王留美

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王留美
読み ワン・リューミン
外国語表記 Wang LiuMei
登場作品

ガンダムシリーズ

声優 真堂圭
デザイン 高河ゆん(原案)
千葉道徳(クリンナップ)
初登場SRW 第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
SRWでの分類 サポートユニット
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プロフィール
種族 地球人(中国系)
性別
年齢 17歳(1st) → 22歳(2nd)
身長 152 cm(1st) → 161 cm(2nd)
体重 41 kg(1st) → 45 kg(2nd)
髪型 ツインテール(1st) → ロングストレート(2nd)
血液型 O型
所属 ソレスタルビーイング
役職 エージェント
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王留美は『機動戦士ガンダム00』の登場人物。

概要

ソレスタルビーイングのエージェント。

15歳にして名門資産家の王(ワン)家の当主を継いだ、財政界にも顔が利くセレブ。人脈を使いソレスタルビーイング(正確には、その実働部隊であるプトレマイオスチーム。以下、CB)に情報提供や資金援助をしている。

しかし、留美自身は戦争の根絶よりも「世界の変革」を望んでおり、それを求めた理由は、実兄である紅龍が王家を継ぐ器ではないと判断され、望まない当主の座を無理矢理に継がされた為である。結局その動機は、漠然と「人生をやり直したい」という想いが有るだけで、変革の先に明確に何を求めているかは彼女自身にもよく分かっておらず、半ば世界に対する八つ当たりに近い幼稚なものであった。

自己中心的な本質の持ち主であるが故に、政治力に長けている反面、人望は全くといってよい程無く、側近を務め自分を気遣おうとする紅龍や拾って部下として自分の手元に置いていたネーナ・トリニティに対しても、高圧的な振る舞いばかりをしていたようである。一方でCBに対しては最後まで表向きは支援を続けていたため、CB側からはその人間性を理解されず信頼を受けていた。

1stシーズンでは、目的を果たせる為ならばCBと対立している上に無差別的な虐殺も厭わないチームトリニティに協力をする事も有った。2ndシーズンでは以前にも増して変革を望むようになった事で、より過激な手段を取りながら暴走していく事になる。引き続きCBを支援する一方、リボンズ・アルマークや彼への造反を目論むリジェネ・レジェッタにまで協力。さらには大量破壊兵器であるメメントモリ建造への協力や、自らの意にそぐわなくなったCBの情報をアロウズに流す等、紅龍すら不安を漏らす程に、コウモリの様に節操無く勢力という勢力を支援し、渡り歩くようになっていった。その結果、ネーナからも反感を買ってしまい、彼女が自分の意思に反してCBを助ける行動をとらせてしまう事になっており、やがてそれは自らの破滅へとつながっていく事になる。

自らの個人的なエゴの為に支援を行い続けた結果、不興を買ったリボンズからは見捨てられるのと同時に、ネーナからも見限られてしまう事になり、自身を庇って紅龍も命を落とした結果、とうとう全てを失う事になる。その直後、辛うじて刹那・F・セイエイに救われて、彼にヴェーダの所在の情報に託すが、半ば錯乱していた事で追い込まれた自らの状況を分かっていなかった留美は、彼に差し伸べられた救いの手も振り払ってしまい、一人だけシャトルで脱出しようとしたところを、待ち構えていたネーナのガンダムスローネドライの攻撃によって殺害されてしまった。

