は「いつまでも兄と仲良く遊んでいたい」という事だったのだろう。だがその無垢な心がラダムに歪められた結果がこの惨劇である…。
「人間だって…? フフ、僕達みたいな人間がどこにいるっていうんだ? いい加減受け入れなよ兄さん! 僕も兄さんも、もう人間じゃない! ラダムだって事をさぁ…」
「この、この力…存分に振るってみたいと思わないのかい、兄さん…自分の思うがままに…そうだろう! 兄さん!?」
「…人間じゃ、僕には勝てないよ」
「凄いよ兄さん、最高だよ兄さんは…こんな、こんな、思いっきり戦ってみたかったんだよ、僕は! こんな風にさぁ!!」
「わかるだろ、兄さん…僕達は、僕達は戦うために、もう一度…もう一度、生まれ落ちてきたんだぁぁぁ!!」
以上の台詞はLD特典映像『TWIN BLOOD』での台詞。いずれも子安氏の演技が光っている。
「はははは! そうともオメガ!地球侵略はラダムの意思などではない!」
「この俺の意思だ!このテッカマンエビルのな!」
「このままでは終わらせんぞ!貴様の思い通りになど誰がなるか!」
コンプ版にて。もはや物言わぬオメガの躯をランサーで貫きながら、野心と憎しみを増大させてゆく。
「中核たるオメガを失い月は新たな主を求めている!何もかも俺のものだ!」
「月も!地球も!ラダムも!」
「そしてブレード!貴様も!!」
玉座に腰掛けたエビルに無数の触手が伸び、ラダムの新たな主が誕生する・・・。まさかのラスボス化である。
「そうとも!俺はここで生まれた!!」
「この虫ケラ共と一緒に、貴様の細胞の一片からな!!」
「ランスもセイバーも知らぬことだ!俺は不完全体である貴様のスペアとして作られた!」
「俺にはそれが我慢ならなかった!実力でテッカマンの長となった今でも俺は貴様の複製でしかあり得ない!!」
「この飢えは!この渇きは!たとえ全宇宙を手に入れたとしても満たされはしない!」
「すべてを得、すべてを失った俺が最後に求めるもの、それが貴様だ!!」
コンプ版の最終決戦にて明かされたエビルの正体。

スパロボシリーズの名台詞

「どけ、ミユキ! 俺とタカヤ兄さんの邪魔をするな!」
Jにおける決戦時に、ミユキと戦闘するとこの台詞が出る。家族だろうとなんだろうと、この二人の邪魔をすることは出来ない。
「黙れ、女! 俺の心をのぞこうとするな!」
Wの序盤で前述にある通り、兄に対する本心をシホミに見抜かれたときの台詞。
「それまでは俺達の決着も預ける! 今日は楽しかったぞ、ブレード!」
W第16話「閉ざされた二人」にて、ゾンダーのバリアフィールドをヴェルターが突破したことで、共闘を終えての去り際。精神支配によりラダムの尖兵と化したシンヤであるが、この時は皮肉でもなんでもなく、本当に楽しかったのだろう。道を違えた双子の兄と、肩を並べて戦えたことが。
「レイピア……兄として残念に思うよ……お前が完全なテッカマンになれなかったことをね……」
「レイピア…せめてこの兄の手で葬ってやる!テッカマンの姿のままでなぁ!!」
レイピアとの戦闘台詞。実はWでは「そして、終わらない明日へ」のイベント戦闘でしか見られない。他にもいくつかパターンがあるのだが、実際に見られるのは攻撃時のみで、反撃時・被弾時・回避時の台詞は没データとなっている。なお、Jでは真っ向から戦う機会があるので、問題なくすべて見られる。
「紛い物のテッカマンになってまで兄さんを救いたいのか?」
「貴様らがいくらテックシステムを解析したところで我々ラダムの敵ではない!」
「野良犬め…貴様など元より眼中にない!」
上からテッカマンアキ、地球製テッカマン達、デッドへの特殊戦闘台詞。
「さすが兄さんだ……。やっぱり、俺は……かなわなかった……」
「静止した時の二人」にて、一騎打ちを制するとこの台詞が出る。限界を超えた激突はタカヤの勝利に終わったが、シンヤにとってそれは、ある意味わかりきった結果だった。昔から彼は、「タカヤ兄さん」にはかなわなかったのだから……。
「…ありがとう、兄さん。僕と本気で戦ってくれて」
「僕の身体は無理なブラスター化でボロボロだったんだ…」
「だけど、最後に兄さんと全力で戦えて嬉しかったよ…」
Wにて、一定ターン以内(エビルのブラスター化の限界が来る前に)にブラスターエビルを倒した際の会話。全力をぶつけた勝負に敗北し、ようやく彼はすべての頸木から逃れた。
「大丈夫だよ、兄さん…。僕がいる…」
「僕が兄さんのために戦うよ…」
Wにて、エビルとの決着後にラダム母艦へ向かおうとするDボゥイアキを邪魔するかのように現れるラダム獣。時間がない状況で焦るDボゥイのために、シンヤは再び立ち上がる。
「何をしている、兄さん! 早く月へ向かえ!!」
「俺はもう助からない…。だったら、残り少ない生命を兄さんを助けるために使う!!」
「行ってくれ、兄さん! そして、ケンゴ兄さんを止めてくれ! それが俺の願いだ!!」
Dボゥイの制止を振り切り、自らの死を覚悟の上で再びテックセット、単身ラダムに立ち向かうシンヤ。地球に向かおうとするもう一人の兄を止めるため、双子の兄を進ませるべく力を振るう。ようやく和解できたシンヤの最期の雄姿に、Dボゥイラダムへの怒りを爆発させる。
「兄さん…これが俺にできる最後の事だよ…」
「ありがとう、兄さん…」
「そして、ごめんよ…」
月へ向かったブレードを見送り、迫るラダム獣を前に、どこか静かな調子で呟く。そして……。
「さよなら、兄さん…」
別れの言葉とともに最後の一撃を放ち、赤い騎士の戦いは終わりを告げた……。
フラグが成立している場合、実際には描かれないがこの直後にミユキが救援に駆け付け、シンヤからシステムボックスを預かってその最期を看取ることになる。

余談

  • 相羽シンヤ&テッカマンエビルの役を演じていた子安武人氏はインタビューなどで、「放送当時は『天空戦記シュラト』で演じた夜叉王ガイのイメージに振り回され、声優業に行き詰まりを感じていた」「この役を担当していなければ声優を引退することを考えていたけれども、この役を演じた事から自信を取り戻した」と述べ、今でも思い入れの強いキャラであると語っている。