外伝『機動戦士ガンダム00F』にも登場しており、サポート組織であるフェレシュテの面々にも協力している。

登場作品と役柄

Zシリーズ

第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
初登場作品。原作どおりNPCとして登場。愛称がフルネーム表記。序盤でクロウと会話する場面がある(ただし、目隠しされていた為に彼女の姿を直接見てはいないのだが)。
第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
出番こそ多くないが留美の情報網を通じてZEXISは様々な情報を得ており、原作以上に影響を与えている。ゼロレクイエムルートでは原作通りネーナに襲撃されるも後に皇帝となったルルーシュに助けられていたことが判明する。
最終的にはゼロレクイエムの際に死亡する。だが、その際の死に際は命を助けてもらったルルーシュの役に立ったことに満足してダモクレス要塞と共に果てるので、志半ばで理不尽に死亡した原作に比べればまだ救われている。逆に黒の騎士団ルートではネーナによる襲撃の時点で死亡する。このため、スパロボでも珍しいifルートに進まないことで救済されるキャラとなっている。

単独作品

スーパーロボット大戦X-Ω
サポートユニット。
スーパーロボット大戦DD
序章ワールド3から登場。愛称は「留美」名義。

ステータス

サポートアビリティ

若き王家当主
SSR。装甲大アップ、回避率大ダウン。

人間関係

紅龍
ソレスタルビーイングのエージェント兼ボディガードだが、正体は留美の(腹違いの)兄である。襲撃してきたネーナから妹の留美を庇って死亡する。
プトレマイオスチーム
ソレスタルビーイングの実働部隊で、留美は彼等に情報提供および資金援助を行っている。…のだが、留美は己の欲望の為に彼等を利用していたに過ぎず、彼等が危機に遭ったとしても他人事であった。酷い時は、彼等の位置情報を敵勢力にリークした事もある。
一方、プトレマイオスチームはそんな留美を全く疑う事無く信頼しており、彼女の裏切りに等しい行為も最後まで知る事が無かった。
刹那・F・セイエイ
留美の事情を露知らず、それ故に信頼出来る仲間と思っていたようである。せめて刹那からの救助の申し出を断らなければ、助かったかもしれないが…。尤も、小説版では刹那はこの時無意識に留美の危険性を感知しており、深く引き止めなかった理由の一つとなっている。
ネーナ・トリニティ
1st最終話で留美の部下となったが、最終的には反旗を翻されて引導を渡された。ネーナ曰く留美は「何でも持ってるくせにもっともっと欲しがって、その癖中身は空っぽ」との事。
第2次Z再世篇』でも再現しているが、ゼロレクイエムルートに進んだ場合、留美はルルーシュに救出されて殺害は失敗に終わる。
リボンズ・アルマーク
「世界の変革を見たい」という目的のため、協力することに。しかし、リボンズから内心では「意地汚い小娘」「古き者」と蔑まれており、最終的に彼から見限られてしまう。
リジェネ・レジェッタ
リボンズとの仲が悪くなった後は、彼への造反を目論むリジェネと手を組む。なお、劇中の描写を見ると、リジェネによって留美が利用されている感が強い
先代
文字通り、先代の王家の当主であり、留美の人格が歪んだ最大の要因を作った張本人と言える人物。
留美に対しては王家の財産と権威を守るための道具としか見ておらず、当主としての器が無かった紅龍を見限った際には彼の代わりとして留美を完全な管理下に置き、自身の後継ぎとして反抗を許さない人生を送らせた。
本編開始前に先代が鬼籍に入った今でも留美の記憶にはこの事が残っているようで、小説版にて、その時の回想が語られている。

他作品との人間関係

ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア
第2次Z再世篇』のゼロレクイエムルートでは彼に命を救われる。彼に協力することによって「生きる意味」を見出すことができた点で、留美の心も少しは救われたのかもしれない。
クロウ・ブルースト
第2次Z破界篇』序盤においてソレスタルビーイングの捕虜になった際に留美に尋問されている。
なお、この時のクロウは目隠しされていた為に留美の姿を直接見てはいないのだが、彼女の声だけを聞いて「ベッピンさん」だと察している。

名台詞

1st

「世界が変わって行く…」
第1話より。私設武装組織ソレスタルビーイングによる初の武力介入成功後の留美の感想。この時の彼女は、うっとりとした表情を浮かべている。
一方、そんな留美と打って変って実働部隊であるプトレマイオスチームの面々は「俺達は世界に喧嘩を売った」「世界の悪意が見えるようだ」「悪行」と受け止めていた。
(トリニティのやり方は確かに無謀だわ。しかし、これで世界が変わるというなら…)
第19話。チームトリニティの過激な武力介入に対する見解。この時点で「世界が変わるのならやり方はためらわない」という点が出ている。
「よしなに」
第20話より。プトレマイオスチームとは別にチームトリニティへの援助を申し出た後の彼らへの別れ際の挨拶。月の女王の口癖を連想した視聴者もいたようだ。
「変わらないのなら、壊れてしまってもいいとさえ思う程に」
同上話より。紅龍から「今の世界がお嫌いですか?」と訊かれて、肯定した後に。
「世界を変える機体…ダブルオーガンダム」
第25話より。開発途上のダブルオーガンダムを目にした留美の感想。後に、その機体は文字どおり「世界を変える」事になる。
なお、この留美の台詞を以って『機動戦士ガンダム00』1stシーズンは、幕を閉じることになる。

2nd

「この程度の危機を乗り越えないようでは、意味は無くてよ」
第2話より。留美の味方であるプトレマイオス2の位置情報をイノベイター(を通してアロウズ)にリークして。その上で、留美はプトレマイオス2へアロウズに居場所を知られたことを報告している。
その後、幸いにもプトレマイオス2はダブルオーガンダムの起動等によってアロウズが差し向けてきた討伐部隊の撃退に成功したが、最悪の場合は撃沈も有り得た。故に、彼等の命を弄んだ留美のこの行為はけっして褒められた事ではない。
「イノベイターを欺く為に彼女の能力は必要不可欠」
「あなたでは分不相応なのよ、紅龍。いえ、お兄様」
第6話より。アロウズに襲撃され被害を受けたカタロンへの支援の任務をネーナに任せた理由を尋ねた紅龍への返答。
ボディガードである紅龍が留美の兄であるという事実に驚いた視聴者は多いであろう…が、留美の冷淡過ぎる態度もまた印象に残る。
「あなたは自分で思っているほど、特別な存在じゃないということよ」
第11話より。イノベイターと手を組んだ事を問い詰めてきたネーナに対して、留美が返した返答。
明らかにネーナを軽んじてるような発言であり、元々留美を嫌っていたネーナの反感を強めてしまう。もっとも、上記の発言は留美自身にも見事に当てはまっている。
紅龍「このクーデターが世界を変えることになるのでしょうか?」
「さあ? 終焉の始まりかもしれなくてよ」
紅龍「それをお嬢様はお望みなのですか…?」
第16話。アフリカタワーにてクーデターが発生した件に対して。「世界が変わるのなら何が起きても良い」という留美の幼稚さと浅はかさが垣間見える。
「質問ばかりしてないで自分で考えなさい! あなたがそうだから、私は王家の当主にさせられたのよ!!」
「お兄様に当主としての器が無かったから、私の人生は歪んだ。だから、私は世界の変革を望んだの…!」
「地位や名誉、資産すら引き換えにしても…。そう、私は人生をやり直し私だけの未来を手に入れる」
「最後まで付き合ってもらうわよ、紅龍。…あなたにはその責任があるわ」
第21話より。自分達を裏切ったネーナの襲撃から逃れた後、頼りにならない紅龍に苛立ち[1]をぶつけ、世界の変革を望んだ理由を語っていた。
だが、直後に乱入してきたネーナから「ベッタベタな理由」と吐き捨てられ、銃口を向けられてしまう。
「お兄様!」
普段見下していた実兄・紅龍が留美への刺客であるネーナが放った銃弾から庇って亡くなった際に。
この時、留美は紅龍に対して妹としての情を露わにした。留美の数少ない最も人間味を感じさせる台詞である。
「あなた達とは行けないのよ。求めてるものが違うのだから」
刹那の申し出を拒絶した一言。変革と言うよりも「世界の破壊」を望む点で、ソレスタルビーイングとも相いれるものではなくなっていた。
「ソレスタルビーイングもイノベイターもお兄様の命も捧げて変革は達成される。私は、その先にある素晴らしい未来を…!」
留美の世界変革への望みは、実兄・紅龍の命を犠牲にすることさえも厭わない程の狂気じみたものへとなっていた。
しかし、その直後に現れたネーナによって「そんなものあるわけ無いじゃない」と断じられ、彼女が駆るガンダムスローネドライの砲撃によって留美が乗るシャトルは爆散。
留美は、自身が変革を願った世界と永別したのであった。[2]
小説版では「彼女が別の世界へ行くことによって、世界の変革を達成した」とかなり皮肉が混じった表現となっている。

他媒体

「でも、その新しいマフラー、似合っていてよ、刹那。身だしなみに気をつかう殿方はステキよ」
ニンテンドーDSソフト『機動戦士ガンダム00』より。刹那が着用しているマフラーを評して。
留美は様々な衣服を着こなすだけあって、ファッションを見る目が養われているのだろう。実に、美少女セレブらしいコメントである。
余談だが、上記のソフトにおける留美はプトレマイオスチームに対して概ね友好的な姿勢で、原作と異なり裏切ったりしない。良い改変だと言えよう。

スパロボシリーズの名台詞

「…あれは新たな時代を迎えるには全てが足りない人間でした」
第2次Z再世篇』のゼロレクイエムルートより。皇帝ルルーシュに救助された後、紅龍の死を同情したルルーシュに対して上の台詞で返した。
原作とは異なる経緯でネーナに襲撃されたとはいえ、兄に対しては薄情な発言と言える。
「…覚悟は出来ています。そして、私はもう十分に世界の変革を見せていただきました」
第2次Z再世篇』のゼロレクイエムルートにて、沈み行くダモクレス要塞の中でディートハルトと共に皇帝ルルーシュから要塞と運命を共にするよう言われた際に。
有り体に言えば「死ね」と言われたのに等しいというのに、どこか満足げな態度で顔グラも微笑みを浮かべたものであった。裏切りと理不尽の果てに呆気無く死亡した原作と比べると従容として死に就けた分、だいぶ立派な最期と言える。
ちなみにディートハルトの方はと言えば、ルルーシュの言葉にみっともなく取り乱してばかりで彼女の超然とした態度とは好対照となっている。

余談

  • 1stシーズンでは登場の度に留美の衣装が変化していたが、これらは全てキャラクターデザイン原案の高河ゆん氏が書き下ろしている。
    • ちなみに、1st第1話での留美が初登場時に着ていた中華風ドレスとシニヨンの髪型が、視聴者に特に好評だったようでありファンアートもこの組み合わせが多い。
  • 2ndシーズンにおける留美の容貌は1stシーズンと比較して大人びたものへと変貌していたので、当時の視聴者を驚愕させた。故に、その事を「1stの方が可愛い」としてネタ扱いされる事も有る。
    • 高河ゆん氏は(2ndシーズンにおける)王留美について「お金持ちなのに幸せになれない、という人生を体現したキャラクターである」と評している。

脚注

  1. ただし、紅龍もまた「当主としての器が無い」という王家の先代の一方的な判断および評価によって人生を歪められた人物なので、留美が紅龍を恨むのは筋違いであるとも言えなくもない。
  2. 小説版によれば、すべてを失った状態でも再起できるだけの人脈と交渉術があったようであり、仮に生き延びる事ができれば人生をやり直せる可能性もあった。さらにこのネーナと遭遇したタイミングでも刹那とブシドーが決闘している場へ逃げ込めば乱戦にもつれ込ませて逃げ切る可能性もあったとされている。

資料リンク